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[57062] 2007年 2月 27日(火)10:24:27【2】オーナー グリグリ
海上架橋
さて、空港歴、経港歴、島達度と流行風邪が止まるところを知らない勢いですが、交通整理は後回しにしてさらに加速してみましょうか。[57022]で書いた「海上架橋」です。Webには一覧表などは見あたりませんねぇ。隅田川の河口付近に架かる橋はどこからが海上なのか分かり難いですが(★)、海岸線の定義ははっきりしているので(Webでは海岸線データを見つけることはできませんでしたが)、海上架橋をリスト化するのはそれほど困難ではないかと思います。地名コレクションのループ橋(道)やロータリー探しのような楽しさがありそうです。例えば房総半島のこんなところやこんなところ。

隅田川河口付近に架かる橋として、永代橋、中央大橋、佃大橋、勝鬨橋、相生橋、春海橋、朝潮大橋、朝潮橋、晴月橋、黎明橋、晴海大橋などがありますが、永代橋、中央大橋、佃大橋、勝鬨橋は隅田川に架かる橋のようです。相生橋と春海橋は晴海運河、朝潮大橋、朝潮橋、晴月橋、黎明橋は朝潮運河に架かる橋、そして、晴海大橋は東京港に架かる橋のようです。さて、東京港は海上だと思いますが、運河はどうなるんでしょうか。おそらく個別に海岸線が定義されているのだと思いますが、このあたり詳しい方のフォロ~を待ちます。

 ■追記:Webで調べると相生橋も隅田川に架かる橋と紹介されていますね。[33296]でhmtさんが話題にされてました。

ということで、海上架橋はグレーなもの(海岸線付近の架橋)もあるでしょうが、それほどコレクションするのは難しくないかも知れませんね。瀬戸内海や長崎県などにはかなりの数がありそうです。また、前述した房総半島の例のように湾口に架かる橋が結構あるようで、無さそうなところでも以外と見つかりそうです。徒歩で渡る橋、例えば伊豆半島の城ヶ崎つり橋のような例や、高速道路が海上にせり出しているような、橋とは言いにくいものなどもありますが、許容範囲を少し拡げてみて注釈付けておけば、後々整理し易くなると思います。

どなたかコレクションの編集者に名乗りを上げませんか。面白そうですよ。

佐賀県さん、島達度を[47183]で話題にされていたのをすっかり忘れていました。失礼しました。島達度ナイスです♪
[57051]ニジェさん、容量問題は現在はほぼないと考えていただいて結構です。時代が変わりました。(笑
[57385] 2007年 3月 22日(木)18:15:03【2】hmt さん
隅田川の河口
[57062]グリグリさん
海岸線の定義ははっきりしているので、海上架橋をリスト化するのはそれほど困難ではないかと思います。
さて、東京港は海上だと思いますが、運河はどうなるんでしょうか。

「京浜港」 の一部である東京港は、大部分の区域が海上だと思いますが、もちろん 陸上に設けられた港湾施設 も、多数あります。

このことからも明らかなように、港湾区域内であるか否か([57224]88さん参照)は、「陸」(日本の領土)であるか「海」(領海)であるかを区別することにはならないと思います。

河口付近の「隅田川」の文字は、ウオッちずでは勝鬨橋の上流側ですが、5万分1地形図では浜離宮付近です。
隅田川の水流は、浜離宮に続く竹芝ふ頭と月島ふ頭の間のラッパ形に開いた部分を経て、かなり広い水面に出ます。

河川とは、国土地理院 によると、陸水部(陸地内に存在する水部)のうちで、「平水時において、常時水流のある」ことを条件にしているので、上記ラッパの口が隅田川の河口と思われます。

河川法では、「公共の水流及び水面」(第四条)とされており、水流のない公共水面(湖沼や貯水池)も「河川」に含まれている点が異なります。陸水部であることは明示されていませんが、法律の趣旨からして、海面を含まないことは自明と思われ、河口の判別は、やはり水流の有無ということになります。

そして、[57151] グリグリさん
海岸線の定義の件を持ち出しましたが、簡単に確認できることに気が付きました。MapionやYahoo!地図などでクリックした位置(中央の位置)の住所が左上に表示されますが、この表示がない場合は海上と思われます。

で示された判定法を適用した結果も、竹芝ふ頭・月島ふ頭間のラッパの口 が「(住所のある)陸」と「(住所のない)海」との境界であることを示しています。

この「アルプス社方式」で、晴海と豊洲の間の水面を確認すると、「(住所のある)陸」であることがわかります。
1945年(部修)の地形図では、相生橋より下流、晴海と豊洲との間の春海橋にも「隅田川」の字がありました。([33296]よりも新しい地図)

現在の豊洲6丁目が造成された後の地形図(1969修)では、晴海との間に「隅田川」の字がありませんが、上記した隅田川の派川(現在の名は、晴海運河)の水は、(幅が500mもあるだけにかなり遅くなると思いますが)“常時流れている”筈です。
つまり 客船入港実績日本一の晴海ふ頭 は、川に面していることになります。

そして、最初の「海上架橋」に戻ると、近々開通1周年を迎える 晴海大橋 は、残念ながら(?)失格です。

上記の晴海運河から分かれ、佃水門で制御された水流が、本川との間で海に注ぐ形の朝潮運河も、隅田川の派川と思われます。
佃と言えば、佃島と月島の間の「佃川」。佃大橋工事で埋め立てられてしまいましたが、「川」を名乗っていました。月島を分断している川島川、新月島川は現存。しかし、これらの「川」(地形図には名なし)は、常時流水があるのかな?

豊洲運河から東雲運河、辰巳運河にかけても隅田川の派川か?とも思われるのですが、このあたりになると、常時流水は?
「川」と言えるのかどうかは疑問ですが、「海」ではなく、「陸」の方に属することは確かでしょう。

「PRTR届出の公共用水域(河川、湖沼、海域等)の名称について」という pdf文書 には、東京都の河川名が列挙してあります。この中に東京臨海部の運河の名があれば、「陸」であることが確実だと思ったのですが、見当たりません。
「陸と海」の件からは逸れますが、千葉県の 同様の資料 には、江戸川の支川の中に「利根運河」があります。
この場合は、「運河」は「川」の一種として扱われています。
[57405] 2007年 3月 24日(土)15:41:05hmt さん
「(広義の)海岸線」とは、地図上の「陸部」と「海部」の境
[57062]グリグリさん
海岸線の定義

陸と海とが接する「海岸」の位置は、潮の干満の影響を受け、細かく見るほどに出入りがあり、川があると、そこで途切れます。
「海岸線」というのは、このような海岸(なぎさ)の実体をふまえた、「地図上の概念」であると考えます。

「地図上の概念」ですから、縮尺に応じて細かい出入りは省略されます。また、「海岸線」が途切れている河口は、これをつないで、連続した線が陸と海の境界として想定されます。これを「(広義の)海岸線」と言ってもよいのではないかと思います。以下、これを単に「海岸線」と書く場合もあります。

今回のテーマ「海上架橋」では問題になりませんが、地図の縮尺は、「海岸線の長さ」と「海岸線で囲まれる島の面積」とにかなり影響があるはずです。
九州島の面積が、古い理科年表では、42000km2と35700km2と大幅に異なっていたことを[23575]で書きましたが、これは縮尺の異なる地図に基づいて測定した結果であると思われます。なお、現在の面積 36,737.73 km2となっています。

このように、現在は全国をカバーする「2万5千分1地形図に基づく海岸線」を考えればよいと思います。
「2万5千分1地形図の読み方・使い方」 によると、 地形図における「陸部と水部を区画する水ぎわの境」は、「水涯線等」という用語で包括され、海部では満潮時の線で表示されます。[57343] 88 さん

航海用の海図 では、海面がもっとも上った時の陸と海の境界線が「海岸線」で、これは地形図における 海部の水涯線 と同じです。
なお、海面がもっとも下った時の陸と海の境界線は「低潮線」で、これは領海の幅を測定する際の“領海の通常の基線”です。(国連海洋法条約第5条)

[57331]グリグリさん
「日本の国土面積は海岸線で定義されている」という前提

ここでいう「国土」とは、「領土」(Territory)のことと理解され、満潮時海岸線の内側、すなわち 陸地と内水からなる陸部 であるという前提でよいと思います。
# 「国土」という言葉には、「領土」の他にも、(無害通航権などの制限はあるものの)主権が及ぶ「領海」や、領土・領水上空で主権が認められている「領空」(パリ国際航空条約)も含まれているのではないかと思います。

国土地理院の 「全国都道府県市区町村別面積調」 では、次のように記しています。
市区町村の面積は、国土地理院発行「2万5千分1地形図」に表示されている海岸線と行政界で囲まれた地域を対象に計測したものです。
なお、海岸線は満潮時の水涯線を表し、河川及び湖沼は陸域に含めています。

ここでは、「海岸線」という言葉も使われています。そして、
(狭義の)海岸線と行政界が接合しない(注:つまり囲まれていない)河口周辺は、海岸線の自然な形状に従って河口両岸の先端を直線で結んで陸海の境としました。

[57385] で例示した 隅田川河口 を見ると、首都高に覆われた古川を、浜崎橋JCT下流に僅かに姿を見せている河口部から自然に延長した線が、豊洲・晴海から月島まで一直線に伸びる埋立地の南西縁と交わるまでの間を“陸海の境”としたことがわかります。

この隅田川の本川河口は、港区と中央区との境界であるにもかかわらず行政界の線が書いてありませんが、晴海と豊洲の間、昨年 晴海大橋が開通した「川」(Yahoo!地図に見える 晴海運河 という名は、地形図にはありません)には、中央区・江東区の境界線が見えます。
「地形図に 行政境界線 がある」ということは、ここ晴海ふ頭が海部でなくて陸部に属している証拠になっていると思います。
[57407] 2007年 3月 24日(土)15:53:59hmt さん
「アルプス社方式」は概ね正しいと思われるが、たしかに疑問の箇所もある
[57151]グリグリさん
MapionやYahoo!地図などでクリックした位置(中央の位置)の住所が左上に表示されますが、この表示がない場合は海上と思われます。自治体境界なども含めてかなり精度の細かいデータが入っていることから、「表示なし=海上」と考えて良いでしょう(データ誤りはあるかもしれませんが)。
[57331]グリグリさん
今川焼さんのご指摘の通り、Mapion、Yahoo!地図のどちらも阿蘇海と久美浜湾は住所表示がでないですね。しかしながら、どちらも日本の国土であるのは間違いありませんので、地図サイトにデータが設定されていないだけかと思います。

国土地理院の 京都府面積調 には、
阿蘇海は、水面が境界未定のため、宮津市及び与謝郡与謝野町の面積には含まれません。
と記され、京都府の面積に入っている「内水」(本来なら市町村の面積にも含まれるべきもの)であることが明らかですね。
久美浜湾については、このような注記はありませんが、京都府及び京丹後市の面積に含まれているのでしょう。

ご指摘があった箇所の他にも、地図サイトのデータ設定が、正しくない場合があると思われます。
例えば、東京都面積調 によると、中央防波堤内側埋立地(中潮橋北側)と中央防波堤外側廃棄物処理場(中潮橋南側) とは「所属未定」ですが、「アルプス社方式」を適用すると、「江東区」になっています。

潟湖(海跡湖)に戻ると、水面の面積が縮小した現在の八郎潟調整池(潟上市・大潟村他多数)やサロマ湖(佐呂間町・湧別町・北見市)には住所がありますが、松川浦(相馬市)の住所はYahoo!地図に入力されていません。

類似の例は、「掘り込み港湾」でも見ることができます。
金沢新港([57370]EMMさん)、富山新港は住所があります。もともと住所のあった場所を掘ったのだから、住所がある「陸部」であると考えるのがが当然のように思われます。
ところが、田子の浦港・鹿島港・石巻港・苫小牧港の水面には、いずれも住所が入力されていません。

ついでに、日本最初の掘り込み港湾は、「手結港」 だそうです。承応元年(1652)に野中兼山が築港したというから、河口港だった石巻港が土砂堆積で機能を失い、1960年に新たな工業港の掘り込み工事に着手するよりも300年以上前のことです。
これは、明治政府が住所の制度を作る前から「海港」になっていたわけですから、住所がないのも当然かもしれません。

最後に、河口についてもう一つ。
日本の国土地理院
河口周辺は、海岸線の自然な形状に従って河口両岸の先端を直線で結んで陸海の境としました。
なんて言ってましたが、
セントローレンス川の河口付近 のような地形だったら、どのように扱うのでしょうか?
テムズ川の河口付近 も、結構拡がっていましたね。
[57433] 2007年 3月 26日(月)19:20:08hmt さん
摩周湖は、「大きな水たまり」
はじめに、[57405]で「用語の誤用」をしたことに気がついたので訂正を。

国土地理院の 地図記号の説明 の中の「河川、湖沼および海」によると、「水部」には、「陸地」内に存在する「陸水部」と「海部」があり、「陸部」と「水部」の境界が「水涯線」とされます。

結局、地形図の対象となる地球の表面は、「陸地」と「海」からなり、
「陸地」には、文字通りの「陸」と「陸水」との2つの部分(「陸部」と「陸水部」)があり、
「陸水部」は、「河川」(常時水流あり)と「湖沼」(河川の流入または流出あり)が主なものであるが、その他の陸水(「かれ川」と「地下の水路」が例示されている)もある。
そして、海岸線・河岸線・湖岸線などを総称して「水涯線」という。
ということだと思います。

上記の用語からすると、海岸線がとぎれている河口部をつないで想定した「(広義の)海岸線」の内側を、[57405]で「陸部」と書いたのは正しくなく、「陸地」と表記すべきだったようです。

それはさておき、気になるのが、河川でも湖沼でもない陸水。
例えば、常時水流のない運河、流入・流出河川のない貯水池・水たまりなどが考えられます。

東京臨海部の豊洲運河、東雲運河、辰巳運河、月島を分断する川島川、新月島川など[57385]、埋立地の間の水路は、常時水流のない運河であろうと思われます。大井ふ頭の手前にある京浜運河、羽田空港の手前の海老取川も同様。ちなみに、これらはすべて、アルプス社方式で住所が入力されている「陸地」扱いです。

名前が「運河」だったり「川」だったりしますが、呼び名は慣習の影響を受けるもので、本質的な区別ではないでしょう。
海老取川は、明治14年の地形図を見ると、多摩川が河口で分岐しながらデルタを形成する派川の一つとして認められる「天然もの」由来ですが、現状は、とても河川とはいえない状態でしょう。

河川でない「貯水池」(ため池)の代表例は、村山貯水池(多摩湖)や山口貯水池(狭山湖)。当然のことながら水の出入り口はあるのですが、幻の滑走路[22152]の下や横田トンネル[56950]を通っている水道管は「河川」に非ず。
同じく水道用でも、川を直接にダムで堰き止めた小河内貯水池(奥多摩湖)は、流入・流出河川があるので、「人工の湖」。
もっとも、このような区別が、どんなところに影響するのかはよく知りません。

「流入・流出河川のない水たまり」の中で、新聞報道のタネになったのが「摩周湖」です。
朝日新聞2001年12月26日
摩周湖、登記消え「大きな水たまり」
要旨:弟子屈町内の旧御料地処理につき、関係者が協議した結果、所管する省庁がない摩周湖は、土地登記を抹消し、「大きな水たまり」として無登記のまま国が管理することになった。
流出河川がない摩周湖は、河川の水源としての国土交通省の名義による登記ができない。湖の中の小島(カムイシュ島)は、樹木があるので農水省名義で土地登記するが、約20km2の水面は、法律的には「大きな水たまり」。

もっと小規模ですが、茨城県の 通称「ふじみ湖」 も、テレビで話題になったことのある「水たまり」です。採石場跡に湧き出て溜まった水の透明度が大だったとか。既に消滅しているのではないでしょうか。


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