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蘭丸さんの記事が10件見つかりました

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[9270] 2003年 2月 15日(土)17:45:35蘭丸 さん
YSK さんへ~アーカイブズ補訂の御礼
[9266]YSK さん
 早速ご対応いただきありがとうございました。

 アーカイブズ掲載内容への訂正の反映については理解いたしました。ちょっと、余計な心配をし過ぎたようでした。また、掲載記事追加についてご高配いただき感謝しております。
 お手数をおかけし、申し訳ありませんでした。
[9263] 2003年 2月 15日(土)15:09:45蘭丸 さん
YSK さんへ(事務連絡)
 アーカイブスに新設された「自動車のナンバープレート、新設するならどんな地名?」にて私の拙稿を掲載していただきましてありがとうございます([9210])。
 ですが、本日、この書き込みについて事実誤認に基づく内容不明の点が見つかり、訂正いたしました。湘南ナンバーの発行地が、本当は平塚市のところ愛甲郡愛川町と勘違いしており、相模ナンバーと湘南ナンバーについて、意味不明の記載をしておりました。
 そこで、訂正後の文にアーカイブスの掲載文を一致させていただきたいと思います。何卒、よろしくお願いいたします。

 また、「政令市、中核市、特例市・・・“市”制度について考える」の中に、拙稿[7877]「『市』の要件緩和の意義」を入れていただけないでしょうか。きっと、この話題の内容充実に貢献できるかと思っているのですが...。 よろしかったら、ご一考ください。自分勝手な言い分ですので、必ずしも採用していただけなくとも構いません。

 はなはだ僭越でご無礼な内容で、誠に申し訳ありませんでした。
[9258] 2003年 2月 15日(土)14:10:34【2】蘭丸 さん
ナンバープレートの地名表記と発行地
[9222]いな さん
豊田を採用せずに、三河としたことが基準外れで・・・それ以降、だ~だ~に基準はずれがでてきた
相模・なにわ・尾張小牧・筑豊・庄内・湘南・飛騨・とちぎ(泉ナンバーは和泉に改名したから、許せる)
 私も、以前からこの点について「違和感あるなぁ」と思っていました。陸運支局(自動車検査登録事務所)の所在する自治体名(陸運支局・自動車検査登録事務所の名称、といったほうが正しいでしょうか)を採るという原則は知っていましたが、実際にはその原則が変則してしまっていますね。
 このほかにも、多摩は国立市に自動車検査登録事務所ありますが、多摩という旧郡名由来の広域地名を採っています。この多摩から、のちに八王子が分かれたようですが、そのいきさつがわからなかった頃、私は多摩ナンバーは多摩市で発行されているものだとばかり思っていました。
 このように、都市名に由来しないナンバーが珍しくなくなっていることから、「伊豆」や「会津」新設の要望が、今ではあまり不自然に思えなくなってしまっているのでしょう。

 相模、飛騨は国名由来、筑豊は国名の合成、なにわ、庄内、湘南、多摩は発行地の都市名・郡名にはない広域地名由来、とちぎは一応、県名由来と思しいが平仮名のため正体不明、尾張小牧は妥協の産物とはいえ、あまり必要ない冠称(国名)を併記。ということで、他の都市名由来のナンバーと比べ、これらのナンバーには違和感が感じられるのだと思います。
 浪速は大阪市の区名にありますが、なにわナンバーを発行するなにわ自動車検査登録事務所は住之江区にあるので、なにわは広域地名由来と解されると思います。
 多摩の地名は、公式には西多摩郡の郡名に名残りをとどめていますが、多摩自動車検査登録事務所が国立市にあって西多摩郡にはないので、これも広域地名由来という解釈でいいと思います。この多摩の区域から八王子が分割され、現在では「多摩地域だから多摩ナンバー」というスッキリした説明がつかないようになっています。

ナンバープレートの地名と陸運支局(自動車検査登録事務所)の所在地・名称に齟齬のある例を以下にピックアップしてみました。

地名表記所在地名称
宮城仙台市宮城野区宮城陸運支局
岩手紫波郡矢巾町岩手陸運支局
庄内東田川郡三川町庄内自動車検査登録事務所
品川東京都品川区東京陸運支局
多摩国立市多摩自動車検査登録事務所
横浜横浜市都筑区神奈川陸運支局
相模愛甲郡愛川町相模自動車検査登録事務所
湘南平塚市湘南自動車検査登録事務所
大宮さいたま市埼玉陸運支局
群馬前橋市群馬陸運支局
習志野船橋市(習志野台)習志野自動車検査登録事務所
水戸水戸市茨城陸運支局
宇都宮宇都宮市栃木陸運支局
とちぎ佐野市佐野自動車検査登録事務所
山梨東八代郡石和町山梨陸運支局
名古屋名古屋市愛知陸運支局
尾張小牧小牧市小牧自動車検査登録事務所
三河豊田市西三河自動車検査登録事務所
三重津市三重陸運支局
飛騨高山市飛騨自動車検査登録事務所
石川金沢市石川陸運支局
大阪寝屋川市大阪陸運支局
なにわ大阪市住之江区なにわ自動車検査登録事務所
神戸神戸市東灘区兵庫陸運支局
滋賀守山市滋賀陸運支局
島根松江市島根陸運支局
香川高松市香川陸運支局
愛媛松山市愛媛陸運支局
筑豊嘉穂郡庄内町筑豊自動車検査登録事務所
沖縄浦添市沖縄総合事務局陸運事務所

 陸運支局(自動車検査登録事務所)の所在地と名称、ナンバーの地名表記は、必ずしも「陸運支局(自動車検査登録事務所)の名称」で一致している訳ではありません。県名と県庁所在都市名が一致しない県は理解できますが、そういう県でも、水戸ナンバーが茨城ナンバーではないのに、石川、三重などのナンバーがあるといった具合に、あまり一貫した原則のようなものはないようです。
[9245] 2003年 2月 15日(土)07:40:45蘭丸 さん
「四国中央市」の衝撃
[9206]はやいち@瀬戸内管領 さん
[9208]ken さん
[9214]utt さん
[9240]でるでる さん
[9241]夜鳴き寿司やさん
 「四国中央市」。私も、正直「度胆を抜かれた」という感じです。新市の交通体系上の位置関係から、「四国中央」の由来もわからない訳でゃないですし、道州制を見据えた選考という意図も理解できない訳でもありません。でも、「なんでそこまでする必要があるの...」と思わず言ってしまいそうになります。
 私も「宇摩市」が順当だと、ずっと思っていたのですが。
[9244] 2003年 2月 15日(土)07:27:36【1】蘭丸 さん
Re:分割案2
[9214]utt さん
 私よりも、より深いご考察に基づく分割案で、興味深く拝見しました。
 大曲、淀川、延岡は、実は私の「分割案」策定中でも考慮したのですが、私としては、それよりも本荘、天王寺、都城のほうが全国区になって欲しいな、という訳のわからない理由から前掲の「勝手に再編案」を編み出した次第です。
 新居浜は、結構イケてる(なんじゃそりゃ)かなと思いました。私が宇和島を考えたのは、自動車登録の利便性を勘案しての結果です。

 こうやって考えると、もし、こんな感じで新設ナンバーができるとすると、市町村合併にともなう新名称選定でのごたごたのように、全国各地で地名選定をめぐる自治体間の攻防が予想されそうですね。
[9210] 2003年 2月 14日(金)19:51:17【4】蘭丸 さん
ナンバー別登録台数のアンバランス
[9182]ken さん
これを見ると、登録台数の多い少ないは、あまり区域分割と関係ない感じですね。
 とても面白い資料を見せていただきありがとうございます。私も、以前から自動車のナンバープレートの区割りはどういういきさつで行われてきたのか疑問に思っていました。ですが、この資料を見る限り、選挙区の区割りのように数が多いから分割するという考え方ではないことがわかりました。

 私が推測するに、北海道のナンバーが台数に比べて多いのは、おそらく自動車検査登録事務所を道内各所に配し、自動車登録手続きの利便性を確保したためと思われます。ですが、「札幌」のみ150万台で桁違いのままというのは他地域とのバランスが取れない(そんなもの本質的に必要のないことなのでしょうが...)感じがします。もし、台数で区割りをするのであれば、「札幌」が「札幌」「小樽」「夕張」とでも分割されているでしょうか。
 「飛騨」が、登録僅少にもかかわらず分割されたのは、飛騨地域の利便性を考慮してのことでしょうか。県土の広い岐阜県で、岐阜市(県の南端部)に陸運支局が一つあるだけでは不便であることは否定できませんね。
 「庄内」「佐世保」は、なんで独立しているのでしょう。両県は自動車の登録台数が特に多いわけでもないし、陸運支局(自動車検査登録事務所)同士の立地に交通の便の悪さはないように見えるのに...。謎ですね。

 ken さんご提示の資料をもとに、全国のナンバーの「勝手に再編案」を考えてみました。再編とはいっても、登録台数の多いナンバーを分割するだけなんですが...。
 登録台数80万台を超える(または80万台に迫る)ナンバーを分割し、一つのナンバーの台数が多くて40~50万台くらいになるような計算で「勝手に」分割してみました。80万台を分割する際の目安にしたのは、「庄内」「佐世保」が独立していることを考慮したためです。

札幌札幌、小樽、夕張
秋田秋田、本荘
岩手盛岡、北上
宮城仙台、白石、古川
福島福島、会津
水戸水戸、鹿嶋
土浦土浦、古河
群馬前橋、高崎、沼田
大宮大宮、川口
所沢所沢、川越
熊谷熊谷、羽生
千葉千葉、銚子、成田
習志野習志野、船橋
品川品川、世田谷
練馬練馬、新宿
足立足立、墨田
多摩国立、三鷹、町田
横浜横浜、鶴見、戸塚、横須賀
相模愛甲、海老名
湘南平塚、小田原
新潟新潟、新発田
石川金沢、七尾
富山富山、高岡
長野長野、上田
松本松本、伊那
岐阜岐阜、各務原、土岐
静岡静岡、藤枝
浜松浜松、磐田
名古屋名古屋、熱田、知多、大府
尾張小牧(尾張)小牧、一宮
三河豊田、岡崎
三重津、四日市、伊勢
滋賀守山、長浜
京都京都、舞鶴、宇治
大阪寝屋川、吹田、高槻、守口
なにわ住之江、天王寺
和泉和泉、堺、藤井寺
神戸神戸、須磨、西宮、三木
姫路姫路、豊岡
奈良奈良、五條
岡山岡山、倉敷、笠岡、津山
広島広島、三次
山口山口、下関
愛媛松山、宇和島
福岡福岡、博多、宗像
北九州北九州、行橋
熊本熊本、菊池、八代
大分大分、別府
宮崎宮崎、都城
鹿児島鹿児島、出水、鹿屋
沖縄浦添、名護

 より地域色を出すため、県名由来のナンバーや一見、出所不明な感のある「湘南」「なにわ」は都市名か郡名になるようにしました。中でも「湘南」は、その区域をめぐって新設当時物議を醸したいわく付きナンバーですので、分割にともないご引退願って「幻のナンバー」として歴史に名を残していただこうと思います。
 「横浜」は「都筑」に、「名古屋」は「中川」に、「神戸」は「灘」に、「大宮」は「さいたま」にしてもいいかな?と思いましたが、歴史ある著明ナンバーを無くすのも忍びないので、そのままがいいと判断しました。
 あと、「尾張小牧」は、できれば「小牧」と、スッキリさせたほうがいいかと思います。
 また、「守山」は「大津」に、「浦添」は「那覇」にしたいところですが、大津市、那覇市には陸運支局が存在しないのでこのようにしました。

 それから、「栃木」から分かれた「とちぎ」なのですが、どうも正体不明な感じがしますので、ここは順当に「佐野」に改称してみてはどうでしょうか?自動車検査登録事務所が佐野市にあるわけですから。もっとも、「とちぎ」は、栃木県に2番目のナンバーが新設される際に、足利市などから広域的に地域を表わす名称がいいのではないかと提案されたことを受けて考案されたものですから、あとから改称なんて現実にはほとんど可能性なしでしょうね。

[9203]special-week さん
鈴鹿ナンバーが誕生したら「湘南ナンバー」に次ぐ人気ナンバーになるんじゃないでしょうか?
 三重県には、すでに「四日市自動車検査場」がありますので、ここは「四日市」新設が順当かと思います。

 まあ、ここまで長々書いてしまいましたが、ken さんのおっしゃるように、分類番号3桁化でナンバーの新設は本当は必要のないことかもしれません。でも、外出時にナンバープレートを見て、「ああ、あの車ずいぶん遠いところから来てるな」とか「『○○』って何県だっけ?」等々と考えたりする愉しみがなくなってしまうのは、少し味気ない気がします。それに、ナンバープレートに識別効果を持たせるためには、番号ばかりよりも、やはり、地名という標識を付したほうがいいのではないかと私個人は思います。
[9146] 2003年 2月 13日(木)14:14:03蘭丸 さん
広域地名採用の影響
[9088]焼き味噌 さん

何かしらの「資格」が必要な事なのでしょうか。
 「資格」という言葉を、「飛騨」を名乗る「資格」という意図で書いたのではありません。高山市が今後の合併を経て、過去現在にわたる名実をともなった「飛騨」の中心たる地域になるであろうということの表現方法として「資格」と書きました。「資質」と置き換えてもいいかと思います。
 私は、「飛騨」を称する「資格」云々を言うつもりはまったくありません。私が言いたいのは、広域地名を自治体名に使用する場合の適切さや妥当性の問題です。どの自治体もいろいろ苦心して新しい名称を選考していることは私も理解しています。ですが、だからといってその結果や過程に、関係者以外の者が何らの論評や意見表明をしてはならないということにはつながらないのではないでしょうか。
 それに、元来、自治体の名称をどうするかは個々の自治体の自由であって、同一市名の重複以外はそれを制約する法的規制等は存在しませんから、特定の地名を自治体名で名乗ることに「資格」など、あろうはずもない話です。
これでは当該地域の住民はこの上なく窮屈ではないでしょうか。
 この点は、焼き味噌 さんと私との根本的な考え方の差ではないかと思いました。本来、合併で誕生する自治体の名称にふさわしい地名なんて1つや2つではないかと私は思っています。一から創意工夫を凝らす商品名とはちがって、特定の地域を表わす呼称について、多数選択肢があること自体が不自然なことではないかと思います。
どうして「独り占め」してしまうとの考え方につながるのでしょうか。
 広域地名を借用するケースでは、少なくとも見かけ上、広域地名を独り占めするかのように見えると思います。
 「飛騨」「魚沼」「能登」等といった地名は、現代においては歴史的経過に基づく通称地名的な性格を持っていて、都道府県名、郡名、市町村名などのような公式の地名ではありません。このような、社会的合意によって通称されていた地名が、その地名の本来表わす区域の一部分を占める自治体の名称になることで、同時にその自治体に限って公的存在となります。こうなると、同一広域地名内に存する他の自治体とのアンバランスが生じてしまいます。慣習として呼び習わしてきた広域地名が、その区域の一部についてのみ公称となれば、少なくとも住所表記や地図上の表示などでは「独占」同様の結果をもたらすと思います。
 また、「市町村」の文字を略して表記している地図帳や、あるいは道路標識などで広域地名由来の名称を持つ自治体が示されるとき、単に「飛騨」「魚沼」「能登」等という形になってしまい、事情を知らない人に、本来は広域地名であるはずのものが、もっぱら一自治体を表わす地名として理解されてしまう(誤解されてしまう)可能性が大いにあります。
 たとえ、広域地名を借用しようとする自治体に「独占」の意思はなくても、このような客観的要素を考えれば、明快に「独占ではない」とは言い切れなくなると私は思います。

 このほかにも、焼き味噌 さんのご意見には私の意見と相違する点があるのですが、私の過去の書き込みと重複する内容になってしまいそうですので割愛させていただきます。
[9063] 2003年 2月 11日(火)18:56:17蘭丸 さん
広域地名採用と近隣自治体の住民感情[補足]
[9026]拙文
たしかに、飛騨(斐陀)国府が、かつてこの地域に存在しましたが、それは遠くいにしえの話です。今、「飛騨」の中心地はどこかといえば、多くの人々は高山市と考えていると思われます。
 広域地名「飛騨」の中心地ですが、かつて国府所在地であった吉城郡国府町は、吉城郡での合併ではなく、高山市との合併(高山市への編入)を選択しましたので、今後誕生する新・高山市は名実共に「飛騨」の中心地たる資格を持つことになるでしょう。
 吉城郡4町村の合併では、「飛騨」の一部地域であり、また、過去および現在において「飛騨」の中心地域ともいえない地域が「飛騨市」を称することになるわけです。
 「吉城市」では、郡名の由来となった「荒城郷」が含まれない合併では具合が悪いという焼き味噌さんのご指摘[8947]もありますが、狭域を指す地名がそのまま郡名となったわけではないですし、永きにわたって「吉城郡」として広域地名として認識されてきたと思われますから、「吉城」を市名に使用しても大きな問題はないと私個人は考えます。さらには、国府町は「高山市」となる予定であり、「吉城」の使用をめぐる地域間の軋轢は生じないとも考えられます。少なくとも、「飛騨」を採るより「吉城」を採ったほうが周辺地域の納得の程度がちがうであろうと思います。
 そういうことから、私は吉城郡4町村合併では「吉城市」がもっとも妥当な選択ではなかったのでは?と考えるわけです。

[8947]焼き味噌 さん
地名はその土地に住んでいる人たちのもので、そのあたりの微妙な事情をご存じない方に「~すべきでない」と全面否定されますと、やはり少し悲しくなるものです。
 私も当事者ではない者ががあれこれと口を出すことには、正直、少なからず後ろめたさを感じています。しかし、なぜ私がこんなに広域地名問題に関心があるかというと、表題にあるとおり、広域地名を借用する際の決定過程において、当該広域地名の範囲内にある近隣自治体の意向や住民感情への考慮が抜け落ちていることが気になるからです。
 「地名はその土地に住んでいる人たちのもの」という点に、私はまったく異論はありません。ですが、実は「その土地に住んでる人たちのもの」が「その土地に住んでる一部の人たちのもの」にすり替えられてしまうということが、最近の自治体名選定における広域地名借用の実態なのです。
 歴史的蓄積から育まれた地名文化を大切にすべきという観点から、今後誕生する新自治体でも同じようなすり替えが行われて欲しくないというのが私の考えです。
[9026] 2003年 2月 10日(月)19:22:06【2】蘭丸 さん
広域地名採用と近隣自治体の住民感情
[9017]地域研究家 さん
「魚沼産コシヒカリ」のネームバリューを全面に押し出してもいいんじゃないか、ということで「魚沼市」も書いたのですが、中魚沼郡市・南魚沼郡への配慮というのは足りなかったですね。
 私も同様の観点から、北魚沼郡が「魚沼市」を名乗ることの妥当性に疑問を感じています。
 「魚沼」は、単に旧郡名(魚沼郡)に由来する広域地名であるだけでなく、最高級米「魚沼産コシヒカリ」の産地という、現代的なブランド価値をともなった地名でもあります。この二重の意味で、自治体名での「魚沼」使用には慎重さが求められると思います。
 現行の行政区画では、次の地域が旧「魚沼郡」に該当します。
小千谷市もと北魚沼郡
十日町市もと中魚沼郡
北魚沼郡川口町、堀之内町、小出町、湯之谷村、広神村、守門村、入広瀬村
南魚沼郡湯沢町、塩沢町、六日町、大和町
中魚沼郡川西町、津南町、中里村
 この広域にわたる地域をもって人々は「魚沼」と称し、そして、この地域の清冽な水と夏季における昼夜の寒暖差という気候条件が生み出した「魚沼産コシヒカリ」が、最高級米として好評を博しているのです。北魚沼郡だけが「魚沼」というわけではなく、また「魚沼産コシヒカリ」の産地というわけでもありません。南魚沼郡、中魚沼郡、小千谷市、十日町市も「魚沼」であり、かつ、「魚沼産コシヒカリ」の産地です。
 このようなことから、「魚沼市」は、少なくとも今の状況ではいずれの自治体も称すべき名称ではないと思われます。

 「飛騨市」も同様の問題を抱えていることから、適切さを欠くものと私は思います。
 「飛騨」は、古き良き日本の田舎情緒を現代に伝える観光地として高い人気を保ちつづけています。そして、一般的には飛騨高山、白川郷、奥飛騨温泉郷、下呂温泉などを総じて「飛騨」と認識されています。そして、この「飛騨」も観光地として一定の“ブランド力”を持っています。
 現行の行政区画では、次の地域が「飛騨国」に該当します。
高山市もと大野郡
益田郡萩原町、小坂町、下呂町、馬瀬村 (金山町は「美濃国」)
大野郡丹生川村、清見村、荘川村、白川村、宮村、久々野町、朝日村、高根村
吉城郡古川町、国府町、河合村、宮川村、神岡町、上宝村
 歴史的に見て、吉城郡のみが「飛騨」であったわけではありません。たしかに、飛騨(斐陀)国府が、かつてこの地域に存在しましたが、それは遠くいにしえの話です。今、「飛騨」の中心地はどこかといえば、多くの人々は高山市と考えていると思われます。
 高山市も、益田郡も、大野郡も「飛騨」であって、この地名は吉城郡の占有物ではないはずです。本来、「魚沼」同様、現状ではいずれの自治体も「飛騨」を名乗ることの妥当性を持ち合わせてはいません。

 広域地名を自治体名に借用・流用する場合は、当該自治体の住民の意思もさることながら、同じ広域地名の範囲に存する近隣自治体の住民感情への配慮も忘れてはならないと思います。そうでなくては、自分勝手になってしまいます。
 「魚沼市」選定過程では、住民への意向調査が最終決定に結びつきましたが、もし、同時に同様の調査が南魚沼、中魚沼でも実施されていたら、この2地域でも「魚沼市」が1位になっていた可能性が高いと思います。北魚沼郡でも吉城郡でも、それぞれ2位になった「北魚沼市」「吉城市」が、広域地名の適切な使用の観点からも、住民の意向という観点からも、もっともふさわしかったのではないかと私は考えています。

 最近の市町村合併にともなう新名称選考の状況を見ていると、広域地名がその表わす地域の共有財産であるという認識が、多くの場合に欠落しているように思えてなりません。
[8899] 2003年 2月 8日(土)08:00:57蘭丸 さん
これで広域地名を名乗れるの?
 最近の市町村合併で、広域地名を自治体名に使用したり、使用しようとする(構想する)ケースにおいて、合併によってできる新自治体の区域が、借用しようとする広域地名の中でどれくらいの範囲を占めるのか、地図上で大まかに見ると次のようになります。

さぬき市讃岐国の約10分の1
飛騨市飛騨国の約3分の1
魚沼市旧魚沼郡の約3分の1
「あわじ市」淡路国の約2分の1
「淡路市」淡路国の約2分の1弱
「能登市」能登国の約5分の1
「」は、正式な決定を受けていない市名候補。

 どれも、使用する広域地名の大部分を占めるまでにいたらないのが実情です。さぬき市にいたっては、本来の「讃岐」の範囲のほんの10分の1程度でしかないのに、ひらがな化したとはいえ、堂々と「さぬき」を名乗っています。「能登市」も区域的には相当無理があるような気がします。
 これらの新市名(案)は、中高生が使用する地図帳の上では、単に「さぬき」「飛騨」「魚沼」と表記されることになりますから、教育の場で「『讃岐』とは『さぬき市』のこと」「『飛騨』とは『飛騨市』のこと」「『魚沼』とは『魚沼市』のこと」という、不適切な地理の知識が知らず知らずのうちに浸透していくことが懸念されます。このような誤解を生じさせないように現場の教員が指導できるかといえば、ほとんど不可能と思われます。受験に必要のない知識についてあれこれ解説している暇など、現実の教育現場にはないでしょうから。

 自治体にとって不釣り合いな広域地名の借用・流用は、地名文化を保存する観点から、本当にこれ以上増えて欲しくないと思います。


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