都道府県市区町村
落書き帳

��E�t���[���C�h�Ƃ́H�\�\�s���������̔w�i��؂���\�\

… スポンサーリンク …


[41264] 2005年 5月 17日(火)06:51:19【1】88 さん
市町村合併と公共財のフリーライド(フリーライダー)について
この件は、過去に話題になっていないようですので・・・。

広島市と安芸郡府中町の合併の話題がありましたが、そもそも、市町村合併には経済学でいうところの公共財の「フリーライダー」問題が根底にあるのではないのでしょうか? 合併協議会でもこの話題はまず出ないでしょう。大都市と周辺部の小規模の市町村との合併の場合(事実上の吸収合併の場合)、大都市側の「ホンネ」でしょうから。
簡単に説明をします。盛岡市と滝沢村の例とします。他意はありませんが、他のケースも同じようなものではないでしょうか。少し誇張して書きますがイメージが沸くと思います。
滝沢村は、もともとは第一次産業中心の地域でしたが、隣の盛岡市から近く、通勤が便利であることもあって、ベッドタウン化し、「新住民」が増えました。昼夜間人口比率でも自明です。サラリーマンは盛岡市へ通勤し、昼食も宴会も盛岡市でします。学生も盛岡市の高校・大学へ通うことが多いです。日々の買い物も、品揃えが豊富な盛岡市のスーパーで済ませます。車で20分もあれば行けます。土・日も、コンサート・美術館・遊園地・大型スーパー・カラオケ・テニス・公園の散策・映画など、やはり盛岡市内です。店も多く・大きく、品揃えも豊富。立派な施設もあります。滝沢村内よりも便利なため、村では寝るだけの生活です。
その結果、盛岡市は、文化施設を作り、交通量が多いのでせっせと道路も整備しなくてはなりません。維持費もかかり、人件費もかかります。一方、滝沢村は、最低限の道路などさえあれば、住民の多くは実質的に盛岡市内で生活していますので、さほど公共施設を整備する必要はありません。
税金(直接税)についてですが、滝沢村の住民は、住民税(村民税)はもちろん村へ払います。しかし、盛岡市に対しては、市民税は払いません(所得税は国税ですので、直接国へ行きます・・地方交付税や国庫補助金を通じて地方へ一部は戻ってきますが、その配分は中央政府側に主導権があります。)。マイホームの固定資産税も然りです。その結果、滝沢村は財政的に余裕があり、福祉など他のサービスを充実させることができます。ですから、盛岡市との合併は、財政的には必要ありません。一方、盛岡市は、たくさん日々流入して来る滝沢村民のために、道路、文化施設を、盛岡市民の払う市民税で賄わなくてはなりません。

公共財(道路、公園、文化施設など)の性格上、利用者を意図的に選別したり、制限したりすることができません。こうした特性があるのが、「公共財」です。これを悪用し、他市町村の住民が費用を負担することなしこれを利用することは「フリーライド(ただ乗り)」と呼ばれ、このフリーライドする人々を「フリーライダー」といいます。滝沢村の住民は、盛岡市の公共財に「フリーライド(ただのり)」していることになります。

税金で賄われる「公共財」である以上、公正な負担と供給を実現するために、極力、この「フリーライド」「フリーライダー」を抑えることも必要です。そのための方策のひとつが、たとえば税の直間比率の見直し(直接税である所得税・住民税・固定資産税などの比率を低くし、日々の財の取引に伴う間接税の比率を高める)であったり、「市町村合併」でもあるのではないでしょうか。

経済学用語ですが、よろしければ「公共財」「フリーライド」(「フリーライダー」)でネットで検索してみてください。

誇張して書きましたが、合併に対してこういう観点も面白いと思います。


追伸:古い過去ログですが、[8805] ken さんの
「30分で役場に行ける範囲」を一自治体とする
明治の大合併は、徒歩で
昭和の大合併は、自転車で
平成の大合併は、自動車で
(同様に、[4388] G さん の書き込みも)
参考になるかと思います。

#一部訂正、補足
[41336] 2005年 5月 18日(水)21:00:01【1】inakanomozart さん
地方税
[41264] 2005年 5月 17日(火) 06:51:19  88さん
その結果、盛岡市は、文化施設を作り、交通量が多いのでせっせと道路も整備しなくてはなりません。
一方、滝沢村は、最低限の道路などさえあれば、住民の多くは実質的に盛岡市内で生活していますので、さほど公共施設を整備する必要はありません。
このようなことを緩和するため「事業所税」が75年に創設されています。(「事業税」とはまったく別のものです。)
この税は、都市環境の整備および改善に関する事業に要する費用に充てるための目的税ですが、課税できるのは、原則として
人口30万人以上の都市に限定されているため、例にされた盛岡市は、現時点では残念ながら課税権がありません。
人口30万人以上という条件は、もう少し別のものに変えた方がいいのかもしれませんが、人口以外にそれを求めるのは煩雑となり現実的ではないのかも知れません。

[41225] 2005年 5月 15日(日) 22:18:19 がんす横丁ままさん
広島市民税が、府中町民税より安くなったら、考えも変わられるのではないでしょうか。
個人の住民税でしたら、広島市も府中町も標準税率で、同じではないでしょうか。
[41343] 2005年 5月 18日(水)23:43:3688 さん
事業所税・公共財フリーライダー
[41336] inakanomozart さん
このようなことを緩和するため「事業所税」が75年に創設されています。(「事業税」とはまったく別のものです。)
ありがとうございました。恥ずかしながら、私、この「事業所税」の存在を知りませんでした。参考までに、総務省のHP「事業所税の概要」を、皆様に紹介します。

HPを検索していますと、福岡県の志免町・宇美町・須恵町合併問題任意協議会のHPの中に、公共財・フリーライダーについての言及がありました。第2回会議(平成15年(2003年)8月29日、志免町役場)のときの、九州産業大学商学部教授内野順雄氏による「市町村合併について考える」の講演会の資料のようです。

長文ですが、一部抜粋させていただきます。
4.地方行政の構造改革-受益と負担の一致
 50年前の地域社会には、ほとんどの家庭で電話、テレビ、車もなく、隣の市町村までの道も改良や舗装もされず、時間的距離感は今とは随分異なっていた。自転車や徒歩で隣の市町村まで行って帰るだけで半日仕事であったにちがいない。今では買い物や食事、通勤、通学のため近隣市町村に出かけることは日常茶飯事である。市町村の境界は住民生活にとって意味がなくなり、住民の生活行動圏は大きく広がっている。
 こうした状況のなか、現在の狭域な市町村体制では、次の2つの問題が発生している。
 第1に、公共サービスの受益の範囲が納税される市町村の枠を越えて広がっており「受益と負担の関係」が崩れてしまっていることである。受益と負担の範囲が一致しなければ、住民の選択と負担によるシステムも成り立たない。またフリーライダーつまりただ乗りが登場することにより、納税しない受益者が発生する。たとえば病院、体育館、図書館等の広域的施設や道路の利用、廃棄物の処理等において問題が顕在化してきている。市町村の行政規模の拡大は、受益と負担の一致という観点からは不可避である。
 第2に、行政区域が地域の生活圏・経済圏を分断することにより、住民の生活向上という視点から必要となる「広域的な行政サービス」の提供も妨げられることとなっている。例えば道路整備をとっても、市町村境界を跨いだ整備により、生活実態に合った住民の利便性の向上が必要である。

この抜粋部分の住民の生活行動圏などについては、私が[41264]で転載させていただいた、[8805] ken さん、[4388] G さん の書き込みと同様のことを述べているようです。

極論を恐れずにいえば、そのひとつの自治体の中で、大多数の住民が、日々の生活(寝起き・仕事・学校・買物・スポーツ・文化活動・レジャー)を完結できるような自治体は、あまり存在しないのではないでしょうか。これだけ公共交通機関が発展した都市部や、自家用車がなければ日々の移動にも難儀する地方都市・町村ともにです。もちろん、「向こう三軒両隣」のコミュニケーションは必要ですし、地元の自治会活動、祭り、河川清掃などの地域活動は必要でしょう。しかし、これが「自治体」である必要はないのではないでしょうか。我々一般市民の大半は、仕事の中で必要があってを除くと、一住民としては、市役所(町村役場)やその支所へ行く用事はそんなにありません。すでに、市町村とも、ごみの処分、葬祭、公立病院などで一部事務組合を結成しているところは多数あります。これをさらに進めたのが、市町村合併と言えるのではないでしょうか。
[41452] 2005年 5月 21日(土)11:02:49百折不撓 さん
地方税
[41336] inakanomozart さん
このようなことを緩和するため「事業所税」が75年に創設されています。(「事業税」とはまったく別のものです。)
この税は、都市環境の整備および改善に関する事業に要する費用に充てるための目的税ですが、課税できるのは、原則として
人口30万人以上の都市に限定されているため、例にされた盛岡市は、現時点では残念ながら課税権がありません。
都市計画税」も同じような趣旨だと思います。こちらは「事業所税」に比べると、広く課税されていると思います。

[41225] 2005年 5月 15日(日) 22:18:19 がんす横丁ままさん
広島市民税が、府中町民税より安くなったら、考えも変わられるのではないでしょうか。
個人の住民税でしたら、広島市も府中町も標準税率で、同じではないでしょうか。
広島市と府中町では「年額1000円違うはず」と思っていたのですが、税制改正があったようでした。
http://www.soumu.go.jp/news/031224a.html

がんす横丁ままさんが言われるように、大きな市と合併すると「税金が高くなる!」と言った意見は他のところでも見聞きした事がありますが、次のように考えられないでしょうか?

事業所税
事業所税によりどの程度の規模の事業所に課税されるのかイメージがはっきりしませんが、課税される事業者(特に、これまで事業所税が課される市に支店などが無かった個人事業者のような場合)にとっては「税金が高くなった」と感じられるのではないでしょうか。

都市計画税・固定資産税
都市計画税は、固定資産税とあわせて徴収されるため「固定資産税が上がった」と感じられるのではないでしょうか。
また、大きな市と合併すると基準がそちらに移るのかもしれませんが、地価が上がることもあるようで、税率自体は変わらなくても実感として「固定資産税が上がった」と感じられるのではないでしょうか。

水道料金・下水道料金
税金ではないですが、合併により水道料金などが上がると「負担が増えた」と感じられるのではないでしょうか。
ここの<飛騨圏域>の3つめの記事を参照してください。

医療費助成など
これも税金ではないですが、合併により医療費助成の水準が引き下げられると「負担が増えた」と感じられるのではないでしょうか。
ここの<岐阜圏域>の8つ目の記事を参照してください。
「入院を義務教育終了までに引き上げ、外来は原案通り就学前まで」とありますが、構成町の中には外来も義務教育終了まで、と言うところもありました。
http://gifu-hkn.jp/josei.htm

上下水道料金や医療費助成などについては、個人的には「そもそも市町村ごとで異なる」こと自体がどうかと思います。


[41264] 88 さん
公共財のフリーライド(フリーライダー)について
これについては私も考えがあるのですが、上手く表現できませんので、また考えがきちんと整理できれば、書き込みをしたいと思います。
[41454] 2005年 5月 21日(土)11:33:41【1】88 さん
事業所税・都市計画税
[41336] inakanomozart さん
このようなことを緩和するため「事業所税」が75年に創設されています。この税は、都市環境の整備および改善に関する事業に要する費用に充てるための目的税ですが、(後略)
[41452] 百折不撓 さん
「都市計画税」も同じような趣旨だと思います。こちらは「事業所税」に比べると、広く課税されていると思います。
私は事業所税は不知でしたが([41343])、都市計画税(都市計画施設なども・・都市計画法を参照)は業務上知る機会があり、以前から既知でした。ただ、紹介いただいた総務省のHPを見ても、都市計画税の納税義務者は、「課税対象となる土地又は家屋の所有者」です。「(都市計画税の課税対象となるような)都市部に土地又は家屋を所有する」ということは、いわゆる農村部の財産を所有することと比較して、「(通常負担する固定資産税以上に)都市生活を送るうえでの恵まれた『都市計画施設』(その敷地の面する市道や、(利用料は別に負担するのはもちろんながら)上水道・下水道など)を簡単に利用することができる」ということです。
私は、提起した公共財の議論では、一般の住民(たとえば市内に一戸建て住居やマンションを所有し、その市内で通勤・通学などをする)の立場を想定していました。
「事業所税」と同じような役割を「都市計画税」が果たすのは(公共財のフリーライダーを軽減する役割を果たすのは)、例えて言うならば、農村部に居住している資産家(事業者でもよい)が、借家や賃貸マンション、賃貸オフィスビルを、都市計画税を設定している都市部に財産として所有している場合に限定されると思います。この場合だと、資産家の(賃貸収入による)所得税は農村部の住所地に納税されますが、都市計画税は固定資産税に上乗せするような形で「都市部に財産を所有し、また、より都市計画施設の便宜を享受する者の負担として」都市部の市に対して負担することになるので、事業所税と同様の課税の趣旨に合致すると思います。

#言い回しを修正
[41584] 2005年 5月 24日(火)22:56:50百折不撓 さん
公共財のフリーライダーについて
[41454] 88 さん
「事業所税」と同じような役割を「都市計画税」が果たすのは(公共財のフリーライダーを軽減する役割を果たすのは)、例えて言うならば、農村部に居住している資産家(事業者でもよい)が、借家や賃貸マンション、賃貸オフィスビルを、都市計画税を設定している都市部に財産として所有している場合に限定されると思います。
 私の書き方が拙かったので申し訳無いのですが、[41452]で私が「都市計画税」を取り上げたのは、公共財のフリーライダーを軽減する役割を果たすものとしてではなく、単に「都市部では農村部にはない負担があることを紹介する」という趣旨でした。


 ここからが本題ですが、[41452]で予告したとおり私の公共財のフリーライダーに関する考えを述べさせていただきます。
 なお、私は経済学をきちんと学んだことはありませんので、おかしなところがあるかもしれませんが、ご了承願います。

 私は、次の3つの観点から公共財のフリーライダーについては、それほど問題にする必要は無い(と言いますか、許容しなくては仕方が無い)と思っています。
 なお、88さんが[41264]で盛岡市と滝沢村を例にしていらっしゃいますので、私も同じ例で述べたいと思います。

1.盛岡市は負担が多いだけか?
 税負担と公共投資だけを比較すると「公共財のフリーライダー」の問題が考えられると思います。
 しかし、確かに滝沢村の住民の方は税負担と言う点ではフリーライダーかもしれませんが、盛岡市内で買い物・食事・娯楽などでお金を落とし、その一部は盛岡市の税収となっているはずです。

 極端なことを言えば、観光地を訪れる観光客は「公共財のフリーライダー」だと思いますが、それ以上にその地域にお金を落としているのだと思います(そうでないと観光客を増やそうと思いませんよね?)。

2.盛岡市でのフリーライダーは?
 盛岡市民全員が同じように税負担をしているわけではありません。
 高額納税者から、普通のサラリーマン、年金暮らしのお年寄り、生活保護を受けている方など、個々に見ると納税額はまちまちです。

 受益と負担と言う観点から見れば、納税額の少ない(あるいは納税していない)市民もフリーライダーと言えるのではないでしょうか?

3.市町村が整備した施設だけか?
 市町村が整備する施設だけ見ると(地方交付税や補助金は無視すると)盛岡市内にある公共財に滝沢村の住民の方の税金は入っていません。
 しかし、盛岡市には滝沢村よりも多数の県が整備した施設があるはずです。岩手県の事情に明るくありませんので詳しくは分かりませんが、県立図書館・県立美術館・県立病院・県立学校や県道など多くの施設が盛岡市民以外の県民の税金も使って整備されているはずです。

 もちろん盛岡市が県庁所在地であることも大きいと思いますが、一般的に県立(あるいは国立)の施設は都市部に整備されることが多いと思います。

 これが国レベルになると、我々地方の人々も払った税金で東京には空港や地下鉄(東京メトロの前の営団は国も入った特殊法人だったと思います)などが整備されているとも言えるのではないかと思います。


 以上、長くなってしまいましたが、私が言いたいのは次の一言です。他意はありません。
 お金は天下のまわりもの
[42010] 2005年 6月 6日(月)23:07:2688 さん
再び、公共財のフリーライダー論について
亀レスで申し訳ありません。ほんの十日ほど前なのですが。

[41584] 百折不撓 さん
私の書き方が拙かったので申し訳無いのですが、[41452]で私が「都市計画税」を取り上げたのは、公共財のフリーライダーを軽減する役割を果たすものとしてではなく、単に「都市部では農村部にはない負担があることを紹介する」という趣旨でした。
失礼しました。私も端折り過ぎたようです。
公共財の一般的な説明については、内閣府HP
「公共料金の窓」の公共料金全般の用語集の中にある、「市場の失敗(2)公共財と準公共財」もご参照ください。

私は[41264]で盛岡市と滝沢村を例にしましたが、確かに盛岡市には行ったことはありますが、それ以上の土地勘はまったくありません。滝沢村にいたっては、本「都道府県市区町村」を見るまで、存在すら知りませんでした(関係者の方、ごめんなさい)。県庁所在地と人口5万人の村だし、アーカイブスもあるし、いいかな、と(別に広島市と府中町でもよかったんですが、マツダ本社が気になって・・)。

1.盛岡市は負担が多いだけか?
 税負担と公共投資だけを比較すると「公共財のフリーライダー」の問題が考えられると思います。
 しかし、確かに滝沢村の住民の方は税負担と言う点ではフリーライダーかもしれませんが、盛岡市内で買い物・食事・娯楽などでお金を落とし、その一部は盛岡市の税収となっているはずです。
おっしゃるとおり、例えば盛岡市の店舗での売り上げに伴う事業税は(事業所税ではない)、盛岡市の税収は、地元へ落ちます。ただし、「盛岡市」ではなく、事業税(法人事業税)は都道府県税ですので、「岩手県」には入ります。ちなみに、現行の法人事業税は、国税の法人税と同様に「所得」を課税標準としています。このため、「所得」を課税標準とすると、いわゆる赤字企業は、法人事業税を負担しないことになります。「どうせ税金で持っていかれるのなら・・」と、法人によっては、新たな資産を借り入れをしたり、設備投資をしたりします。先日報道で話題になった、西武鉄道(コクド)は、この例だったのではないでしょうか? 資産評価が右肩上がりだった時代は、この手法が是とされたのでしょう。また、この「所得」にだけ着目した課税が企業の収益に左右されやすいため、法人事業税(都道府県税)への「外形標準課税」の導入がよく議論されているところです。

極端なことを言えば、観光地を訪れる観光客は「公共財のフリーライダー」だと思いますが、それ以上にその地域にお金を落としているのだと思います(そうでないと観光客を増やそうと思いませんよね?)。
そのとおりですね。税収面でいえば、結果として、その地域の住民(具体的には、例えば、旅館や土産物店の従業員)の収入になり、税収はアップされますね。(地域の活性化やPRになるのはもちろんですが。)

2.盛岡市でのフリーライダーは?
高額納税者から、普通のサラリーマン、年金暮らしのお年寄り、生活保護を受けている方など、個々に見ると納税額はまちまちです。
受益と負担と言う観点から見れば、納税額の少ない(あるいは納税していない)市民もフリーライダーと言えるのではないでしょうか?
確かにこれもフリーライダーと言えるかもしれませんが、これは、本来は「所得の再分配」の政策的な面でしょうか。「大きな政府」か「小さな政府」か。住民(国民)が地方自治体(国)に、何を求めるか(例えば税金の安さか、高福祉か)のものでしょう。公共財云々よりは、より政治的な選択でしょうか。

3.市町村が整備した施設だけか?
県立図書館・県立美術館・県立病院・県立学校や県道など多くの施設が盛岡市民以外の県民の税金も使って整備されているはずです。
私も岩手県の実例は存じませんが、地方財政法の規定に基づき、地元市町村から経費の一部を負担させることがあります。例えば、私の地元香川県では、県道の事業実施に当たり、県単独事業では事業費の10%を、地元市町から負担金として徴収しています。街路事業(道路だが都市計画法に基づく都市計画施設として整備されるもの)については、国の補助事業についても、同様に市町から負担金を徴収しています(たとえば、事業費を100とした場合、国(補助金)50、県40、市10)。
地方財政法
(都道府県の行う建設事業に対する市町村の負担)
第二十七条  都道府県の行う土木その他の建設事業(高等学校の施設の建設事業を除く。)でその区域内の市町村を利するものについては、都道府県は、当該建設事業による受益の限度において、当該市町村に対し、当該建設事業に要する経費の一部を負担させることができる。
2  前項の経費について市町村が負担すべき金額は、当該市町村の意見を聞き、当該都道府県の議会の議決を経て、これを定めなければならない。

あげあし取りみたいになってしまい、申し訳ありません。しかしながら、私も、百折不撓さんとの議論は大いに楽しみたいところです。よろしくお願いいたします。
もちろん、ほかの方のご参加も期待したいところですが。
[42050] 2005年 6月 7日(火)21:40:36【1】百折不撓 さん
公共財のフリーライダーについて
[42010] 88 さん
私も、百折不撓さんとの議論は大いに楽しみたいところです。よろしくお願いいたします。
ご指名をいただきましたので(笑)、ご期待にそえるような意見かどうかわかりませんが、私見を述べさせていただきます。
なかなかこういった話題を議論する機会は無いですよね。

例えば盛岡市の店舗での売り上げに伴う事業税は(事業所税ではない)、盛岡市の税収は、地元へ落ちます。ただし、「盛岡市」ではなく、事業税(法人事業税)は都道府県税ですので、「岩手県」には入ります。
「法人事業税」は確かに都道府県税ですが、市町村が法人から徴収する税も存在します。
法人住民税の概要
法人事業税の概要

上のリンクを見ていただけば分かることではありますが、決算額は次のとおりです。
法人市町村民税約18,813億円
法人都道府県税約 7,265億円
法人事業税約34,527億円
具体的な数字がありませんので、あくまでも感覚的なものですが、法人市町村民税は企業が集まる都市部により多くなると思います。例に倣うと、滝沢村の人が盛岡市のお店で落としたお金の一部は、盛岡市の法人市民税となって、盛岡市の税収となります。

フリーライダーと離れ、また、細かい突っ込みになりますが、
いわゆる赤字企業は、法人事業税を負担しないことになります。・・・(中略)・・・西武鉄道(コクド)は、この例だったのではないでしょうか? 資産評価が右肩上がりだった時代は、この手法が是とされたのでしょう。
私は「是とされた」のではなく、「法律の抜け穴」なのだと思います。
また、資産評価が右肩上がりかどうかも関係無いと思います。

本来は「所得の再分配」の政策的な面でしょうか。
確かにそうなのかもしれませんね。
ただ、私は「所得の再分配」は、国レベルで行なわれた方がいいと思います。
なぜなら、財政の厳しい市町村でたくさん納税している人と、財政の豊かな市町村でほとんど納税していない人とを比べた場合、理不尽な気がするからです。

極論を申し上げれば、完全な中央集権国家になって「税はすべて国税、都道府県市区町村は国の出先機関」となれば、公平な「所得の再分配」となると思いますし、「公共財のフリーライダー」の問題も無くなると思います。

地方財政法の規定に基づき、地元市町村から経費の一部を負担させることがあります。
道路を建設する場合には、地元負担金を取るようですね。
それにしても10分の1の負担で県が道路を作ってくれるのですから、市町村からしたら自身で道路を建設することに比べて財政的には楽だと思います。

県から見れば「地元にとってメリットのある道路を作るのだから、地元から負担金を徴収する」と言うことだと思います。
市町村は、下水道を各世帯に引くときには、世帯から負担金を徴収しますね。


88さんにご紹介いただいた内閣府HPを拝見しましたが、都道府県市区町村のサービスは「準公共財」にあたるのではないかと思います。
「公共財のフリーライダー」が起こらないようにするには、「(純粋)公共財」のサービスのみにするか、上で申し上げたように「完全な中央集権国家」になるしかないのではないかと思います。

[41584]でも書きましたが、私の基本的な考えは次のとおりです。
お金は天下のまわりもの
ただ、自治体間であまり差が出るのはどうかと思います。

なんとなく、尻切れとんぼな気もしますが、今回は以上です。
[42095] 2005年 6月 8日(水)22:57:00【1】百折不撓 さん
フリーライドかどうか分かりませんが...
[42062] 中島悟 さん
ずっと田舎に住んでいると、都会から田舎へのフリーライドばかりが目に付くのですが、
私も田舎に住んでいるので、同じことはよく思います。
例えば、岐阜県には国立大学は岐阜大学1校しかありませんが、東京にはいくつあるのか文部科学省のHPを見てみると12校もありました。

東京大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京学芸大学、東京農工大学、東京芸術大学、東京工業大学、東京海洋大学、お茶の水女子大学、電気通信大学、一橋大学、政策研究大学院大学

東京出身で東京の大学に進学した学生もいるでしょうが、少なくない数の地方出身で東京の大学に進学した学生は、親からの仕送りを受けていると思われます。
地方で育った学生が東京の大学へ進学し、地方で親が稼いだ金が東京の学生のもとに送金され、東京で消費される。
そして学生は東京で就職し、地方は人材を失っていく。

正確な数はわかりませんが、「東京から地方の大学へ進学する学生の数<地方から東京の大学へ進学する数」だと思います。
私立大学も入れると、その数はさらに増えると思います。
[43843] 2005年 8月 3日(水)00:25:0688 さん
公共財、市町村合併、・・
すっかり亀レスになってしまいました。2箇月経過です。

[42050] 百折不撓 さん
レスが遅くなりまして申し訳ありません。

法人市町村民税 約18,813億円
法人都道府県税 約 7,265億円
法人事業税 約34,527億円
具体的な数字がありませんので、あくまでも感覚的なものですが、法人市町村民税は企業が集まる都市部により多くなると思います。例に倣うと、滝沢村の人が盛岡市のお店で落としたお金の一部は、盛岡市の法人市民税となって、盛岡市の税収となります。
よくわかりました。ただ、圧倒的に、国税が多いので、現実には、「国庫補助金(国庫負担金・国庫委託金なども)」「地方交付税交付金」などにより、国が各地方へ配分している、と言う面の証左にもなるかもしれませんね。


ただ、私は「所得の再分配」は、国レベルで行なわれた方がいいと思います。
なぜなら、財政の厳しい市町村でたくさん納税している人と、財政の豊かな市町村でほとんど納税していない人とを比べた場合、理不尽な気がするからです。

前段は、賛成です。
後段は・・。拙稿[41343]で引用した、九州産業大学商学部教授内野順雄氏の講演会の内容にもあった、

公共サービスの受益の範囲が納税される市町村の枠を越えて広がっており「受益と負担の関係」が崩れてしまっていることである。受益と負担の範囲が一致しなければ、住民の選択と負担によるシステムも成り立たない。またフリーライダーつまりただ乗りが登場することにより、納税しない受益者が発生する。たとえば病院、体育館、図書館等の広域的施設や道路の利用、廃棄物の処理等において問題が顕在化してきている。市町村の行政規模の拡大は、受益と負担の一致という観点からは不可避である。

と言う点。財政が「厳しい」「豊か」の議論にあたり、「受益」と「負担」の一致、という観点を逃す訳にもいかないのではないか、と思います。時々、「うちの町は財政が豊かだから合併しなくても大丈夫」という首長がいらっしゃいますが、現実に、「フリーライド」をしていないかどうか、ほんとは検証して欲しいのです。ただし、首長からすると、ほんとはバツが悪いからふれたくない話でしょうし、「合併は住民の意思で」というお題目に隠されてしまい、議論すら避けるような気がしてなりません。


極論を申し上げれば、完全な中央集権国家になって「税はすべて国税、都道府県市区町村は国の出先機関」となれば、公平な「所得の再分配」となると思いますし、「公共財のフリーライダー」の問題も無くなると思います。
確かに、「国」「都道府県」「市町村」という三重構造は、その役割を終えつつあります。
[8805] ken さんの
「30分で役場に行ける範囲」を一自治体とする
明治の大合併は、徒歩で
昭和の大合併は、自転車で
平成の大合併は、自動車で
の意見を鑑み、中途半端な「国の地方出先機関」と「都道府県」を統合し、
(1)(外交・防衛、ほんとの国家の総合計画を作る機能などに特化した)「国」
(2)(各地方の総合的な調整を行う)「道・州」
(3)(地元住民に密着した基本行政を行う)「市町村」
になるのがこれからの姿では、と思います。こうすれば、フリーライダー論も、あまり関係なくなるでしょう。

もちろん、地域おこし・コミュニケーション機能としての自治会などを否定するものではありません。あくまで、「行政単位」としての話です。また、「地名」とも別だ、と思っています。私は、郡名・郷名・(明治の大合併前の)村名・(明治時代に作成された、字限図の)字名を中心に(自治体名ではなく)「地名」を検討すればよいのでは、というのが持論です。


[41584]百折不撓さん
お金は天下のまわりもの
これも、上記の合併が進めば、より明快になると思います。

[42095] 百折不撓 さん
地方で育った学生が東京の大学へ進学し、地方で親が稼いだ金が東京の学生のもとに送金され、東京で消費される。
の件は、稿を改めます。準備中ですので、乞うご期待。
[43855] 2005年 8月 3日(水)23:26:41【2】百折不撓 さん
法人税、フリーライド など
[43843] 88 さん
ただ、圧倒的に、国税が多いので、現実には、「国庫補助金(国庫負担金・国庫委託金なども)」「地方交付税交付金」などにより、国が各地方へ配分している、と言う面の証左にもなるかもしれませんね。
拙著[42050] で、法人市町村民税 約18,813億円、法人都道府県税 約7,265億円、法人事業税 約34,527億円とありますように、平成14年度の決算では、地方税としての法人関係税は約6兆円となります。

これに対し、国税である法人税の平成14年度決算は約9兆5000億円。
財務省HP

また、地方交付税法の規定により、所得税の35.8%は地方交付税の財源となることになっています。
ですから、9兆5000億円の35.8%、約3兆4000億円は自動的に地方交付税となります。
この3兆4000億円を「国税を地方へ配分している」と考えるか、「地方税を便宜上、国が徴収している」と考えるかは議論となるところだと思います。

地方交付税法
第6条 所得税、法人税及び酒税の収入額のそれぞれ100分の32、消費税の収入額の100分の29.5並びにたばこ税の収入額の100分の25をもつて交付税とする。
附則
第3条の2 当分の間、第6条の規定の適用については、同条第1項中「所得税、法人税及び酒税の収入額のそれぞれ100分の32」とあるのは「所得税及び酒税の収入額のそれぞれ100分の32、法人税の収入額の100分の35.8(平成11年度にあつては、100分の32.5)」と、同条第2項中「所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ100分の32」とあるのは「所得税及び酒税の収入見込額のそれぞれ100分の32、法人税の収入見込額の100分の35.8(平成11年度にあつては、100分の32.5)」とする。

ただ、私は「所得の再分配」は、国レベルで行なわれた方がいいと思います。
これと同じ観点から、少なくとも法人関係税は国税一本にしたほうがいいと思っています。

なぜなら、例えばA県T市には世界有数の自動車会社の本社及び工場があります。
きちんと調べていないのでいけないのですが、この自動車会社は、A県及びT市に多額の法人関係税を納めていると思います。そしてA県及びT市は、様々な行政サービスを行い、それぞれの住民はそのサービスを受けていると思います。

税法の詳しいことは分かりませんが、この自動車会社は、日本国内はもとより世界中で利益を上げ、A県及びT市に納税していると思います。A県民とT市民は、たまたま本社及び工場が存在するこの自動車会社の恩恵にフリーライドしているとは言えないでしょうか?

また、別の観点ですが、企業誘致等をめぐる国家間競争の中で、法人関係税を一本にしておいたほうが、税率の変更など迅速に対応できるのではないかと思っています。


時々、「うちの町は財政が豊かだから合併しなくても大丈夫」という首長がいらっしゃいますが、現実に、「フリーライド」をしていないかどうか、ほんとは検証して欲しいのです。
ここ(PDFです)に出ている島根県斐川町の例は、フリーライドとまでは言えないかも知れませんが、仰ることに近い例だと思います。
3年後、斐川町の消防はどうなるのか興味があるところです。


(1)(外交・防衛、ほんとの国家の総合計画を作る機能などに特化した)「国」
(2)(各地方の総合的な調整を行う)「道・州」
(3)(地元住民に密着した基本行政を行う)「市町村」
になるのがこれからの姿では、と思います。こうすれば、フリーライダー論も、あまり関係なくなるでしょう。
仕事の配分としては、概ね仰るとおりになっていくのではないかと思いますが、フリーライダーを市町村民レベルで考えるのか、個人レベルで考えるのかと言うことも考える必要があると思います。あと、税制も考える必要があると思います。


[43851] 雪風睦月 さん
なお,駆け込み申請で最も早く合併したのは,先日(8月1日)発足の宇和島市でした.申請日は今年の3月22日です.
直接、雪風睦月さんの書き込みに関係が無いので恐縮なのですが、平成の大合併において、合併の申請から合併までの期間がもっとも短いのは大船渡市でよろしいのでしょうか?
大船渡市と三陸町の合併の経緯
平成13年9月7日合併申請、平成13年11月15日合併
[43872] 2005年 8月 4日(木)21:23:01inakanomozart さん
法人住民税の納付先
[43855] 2005年 8月 3日 (水) 23:26:41   百折不撓さん
この自動車会社は、日本国内はもとより世界中で利益を上げ、A県及びT市に納税していると思います。A県民とT市民は、たまたま本社及び工場が存在するこの自動車会社の恩恵にフリーライドしているとは言えないでしょうか?
法人住民税は本店(本社)の所在地の県や市のみが納付先なのではなく、事務所・事業所の所在する、すべての自治体に納付の義務があるのではないでしょうか?
[43906] 2005年 8月 6日(土)17:55:44【2】百折不撓 さん
レス
レスが早いということを書いていただいておきながら、今回は少し間が空いてしまいました(飲み会が続いたもので、帰ってからパソコンを開けられませんでした(^^;)


[43862] 88 さん
私はレスするのに2箇月かかったのに、百折不撓さんは23時間・・。ありがとうございます。また追ってレスさせていただきます。

私は、過去にこのような件について少し考えたことがありまして、そのときの知識が残っているので早いレスになっています。
[42050]でも書きましたが、なかなかこういった話題を議論する機会はありませんので、楽しみにお待ちしております。


[43868] 雪風睦月 さん
す・すごい・・・・・
[43851]については,半年かけて調べて投稿したのですが,なんとお二方ともわずか7時間でデータ・レスですか・・・

私はかなり前に、岩手県知事の大船渡市についての発言を何かで読んだのだと思いますが、たまたまそれが記憶にあっただけです。
データベースのようなものは持ち合わせておりません(島根県やつくば市の例が抜けていたのがその証拠です)。


[43872] inakanomozart さん
法人住民税は本店(本社)の所在地の県や市のみが納付先なのではなく、事務所・事業所の所在する、すべての自治体に納付の義務があるのではないでしょうか?

ご指摘ありがとうございます。

紛らわしい書き方になってしまっていたかもしれませんが、それは承知しております。
しかし、本店(本社)の所在地により多く納税されていると思っています。
今年度から法人事業税の分割基準を見直しが行われたのも、それを是正するためだと思われます。
と言っても、私も税法をきちんと読んで精査したわけではありませんので、あくまでも感覚的な思いです(^^;

拙著[42050]で数字を挙げましたように、平成14年度の全国の法人都道府県民税、法人事業税の合計額は、約4兆2000億円です。そのうち、東京都が約1兆5000億円です。
東京都HP

また、先の自動車会社を例にとると、工場も販売店も無い自治体の住民であっても自動車を買うことがあると思います。
そのような場合は、購入者の自治体は完全にその者の所得をとられてしまう形となると思います。
ですから、私は[43855] でも述べましたように、法人関係税は国税一本にしたほうがいいと思っています。
[43923] 2005年 8月 7日(日)01:49:41【1】faith さん
法人税
[43906] 百折不撓さん
また、先の自動車会社を例にとると、工場も販売店も無い自治体の住民であっても自動車を買うことがあると思います。
そのような場合は、購入者の自治体は完全にその者の所得をとられてしまう形となると思います。
でも、法人税って、この場合は自動車会社が、工場や営業所などを使って得た所得にかかっているのでは?購入者が、住んでいる自治体に住民税を納めているのと同じではないでしょうか。
「購入者の自治体は完全にその者の所得をとられてしまう」と言われますが、「購入者」は住民税を納めているのだから、「購入者の自治体」がこれ以上を要求する謂れはないはずです。

[43855] 百折不撓さん
たまたま本社及び工場が存在するこの自動車会社の恩恵にフリーライドしているとは言えないでしょうか?
企業が、工場なり営業所なりをその地域に持っているということは、それなりに行政サービスを受けているはずです。それなのに、地方自治体には税金を納めないというので良いのでしょうか?
「本来その地域に納められるべきだった税額」は国から還付するというのであれば、徴税を行う主体が国になった以外は現状と変わらないし、そういう還付が当該自治体に対して行われないのであれば、他の地域こそ「フリーライド」です。

※一部表記修正
[43935] 2005年 8月 7日(日)14:36:16【1】百折不撓 さん
法人税に関する私見
[43923] faith さん
「購入者」は住民税を納めているのだから、「購入者の自治体」がこれ以上を要求する謂れはないはずです。
私が「購入者の自治体は完全にその者の所得をとられてしまう形となる」と申し上げたのは、自動車の販売店が当該自治体に存在していれば、自動車を購入した場合にその一部が当該自治体にも納税されるのに対し、自動車の販売店が当該自治体に存在していなければ、自動車を購入した場合に、当該自治体には納税されないと言うことです。

「購入者の自治体」が要求するとかそういうことではなくて、制度上そうなっていると言うことを申し上げたかったのが趣旨です。


企業が、工場なり営業所なりをその地域に持っているということは、それなりに行政サービスを受けているはずです。それなのに、地方自治体には税金を納めないというので良いのでしょうか?
企業が行政サービスを受けていることはそのとおりだと思いますが、個人と法人を同列に扱うのはいかがなものかと思います。

例えば、道路整備などは個人も法人も同じようにサービスを受けていると考えられるかもしれません。上下水道なども(利用料金でまかなっている部分も大きいと思われますが)同じようにサービスを受けていると考えられるかもしれません。

それに対し、ごみの処理については、家庭ゴミは市町村が処理するのに対し、企業が出したゴミは自己処理です。
産業廃棄物とは?一般廃棄物とは?
また、福祉・教育などもほとんど企業には無関係なのではないかと思います。

そして、企業は個人以上に、活動範囲はその存在する自治体の外に及ぶことも多いと思います。

拙著[43855]で申し上げましたように、現行制度でも法人税の一部は地方交付税の財源となっていますが、法人関係税を国税の法人税一本にして、それに見合った分を地方交付税額を増額すれば良いのではないかと思います。
企業から直接自治体に納税しなくても、事業所の数などで地方交付税の配分額を割り増しすれば足りるのではないでしょうか?

本来その地域に納められるべきだった税額
税額と言うのはたまたま現在の制度上、その額に決まっているだけで、[43906]で申し上げた法人事業税の分割基準を見直しのように、国の都合等によってどうにでもなるものだと思います。


[43906]にも一部追加(最後から2つ目の段落)しました。
[43938] 2005年 8月 7日(日)15:35:19【2】faith さん
Re:法人税に関する私見
[43935] 百折不撓さん

私が「購入者の自治体は完全にその者の所得をとられてしまう形となる」と申し上げたのは、自動車の販売店が当該自治体に存在していれば、自動車を購入した場合にその一部が当該自治体にも納税されるのに対し、自動車の販売店が当該自治体に存在していなければ、自動車を購入した場合に、当該自治体には納税されないと言うことです。
それは[43906]を見れば分かります。
それをわざわざ指摘されるということは、何か現状で問題がある、と考えておられるように見えました。
この例では、自動車会社が購入者の自治体にも(いくばくか)の法人税を払うべきと主張されているのでしょうか?

例えば、道路整備などは
上下水道なども
それに対し、ごみの処理については、家庭ゴミは市町村が処理するのに対し、企業が出したゴミは自己処理です。
産業廃棄物とは?一般廃棄物とは?
また、福祉・教育などもほとんど企業には無関係なのではないかと思います。
個人と企業の受けている行政サービスの内容や質が同じだなんて言っておりません。
結局、企業が当該自治体に、行政サービスに対してなんらかの代価を支払うべきということは認めておられるわけですよね。

そして、企業は個人以上に、活動範囲はその存在する自治体の外に及ぶことも多いと思います。
企業も国税を払っていますよね。

企業から直接自治体に納税しなくても、事業所の数などで地方交付税の配分額を割り増しすれば足りるのではないでしょうか?
国が集めてから地方自治体に還付するか、現状のように地方自治体が直接課税するかは、いわば見かけの違いだと思います。それほど重要とは思いません。

ということで、以下の点で、百折不撓さんとは意見の一致を見たと考えて良いでしょうか。

- 企業も、個人と同じ内容ではないが、地方自治体から行政サービスを受けていることに変わりがない。
- したがって、地方自治体には企業からその分の税額が(直接・間接は別として)納められるべき。

※一部表記修正
[43960] 2005年 8月 8日(月)00:58:53百折不撓 さん
ん~、意見は一致していない部分が多いと思います。
[43938] faith さん
それをわざわざ指摘されるということは、何か現状で問題がある、と考えておられるように見えました。
今回の一連の書き込みの端緒は、公共財に関するフリーライドにあります。
ここでお名前を出してしまって恐縮なのですが、[41264]で88さんが盛岡市と滝沢村を例としてお話されているように一般的には「都市部以外の住民が都市部における行政サービスにタダ乗りしている」と考えられているのではないかと思います。

しかし、私は[42095]でも申し上げているとおり、逆の例もあるのではないかと思っております。
そして、その例の一つとして、企業(特に大企業)は、企業の存在する自治体(都市部が多いと思います)からだけではなく、それ以外の地域からも売り上げがあるにもかかわらず、納税は(国税は別として)企業の存在する自治体にしか行われないことを述べさせていただいたものです。

もっとも、この法人税の例がフリーライドになると考えるかどうかについては、私がそう思っているだけですので、意見が分かれるとは思います。


この例では、自動車会社が購入者の自治体にも(いくばくか)の法人税を払うべきと主張されているのでしょうか?
それは考えていませんでした。
私は、国税に一本化して、それを自治体に配分すると言う考え方ですから。


個人と企業の受けている行政サービスの内容や質が同じだなんて言っておりません。
失礼しました。


結局、企業が当該自治体に、行政サービスに対してなんらかの代価を支払うべきということは認めておられるわけですよね。
大変恐縮なのですが、どうしてfaithさんがこう思われたのか分かりません。
私は[41584]で申し上げているように、行政サービスにおける受益と負担の関係はそれほど厳密に考える必要はないのではないかと考えております。


企業も国税を払っていますよね。
それは私も承知しております。
[43906]で申し上げたように平成14年度決算で、都道府県に納税された法人関係税のうち約36%が東京都に納税されています。
私が申し上げたいのは、自治体の枠を超えて活動することの多い法人に対する地方税について、このように税収が集中するような制度が本当にこれでよいのだろうか、と言うことです。
何度か申し上げた法人事業税の分割基準の見直しが行われたのは、国(総務省)が私と同じ問題意識を持っていたことの現われではないかと思っております。


国が集めてから地方自治体に還付するか、現状のように地方自治体が直接課税するかは、いわば見かけの違いだと思います。それほど重要とは思いません。
これは大きな違いだと思います。
国税として徴収しそれを地方交付税のような形で配分する場合であれば企業の存在しない自治体に対しても配分されるのに対し、自治体の直接課税であれば企業の存在する自治体しか税収はありません。


ということで、以下の点で、百折不撓さんとは意見の一致を見たと考えて良いでしょうか。
- 企業も、個人と同じ内容ではないが、地方自治体から行政サービスを受けていることに変わりがない。
- したがって、地方自治体には企業からその分の税額が(直接・間接は別として)納められるべき。
前者はそのとおりだと思います。
後者については「地方自治体」とは「その企業の存在する自治体」と言う意味なのでしょうか?それから「その分の税額」と言うところの意味が分かりません。


※余計なことですが、この書き込みをUPするとき非常に迷いました。
 邪推だと思いますが、[43938]におけるfaithさんの文体(口調)が非常に強いものに感じられました。
 にも関わらずfaithさんの意見と対立するような書き込みだからです。
 私としては、単に率直な意見を書いただけですので、よろしくお願いします。
 
[43982] 2005年 8月 8日(月)21:26:57【3】faith さん
Re:ん~、意見は一致していない部分が多いと思います。
[43960] 百折不撓さん
邪推だと思いますが、[43938]におけるfaithさんの文体(口調)が非常に強いものに感じられました。
それは申し訳ないことです。
要するに百折不撓さんのご意見が良く理解できていないfaith が一人苛立っているだけと思ってください。
この問題について論争するつもりはもうありません。以下に私が、百折不撓さんの追加書き込みを見てもなおもよく理解できないと感じている点を書きますので、「faith のような理解力の足りない人間はこういうところでつまずくのだな」と今後の参考にでもして頂ければ幸いです。

[43855]より
税法の詳しいことは分かりませんが、この自動車会社は、日本国内はもとより世界中で利益を上げ、A県及びT市に納税していると思います。A県民とT市民は、たまたま本社及び工場が存在するこの自動車会社の恩恵にフリーライドしているとは言えないでしょうか?
というようにフリーライドの存在を指摘されておられるからには、厳密ではないにしろ、何らかの「本来支払われるべき対価」というものが考えられており、それが支払われていないということなんだろうと私だったら思います。

しかし、一方では
(faith)
結局、企業が当該自治体に、行政サービスに対してなんらかの代価を支払うべきということは認めておられるわけですよね。
(百折不撓さん)
大変恐縮なのですが、どうしてfaithさんがこう思われたのか分かりません。
私は[41584]で申し上げているように、行政サービスにおける受益と負担の関係はそれほど厳密に考える必要はないのではないかと考えております。

だったらそもそも何を基準に「フリーライドの存在」を判断できるのでしょうか。
しかも一方では
私が申し上げたいのは、自治体の枠を超えて活動することの多い法人に対する地方税について、このように税収が集中するような制度が本当にこれでよいのだろうか、と言うことです。
と言われていますし、税収の公正さについて詳細に論じてこられたように見えます。
でしたら、やはりどの程度の税収が当該自治体に落ちれば「公正」なのかについて、ある程度の基準をどこかに持っておられるのではないですか?そのように感じるのは変ですか?

(faith)
国が集めてから地方自治体に還付するか、現状のように地方自治体が直接課税するかは、いわば見かけの違いだと思います。それほど重要とは思いません。
(百折不撓さん)
これは大きな違いだと思います。
国税として徴収しそれを地方交付税のような形で配分する場合であれば企業の存在しない自治体に対しても配分されるのに対し、自治体の直接課税であれば企業の存在する自治体しか税収はありません。

私の発言は、[43935] 百折不撓さんの
企業から直接自治体に納税しなくても、事業所の数などで地方交付税の配分額を割り増しすれば足りるのではないでしょうか?
を受けたものです。
「事業所の数などで、地方交付税の配分額を割り増しする」ということと、それを地方自治体が企業から集めるのは何が違うのですか、ということです。

国税として徴収しそれを地方交付税のような形で配分する場合であれば企業の存在しない自治体に対しても配分される
と言う反論は理不尽な気がするのですが、いかがでしょうか。

※言及する発言番号を追加
※一部表現修正・削除
[43985] 2005年 8月 8日(月)23:34:08【2】百折不撓 さん
これで分かっていただけるでしょうか?
[43982] faith さん
私のフリーライドに関する考え方は次のとおりです。

1 公共財のフリーライダー、と言う議論が存在するのは承知している
2 それは主に都市部でない住民がその恩恵にあずかっていると言う議論が多いと思われる
  (例)[41264]で88さんが盛岡市と滝沢村を例としてされたお話
3 しかし、逆に都市部の住民がその恩恵にあずかっている例もあると考える
  (例)[41584]の下の方で申し上げた空港や地下鉄の例
     [42095]で申し上げた大学の例
     今回、議論となった法人関係税の例
4 一口に行政サービスと言っても、その対象や種類は様々であるし、行政に対する負担も様々である
5 よって、個々の事象を取り上げてはあり得るかもしれないが、全体として考えることについては疑問がある

すなわち、特定の地域の特定の行政サービスについて考えると、フリーライドという考え方も成り立つと思いますが、世の中はそれほど単純ではなく様々な要素が絡み合っているので、全体としてどこの誰がフリーライドしているのか(受益と負担が乖離しているのか)を考えるのは無意味ではないか、と思っています。

よって、税収についても、できるだけどの自治体にも満遍なく配分されるのが良いのではないか、と思っています。


やはりどの程度の税収が当該自治体に落ちれば「公正」なのかについて、ある程度の基準をどこかに持っておられるのではないですか?
きちんと考えたことはありませんし、計算もできないと思いますので、あくまでも感覚なものですがこんな感じでイメージをしています。

1/3を人口で按分、1/3を面積で按分、のこり1/3は留保しておき災害など特殊な事情があったところに配分

1/3ずつ分けるのが良いのか、特殊な事情に何を含むかはきちんと考えていませんので、あくまでもイメージとして捉えいただけたら、と思います。


国税として徴収しそれを地方交付税のような形で配分する場合であれば企業の存在しない自治体に対しても配分される
と言う反論は理不尽な気がするのですが、いかがでしょうか。
例えば、他の条件は全て同じである次のようなA市B市C市という3つの自治体が存在するとします。
  A市にはZ社の支店が2つあり、Z社から2億円納税されています
  B市にはZ社の支店が1つあり、Z社から1億円納税されています
  C市にはZ社の支店は無く、Z社からの納税もありません

これを地方税で納税すれば、当たり前ですがZ社はA市に2億円、B市に1億円をそれぞれ納税し、C市には納税されません。
私が申し上げた、国税として徴収しそれを地方交付税のような形で配分する場合であれば、Z市が納税する額は3億円と変わらないとしても、3市への配分は例えば次のようにできるということです。
  A市には1億5000万円、B市には1億円、C市には5000万円

C市に配分できるということ、これは大きな違いだと思います。


要するに百折不撓さんのご意見が良く理解できていないfaith が一人苛立っているだけと思ってください。
この問題について論争するつもりはもうありません。
私の書き方が悪いのかもしれませんし、それともそもそも私の考え方が間違っているのかもしれません。
私としては議論させていただくのは自分の勉強にもなりますし、まったく問題ありません。
ただ、特に相手が見えない世界ですので、強い文体(口調)で反論されるのはちょっと、と思ったのです。
気が弱い性質ですので、よろしくお願いします。
[43986] 2005年 8月 9日(火)00:06:5888 さん
再「公共財」「フリーライド」
[42095] 百折不撓 さん
地方で育った学生が東京の大学へ進学し、地方で親が稼いだ金が東京の学生のもとに送金され、東京で消費される。
「国立大学」に関しては、国民が「国税」として負担し、「国」において勘案して「国立大学」を全国に配置している、と考えるのが自然だと思います。想定されているとおり、「フリーライド」ではないでしょうね。

こんな感じでしょうか? 例を出します。


福岡県行橋市在住の山田太郎さんは、北九州市に本社のある会社に勤務し、所得税は国(税務署)へ、住民税は県民税は福岡県へ、市民税は行橋市に納めています。このたび、娘の花子さんが、東京都国立市のとある国立(こくりつ)大学へ進学しました。花子さんの住所は隣の日野市です。大学に関しては、山田太郎さんからすると(無粋な表現ですが)「国税として払った税金を、国として還元してもらっている」と考えれば、入学金や授業料の面ではフリーライドはありません。費用の「負担者」と「享受者」が、一致していると考えられるからです。また、国は、国税として集めた税金を、国策のために活用した、ということです。

花子さんの衣食住など、生活に要する経費に伴う費用は、太郎さんの手により、行橋市から東京都へ仕送りされます。花子さんは、大学のある東京都国立市のコンビニで、食料品を購入します。花子さん自身は、消費税は国へ納めます(一部は地方消費税として自治体へ)。花子さんの購入に伴って生じたコンビニ会社の所得に対する事業税は、コンビニ会社が、コンビニの本社・店舗所在地に対する法人事業税(国税・都道府県税・市町村民税)として納入します。ただし、花子さんは、コンビニの前の都道や、国立市の市道に対する税金は納めていません(直接税としては)。また、花子さんは、日野市へは寝に帰るだけですから、日野市道に対しては、なんら負担しておらず、完全に「フリーライド」しています(父親の山田太郎さんとしても)。(花子さんのアルバイト収入は零で納税していない場合です。)

2年後花子さんの弟、サトシ君が、北九州市立大学(名のとおり「市立」)へ進学することになりました。授業料は、北九州市内居住者は年額282,000円、それ以外は年額423,000円です(参考)。
山田太郎さんは北九州市内居住ではないので、直接市民税を払っていませんので、この差について、文句も言えません。他の北九州市民から見ても、これくらいの差がないと、行橋市に対しては穏やかではないでしょう。


「公共財」「フリーライド」の議論の特徴は、税金という「対価」と、それによって得られる「公共サービス」が、住民にとって妥当なものであるかどうか、だと思います。普通の消費財であれば、市場に他の商品(財)が流通していることから、消費者はその選択により、その効用が満たされるよう代替のものを求めることができます。しかし、公共財の場合は、住民にとってその負担が「税」という、代替がきかない、という特徴があります。地方税の場合であれば、住民として納めている額に見合うサービスを、住民として享受しているかどうか(この判断はなかなか難しい)、「フリーライド」の観点からみると、少なくとも、税金を払っていない者(他の自治体の住民)が、当然のようにして、公共サービスをタダで(または安価に)受けていないかどうか、の観点でのチェックになるでしょうか。

私がこれまで主に述べてきたのは、拙稿[41264]にも述べたように、住民税(直接税)の議論です。直接税でも事業税や、(直間比率見直しなどの検討を加味した)間接税については、まだ十分整理できておりません。これを整理しないと、完成でないとは思いますが。

百折不撓さん、faithさんの企業の事業税などの議論についても、追って参加させていただきます。ただ、税収を国家が徴収して地方交付税交付金として国家が配分するのか、自治体が自己財源として徴収して「(3割自治でない)地方自治」になるのか、という議論にもなると思います。国の役割、地方自治体の役割、・・・。


[43956] いっちゃん さん
静岡県の自治体が
●(仮)静岡市 現「静岡」ナンバーのエリア 人口:約120万人
●(仮)浜松市 現「浜松」ナンバーのエリア 人口:約135万人
●(仮)富士伊豆市 現「沼津」ナンバーのエリア 人口:約120万人
の3政令指定都市に収斂してしまった場合、静岡県は何をすればいいのでしょうか?

拙稿[43843]
中途半端な「国の地方出先機関」と「都道府県」を統合し、
(1)(外交・防衛、ほんとの国家の総合計画を作る機能などに特化した)「国」
(2)(各地方の総合的な調整を行う)「道・州」
(3)(地元住民に密着した基本行政を行う)「市町村」
になるのがこれからの姿では、と思います。こうすれば、フリーライダー論も、あまり関係なくなるでしょう。
が、図らずも答えになっているような気がします。中途半端な「県」の存在価値はますますありません。
[43987] 2005年 8月 9日(火)00:23:15【2】faith さん
ご主旨理解しました。ありがとうございました。
[43985]百折不撓さん
すなわち、特定の地域の特定の行政サービスについて考えると、フリーライドという考え方も成り立つと思いますが、世の中はそれほど単純ではなく様々な要素が絡み合っているので、全体としてどこの誰がフリーライドしているのか(受益と負担が乖離しているのか)を考えるのは無意味ではないか、と思っています。
これでほぼ分かりました。
ただし、「複雑だから受益と負担の乖離を考えるのはやめてしまおう」というスタンスは、実際的な見地からはあながち否定されるべきものとも思いませんが、あえて税収の配分の公平性を論じられる方のスタンスとしては、私にはやや奇妙に感じられました。
(もちろん、税金に、所得の再配分という機能があることは承知しています。)

きちんと考えたことはありませんし、計算もできないと思いますので、あくまでも感覚なものですがこんな感じでイメージをしています。
税収の配分の公平性を議論するのであれば、ここでいう「基準」を考えるところから私だったら始めるだろうと思います。

C市に配分できるということ、これは大きな違いだと思います。
これは単なる行き違いだと思います。
[43935] 百折不撓さんの
企業から直接自治体に納税しなくても、事業所の数などで地方交付税の配分額を割り増しすれば足りるのではないでしょうか?
の「割り増し」部分を国が徴収しようが、地方自治体が徴収しようが結果は同じと申し上げただけです。[43985]で挙げられた例でいえば、C市への配分はすでになされているという前提での、A市、B市のみに該当する「割り増し」部分(私はそのように読んだのですが、違っていますか?)の話です。

※脱字訂正
※表現統一 「公正さ」→「公平性」
※表現修正(最終センテンス冒頭)
[44022] 2005年 8月 10日(水)00:14:39百折不撓 さん
フリーライドなど
[43986] 2005 年 8 月 9 日 (火) 00:06:58 88 さん
まず、非常にくだらないことで恐縮なのですが、88さんはあと7分早く書き込みをされるべきだったと思います(笑)。

「国立大学」に関しては、国民が「国税」として負担し、「国」において勘案して「国立大学」を全国に配置している、と考えるのが自然だと思います。想定されているとおり、「フリーライド」ではないでしょうね。
これについては、私の書いた意図と違います。
私は「東京には、人材と金が集まりやすいシステムになっている」と言う趣旨でした。
しかし、今思えば、あまりフリーライドに関係無いかもしれません。すみません。

ただ、
「国立大学」に関しては、国民が「国税」として負担し、「国」において勘案して「国立大学」を全国に配置している
と言うことであれば、岐阜県には1校しか作らないのに、(高山市と同程度の面積である)東京都に12校も作らなくても、と思うのは、田舎者のひがみでしょうか。


「公共財」「フリーライド」の議論の特徴は、・・・
ここの段落で仰っていることは良く分かるのですが、これは市町村単位で考えられているのだと思います。
私が[41584]で「納税額の少ない個人もいるが、それもフリーライドでは?」と お尋ねすると、88さんは[42010]で「それは『所得の再配分』である」というお答えでした。

私はそこで「そういうことであれば、すべて『所得の再配分』でいいのではないか」と思ってしまうのです。
なぜなら、地方税とは言ってみても、実態としてはどこの都道府県・市区町村に住んでいても住民税は変わらないと思います。
例えば「わが町の住民税は他市町村の3倍の率で徴収され、そのお金によってできた道路だ」と言うことであれば、フリーライドを避けることを主張するのも分かるような気がするのですが....

それから、フリーライドの議論には「だったらどうすれば良いのか?」という観点から実施できるような議論があまり存在しないような印象があります。
88さんが仰る市立大学の授業料に差をつける例は、一つの策ではあると思います。
しかし、市営地下鉄や市営バスの料金・市民病院の診察料で差をつける、とか、市外の住民が市道を利用する際には料金を徴収する、と言うことは可能でしょうか?

また[41264]で、
方策のひとつが、たとえば税の直間比率の見直し(直接税である所得税・住民税・固定資産税などの比率を低くし、日々の財の取引に伴う間接税の比率を高める)であったり、「市町村合併」でもあるのではないでしょうか。
と仰っていますが、お金に色が付いているわけではありませんから、見かけ上の数字が変わるだけではないでしょうか?
このような方策で「フリーライド」を解消するということであれば、最初からすべて「所得の再配分」と割り切ってしまっても同じなのではないでしょうか?


[43987]faith さん
税収の配分の公平性を議論するのであれば、ここでいう「基準」を考えるところから私だったら始めるだろうと思います。
仰ることは分からないではないですが、これを真剣に考えようとすると[43986]の下のほうで88さんも仰っていることとも重なりますが、「そもそも政府とは何か」「国と地方のあり方(地方の中でも都道府県と市区町村のあり方)」などを検討したうえで、税制度について「国税と地方税の関係」「直間比率」「課税対象」「税率」などを考えなくてはならないと思います。

また、何度も出して恐縮ですが、私としては税収配分の公平性に多少は役に立ったと思っている法人事業税の分割基準の見直しにしても、東京都はまるで反対のこと(PDFです)を主張しています。
何が公平なのかということは非常に難しいと思います。

ですから、そこまで考えるのは私には無理です。力不足です。

C市への配分はすでになされているという前提での、A市、B市のみに該当する「割り増し」部分(私はそのように読んだのですが、違っていますか?)の話です。
私は、自治体が徴収するのだから「C市への配分は無い」と考えていました。
市内に事業所のないZ社からC市が徴収するのは考えていませんでした。

参考までに、faithさんご自身は、フリーライドや税についてはどうお考えなのでしょうか?
[44110] 2005年 8月 13日(土)09:04:03【1】faith さん
Re:フリーライドなど
[44022] 百折不撓さん

「国立大学」に関しては、国民が「国税」として負担し、「国」において勘案して「国立大学」を全国に配置している
と言うことであれば、岐阜県には1校しか作らないのに、(高山市と同程度の面積である)東京都に12校も作らなくても、と思うのは、田舎者のひがみでしょうか。
人口の差などを勘案して、ある程度は仕方ないだろうと私は思います。
それより、特に近年までは一部の地方国立大学において学部構成に非常な偏りがあったことを考えると、学校の数以上に差があるようにも思います。元の話とずれますが…

しかし、市営地下鉄や市営バスの料金・市民病院の診察料で差をつける、とか、市外の住民が市道を利用する際には料金を徴収する、と言うことは可能でしょうか?
市営ではないですが、地域によっては、その自治体に住む一定年齢以上のバス乗客は無料というところがあります。これなどは近いものがあるのかと。それ以上に踏み込んで、住民とそれ以外で差をつけるというのは私は見たことがありません。

また[41264]で、
方策のひとつが、たとえば税の直間比率の見直し(直接税である所得税・住民税・固定資産税などの比率を低くし、日々の財の取引に伴う間接税の比率を高める)であったり、「市町村合併」でもあるのではないでしょうか。
と仰っていますが、お金に色が付いているわけではありませんから、見かけ上の数字が変わるだけではないでしょうか?
どう実施するかによりますが、上記の施策で各人の負担が変わるのであれば、「見かけ上の数字が変わるだけ」ということはないのでは?

[43987]faith さん
これを真剣に考えようとすると[43986]の下のほうで88さんも仰っていることとも重なりますが、「そもそも政府とは何か」「国と地方のあり方(地方の中でも都道府県と市区町村のあり方)」などを検討したうえで、税制度について「国税と地方税の関係」「直間比率」「課税対象」「税率」などを考えなくてはならないと思います。
これは、本来そういう話なのではないかと思います。全てに答えが出した上でないと論じられないというものでもないでしょうが、「何が公平なのか」ということについての立場をある程度明確にすることなしに、例えば「公平な税収の配分」について議論してもどうどうめぐりになったりするのではないかと。

参考までに、faithさんご自身は、フリーライドや税についてはどうお考えなのでしょうか?
素人の極端な考えですが、「所得の再分配」ということを仮に考慮しなければ、直接税だけにして、各人が同一額を納める「人頭税」的な課税が一番公平だと思います。
あるいは逆に、「消費活動に応じて課税されるべき」と考えて、消費税に収斂させるというのも考えられます。
いずれにしろ、原付を1台持つと課税、温泉に入ると課税、というような現状は「取れるところから取ろう」という感じが否めません。

と、こういったところで許してください。

※後ろから2つ目のセンテンスを修正
[44220] 2005年 8月 17日(水)00:29:5488 さん
フリーライド など
[44022] 百折不撓 さん
(国立大学を:引用者注)岐阜県には1校しか作らないのに、(高山市と同程度の面積である)東京都に12校も作らなくても、・・
心情的にはわからないでもないですが(当香川県にも1校なので)・・。東京は「舞台」である、と雑誌で読んだことがあります。全国から(あるいは世界から)「舞台」に上がろうと人が集まってくる、そういう街である、と。私はこの表現が、うまく言い表している言葉だと思います(江戸っ子の方には気に障る言葉かもしれませんが)。
この「舞台」を、例の盛岡市と滝沢村に置き換えてみると、盛岡市がひとつの「舞台」なのでしょうか。考えようなのかもしれませんが、私は、盛岡市も「舞台」なのかもしれませんが、やはり、「東京」とは規模・内容が違うだろうと感じます(東京には、それなりの「国税」をもって、還元されているとも言えます。拙稿[43986])。盛岡市に人が集まるのは現実的にわかりますが、やはり、盛岡市に対して直接税金を払った上で、盛岡市の「舞台」に上がって欲しいです。このあたりになると、「自治体」である以上は、独立した「自治」を持って欲しい、との私の心情が入ってしまいます。あまり理論的ではなくなっているかもしれません。

最初からすべて「所得の再配分」と割り切ってしまっても同じなのではないでしょうか?
この説は、このとおりに自治体も、住民も実行できれば、何の問題もないと思います。ただ、現実には「衛星都市」なるものが存在し、人口構成が自治体によってアンバランスが生じ、産業別人口も異なります。結果、「ハコモノ」の充実度に差がつき(または敢えて差をつけ)、自治体ごとに福祉政策が異なり、財政状況も違ってきます。自治体ごとの「個性」というよい面だけならいいのですが、大都市に(あまりよい言葉ではないですが)「寄生」する自治体とは、「自治」体なのか、と思ってしまいます。「所得の再配分」と、完全に割り切ってしまうには、突き詰めると、例えばすべてを国税として徴収し、国が自治体へ配分する強烈な中央集権国家になってしまわないでしょうか(極論でしょうか)。

[44110] faith さん
「消費活動に応じて課税されるべき」と考えて、消費税に収斂させるというのも考えられます。
これは、拙稿[41264]
たとえば税の直間比率の見直し(直接税である所得税・住民税・固定資産税などの比率を低くし、日々の財の取引に伴う間接税の比率を高める)であったり
と、同様の意見ですね。私の感覚的には、直接税よりは間接税のほうが、経済活動を行う面ではフリーライドを避けやすい、と感じています。ただし、私もまだ事業税については検証できていないので、今後の課題にさせてください。


#今夜は、私もちょっと書き込みが多すぎましたか。でも、まだ、[43859]うるう さんへのレス([43862]への自己レス)もできてません・・・この話題にも触れたいのですが。


… スポンサーリンク …


都道府県市区町村
落書き帳

パソコン表示スマホ表示