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[41581] 2005年 5月 24日(火)21:15:22【1】88 さん
町・字・・・
以前から暖めていた、「町」「字」「大字」「小字」についての書き込みです(単に整理を怠慢し、遅くなってしまっただけ)。
まだ、十分、整理しきれていないので、皆様のお知恵を拝借していただければ、と思います。
(ARC町名、字名(大字、小字、字)、丁目とは何か?参照)

まず、これらについては、基になる二つの法律がしており、その意味(定義)が異なっているのでは、と思います。
二つの法律とは、(1)地方自治法、(2)不動産登記法、です。「住居表示に関する法律」もありますが、これは、地方自治法をそのまま踏襲している、といってよいと思います(同じ総務省(旧自治省)ですし)。
引用ばかりで申し訳ないですが、前提をまず確認しておきたい、と思います。
なお、地方公共団体である「町」を、今回の整理では想定していないことを明確にしておきます。

(1)地方自治法関係
地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
第260条
政令で特別の定をする場合を除く外、市町村の区域内の町若しくは字の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更するときは、市町村長が当該市町村の議会の議決を経てこれを定め、都道府県知事に届け出なければならない。

地方自治法第260条の解釈としては、行政実例として、次のようなものがあります。
(「新版逐条地方自治法第2次改訂版」松本英昭著、学陽書房)
・「字」は、いわゆる字のみならず、「大字」又は「小字」も含まれる(行政実例昭和23年8月9日)。
・「町若しくは字の名称を変更する」とは、単に従前の町又は字の名称を変更する場合及び町又は字の区域を変更するとともに同時にその名称を変更する場合である。また、「町若しくは字の区域をあらたに画する」ことの中には、新しい町名又は字名を附することを含むからである。また、市町村の配置分合及び境界変更に際し、旧町村の字の区域及び名称をそのまま新市町村の字の区域及び名称とする場合には、本条の手続を要しない(昭和30年3月30日行政実例)

このように、地方自治法では「町」と「字」を明確に分け、「字」の中に「大字」「小字」を含んでおります。

(2)不動産登記法関係
不動産登記令(平成十六年十二月一日政令第三百七十九号)
(土地の表示に関する登記の登記事項)
第三十四条  土地の表示に関する登記の登記事項は、第二十七条各号に掲げるもののほか、次のとおりとする。
一  土地の所在する市、区、郡、町、村及び字
二  地番
三  地目
四  地積
2  前項第三号の地目及び同項第四号の地積に関し必要な事項は、法務省令で定める。
(地番)
第三十五条  登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域(第三十九条第二項及び第四十一条第二号において「地番区域」という。)を定め、一筆の土地ごとに地番を付さなければならない。

不動産登記規則(平成十七年二月十八日法務省令第十八号)
 不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)及び不動産登記令(平成十六年政令第三百七十九号)の施行に伴い、並びに同法及び同令の規定に基づき、並びに同法及び同令 の規定を実施するため、不動産登記法 施行細則(明治三十二年司法省令第十一号)の全部を改正する省令を次のように定める。
(地番区域)
第九十七条  地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもって定めるものとする。
(地番)
第九十八条  地番は、地番区域ごとに起番して定めるものとする。
2  地番は、土地の位置が分かりやすいものとなるように定めるものとする。

なお、これら不動産登記法関連については、平成17年3月7日に全部改正されました。従前のものはこちらです。

不動産登記法施行令(昭和三十五年八月五日政令第二百二十八号)
(地番区域)
第一条  地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもつて定める。
(地番)
第二条  地番は、地番区域ごとに起番して定める。
2  地番は、土地の位置がわかりやすいように定めなければならない。
不動産登記法では、「字」だけです。「町」の表現は全く出てきません。


(整理)
(1)地方自治法(及び住居表示に関する法律)関係
我々が日常生活で目にするもの(あくまで公的な、「正式」なもの)は、戸籍、住民票、運転免許、パスポート、などでしょう。ただし、それを見る限りでは、やはり、「町」「字」の区別はわかりません。
一般に使用される「住所」は、郵便物が届けばよい、宅配物が届けばよい、ということにが主眼にしますので(例えば「マンション名+部屋番号」の表記は通常は正式な住民票では使わない・・部屋番号は、住居表示の枝番で対応する例はあるが)、「町」「字」の議論にはあてになりません。
「○○市△△町」と言っても、(地方自治法に言う)「町」とは限らず、「○○市△△」と言っても、「字」とは限りません。
しかし、地方自治法では、「町」と「字」の定義(区分)について、どこにも触れておりません。[6666]黒髪 さんが述べられたように、
その市町村が「町」と言えば「町」であり,「字」と言えば「字」です。
名称に騙されてはいけません。
くらいしかないのでしょうか。
昨今の市町村合併で、上記の地方自治法第260条第1項の規定による届出が、市町村長から都道府県知事あてに、多数出され、都道府県知事から告示されているはずです。その中では、「町」なのか、「字」なのかの区別は明確にわかります。ただし、何が「町」で、何が「字」なのか、その判断基準等は示されていません。

(例1)香川県丸亀市
香川県告示第163号 平成17年3月22日(県報第23号)香川県報
地方自治法第260条第1項の規定により、丸亀市の区域内において、次の表の下段に掲げる字の名称を当該上段に掲げる字の名称に変更し、平成17年3月22日から施行する旨、丸亀市長職務執行者から届出があった。
上欄(変更後の大字)下段(変更前の大字)
綾歌町岡田上岡田上
綾歌町岡田下岡田下(以下略)
(新)丸亀市は「字」です。

(例2)長野県長野市
平成16年11月18日総務省告示第912号
地方自治法(昭和22年法律第67号)第7条第1項の規定により、更級郡大岡村、上水内郡豊野町、同郡戸隠村及び同郡鬼無里村を廃し、その区域を長野市に編入する旨、長野県知事から届出があったので、同条第6項の規定に基づき、告示する。
上記(右)の処分は、平成17年1月1日からその効力を生ずるものとする。
○町の区域の画定及び名称の変更について
地方自治法第260条第1項の規定により、平成17年1月1日から本市内の町の区域及び名称を、別紙のとおり画定及び変更する。
1 次の左欄の区域をもって右欄の区域を画定する。
また、これに伴い全部の小字を廃止する。
左欄右欄
(旧大岡村)
大岡村(符号地番甲の区域)大岡甲
大岡村(符号地番乙の区域)大岡乙
(以下略)

2 次の左欄の大字の名称を右欄のとおり改める。
左欄右欄
(旧豊野町)
大字南郷豊野町南郷
大字石豊野町石
(以下略)
長野市は、「町」「字」併用のようです。


(2)不動産登記法関係
特定の業務に関係する方以外は、目にする方以外はあまりないでしょう(不動産の売買のときくらい)。法務局にある「不動産登記簿」です(あくまで、いわゆる「表示登記」と言われる、「土地の表示」に限ります。「権利登記」といわれる部分(所有権を表す部分等)は、印鑑証明書に基づきますので、地方自治法のものと同じです)。
(1) ○○市△△町字××1001番地1
(2) ○○市△△町一丁目1001番地1
などと表現されます。
(住居表示の(例えば「○○市△△町一丁目1番1号」)は、不動産登記簿(表示登記として)では使われません。念のため。これは「地番」と「住居表示」の相違です。(ARC住居表示と地番とは違うものなの?))

全部がそのとおりかどうかは定かではないのですが、「○○町一丁目」(「○○一丁目」)との(地方自治法における「町」「字」の設定をすると、)上記(1)は、(2)に変わる例を私は知っております(住居表示実施のときの例ですが・・不動産登記法上の「地番区域」にも関連しているのでしょうが)。この場合、「一丁目」は(不動産登記法上の)「字」と同じとみなしてよいのでしょうか? 不動産登記法に詳しい方、お教えくだされば幸いです。


ちょっと、中途半端な述べ方になってしまいましたが、長文になるので(既になっていますが)、ひとまず、これまでにしたいと思います。引用が多くて失礼しました。

#体裁修正、一部語句修正・追加
[42149] 2005年 6月 9日(木)19:26:3988 さん
地番整理
[42142] ひげねこ さん
住居表示によらない町名設定もあります。町名地番整理です。

私は、恥ずかしながら、「地番整理」なる言葉を、初めて聞きました。少し動揺しています・・。今回、過去レスを検索すると、次のものにぶち当たりました。

[3881] TN さん
さいたま市役所によれば、2003.4.1からは、政令指定都市移行とともに、さいたま新都心西側区域は「新都心」という地名になるそうです。ただし、「住居表示に関する法律」に基づいたものではなく、単なる名称変更・地番整理ですが。

[14784] ありがたき さん
住居表示法公布を受けた昭和30年代後半で盛んに行われた町名地番整理の際に住民の強い要望その他で「町」がとれないまま「丁目」がついた

ネット検索していく中で、例えば、川越市の町名地番整理事業についてのHPを見てみました。
私によくわからないのは、「土地区画整理法や土地改良法によらない『地番整理』」が、単なる不動産登記で言うところの分筆・合筆でないのだとすると、やはり「換地処分」のようなことがあるのでしょうか? 「地番整理」の根拠法令をご教授いただければありがたいのですが。

釈迦に説法ですが、「住居表示」は、
○○市△△町一丁目×番□号 (通常使われる「住所」)

○○市××町一丁目△△番□ (不動産の登記簿)
は並存します。

土地区画整理法や土地改良法による換地処分がなされると、
元の地番
○○市××町一丁目△△番□

○○市××町一丁目☆☆番※
になり、
さらに住居表示がある地域では
○○市△△町一丁目×番□号
も並存します。

#私が[41581]
(1) ○○市△△町字××1001番地1
(2) ○○市△△町一丁目1001番地1
と書いたのは誤りです。土地の表示では「番地」は使用しません。
不動産登記法(不動産登記簿)は
(1) ○○市△△町字××1001番1
(2) ○○市△△町一丁目1001番1
です。
[48333] 2006年 1月 13日(金)23:33:4488 さん
大字・地割について
[48229] スナフキん さん
[48271] オーナー グリグリ さん
[48313] スナフキん さん
私も[41581][42149][43862]でも)で述べたように、このテーマに対して気にしているものの一人です。

詳細はまだ調査が十分でないので、中途半端な書き込みにしかならないのですが、まず総論をひとこと。
地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
第260条
政令で特別の定をする場合を除く外、市町村の区域内の町若しくは字の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更するときは、市町村長が当該市町村の議会の議決を経てこれを定め、都道府県知事に届け出なければならない。

・通称地名は別として、正式な「町」「字」については、必ず、正式に決まっているはずだ、ということ。
(もちろん、日常会話等で通称地名を否定するものではありません。)
・合併市町村では、合併期日付けで都道府県報などに「町」「大字」「字」の名称について記載されているはずだ、ということ(電子版か、紙版かは別として)(前傾拙稿[41581]に例示)。
・「町」「大字」「小字」が、何が該当するのかが、見た目ではわかりにくい。「『町』という文字」のない「町」もあれば、「『町』という文字」のある「大字」もある。また、「通称」も混在して普段は使用されており、わかりにくい(さらに住居表示も絡むと複雑)。
・地方自治法と、不動産登記法が(おそらく)「町」「字」定義が異なり、余計に混乱に拍車をかけていること(これも拙稿[41581])。

さらに、少し前の話題ですが、「地割」について。
[19408]スナフキん さん、[19438]yamada さん、[19470]ありがたき さん ほか)
岩手県九戸郡洋野町(旧九戸郡種市町・大野村)の合併に関しての資料からです。
種市町・大野村合併協議会合併協定項目No.13「町名・字名の取扱い」P2・P3などから整理してみました。

合併前
(1)種市町大字中野第○○地割○○番地
大字大字中野
第○○地割
(2)種市町第○○地割○○番地
大字(なし)
第○○地割
合併後
(1)洋野町中野第○○地割○○番地
大字中野
第○○地割
(2)洋野町種市第○○地割○○番地
大字種市
第○○地割

ここに明記しているように、「第○○地割」は、れっきとした「字」の名称です(合併前も、合併後も)。

いかなる言葉を使っていても、「町」「大字」「小字」のどれかに該当する、と思います。
もちろん、通称は別です。

続きは、また改めて書き込みます。本日はここまででご容赦を。


おまけ
[48313] スナフキん さん
こだわりのある人、地名を研究したり論じたりする人
はい!
[48412] 2006年 1月 15日(日)22:29:42【1】88 さん
町・字 つづき
[48373] Issie さん
[48333] 88
・通称地名は別として、正式な「町」「字」については、必ず、正式に決まっているはずだ

鳥取市・・(引用者中略)・・おそらく「用瀬町赤波」で1つの“町名”なのでしょう。
でも,これは「条例」でも「規則」でもないようです。

不動産登記法に関しては、また別途書きます。まずは、地方自治法に関してです。
(二法の「町」「字」の定義についての見解は、拙稿[41581]で述べておりますので、ご意見をいただければ幸いです。)

地方自治法の規定では、町・字については「条例」「規則」にする必要がある、とはどこにも書いていません(このため、各市町村のWeb版の例規集にも、記載の有無が混在しています)。繰り返しの紹介になりますが、
地方自治法(昭和二十二年四月十七日法律第六十七号)
第260条
政令で特別の定をする場合を除く外、市町村の区域内の町若しくは字の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更するときは、市町村長が当該市町村の議会の議決を経てこれを定め、都道府県知事に届け出なければならない。
とあるので、我々一般人が確認するには、(1)市町村の議会の議決を確認するか、(2)都道府県知事への届出を確認するか、(3)その後の都道府県知事の告示を確認するか、しかないでしょう。
告示については、前述地方自治法第260条第2項で、
2 前項の規定による届出を受理したときは、都道府県知事は、直ちにこれを告示しなければならない。
とあるので、必ず、告示されます(紙・電子で)。

なお、これは上記第260条第1項にあるように、「町若しくは字の区域」を
あらたに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更するときは
に限ります。

ここで気になるポイントなのですが、市町村の議決を要する案件なのに、「じゃあ、今はどこでどう決まっているのか?」と、話題にならないはずがない、と思うのです。つまり、それまでが曖昧なものを、急に議決する、ということが考えられない、ということです。

ここからは推測の域をまだ出ません。私も追って調査したいのですが、お知恵を拝借できれば幸いです。
地方自治法施行に伴う切り替えについて定めたものに、「地方自治法施行規程」があります。これは、地方自治法の附則に
附 則 (昭和二二年一二月一二日法律第一六九号) 抄
第一条  この法律は、昭和二十三年一月一日から、これを施行する。(後略)
第六条  この法律の施行に関し必要な規定は、政令でこれを定める。
とあり、これを受けたものです。

地方自治法施行規程(昭和二十二年五月三日政令第十九号)
第十章 補則
第六十六条  法律又は政令に特別の定があるものを除く外、従前の東京都官制、北海道庁官制又は地方官官制の規定によつてした手続その他の行為は、これを地方自治法 又はこれに基いて発する命令中の相当する規定によつてした手続その他の行為とみなす。
とあります。これは、
「地方自治法施行時点で使用していた「町」「字」は、当該市町村の議決を得て、都道府県知事に届け出たものとみなす。」
という解釈は無理があるでしょうか?

余談ですが、第九回十番勝負問八で話題になった「市役所の位置を定める条例」については([46637]拙稿参照)、同様の規定が明確にあります。
地方自治法
第四条  地方公共団体は、その事務所の位置を定め又はこれを変更しようとするときは、条例でこれを定めなければならない。
地方自治法施行規程
第一条  地方公共団体の事務所の現に在る位置は、地方自治法第四条 の条例でこれを定めたものとみなす。
地方自治法第四条の件については、明確に切り替えの「みなし規定」が存在するのですが・・・。

今宵はここまでにいたします。またよろしくお願いします。

#地方自治法第260条第2項の告示の箇所を訂正(訂正前は「告示をする義務がない」と書いていた・・まったくの事実誤認)
[48795] 2006年 1月 28日(土)11:25:4988 さん
町・字・・・の前に、住居表示と地番について
町・字については書き込みたいネタは、皆さんの議論が沸騰しているのでヤマほどあるのですが、もう少し整理してからにしたいと思います。

とりあえず簡単に一つだけ。

[48773] Issie さん
実はここで「番地」と表記されている「旭町」は上述の通り,1969年に住居表示が実施されて新設された「町」なのです。「大山町」(1967年),・・(引用者中略)・・も同様です。
これらに共通するのは小さな区画で複数の丁目に分けられず,早い段階で住居表示の行われた(矢部新町を除く)区域であるということですが,ここに「番地」と表記しているのはなぜなのでしょうねえ。

理由は2つあると思います。

1つ目は、市役所の出張所の業務は、単に住居表示「街区」に限定されたものでないからではないでしょうか。道路・河川等も含めたエリア全体を指定するためだと思います。

ご承知のとおり、住居表示は「街区」だけなので、道路、河川などは住居表示はなされておらず、地番のままです。
例えば、相模原市道部分であっても、最近市が個人から用地買収して拡幅したなどは、地番(相模原市○○町字△△×××番×)という地番が付いたままになっています(当然、住居表示はありません)。仮に、道路拡幅後国土調査(地籍調査)が入り、不動産登記法第14条地図(昨年改正までは17条地図)が作成されれば、14条地図上は「道」という表示になってしまいますが(国土調査後の地図では道路などは一筆ごとに表さずまとめて表示する)、不動産登記簿上はその地番のまま、「所有者相模原市」として現存します。
もっとも、「法定外公共物」(農道(里道、いわゆる「赤線」)、水路(いわゆる「青線」))は、地番が付いていません。いわゆる「無番地」の国有財産です。その一方で、従来からの里道や水路を個人が(一体利用するために)払い下げを受け、その代わりとして代替の里道や水路に相当するものを提供して施工し交換した場合、代替の部分は個人の土地を分筆して「建設省(国土交通省)」名義で残っています。これについても、国土調査で14条地図上は判明しない場合もありますが、不動産登記簿は地番つきでちゃんとあります。
#このへんの話は、「土地家屋調査士」の専門分野ですが・・(私は資格は持っていませんが)

つまり、住居表示が行われた街区部分に限らず、住居表示のない地番のみの部分や無番地の部分を含めて、出張所は業務をするから、ということでしょう。
#私の推測の弱いところは、この条例に無番地に関する規定がないことですが。厳密に規定する場合なら、「これらの土地に介在する公共物である市有財産を含む」のような表記があってもよいのですが。

理由の2つめは、住居表示を実施しても、地番そのものは並存しているので、今後の新たな住居表示の変更があっても、地番での設定ならば融通が利くため、あえて地番で定めたのではないでしょうか。
・・まあ、これは理由にもならないほどの理由ですが、ありえるかな、ということで。

―――――――――――――――

余談ですが、法定外公共物(「無番地」)は、文字通り地番がなく、不動産登記簿もありません。「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(地方分権一括法)」により、これらは平成17年3月31日までに、原則として国から市町村へ無償譲与され、現在では市町村所有の法定外公共物になっています(例外はわずかにあります)。

もう一つ余談ですが、「市道」は、すべて、所有権を「市」が取得している訳ではありません。元県道や国道が移管された部分があれば、「県」「建設省(国土交通省)」のままで登記されていますし、市道の中に上記の法定外公共物がある場合もあります(上記で今は市町村所有になっているがつい先日までは国所有であった)。合併前の市町村名義のままのこともあります。さらに、個人名義も残っています。戦前などは、地元地権者が土地を事実上提供し、所有権を移転しないまま自治体が道路施工をした例も多いらしく、登記簿上は個人のままです。じゃあ、どうなっているのか?・・・
道路法
(道路の区域の決定及び供用の開始等)
第十八条  ・・・道路管理者・・は、路線が指定され、又は路線の認定若しくは変更が公示された場合においては、遅滞なく、道路の区域を決定して、国土交通省令で定めるところにより、これを公示し、かつ、これを表示した図面を・・道路管理者の事務所・・において一般の縦覧に供しなければならない。・・
2  道路管理者は、道路の供用を開始し、又は廃止しようとする場合においては、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示し、かつ、これを表示した図面を道路管理者の事務所において一般の縦覧に供しなければならない。・・・
(引用者一部中略)
極端に言うと、所有権が誰であれ、公示してしまえば道路は道路(市道は市道)、ということです(その分、機能管理は道路管理者がちゃんと行います)。もっとも、昔はさておき、今はちゃんと買収していますから念のため(だからこそ、土地収用法もあります)。
[48881] 2006年 2月 1日(水)19:18:5988 さん
不動産登記法における町・字
町・字について、不動産登記法における定義の検討です。引用が多くて申し訳ありません。
なお、不動産登記法等関係法令は、平成17年3月7日施行で全部改正されましたが、基本的に改正前の条文に対する資料です(参考までに、改正後の法令も付け加えています)。
(参考資料)
「補訂 条解 表示登記法」佐藤勇 著 日本加除法令出版株式会社(平成9年発行)
著者佐藤勇氏は、各法務局等で登記実務をされた法務省職員OBです。

その1
不動産登記法(明治32年法律第24号)(平成17年3月7日改正前)
(行政区画等の変更の場合)
第59条
行政区画又ハソノ其名称ノ変更アリタルトキハ登記簿ニ記載シタル行政区画又ハ其名称ハ当然之ヲ変更シタルモノト看做ス字又ハ其名称ノ変更アリタルトキ亦同シ
前掲書p.168の、上記の不動産登記法第59条に関する解説です。
行政区画とは、府、県、市、町、村のように、行政機関がその権限を及ぼすことができる行政上の単位である一定範囲の地域をいい、字とは、大字、小字をいい、行政区画に存在する一定範囲の地域をいう。

その2
不動産登記法(明治32年法律第24号)(平成17年3月7日改正前)
(地番・地目・地積)
第79条
登記所ハ政令ノ定メルトコロニ依リ地番区域ヲ定メ土地一筆毎ニ地番ヲ附スルコトヲ要ス
前掲書p.191の、同じく不動産登記法79条に関する解説です。
地番区域とは、土地について地番を起番する場合の基準とすべき区域であって、市、区、町、村、字などの行政区域を基準とすることとされている。
「これに順ずる地域」とは、例えば、甲市乙町1丁目という場合の「乙町1丁目」のような、「大字」又は「字」の付されない地番区域がその例と考えられている。具体的に、どの地域をもって地番区域とするかは、その区域に含まれることとなる土地の筆数等を考慮して定めるべきであろうが、現実的には、大字をもって地番区域としている例が多いようである。

(参考)
不動産登記法施行令(昭和35年政令第228号)(改正前)
(地番区域)
第1条  地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域をもつて定める。

不動産登記法(平成16年法律第123号)(改正後)
(地番)
第35条
登記所は、法務省令で定めるところにより、地番を付すべき区域・・(引用者中略)・・を定め、1筆の土地ごとに地番を付さなければならない。
不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)(改正後)
(地番区域)
第97条 地番区域は、市、区、町、村、字又はこれに準ずる地域を持って定めるものとする。

――――――――――――――――――――

これらの解説からの考察です。
不動産登記法においては、改正前の旧法第59条に関する前掲書解説のとおり、
字とは、大字、小字をいい、行政区画に存在する一定範囲の地域をいう。
であり、行政区画内を小分けする言葉として、すべて「字」という言葉で総括しています。不動産登記法やその関連法令の条文中の「町」は、市町村の「町」です。これは、地方自治法第260条の定義とは異なっています。
[51379] 2006年 5月 18日(木)18:37:56【1】88 さん
「地番」と「番地」の違いについて
久々に、こういう話題を書いてみます。

「地番」とは、土地の番号を約したもので、特定の土地を表示する名称である、と定義できます。この「地番」という法律用語ができたのは、地租法であるといわれております。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
地租法(昭和6年法律第28号)
第三条 土地ニハ一筆毎ニ地番ヲ附シ其ノ地目、地積及賃貸価格(無租地及免租年期地ニ付テハ賃貸価格ヲ除ク)ヲ定ム
第五条 地番ハ市町村、大字、字又ハ之ニ準ズベキ地域ヲ以テ地番区域トシ其ノ区域毎ニ起番シテ之ヲ定ム
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

この地番が付されるのは、従来は民有地に限られていました。よって、国有地である河川や、法定外公共物(農道・水路)は、いわゆる「白地」であり、地番がなく、よって不動産登記簿もなく、土地台帳付属地図(狭義の「公図」)や、不動産登記法第17条地図(現在は14条地図)にも地番は表示されません(なお、民有地を買収した国有財産には、地番も不動産登記簿もあります)。ただし、地図においては、国土調査実施後は、無番地の川と、有番地の川が一体となって「川」とだけ表示され、地番が表示されないことがあります。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
土地台帳法(昭和22年法律第30号)
第四条 土地には、一筆ごとに地番を附し、その地目及び地積を定める。
第四十四条 この法律は、国有地には、これを適用しない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(昭和35年の不動産登記法の一部改正により不動産登記制度と台帳制度とが一元化され、現在に至っています。)

「番地」は、例えば、「5番地」といえば、「5番の土地に所在する」という意味を含んでいます。したがって、まず地番が定まることが前提になるようです。
ですから、不動産登記簿を法務局で取ると、「土地」と「建物」の登記簿に分かれますが、「土地」の登記簿は、「100番1」になり、「建物」の登記簿は、「所在」は「100番地1」、「家屋番号」としては通常「100番1の1」(1棟目)、「100番1の2」(2棟目)、というようになります。
我々の本籍地や住民票は、「100番地1」に所在する建物にある、ということから、(100番1ではなく)「番地」を表するものと思われます。
なお、これは住居表示実施地域でない場合です。


整理すると、
「地番」・・・土地を表すときに使用。不動産(土地)の話題を除いては、日常は使用することは稀である。
「番地」・・・住所、本籍地など、一般的に使用。ただし住居表示実施地域は、日常では「番地」を使用せず、「住居表示」を使用することがほとんどである。

参考文献:「公図の研究」〔四訂版〕藤原勇喜著、財務省印刷局
[52028] 2006年 7月 7日(金)01:02:4588 さん
「町」「字」について
書き込みが2週間ほどご無沙汰でした。
「町・字の話題が出ているのに、こだわっているはずの88の書き込みがないなあ。どうしたのかなあ」と思った方が、2人もいらっしゃったらうれしいです(謝)。

さて、いつものことながら、(私も含めて)皆さんが「町」「字」の話題で苦労するのは、以下のような理由があると思います。
1 「正式なもの」と「通称」が、実社会でも資料でも混在している
  (しかも、通称の方がよく使われることもある)
2 「地方自治法」の正式なものと、「不動産登記法」の正式なものの定義が異なる([41581]拙稿)
  (「住居表示に関する法律」もあり、住居表示実施地域ではさらに混乱する)

さらに、正式なものに関しては、
3 「町」と「字」の区別がつきにくい
  「町」の語句があっても「字」だったり、「町」の語句がなくても「町」だったりする([48565]拙稿)
(例)
町:「○○町」「○○」「○○町△丁目」「○○△丁目」「○○町□□」などと書かれる
字:いわゆる「大字」と「小字」があり、区別がつきにくい
  大字:「大字○○」「字○○」「○○」「○○町」「○○町△△」などと書かれる
  小字:「字○○」「○○」「第○○地割」([48333]拙稿)などと書かれる

上記2に関連して、「○○町△丁目」とあった場合、上記1の正式なものの場合、一般的には、
地方自治法「○○町△丁目」をひとまとめにして「町」
不動産登記法「○○町」:「町」、「△丁目」:「字」
です。

平成の大合併では、合併協議会の協議の中で「町」「字」についての協議・資料がHPで示されているものが多く、都道府県の公報とともにこれらを見ることをお勧めします。
[65115] 2008年 5月 13日(火)23:10:0788 さん
不動産登記法関係 無番地及び地番区域について
[65107] 千本桜 さん
無番地の不動産登記簿についてのご質問ですが、
3・無番地だから登記簿に記載されない?。
これが答えです。

ときどき、私も不動産登記関係の話題にふれていますが、実は業務上ほぼ毎日、不動産登記簿や地図(不動産登記法第14条による地図、公図、旧図)を見ています。
[48795][51379] 拙稿でも他の話題に関連して断片的に述べたのですが、改めて述べます。
「無番地」、文字通り「無番」の「土地」であり、地番がありません。不動産登記簿もありません。
事の起こりは、明治期に地租を算定し徴収するために地租改正を実施した際に、全国の土地に地番を設定したのですが、このときに地租の対象外(つまり地租を納める必要がない土地)は地番を設定しなかったことによります。少し後の法律ですが、土地台帳法(昭和22年法律第30号)に、
第四条 土地には、一筆ごとに地番を附し、その地目及び地積を定める。
第四十四条 この法律は、国有地には、これを適用しない。
とあります。
これら「国有地」は、具体的に言うと河川であったり、農道・水路(いわゆる「法定外公共物」)などです。
参考までに、「法定外公共物」は、道路法や河川法の適用を受けない、建設省所管国有財産だったのですが、「地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(地方分権一括法)」により、これらは平成17年3月31日までに、原則として国から市町村へ無償譲与され、現在では市町村所有の法定外公共物になっています(例外あり)。これらは、現在でも「無番地」ですが、不動産登記簿は存在せず、このため、所有権も登記されていませんが、市町村の名義になっているの実情です(正式に国と市町村の間で譲与契約を締結しています)。
なお、地番がないため不動産登記簿は存在しませんが、地図(不動産登記法第14条による地図等)の上では存在しています。

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[64945] 千本桜 さん
ちょっとお尋ねします。かつての三本松町も小字ごとに番地が振られ、三本松町大字三本松字○○1番地または三本松町字○○1番地のような住所表記になっていたと思います。ところが今では小字なしで三本松1番地ですよね。いつ大字単位の付番に切り替わったか憶えていらっしゃいますか。ぎりぎりのところでリアルタイムで憶えていらっしゃるような気がするのですが・・・。
すでに[64954] 白桃 さんで回答がありますが、きちんと調べたわけではありませんが、
でも、ひとつ気になるのですが、大井戸は301~400番地、大町は401~のように、大井戸1番地というのはなく、つまり、大井戸とか大町という表記はもともと必要なかったのじゃぁないか、そういう気もしないでもありません。
だと思います。
これは「地番区域」の設定の話になりますが、香川県の場合は、[61545] 拙稿の最後の方に述べたように、私の経験上、ほとんどの地域が大字単位での地番区域です。小字単位での地番区域の設定は、ごく少数です。また、地番の変更(振りなおし)を行う場合は、町名等の変更を伴っているのが現実だと思います。例えば私が知る例として、丸亀市土器町西二丁目あたりは、地番の変更(振りなおし)と同時に、町名が「土器町→土器町西二丁目」と変更となりました(住居表示は未実施)。
(地番区域について詳しく知りたい方は、[48881] 拙稿をご覧ください。)
[65276] 2008年 5月 28日(水)00:20:2188 さん
不動産登記法関連について(小字の調査に有用な法務局の地図、地番整理、地租改正における地番区域について)
[65215] 千本桜 さん
本題の前に一つ情報提供です。千本桜さんは、法務局の地図をご覧になったことはどのくらいおありでしょうか? 十分にご存知であれば、以下の冒頭の数行は読み飛ばしてください。
字(小字)について法務局で調べる場合、次の地図はご馳走です。
(1)国土調査(地籍調査)を実施している地域の場合・・・現在の地図(不動産登記法第14条(第1項)地図)の前の「旧図」
(2)国土調査(地籍調査)を実施していない地域の場合・・・現在の地図=「公図」、「旧図」
「旧図」は、古いものは明治の地租改正のときの「土地台帳附属地図」であり、和紙に筆で書かれた小字単位を基本とした地図です。地目、地番などが表示されています(もちろん白地(無番地、農道・水路など)も)。「旧図」は、地域・時代により、何種類も(何代分も)ある場合があります。
国土調査をした後の地図(縮尺500分の1)は、精度はありますが字ごとではなく、普通に長方形で区切った地図です。これと異なり、国土調査実施以前の「旧図」や多くの「公図」は、小字単位などで作成された地図ですから、「そういう観点で」見るのにはうってつけです。
なお、この旧図などの写し(いずれかの地番を特定する必要あり)を正式に請求すると、確かに500円必要で、法務局の証明印がつきます。しかし、法務局にもよりますが、コインコピー機を備え付けてあり、自分で自由にコピーすることができるところがあります。地図は500円での請求とまったく同じもので、証明印がないことが相違点です。ぜひお試しください。
余談。法務局で正式に「地図」と言うと「不動産登記法第14条(第1項)地図」のことです。国土調査を実施していない、上記(2)の「公図」は、「地図に準ずる図面」(同第14条第4項)です。
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さて、ご質問の件です。
1・私としては、「町名地番整理」より「字名地番整理」の方がしっくりするのですが、「字名地番整理」という用語でも通用するのでしょうか。
私も[42149][42202]で書いたように、町名地番整理という言葉にはまったく縁がなかったのです。今でこそ多少実例も知りましたが・・・。町名地番整理(Google検索)はたくさん検索にかかります。字名地番整理(Google検索結果)はわずか(大半が千本桜さん絡み)で、私は聞いたことはありませんが・・・。
2・町名地番整理時に大字名を温存するか省略するかについては、国の方針・指導がなくて市町村の判断に委ねられているのでしょうか。
残念ながら存じません。おそらく、国の指導は特になく、市町村の判断だろうと想像します。もっとも、「町名地番整理」にそもそも根拠法令があるようには思えないのですが・・・。
3・住居表示とは異なり、町名地番整理の場合は住所と登記簿の字番地は一致するんでしたよね・・・?。
川越市HPの町名地番整理にちょうどいい資料がありました。
一致はしますが、厳密に言うと、「住所・・・○○番地△」「登記簿(土地の所在)・・・○○番△」という違いはあります。また、地番区域が大字単位の場合(小字も存在する場合)、通常住所には小字は入りませんが、登記簿には小字が入ります。

ついでにもう一つ。小字必須の地域に住む者の素朴な疑問です。大字単位に地番を付す地域は、いつからそのようになったのか。これについては、明治22年市制町村制発足と同時に大字起番を採用した地域もあると思って良いのでしょうか。何か良く分らないのですが、小字必須が当たり前の地域に住んでいる者の観点からすると、場所特定を簡易にするために後になって大字起番が考えられたのであり、最初はどこも小字必須が一般的だったのではないかなどど考えているのですが、どうも分りません。
このご質問に関していい資料を発見しました。やはり明治初期の地租改正をあたる必要があります。
(参考資料:「地租改正と地籍調査の研究」塚田利和著、御茶の水書房、1986年2月20日第1版1刷発行、p.80~p.98など)
まず、地租改正は、次のとおり一群の法令としてM6.7.28太政官布告第272号として発布されたものです。
上諭勅諭
地租改正法太政官布告
地租改正条例太政官布告に添付された別紙条例
地租改正施行規則大蔵省布達
地方官心得書大蔵省の地方官への通達
この勅諭に、地租改正の趣旨が書かれています。ちょっと長いですが、ポイントになるところだと思いますので引用します(原文は旧字体、句読点を前掲書により補記)。
朕惟フニ租税ハ国ノ大事、人民休威ノ係ル所ナリ。従前其法一ナラス寛苛軽重率ネ其平ヲ得ス。仍テ之ヲ改正セント欲シ乃チ所司ノ群議ヲ採リ地方官ノ衆論ヲ尽シ更ニ内閣諸臣ト弁論裁定シ之ヲ公平画一ニ帰セシメ地租改正法ヲ頒布ス。庶幾クハ賦ニ厚薄ノ弊ナク民ニ労逸ノ偏ナカラシメン。主者奉行セヨ。
つまり、新地租は公平画一で旧幕藩制割拠の不平等を除去するものであるという、新時代の理念を国民大衆に明らかにした詔勅です。
その後、明治8年3月24日太政官達第38号
第三十八号(三月二十四日輪廓附)
内務大蔵両省間ニ地租改正事務局ヲ置キ地租改正ニ関スル一切ノ事務管掌セシメ候条此旨相達候事
と、地租改正事務局を発足させて政府の地租改正事業の実施体制はほぼ完成しました。
同事務局は、地租改正に関するさまざまな通達を出しますが、その中で、明治8年7月8日付けで「地租改正条例細目」、「地所処分仮規則」を公布しました。
この中の「地租改正条例細目・第三章地番号ノ事」に、ご質問の答えがありました。
第一条 番号ハ従来ノ本田畑、宅地、新田・・・(引用者中略)・・・等地所ノ種類ニ不拘官民ノ所有ヲ不論一村所属ノ地ハ漏脱ナク地押順ヲ逐ヒ一筆限一村通シ番付ニスル歟又ハ大村ニテ地形ノ都合ニヨリ幾箇ニ区別シ別段ニ番付スルモ実地紛糺ナキ様処分スヘキ事
「一村通シ番付ニスル」か、又は「大村ニテ地形ノ都合ニヨリ『幾箇ニ区別シ別段ニ番付スル』モ実地紛糺ナキ様処分スヘキ事」と、村単位を主としているように読めます。

この文献は、なかなか読み応えがありそうです。現在は新刊では入手できないようですが・・・。またじっくり読んでみたいと思います。


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