静岡県中部で通勤通学に使える高速バスというと鉄道の便に恵まれない榛南(はいなん)地区(吉田町、旧榛原町、旧相良(さがら)町)と静岡市を結ぶ「静岡相良線」が該当すると思われます。
旧相良町から旧榛原町を経て吉田町までは国道150号(約14キロ)を、吉田町からは静岡市までは東名高速道(約24キロ)を走行、静岡市までの所要時間はおよそ1時間です。
静岡市到着が7:30~8:30となる通勤通学時間帯では5分間隔で運行され(日中は20分間隔)、地方都市へのバスとしてはかなりの高頻度です。
帰宅時間帯の夕方16時以降の静岡発の便は15分間隔で、最終便は静岡のような夜の早い田舎町としては異例の23:36(平日)、東京からの新幹線の最終便に間に合うようにも配慮されています。
かつて静岡県内の都市を結んでいた「静岡浜松線」「静岡沼津線」などの高速バスがありましたが、JR東海道線に「するがシャトル」登場以来、定時性と所要時間(各ICと中心市街地が離れているため比較的短距離な路線ではそのロス時間が大きい)で不利なこれらの高速バスがことごとく不振で廃止に追い込まれているのに、この「静岡相良線」が盛況なのは鉄道沿線から距離がある地域と静岡市内を結んでいることが大きな要因なのでしょう。