[46155] TN さん
はたして現地音に近いのかな?
少なくとも,「漢城:han4-cheng2(ハンチョン)」よりは近い,とは言えそうです。
ここでも少し前に話題になっていたかと思いますが,
もともと「首爾」という表記を提唱したのは韓国側のソウル市長でした。
「首都」という字義を残しつつ「ソウル」に近い音の漢字表記を探して「首爾」という文字が選ばれたのだそうです。
しかし,この表記について中国側は甚だ消極的で,提唱以来10ヵ月を経てようやく受け入れたものであるようです。
以後は「首爾」で定着するのでしょうかね。
それより,北京政府の支配の及ばない台湾(中華民国)や東南アジアの華人社会ではどうなのでしょう。
(もしかしたら,以前にも書いたかもしれませんが,日帝三十五年=日本の植民地支配の象徴とも言われて現代の韓国では忌避される「京城」の出所は,いったいどこなんでしょう。)
日本の場合は幸いなことに,天皇の詔勅による“正式名称”を「平安京」と呼ぶはずの都市について,その後に定着した呼称が“漢語系”の「京都:きょうと」(奈良時代に「正式」とされた“漢音読み”の「けいと」ではなく,慣用的な“呉音読み”ですが)であったのでさほど問題にはならないのですが,これが「ソウル」の場合のように“固有語系”の「みやこ」が定着してしまっていて,しかも“固有語”を漢字にあてはめて“訓読み”を行う(「都」と書いて「みやこ」と訓で読む)習慣が成立していなかったら,つまり「みやこ」を漢字で書く方法が成立していなかったとしたらどのようになっていたことか。
実際,16~17世紀のヨーロッパではキリシタン文書経由で,たとえば Meaco(メアーコ) のような表記の方が行われていたようです。
“首都”ないしは“旧都”という字義を残しつつ,「みやこ」に近い音の中国語表記をするとしたら,どのような文字があるのでしょうね。