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落書き帳

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[90451]2016年4月28日
伊豆之国
[90456]2016年4月30日
伊豆之国

[90451] 2016年 4月 28日(木)22:46:31【2】伊豆之国 さん
市名+市名=駅名
今回の七番勝負・問二の共通項は、「『市名+市名=駅名』となる市名の組み合わせ」でした。
これに該当する駅は85駅(想定解となる組み合わせは87組…理由は後述)あり、五十音順に並べると下記の一覧表のようになります。また、これらの駅について、組み合わせとなる地名の由来を、次のようにグループ分けしたものを、記号で表しています。更に、その駅名が「市名+市名」のタイプになった日と、その理由も示しておきました。

<想定解に該当する駅名>

番号駅名路線所在地タイプ該当となった日理由備考
1安芸津呉線広島県東広島市A21954.8.1安芸市誕生
2安芸中野山陽本線広島市安芸区A2同上同上
3安芸長浜呉線広島県竹原市A21994.10.1駅開業
4阿波池田土讃線徳島県三好市A22005.4.1阿波市誕生
5阿波海南牟岐線徳島県海陽町A2同上同上
6阿波加茂徳島線徳島県東みよし町A2同上同上
7阿波川口土讃線徳島県三好市A2同上同上
8阿波半田徳島線徳島県つるぎ町A2同上同上
9阿波福井牟岐線徳島県阿南市A2同上同上
10伊賀神戸近鉄大阪線・伊賀鉄道三重県伊賀市A22004.11.1伊賀市誕生読み方違い(…かんべ)
11石狩金沢札沼線北海道当別町A21996.9.1石狩市誕生
12石狩沼田留萌本線北海道沼田町A2同上同上
13伊豆大川伊豆急静岡県東伊豆町A22004.4.1伊豆市誕生
14伊豆長岡伊豆箱根鉄道駿豆線静岡県伊豆の国市A2同上同上
15和泉砂川阪和線大阪府泉南市A21958.7.1砂川市誕生
16和泉中央泉北高速鉄道大阪府和泉市B12006.2.20中央市誕生
17和泉鳥取阪和線大阪府阪南市A21963.4.1駅開業
18和泉橋本阪和線大阪府貝塚市A21956.9.1和泉市誕生
19和泉府中阪和線大阪府和泉市A2同上同上
20出雲大東木次線島根県雲南市A21956.4.1大東市誕生
21出雲八代木次線島根県奥出雲町A21941.11.3出雲市誕生読み方違い(…やしろ)
22伊勢柏崎紀勢本線三重県大紀町A21955.1.1宇治山田市が伊勢市に
23伊勢鎌倉名松線三重県津市A2同上同上2009.10.8より災害で運休、2016.3.26復旧・再開
24伊勢川口名松線三重県津市A2同上同上
25伊勢竹原名松線三重県津市A21958.11.3竹原市誕生「伊勢鎌倉」と同様
26伊勢松本近鉄湯ノ山線三重県四日市市A21955.1.1宇治山田市が伊勢市に
27市川大野武蔵野線千葉県市川市C1978.10.2駅開業
28伊那福岡飯田線長野県駒ヶ根市E1954.4.1伊那市誕生
29伊那八幡飯田線長野県飯田市E1977.11.1八幡市(京都府)誕生注1
30伊予大洲予讃線愛媛県大洲市A11955.1.1伊予市誕生
31伊予亀岡予讃線愛媛県今治市A21955.1.1伊予市・亀岡市誕生
32伊予小松予讃線愛媛県西条市A21955.1.1伊予市誕生
33伊予西条予讃線愛媛県西条市A1同上同上
34伊予桜井予讃線愛媛県今治市A21956.9.1桜井市誕生
35伊予立川予讃線愛媛県内子町A21986.3.3駅開業
36伊予長浜予讃線愛媛県大洲市A21955.1.1伊予市誕生
37伊予氷見予讃線愛媛県西条市A21961.6.1駅開業氷見の由来([89248] hmt さん)
38伊予三島予讃線愛媛県四国中央市A21955.1.1伊予市誕生
39越前大野越美北線福井県大野市A12005.10.1越前市誕生
40越前竹原えちぜん鉄道勝山永平寺線福井県永平寺町A2同上同上
41甲斐大和中央本線山梨県甲州市A22004.9.1甲斐市誕生
42加賀笠間北陸本線石川県白山市A21958.5.1笠間市誕生
43鹿児島中央鹿児島本線・九州新幹線鹿児島県鹿児島市B12006.2.20中央市誕生
44鹿島旭鹿島臨海鉄道茨城県鉾田市E1985.3.14駅開業旧鹿島郡旭村
45鹿島大野鹿島臨海鉄道茨城県鹿嶋市E同上同上旧鹿島郡大野村
46川西池田福知山線兵庫県川西市D11954.8.1川西市誕生府県境越え
47岐阜羽島東海道新幹線岐阜県羽島市D21964.10.1駅開業
48郡上八幡長良川鉄道岐阜県郡上市C2004.3.1郡上市誕生旧郡上郡八幡町、読み方違い(…はちまん)
49郡上大和長良川鉄道岐阜県郡上市C同上同上旧郡上郡大和町
50佐世保中央松浦鉄道長崎県佐世保市B12006.2.20中央市誕生
51上越妙高北陸新幹線・えちごトキめき鉄道新潟県上越市D12015.3.14駅名改称(新幹線駅開業)
52新宮中央鹿児島本線福岡県新宮町B32010.3.13駅開業
53関富岡長良川鉄道岐阜県関市C1986.12.11駅開業
54伊達紋別室蘭本線北海道伊達市C1972.4.1伊達市(北海道)誕生
55丹波竹田福知山線兵庫県朝来市A22004.11.1丹波市誕生読み方違い(…たけだ)
56知多半田名鉄河和線愛知県半田市E1970.9.1知多市誕生
57千歳船橋小田急小田原線東京都世田谷区E1958.7.1千歳市誕生旧北多摩郡千歳村
58千葉中央京成千葉線千葉市中央区B12006.2.20中央市誕生
59中央弘前弘南鉄道大鰐線青森県弘前市B2同上同上
60中央前橋上毛電鉄群馬県前橋市B2同上同上
61燕三条上越新幹線・弥彦線新潟県三条市D21982.11.15駅開業燕市との境界線上
62津山口津山線岡山県津山市F1929.4.10山口市誕生切れ目違い(津山/口)
63土佐一宮土讃線高知県高知市A21959.1.1土佐市誕生読み方違い(…いっく)
64土佐大津土讃線高知県高知市A2同上同上
65土佐加茂土讃線高知県佐川町A2同上同上
66土佐佐賀土佐くろしお鉄道中村線高知県黒潮町A21963.12.18駅開業当時は国鉄中村線
67土佐長岡土讃線高知県南国市A21959.1.1土佐市誕生
68戸田小浜山陰本線島根県益田市E1966.10.1戸田市誕生読み方違い(…こはま)、所在町名と隣接町名より
69西海鹿島銚子電鉄千葉県銚子市F2005.4.1西海市誕生読み方違い・切れ目違い(西/海鹿島:にし/あしかじま)
70備前一宮吉備線岡山市北区A21971.4.1備前市誕生
71日向長井日豊本線宮崎県延岡市A21954.11.15長井市誕生
72福島高松日南線宮崎県串間市E1950.1.10駅開業旧南那珂郡福島町、1949.9.15仮乗降場として開業
73豊前川崎日田彦山線福岡県川崎町A21955.4.14宇島市が市制4日後に豊前市に
74豊前松江日豊本線福岡県豊前市A2同上同上読み方違い(…しょうえ)
75碧南中央名鉄三河線愛知県碧南市B12006.2.20中央市誕生
76三郷中央つくばEXP埼玉県三郷市B1同上同上
77みどり中央スカイレール瀬野線広島市安芸区B32006.3.27みどり市誕生「鉄道」と認められるか?([85670])
78美濃太田高山本線・長良川鉄道岐阜県美濃加茂市A21954.4.1美濃市誕生
79美濃松山養老鉄道岐阜県海津市A2同上同上
80美作大崎姫新線岡山県津山市A22006.3.31大崎市誕生
81美作加茂因美線岡山県津山市A22005.3.31美作市誕生
82八千代中央東葉高速鉄道千葉県八千代市B12006.2.20中央市誕生
83大和朝倉近鉄大阪線奈良県桜井市A22006.3.20朝倉市誕生
84大和新庄和歌山線奈良県葛城市A21959.2.1大和市誕生
85横須賀中央京急本線神奈川県横須賀市B12006.2.20中央市誕生

(注1)「伊那八幡」駅…1954.4.1伊那市誕生により該当する駅に、1963.2.10福岡県八幡市消滅でいったん非該当に(この間は読み方違い)。京都府八幡市の市制で再該当

<駅名を構成する市名の組み合わせのタイプ分け>
【A】…「旧国名」絡み
 A1:旧国名+所在市名
 A2:旧国名+所在地または周辺の地名(所在市名でない)
【B】…「中央」絡み
 B1:所在市名+中央
 B2:中央+所在市名
 B3:所在地(市名でない)+中央
【C】…所在市名+所在地または周辺の地名
【D】…所在市名と隣接市名の組み合わせ
 D1:前が所在市名
 D2:後ろが所在市名
【E】…郡名・広域地名・旧地名など、駅の所在市名や旧国名以外に由来する地名を冠したもの
【F】…偶然の一致(切れ目違いなど)

該当する駅名は、上記の85駅ですが、「伊達紋別」については、駅の所在地である「伊達市(北海道)/紋別市」のほかに、伊達市を福島県のほうにしても、この問の趣旨から見て「正答」みなされると思われるため、2つの組み合わせ、ということになります。同様に、「和泉府中」も、「府中」を東京都・広島県どちらとしても正答とみなされるため、結局「正答となる組み合わせ」は87組、ということになります。
この表を見ると、「旧国名」絡みである駅名(【A】グループ)が圧倒的に多いことが一目瞭然です。全体の6割強を占めており、そのうち最多なのは「伊予」の9駅([65870])で、すべて「平成の大合併」以前から該当しており、「大合併」以前は「伊予北条」も「該当する駅」でした。「伊予三島」は、以前はそのものずばり市名でもあり、「市名+市名」=「所在地市名&駅名」という唯一の組み合わせでもありました。「伊予」についで多いのは、「阿波」の6駅で、こちらはすべて「阿波市」発足と同時に仲間入りしたものです。
「和泉」「伊勢」「土佐」がいずれも5駅で続きます。旧「和泉国」内にある「和泉」のつく駅で該当する駅は5駅(平成13年(2001)のさいたま市発足以前は南海「和泉大宮」駅も該当していた)ですが、和泉市内にある「和泉府中」と、市外にある「和泉砂川」「和泉橋本」の両駅(「和泉大宮」も)については、駅の開業(駅名の誕生)が「和泉市」の発足(昭和31年=1956)以前であり、「和泉市」発足後にできた「和泉鳥取」駅(昭和38年開業)も和泉市内にはないため、これらの「和泉」は旧国名と考えられますが、「和泉中央」については、ニュータウンにできた新線の駅で、開業が和泉市ができてからだいぶ経ってからであること、和泉市域のほぼ中央に近いことなどから、「和泉」は旧国名よりも市名に由来するほうが高いものと考え、【B】グループに入れたほうがよいのではないかと思われます。「豊前松江」駅は、現在は豊前市域に入っていますが、「豊前市」発足より10年前にこの駅名になっているので、「結果として豊前市内の駅になった」ということで、この「豊前」は旧国名と見て問題ないでしょう。「安芸」と「大和」は、旧国名と同名の市がその旧国外にあるものです。同様な例に「日高市」がありますが、「日高」のつく駅で該当するものはありません。
「安芸津」については、形式上「安芸(国)+津」とみなして【A】グループに入れましたが、実態としては「安芸津」というひとかたまりの地名ではないかと思うのですが、「ご当地」の方がいらっしゃいますので、その辺の詳しいことをご存知でしたらフォローを…。>ピーくん さん。

「大合併」による新たな「旧国名市」の誕生により「仲間」に入ったものには、「阿波」のほか、「伊賀」「伊豆」「越前」「甲斐」「丹波」「美作」のつく各駅名があります。「飛騨」のつく該当駅もこのときできましたが、後述しますが短期間のうちに該当する駅がなくなっています。

【D】グループの「所在市名+近隣市名」のグループには、4駅ありますが、そのうち3駅が新幹線の駅なのが興味深いところです。ただ、「岐阜羽島」については、分類上このグループに入れたのですが、岐阜羽島駅は岐阜県内唯一の新幹線駅であり、この「岐阜」は、市名よりも県名と見たほうがよいのではないかと思われます。また、合併により両方とも市名が消え、該当しない駅名となった「水沢江刺」(所在地は旧水沢市)も、この【D】グループでした。一方、このグループで唯一新幹線の駅でない「川西池田」は、明治26年(1893)に「摂津鉄道」(のちに「阪鶴鉄道」)という私鉄の駅として開業した当時は「池田」という駅名でした。しかし、駅は当時から現在の兵庫県川西市域にあり、「池田」は猪名川を挟んだ対岸の大阪府の地名(現在の池田市)で、「県境を越境した駅名」だったのでした。現在の「川西池田」に改称されたのは、戦後の昭和26年(1951)で、大阪近郊の住宅地として発展してきた川西市(当時は「川西町」)の顔を立てたものと思われますが、それ以前に明治43年に現在の阪急宝塚線「池田」駅が、前身である「箕面有馬電気軌道」の駅として開業しており、猪名川を挟んで国鉄と阪急のそれぞれの「池田」駅がお互いに離れた場所にあった、という時代が長らく続いたのでした。池田市の中心駅(代表駅)は、市制以前から阪急の池田駅であり、川西市の中心駅も、以前の福知山線の状況から見て、阪急の「川西能勢口」駅(昭和40年以前は「能勢口」駅)であったと見られ、福知山線が複線電化され、JRになってから大増発された現在でも、能勢電鉄との乗換駅(梅田からの直通特急も運行されている)でもある「川西能勢口」駅が「川西池田」駅を乗降客数でもまだ大きく上回っているようです。…>川西市ゆかりのぺとぺと さん。([89886],[53070])

現在では「市名+○○」の形になっている、「郡上」のつく2駅は、市制以前の「郡上郡」の名をとったものと思われます。このような(旧)郡名に由来する駅名には、飯田線の「伊那○○」、鹿島臨海の「鹿島○○」、名鉄河和線の「知多半田」があります。ただ、「知多半田」(「半田」は駅の所在市名でもありますが)駅は「知多鉄道」によって開業した駅であり、同じ線にある「知多武豊」駅と同様、社名を冠して、既に開業していた国鉄武豊線の駅名と区別する意味もあったように思われます。(類例-旧「三河鉄道」の路線に多い「三河○○」駅…[83505] k_ito さん)
「中央市」の誕生と同時に「該当する駅名」となった駅が多い「中央」絡みの駅は、近年になって増加したタイプの駅名ですが、「中央前橋」と「横須賀中央」は戦前派で、共に路線開業時からの駅名です。

「大昔」に消滅した旧町村名をいまだに冠している駅名もあります。小田急の「千歳船橋」駅は、昭和2年(1927)の開業当時は「東京府北多摩郡千歳村大字船橋」だったことから、総武線の「船橋」駅との区別もあって、当時の村名を冠したものと思われます(旧国名の「武蔵」にしなかった理由はよくわからないのですが)。千歳村は、9年後の昭和11年に当時の「東京市世田谷区」に合併されて地名が消滅しましたが、それから90年近くを経た現在でも、京王線の「千歳烏山」駅と共に、当時の村名を受け継いでいます。日南線の「福島高松」駅([65843])は、隣にある「福島今町」駅と共に、駅ができた当時は「南那珂郡福島町」だったことに由来すると見られます(「串間」駅も元は「福島仲町」駅でした)。福島町は、昭和29年に新設合併で現在の「串間市」になりましたが、「福島」は古くは「櫛間」と呼ばれており、また「串間」という苗字も宮崎県に多数存在している(全国に約1800人、その約6割が宮崎県に集中)ので、「串間」という書き方もおそらく古くから存在しており、市制施行に当たって、いわば「昔の名前に戻った」ということなのでしょうか。

「市名+市名」駅名になった期日が最も早い現存の駅(駅名)は、おそらく「津山口」駅と思われます。「区切り方違い」になっているこの駅は、昭和4年(1929)の山口市の市制以来、80年以上の間このタイプの駅名になっていることになります。これに次ぐのは、やはり戦前の昭和16年からこのタイプになっている、こちらは「読み方違い」の「出雲八代」駅で、「戦前派」はどうやらこの2駅のみのようです。戦後にこのタイプになった駅で最も早いのは、開業した時点でこのタイプの駅名になった日南線の「福島高松」駅と思われます。一方、一番新しくこのタイプになった駅は、昨年3月の北陸新幹線(長野~金沢)の開業と同時に誕生(旧信越本線「脇野田」駅を移設改称、在来線は「えちごトキめき鉄道」に転換)した「上越妙高」駅です。
駅名が「市名+市名」タイプになった理由で最も多いのは、「片方がもともと市名と同名(所在市名であるものとそうでないものがある)で、もう一方が市名と同じになった」ことによるものですが、「伊予亀岡」駅は伊予市と亀岡市が同日に市になったために「該当する駅名」になった、現存唯一の例です。「伊那八幡」駅は、いったん非該当となった後、再び該当する駅名となった、これも現存唯一の例となっています。新線・新駅の開業によって「該当する駅名」になった駅は「岐阜羽島」など13駅、駅名の改称によるものは「上越妙高」のみですが、これも前述しましたが新幹線開業による「実質新駅」といえるかもしれません。

「過去には『市名+市名』タイプの駅名だった」のが、駅の廃止・駅名改称・駅名に含まれていた市名の消滅によって現在は存在しない、あるいは該当しなくなった駅もあります。これについては、次回に書き込むことにします。
[90456] 2016年 4月 30日(土)21:20:32【1】伊豆之国 さん
市名+市名=駅名(過去編)
前回([90451])、現存する「市名+市名=駅名」駅についていろいろと考察をしてまいりましたが、今回は「消滅した『市名+市名』駅についてのお話をすることにします。

過去に存在していた「市名+市名=駅名」駅も数多くありました。このような駅には、【a】路線廃止により駅自体がなくなったもの、【b】駅名改称によって該当しなくなったもの、【c】駅名に含まれていた市名(と同じ字)が、市名の消滅によって現在では「該当しない駅名」になったもの、があります。

【a】の路線廃止によって消滅した、「市名+市名=駅名」タイプになっていた駅には、最近では平成15年(2003)の可部線非電化区間(可部以北)の廃線によって消えた「安芸亀山」や、平成20年末に全線廃線(実際には災害によりその3年余り前から長期運休)となった高千穂鉄道にあった「日向八戸(やと)」(読み方違い)などがあります。もっと前、「落書き帳紀元前」まで遡ると、廃止直前時点で「該当する駅」になっていた駅には、「北見相生」(国鉄相生線・北海道、昭和60年(1985)廃線)、「加賀八幡」(北陸鉄道小松線・石川県、昭和61年廃線)、「加賀佐野」・「加賀福岡」(北陸鉄道能美線・石川県、昭和55年廃線)、「伊勢八王子」(近鉄八王子線・三重県、昭和51年部分廃線により駅廃止)、「出雲高松」(国鉄大社線・島根県、平成2年廃線)、「筑後大川」(国鉄佐賀線・福岡県、昭和62年廃線)、「筑後福島」(国鉄矢部線・福岡県、昭和60年廃線)などがありました。

【b】タイプでは、昭和61年12月の越美南線の長良川鉄道への転換と同時に改称された、「美濃関」(→「関」)と「美濃山田」(→「山田」…その後「山田市」の市名も消滅)や、同年4月の甘木線の甘木鉄道への転換と同時に現在地に移転・改称された「筑後小郡」(→「小郡」)駅は、第三セクター転換に伴う「旧国名外し」であることが共通しています。このほかには、所在地の市名に合わせて改称された山陰本線「出雲今市」(→出雲市)と近鉄「伊勢神戸(かんべ)」(読み方違い、→鈴鹿市)があります。
なお、国鉄能登線(石川県)には「珠洲飯田」という駅があり、昭和63年の「のと鉄道」への転換時に「飯田」に改称されましたが、既に11年前に廃線になっています。廃線後の飯田駅…ここに出ている写真は最新で7年前のものなので、おそらく現在ではさらに荒廃が進んで既に朽ち果てているのでしょうか?

【c】タイプの「市名消滅によって「該当しない駅名になった」もののうち、「平成の大合併」によって市名が消滅したことによって「該当しない駅」になったものには、「山田市」が消えたことによる「宇治山田」(近鉄山田線…[88782] hmt さん 他)・「土佐山田」(土讃線)や、「上野市」が消えたことによる「伊勢上野」(伊勢鉄道)、それに前出の「伊予北条」「和泉大宮」「水沢江刺」などがあります。「甲斐上野」駅(身延線)は、平成16年(2004)9月1日の「甲斐市」発足で「該当する駅」となりましたが、その2ヵ月後の11月1日に「上野市」が消えて「伊賀市」になったため、わずか2ヶ月間だけの「該当する駅」だったのでした。また、「飛騨古川」駅〈高山本線)は、平成16年2月1日の飛騨市発足で「該当する駅」になりましたが、その2年2ヶ月後、18年の3月末に古川市が消滅したため、「該当しない駅」になっています。
こちらもさらに遡ると、昭和63年の仙台市との合併により消滅した「泉市」が存在していた時期には、南海電鉄の「泉大津」と「泉佐野」が該当していました。この両駅は、「泉市」が存在していた時期にはいずれも前述した「伊予三島」と同じく、「市名+市名=所在地市名&駅名」というタイプの駅名であったのでした。かつてこれらの駅と同じタイプだった、現存している駅には、このほかに「高田市」があった頃の「大和高田」(近鉄大阪線)、「河内市」があった頃の「河内長野」(南海高野線・近鉄長野線)があり、また「宇治山田」駅は、「山田市」が市制施行した昭和29年4月1日から、「宇治山田市」の市名が消滅して「伊勢市」になった翌年の元日までの9ヶ月間だけ、このタイプの駅名になっていたのでした。
「市名=駅名」ではありませんが、このほかに「市名消滅によって該当しなくなった」現存する駅には、「河内松原」(近鉄南大阪線)、「大和西大寺」(近鉄奈良線)、「伊勢若松」(近鉄名古屋線)、「美濃高田」(養老鉄道…「該当していた」当時は近鉄養老線)、「磐城石川」「磐城守山」(水郡線…両方とも消滅市名の組み合わせ。「守山市」は愛知県にあった「初代」)などがあります。
「八幡」が絡む駅は、「初代」の消滅から「2代目」の誕生までの14年余りの「空白」が微妙な「綾」となって、複雑になっています。「加賀八幡」駅は、現役の「伊那八幡」と同様、「初代消滅でいったん非該当に→2代目誕生で再度該当」という経緯をたどっていたのでした。
このタイプで(私が知る範囲では)唯一現存しない、国鉄士幌線にあった「黒石平」駅は、平市の消滅で非該当駅名となった後、国鉄民営化の直前に士幌線が廃線となって駅自体も消滅しています。蛇足になりますが、この「黒石平」駅、全国版の時刻表では「上り・下り列車とも停車」することになっていたのですが、実際には駅の前後の勾配の関係などで、上り列車はすべて通過し、近くにできた「電力所前」という「仮乗降場」(現役時代の写真)に停車しており、道内版の時刻表ではこのような実際の運行通りに記載されていました。

これらの「消滅した『市名+市名』駅名」について、上記以外のものも含めて、グループ別にそれぞれまとめた表を掲げておきます。なお、駅名の配列は順不同になっており、駅の所在地は便宜上現在の自治体名としています。

【a】路線または駅の廃止により消滅した「市名+市名」駅

駅名路線名所在地該当となった日理由廃止日備考
安芸亀山可部線広島市安佐北区1954.10.1亀山市誕生2003.12.1可部以北が廃止
日向八戸高千穂鉄道宮崎県日之影町1954.11.15日向市誕生2008.12.282005.9.6より災害で運休。開業時は国鉄日ノ影線。読み方違い(…やと)
伊勢八王子近鉄八王子線三重県四日市市1955.1.1宇治山田市が伊勢市に1976.4.1西日野以西が廃止(1974.7.25より水害で運休)。八王子線の残部は現「四日市あすなろう鉄道」に
出雲高松大社線島根県出雲市1941.11.3出雲市誕生1990.4.1
加賀八幡北陸鉄道小松線石川県小松市1977.11.1八幡市(京都府)誕生1986.6.1(注1)
加賀佐野北陸鉄道能美線石川県能美市1958.1.1加賀市誕生1980.9.14参考HP
加賀福岡同上同上同上同上同上同上
筑後大川佐賀線福岡県大川市1954.4.1筑後市・大川市誕生1987.3.28
筑後福島矢部線福岡県八女市1954.4.1筑後市誕生1985.4.1
郡山八幡山野線鹿児島県伊佐市1977.11.1八幡市(京都府)誕生1988.2.1読み方違い(…はちまん)。駅開業は福岡県八幡市消滅後
北見相生相生線北海道津別町1942.10.1相生市誕生1985.4.1
美濃福岡北恵那鉄道岐阜県中津川市1954.4.1美濃市誕生1978.9.18

(注1)1958.1.1加賀市誕生によりいったん該当、1963.2.10福岡県八幡市消滅により非該当に(この間読み方違い)。京都府八幡市の誕生で再該当に

【b】駅名改称によって「市名+市名」駅に該当しなくなった駅名

駅名路線名所在地該当となった日理由該当しなくなった日理由備考
美濃関越美南線岐阜県関市1954.4.1美濃市誕生1986.12.11現駅名「関」に改称長良川鉄道への転換と同時
美濃山田同上岐阜県郡上市1954.4.1美濃市・山田市誕生同上現駅名「山田」に改称同上。その後山田市も消滅
筑後小郡甘木線福岡県小郡市1972.4.1小郡市誕生1986.4.1現在地に移転、同時に現駅名「小郡」に改称甘木鉄道への転換と同時
伊勢神戸近鉄神戸線三重県鈴鹿市1955.1.1宇治山田市が伊勢市に1963.4.8現駅名「鈴鹿市」に改称読み方違い(…かんべ)。神戸線も同日に「鈴鹿線」に改称。
出雲今市山陰本線島根県出雲市1954.3.31今市市誕生1957.4.1現駅名「出雲市」に改称その後今市市も消滅
珠洲飯田能登線石川県珠洲市1964.9.21駅開業1988.3.25「飯田」に改称のと鉄道への転換と同時。能登線も2005.4.1に廃線

【c】駅名の一部になっていた市名の消滅によって「市名+市名」駅に該当しなくなった駅名

駅名路線名所在地該当となった日理由該当しなくなった日理由備考
宇治山田近鉄山田線三重県伊勢市1954.4.1山田市誕生2006.3.27山田市消滅宇治山田市消滅(1955.1.1)以前は「市名+市名=駅名&所在地市名」
土佐山田土讃線高知県香美市1959.1.1土佐市誕生同上同上
伊勢上野伊勢鉄道三重県津市1987.3.27駅開業2004.11.1上野市消滅
伊予北条予讃線愛媛県松山市1958.11.1北条市誕生2005.1.1北条市消滅
和泉大宮南海本線大阪府岸和田市1956.9.1和泉市誕生2001.5.1大宮市消滅
泉大津同上大阪府泉大津市1971.11.1泉市誕生1988.3.1泉市消滅「市名+市名=駅名&所在地市名」
泉佐野同上大阪府泉佐野市同上同上同上同上「市名+市名=駅名&所在地市名」
水沢江刺東北新幹線岩手県奥州市1985.3.14駅開業2006.2.20水沢市・江刺市消滅
甲斐上野身延線山梨県市川三郷町2004.9.1甲斐市誕生2004.11.1上野市消滅
飛騨古川高山本線岐阜県飛騨市2004.2.1飛騨市誕生2006.3.31古川市消滅
大和高田近鉄大阪線奈良県大和高田市1959.2.1大和市誕生1971.4.29高田市消滅「市名+市名=駅名&所在地市名」
大和西大寺近鉄奈良線奈良県奈良市同上同上1969.2.18西大寺市消滅
河内長野南海高野線・近鉄長野線大阪府河内長野市1955.1.15河内市誕生1967.2.1河内市消滅「市名+市名=駅名&所在地市名」
河内松原近鉄南大阪線大阪府松原市1955.2.1松原市誕生同上同上
河内国分近鉄大阪線大阪府柏原市1955.2.1国分市誕生同上同上その後国分市も消滅
八幡平花輪線秋田県鹿角市1957.4.1「小豆沢」駅を改称1963.2.10.八幡市(福岡県)消滅読み方違い(はちまんたい)。その後平市も消滅。京都府八幡市誕生は平市消滅後
大川平津軽線青森県今別町1958.10.21駅開業1966.10.1平市消滅読み方違い(…だい)
磐城石川水郡線福島県石川町1954.3.31磐城市誕生1966.10.1磐城市消滅その後石川市も消滅
磐城太田常磐線福島県南相馬市1954.3.31同上同上同上
磐城守山水郡線福島県郡山市1954.6.1守山市(愛知県)誕生1963.2.15守山市(愛知県)消滅その後磐城市も消滅。滋賀県守山市の誕生は磐城市消滅後
美濃高田近鉄養老線岐阜県養老町1954.4.1美濃市誕生1971.4.29高田市消滅近鉄養老線は現・養老鉄道
伊勢若松近鉄名古屋線三重県鈴鹿市1955.1.1宇治山田市が伊勢市に1963.2.10若松市(福岡県)消滅福島県若松市の消滅は伊勢市誕生と同日
黒石平士幌線北海道上士幌町1956.12.25駅開業1966.10.1平市消滅士幌線は1987.3.23廃線。読み方違い(…だいら)

やはり、「過去の該当駅」も、現役のと同様、「旧国名市絡み」が圧倒的に多い傾向は同じようです。
…まだまだほかにもありそうな気がしますが、調べきっていないので、ご存知の型は遠慮なくどうぞ。
♯消滅市が絡む「石川」「清水」「中村」関係など、見つかりそうで案外なかったようでした。「平」絡みなども、1文字だけに検索が面倒で、うまく行きません…。

お題でNGとされた「函館市/北斗市」のペアは、「新函館北斗」の駅名の頭にある「新」が「余分」になっているからで、これに類する駅名としては、「大阪狭山市」(←これは本当に惜しい!!…南海高野線)、「中野富士見町」(東京メトロ丸の内線(方南町支線))、「和泉多摩川」(小田急)、「伊豆急下田」(伊豆急)などがあります。
現在、あるいは過去のある時点で「市名+市名」となっているような組み合わせになっていても、駅(駅名)が存在していた時期と、市が共に存在していた時期がずれていて、駅名が「市名+市名」になっているような時期が存在していなかった、といったケースも、調べているうちに結構見つかりました。駅の所在地である上野市が新設合併で伊賀市になったため「ほんの一瞬のすれ違い」になった「伊賀上野」(関西本線)のような例もありました。


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