[58571] じゃごたろ さん、
[58578] 白桃 さん、
コメントありがとうございます。
「たたら製鉄」は、経済的効果も大きい光の部分で、じゃごたろ さんからいただいたコメントにあるように地名として「多々良」という嘉名がついたりしています。ただ自然破壊や地形変化の影の部分は、近世以前は環境意識も低く、田畑に砂が入り込むので「かんな流しは農閑期(秋の彼岸から春の彼岸)」という取り決めが出来たりした例も見受けられますが、「かんな流し」が、結果的に扇状地を作ったり、河口に三角州を作ったり、土石流の原因になったり、海岸に豊かな砂浜を作ったりした因果関係がわかっていなかったようで、直接的に地名に反映する例が、ほとんどないのではないかと思っています。地図上の地名からは情報があまり得られないと思います。
白桃 さんから紹介していただいた戦後の研究が、「たたら製鉄」や「かんな流し」が、地形形成や地形変化に大きく影響したことを解明した最初期の頃のものではないかと思っています。(感謝!)
中世から近世に掛けて、中国地方の山々の一部では、「たたら製鉄」の影響で山林が伐採しつくされて、山肌が削られて地形が大きく変わり、「かんな流し」の影響で中流・下流の地形も大きく変わったことは、あまり知られていないようです。現在も、大々的に調査が行われた例があまり見受けられないのは、社会学的な別の見地から憚られる要素も多いようで、逆に、地理の愛好家の方々のフィールドワークに期待したい部分でもあります。