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落書き帳

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[77603]2011年2月5日
hmt
[77607]2011年2月6日
oki
[77608]2011年2月6日
千本桜

[77603] 2011年 2月 5日(土)19:37:31hmt さん
電子国土基本図
国土地理院の発表 によると、2月1日から、「電子国土基本図(地図情報)」が正式公開の運びになったとのことです。
これまでの2万5千分1地形図に替わる新たな基本図と位置づけられるもので
と書いてあり、地理に関心をもつ者としては見逃せないニュースと思われるので、少しフォローしてみます。

落書き帳を検索すると「電子国土」は18件、「国土基本図」は2件の記事がヒットしますが、「国土基本図」とは如何なるものなのかについては、言及されていないようです。

国土地理院時報(2003,100集)目次 には、次のように記されています。
第二次基本測量長期計画に基づき始まった2万5千分の1地形図の全国整備は 一部離島を除き 1983年に完了し,以後この地形図が 5万分の1地形図に代わる 新たな基本図となった。

国土地理院のサイト内における「基本図」の使用例は、大部分が「電子国土基本図」と「火山基本図」であり、電子化以前の「国土基本図」に関する記事は殆んどみつかりません。上記2003年の時報でも、最近の発表でも、2万5千分の1地形図は単に「基本図」と記されています。

では、「国土基本図」という言葉を使われていなかったのかというと、そうでもないようです。
日本地図センターのサイトに 国土基本図作成区域図 というものがあり、右端に次の説明がありました。
国土基本図は,国土地理院が統一した規格で作成している大縮尺の地図です。
国土基本図の種類は1/5000地形図,1/2500地形図及び1/5000写真図の3種があります。

前置きが長くなりましたが、紙媒体時代の整備状況は、次のようであったと理解することができます。
全国をカバーする基本図は2万5千分の1地形図であった(北方四島のような例外あり)。都市部など国土の一部については、「国土基本図」という名称が使われた 大縮尺(2500分の1又は5千分の1)の地形図や写真図が整備されていた。この他に、地方公共団体が国土基本図と同じ規格で作成した地図もあった。

最初に挙げたプレスリリースの冒頭に、基本図体系のデジタル化(電子化)は、測量法及び地理空間情報活用推進基本法 の趣旨を踏まえたものである と記されています。
後者は、1995年の阪神・淡路大震災の反省等をきっかけに 政府が本格的に取り組み始めた 地理情報システム(GIS:Geographic Information System) の中核となる 国土空間データ基盤(NSDI:National Spatial Data Infrastructure)を整備し、その活用を推進する法律で、2007年に制定施行されました。

地域における自然、災害、社会経済活動などの情報は、土地利用図、地質図、ハザードマップ、都市計画図、地形図、地名情報、台帳情報、統計情報、空中写真、衛星画像等の多様な表現を通じて利用されています。
従来バラバラに整備されてきた各種の情報ですが、電子化された共通白地図(国土空間データ基盤NSDI)に、これも電子化された種々な情報を重ね合わせれば、各システムを連携させ、統合・強化することができます。これが地理情報システムGISの考え方であると思います。

電子国土基本図 は、いわばGISに使われる共通白地図で、下記3種類の情報で構成されます。
1 電子国土基本図(地図情報) 国土全域をカバーするデジタル地図で、道路・建物・構造物・植生等を含む。
 従来基本図として利用されてきた 縮尺レベル 25000の精度に限定することなく、より精度の高いものを含んだ我が国全域を覆うベクトル形式の基盤データです。縮尺レベル2500の基盤地図情報が提供されている地域(2011/2/1現在)
2 電子国土基本図(オルソ画像) 空中写真の歪を補正して、地図と同様に真上から見た写真画像。
3 電子国土基本図(地名情報) 標準地名や通称・位置・範囲の情報に地理識別子を付与した地名情報。

電子国土基本図(地図情報)は、電子国土ポータル から閲覧することができます。2009年12月から試験公開されていますから、既にご利用の方も多いと思います。

現在のトップページには神奈川県庁を中心とする1/18000図が示されています。
横浜の地図が選ばれた理由は、上記のように、横浜市全域が縮尺レベル2500になったためでしょうか。
ウオッちず も、2月から電子国土の地図になり、拡大が2段になったのですね。
7月末までは、従来の地形図の画像も表示できると書いてありますから、見比べるなら今のうち。
電子国土ポータルトップから「空中写真を見る」に行くこともできます。
電子国土基本図(オルソ画像)のラジオボタンが選択されている状態で神奈川県庁を検索すれば、先の地図と同じ場所になります。オルソ画像も 1/2500まで拡大可能。
[77607] 2011年 2月 6日(日)15:29:03oki さん
電子国土基本図(は使えない)
今日は、休日だというのに朝からお仕事。少し飽きてきたので、軽く書き込みを。

[77603] hmt さん
国土地理院の発表 によると、2月1日から、「電子国土基本図(地図情報)」が正式公開の運びになったとのことです。

「電子国土」や「基盤地図情報」は、提供された当初から興味を持って見てきましたが、現時点での評価は「使えない」の一言です。

「電子国土」の利用法には、「基盤地図情報」をGISのデータとして使用する場合と、「電子国土ポータル」を「紙の1/25000地形図」の代替となる閲覧可能地図として利用する場合の二つが考えられます。
まずデータとしての「基盤地図情報」ですが、その大半はGISデータとしては使えません。大きな理由は、そのフォーマットと仕様にあります。「基盤地図情報」のファイルフォーマットは「JPGIS」と呼ばれるXMLファイルですが、極端に冗長な構成を取っており、ファイルサイズが巨大になります。たとえば、地図上の3点を結ぶ線分を示すのに、20行もの記述が必要になります。1つの点(経緯度)を示すのに、次のような5行を費やし、その他ヘッダを入れると3点で20行が必要です。
<jps:column>
<jps:direct>
<jps:coordinate>36.40388495 139.610253106</jps:coordinate>
</jps:direct>
</jps:column>
行政区域、鉄道、道路など、あらゆる地物についてこれをやるのですから、ファイルサイズは馬鹿馬鹿しいほど大きくなります。
しかも、ArcGISやGRASSなど通常のGISソフトは、このフォーマットのファイルを読めません。JPGISファイルを読めるのは国土地理院が提供する「基盤地図情報閲覧コンバートソフト」だけで、このソフトを使ってGISで一般的な「シェープファイル」に変換する必要があります。この変換の過程で、JPGISが持つ属性情報は失われます。つまり、これだけ冗長な構成を取りながら、変換後に得られるのは、ただの経緯度の連なりだけなのです。
さらに、道路に関しては、基盤地図情報が提供するのは「道路縁」の情報で、「道路中心線」ではありません。もちろん、交差点(他の道路との接続)に関する情報もありません。鉄道の方は、線路の本数だけ情報があります。つまり、複線なら2本、複々線の場合は4本の線路に関する情報です。代わりに、線路と駅との関係に関する情報は得られません。
このような状況なので、基盤地図情報のデータを用いて、GISで重要なネットワーク分析を行うことはできません。特定道路の周辺100mに住んでいる人口を求めるようなバッファ分析もできません。
要は、基盤地図情報はただの白地図、つまり白紙の上の線分情報に過ぎないのです。今までの紙の地図上に描かれていた線分に、経緯度情報を与え、経緯度の連なりとして示したもの、それが基盤地図情報です。それ自体としては必要なものでしょうが、少なくとも、私が期待していたような、GISでの分析に利用できるデータではありません。これなら、以前に提供されていた「数値地図(25000および2500)」の方がよほどマシです。

ただ一つ、基盤地図情報で使えるのは「DEM(標高)データ」です。現在、1/25000地図の等高線を元に作成された全国の「10mメッシュDEM」と、航空レーザスキャナ測量で取得された、都市部を中心とした「5mメッシュDEM」があります。私は、「10mメッシュDEM」をすべてDLし、全国の「赤色立体地図」を作成しました。「赤色立体地図」はこういうもので、従来の段彩図に比べ、地形の凹凸が格段に立体的に把握できます。通常はリンク地図のような赤色の地図なのですが、これに彩色し、「彩色立体地図」と名付けました。この「彩色立体地図」をGoogle Earthに貼付け、その上に「ウォッちず」の地形図を被せて全国の地形を観察するのが、現在の私の大きな楽しみなっています。この点については、「基盤地図情報」とそれを提供する国土地理院に感謝しています。

次に、閲覧できる地図としての「電子国土ポータル」ですが、私にとっては、これも従来の「ウォッちず」の方が上です。
一つの問題は、「電子国土ポータル」の地図表示面があまりに狭いこと。「電子国土ポータル」では、地図の表示枠は画面全体の7~8割程度の面積しかありません。そして私の環境では、地図表示枠のうち右側および下側の1/5の範囲がグレーの空白部分になっています。地図が表示されるのは残りの4/5の範囲です。したがって、地図表示面積は画面の半分にも足りません。何度もプラグインをインストールし直していますが、まったく修正されません。ですので、「電子国土ポータル」は使いません(不思議なことに、「オルソ画像」だと表示枠の全体に地図が表示されるのですけどね)。
で、今回「ウォッちず」の「電子国土基本図」を見てみたのですが、重大な難点があります。1/25000地形図では、大字と小字は文字の大きさで判別可能でしたが、「電子国土基本図」では両者とも同じ大きさで、まったく判別できません。これでは非常に困る。
また、「樹木に囲まれた居住地」の記号がなくなっています。「建物」の記号が従来より淡彩で表示されていることもあり、地方(田園地帯)での集落の状況が非常に分かりにくくなった、というのが正直な感想です。
「ウォッちず」では、1/25000地形図は7月末まで閲覧可能と注記していますが、つまり8月以降は閲覧できなくなると言うことでしょう。そうなるととても困ります。今のうちに、国土地理院から「ウォッちず」のすべての地図画像をDLしローカルで使えるようにしようと、本気で考えているところです。
[77608] 2011年 2月 6日(日)20:46:43千本桜 さん
ウォッちずの1/25000地形図と電子国土基本図
[77607] oki さん
今回「ウォッちず」の「電子国土基本図」を見てみたのですが、重大な難点があります。1/25000地形図では、大字と小字は文字の大きさで判別可能でしたが、「電子国土基本図」では両者とも同じ大きさで、まったく判別できません。これでは非常に困る。
同感です。しかし、これはどうも居住地名だけでなく、島や山の自然地名にも及んでいるようです。松島湾に浮かぶ個々の島々の名称と、それらを総称する松島群島という文字が同じ大きさで表されています。個々名の茶臼岳と総称の那須岳も同じ大きさで表されているところをみると、最初から「個々の名称」と「総称」の区別は考慮していないようです。
また、「樹木に囲まれた居住地」の記号がなくなっています。「建物」の記号が従来より淡彩で表示されていることもあり、地方(田園地帯)での集落の状況が非常に分かりにくくなった、というのが正直な感想です。
これも同感です。植生界や送電線や橋の表示もなくなりましたね。時代とともに地図に求められる物が変わってきたと受け止めるべきなのでしょうか。それにしても建物の色は淡すぎますね。文字情報が見やすくなる利点はありますが、少し淡すぎたようです。そのため、相対的に水部の藍色が強くなりすぎたようです。水田地帯では一条河川と水田記号がうるさく感じるでしょう。ちょっと目が疲れます。でも、電子国土基本図に踏切が表示されるようになったのは良案ですね。


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