ブルートレインなる列車が存在する事を私が知ったのは、今から30年ほど前にTBS系のテレビ局で放送された「富士」の特集番組を見た時でした。
確か、日曜日の夜8時前後に放送された番組で、富士が東京駅を発車してから西鹿児島駅に到着するまでの車内の様子や沿線の風景をまとめたものだったと記憶しています。
(調べたら、「日曜特バン!」と言う番組だったようです。
こちらのサイトで同じ番組と思われる記載があります)
当時小学校の低学年だった私には、テレビに映し出されたブルートレインの姿は非常に魅力的に映りました。
で、当然思った訳です。「いいなぁ。いつか乗ってみたいなぁ。」
しかし、その頃の私の身の回りの状況では鉄道を利用する機会は滅多にありませんでした。
何せ、両親の里はいずれも市内、主要な親戚も多くが石川県内在住、両親は自営業のため休みが限られ、たまの遠出はまず間違いなく自家用車。
初めて一人で鉄道に乗って遠くに行ったのは大学受験のため急行能登の寝台で東京に行った時でした。
大学は県外でしたので鉄道を利用する機会はてきめんに増えた訳ですが、財布事情の良い訳で無い学生の身分では寝台特急は高すぎて利用できませんでした。
結局、学生時代の主要な移動手段は時期と向かう方向(基本的に金沢-新潟、金沢-東京、新潟ー東京のいずれか)によって「学割で特急or夜行急行」「青春18きっぷで鈍行or快速」「高速バス」から選択、となる訳です。
結局、学生時代に乗車した夜行列車は能登、きたぐに、ムーンライト、大垣夜行、松本夜行。
(臨時の急行加賀もあったかも。あれ、就職してからだったかな…)
特に、当時金沢-東京間をJRで移動する場合、(青春18きっぷの利用やややこしい乗り継ぎを除くと)特急+上越新幹線、特急+東海道新幹線、特急白山、寝台特急北陸、急行能登の五択だった訳ですが、この中では東京ミニ周遊券+学割で恐ろしく安価で利用できた急行能登が学生時代は唯一の選択肢でした。
(むろん、日程によっては高速バスも利用しましたが)
就職してからは学割の恩恵には預かれなくなりましたが、それでも金沢-東京間をJRで移動する時は安価な能登を利用し続けていました。
ところが、転機が訪れます。
1997年に東京ミニ周遊券が廃止されて能登のお得感が低下し、更にその数年後(具体的な時期を忘れた)に北陸-首都圏間の特急+上越新幹線用の往復フリー切符や回数券が特急北陸のB寝台でも利用できるようになったんですね。
で、たしか2000年か2001年ぐらいだったと思いますが、フリー区間が利用したかった事もあって首都圏往復フリー切符で初めて北陸のB寝台を利用しました。
テレビで「寝台特急富士」の雄姿を目にしてから実に20年以上経過してのブルートレイン初体験(?)となりました。
能登から北陸に変えても行程的には大差無い訳ですが、やはり横になって寝られると言うのは到着後の体調面で非常にプラスだった訳で(それまでも能登や高速バスで平気で寝ていますから、揺れがあろうと平気で寝られました。むしろ、空調の温度設定の方が寝付けるか否かに大きな影響があります)、それ以降は能登よりも北陸の方に乗車する事が多くなりました。
ただ、最近は日程的な都合で「片道北陸、片道上越新幹線」というパターンが増えていますが。
でも、能登に全く乗らなくなった訳でもありません。
北陸からの首都圏往復フリー切符、首都圏からの北陸往復フリー切符ともに盆暮れゴールデンウイークでも使えるためか、この時期の北陸のB寝台は速攻で売り切れてしまう事があります。
その際、どうしても夜行で移動したい時には能登の指定席、それもダメなら能登の自由席を利用する事になるためです。
(能登の場合、指定席が埋まっていても金沢からなら自由席はたいてい座れる)
北陸以外のブルートレインで乗る機会があったのは日本海。
二戸に出張に行く機会があった時に「新幹線で行くのと金額的に大差なかった」「朝早起きするのがつらい」と言う事で乗車しています。(
[35740]で触れてますね)
ただ、金沢から日本海に乗車する場合、利用できるトクトクきっぷが無いため、単純に乗ろうとすると「やっぱり高くつく」。
先日の湯瀬オフ会の際にも日本海を利用しようかと考えたのですが、先の出張の時と違い日程に余裕がありましたから「より安い移動手段」にしてしまいましたし。
今後も、よほど条件が合わなければ日本海に乗る機会は無いような気がします。
一方で、東京には年数回は行きますし、料金的にもお得に利用できますし、北陸は今後も利用する機会は多いと思います。
2014年に予定されている北陸新幹線の金沢延伸後、寝台特急北陸が(急行能登も)どうなるかは分かりません。
それと、車両が年々お歳を召していっているのも目で見て分かるので、むしろそっちの方が怖いような気もします。
いずれにしても、金沢に住んでいるとブルートレインを利用する機会はまだ十分あるので、その機会は大切にしたいものです。
でもやっぱり、「最初に出会った」富士にも乗車してみたかったなぁ。
#書いているうちに、やっぱりというかとりとめのない文章になってしまいました。
他にも触れたかった事があったような気がしますが…まぁいいや。