[7513]YSKさん
>三芳町の地図を見ながらこの文章を書いていますが、、上富地区、北永井地区、そして東の藤久保地区と続く短冊状の地割に・・・
毎度我が故郷に注目して頂きまして、有難うございます。「短冊状の地割」に目を付けるところなど、さすが「地域マニア」を自認されるだけありますね。
http://www.pref.saitama.jp/A02/BH00/santome/santome2.htm(航空写真あり)
>役場南東の川越街道沿いに事業所が集積していますが、いわゆる工業団地・流通団地のような性格の場所なのでしょうか?
ご推察されますとおり、小規模ながら工業団地を形成しております。(川越・狭山、草加・八潮の工業団地には遠く及びません)
三芳町は、15歳以上人口の町外への通勤・通学流出が人口総数の4割、そのうちの5割が東京へ(人口総数の2割)という東京のベッドタウン的性格と上記工業団地等による生産流通機能を持つ町です。よって、昼夜間人口比率も比較的高いです。(YSKさんのご専門ですね)
有名どころを挙げますと
・大日本印刷
・銀座木村屋総本店(木村屋パン)
・T&K TOKA(旧東華色素)
・大崎電気
といった大工場があり、その他中小工場、物流倉庫などです。やや離れた役場北部にある、角田鉄工、上富の昭和鋼機所沢工場なども比較的大きな工場です。これらの工場は、昭和30年代の高度経済成長の時代のなかで、三芳村(当時)が取り残されまいと1959(昭和34)年に制定した「工場誘致条例」によるもので、その間順調に工場が増加したのですが、1963(昭和38)年には一挙に16もの工場誘致が決定したそうです。
三芳町がなんとか交付税不交付団体でいられるのは、これらの事業所からの税収によるところが大きかったのです。過去形で書きましたが、現在の社会情勢等により税収が落ち込んでいることもあり安穏としていられないのも現状です。財政力指数は年々下降し、まもなく1.0を割りそうな感じです。そして、交付税が不交付といえども、実際には一部を地方債(借金)で賄っているのが現状です。
ところで、端から見ると裕福に見える三芳町ですが
・小さめの区画整理事業(みよし台・竹間沢東)
・公共下水道の普及率を高めたこと
・新庁舎・文化会館建設(建設費 新庁舎45億円 文化会館18億円)
上記事業は完了し一定の基盤は整いましたが、
・幹線道路の歩道未整備
・住宅街の道路は狭隘
・県道沿いの商業集積は貧弱
・都市公園面積も小さい
ということで、町民の不満は結構あります。
新庁舎・文化会館建設はバブル期の遺産的計画なので、今もって批判があるのも事実です。
また、虫食い住宅地の間に残る畑地を区画整理し市街化する、といった事も藤久保地内では始まっておりますが、このご時世ですので進捗は鈍化しております。この畑は環境面で言えば残しておいた方が良いですが、季節風の強い冬季の砂塵の飛散や肥料散布時の臭気による苦情などもあるので、一概には論じることのできない部分ではあります。
念のため載せておきます。
項目 | 富士見市 | 上福岡市 | 大井町 | 三芳町 |
面積 | 19.70km2 | 6.81km2 | 7.86km2 | 15.30km2 |
人口* | 103,157人 | 54,367人 | 45,270人 | 35,128人 |
高齢人口比率 | 11.8% | 15.7% | 10.0% | 11.5% |
世帯数* | 40,055世帯 | 22,640世帯 | 16,710世帯 | 12,587世帯 |
人口密度*1km2当たり | 5,236.3人 | 7983.4人 | 5,759.5人 | 2,296.0人 |
財政力指数 | 0.620 | 0.704 | 0.757 | 1.004 |
昼夜間人口比率◆ | 64.34% | 72.52% | 77.74% | 98.83% |
人口1人当たり公園面積 | 2.31m2 | 1.40m2 | 1.29m2 | 0.40m2 |
下水道普及率 | 85.4% | 97.0% | 82.0% | 94.2% |
*平成13年3月末現在 ◆平成7年国勢調査
出典:富士見市・上福岡市・大井町・三芳町合併協議会HP2市2町タウンデータ より調整
こちらもまた、鋭い洞察をされておりますので、ご参考にどうぞ。
[3461]でるでる さん
>ある程度の伐採はあったとしても、周囲の雑木林の景観を生かし、敷地内に緑を豊富にするなどの工夫が必要ということでしょうか?
いまいちイメージが湧きにくいと思いますが、これを手助けするものとしてワイドミリオン全埼玉1:10,000地図を推奨致します。このシリーズはかなり正確に樹林地を表記してますので、機会があったらご覧になってみて下さい。役場関連施設はこの地区の雑木林を大きく伐採して造成されたことが解るかと思います。
なお、現地は申し訳程度に樹木が残されています。景観に配慮するという観点ならば、もう少し低層(2~3階)にし、意匠を凝らせば、雑木に隠れて周囲とマッチしていたかもしれませんですね。
>「環境を保全したほうが、破壊するより得」と思わせるような施策が必要ですね。
この町は、川越街道を境に西部のいわゆる旧住民と東部の新住民に大雑把に二分されますが、新住民居住の東部に平地林が僅かしか残されていない事も、いまいち保存に対する理解が得られにくい要因かと考えます。ですので、
>所沢市のくぬぎ山地域の緑地保全・再生のための基本方針がまとまったという報道がされました。
>樹木の伐採を厳しく規制する、産業廃棄物処理施設跡地における樹林の再生を進める、都市森林公園への指定を検討する・・・
「くぬぎ山」がクローズアップされたことを好機と捉え、これら行政の取り組みだけでなく住民側が進んでヤマの落ち葉掃き・下草刈り・間伐・植林などの体験を通じて保存・再生に努めるとか、グリーンレンジャーなどの案内員を置いて観察会をするとか、そういったことからこつこつ始めるしかないのかな、という気がしております。
「くぬぎ山」は川越・狭山・所沢・三芳に跨る1平方キロ強の平地林ですが、希少種オオタカなども生息しているという場所でして、その内部は昼なお暗く、富士の樹海のごとく迷子になりそうな、一人で行くには勇気のいる場所です(汗)。