都道府県市区町村
白桃研究所長による人口テーマ専門誌

“都市圏”に思いをめぐらす

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記事数=13件/登録日:2013年7月16日

「白桃ちゃん、今どこにおるんナ?」
と田舎の友達に尋ねられたとき、千葉県浦安市に住む私は決まって、
「東京」
と答えてしまいます。浦安が全国的に知られるようになったにもかかわらず、そう答えるのは、「東京で暮らしている」という感覚だからでしょう。
かたや、仕事場の方から
「白桃さんのご出身はどちら?」
って訊かれたら、
「四国です」
とメチャクチャあばうとな回答をしてしまいます。
本心は、「今は東かがわ市となった三本松」と答えたいのですが、確固たる都市圏を持ってない無名の都市?を答えてもしょうがない。かと言って、その圏域に飲み込まれてしまったとは思われない「高松」と答えるわけにもいかない。「香川県」と答えるのが妥当なところなのでしょうが、それが四国の何処にあるのか知らない人も多いし・・・。
話がソレましたが、「都市圏」というのは、日常あまり意識しないものですが、ヒトは自分の“居場所”をソコの圏域、と感覚的に決めているのではありませんか?
また、都市の大きさについて言及するときも、自治体としての単体の市ではなく、その市を中心に拡がる「都市圏」のハナシをしている場合が多々あります。
ここでは、「都市圏」の定義や線引き、策定とはいかないまでも、「都市圏」そのものに思いをめぐらした記事を集めました。

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[808]2002年2月4日
YSK
[7071]2002年12月28日
YSK
[16044]2003年5月27日
YSK
[23673]2004年1月12日
YSK
[23758]2004年1月14日
千本桜
[40534]2005年5月3日
うるう
[46032]2005年10月23日
futsunoおじ
[47069]2005年12月3日
小松原ラガー
[52974]2006年8月3日
矢作川太郎
[53931]2006年9月12日
hiroroじゃけぇ
[73384]2009年12月23日
rigst
[82945]2013年2月28日
白桃
[82949]2013年3月1日
白桃

[808] 2002年 2月 4日(月)21:59:35YSK さん
県境をまたいで生活圏を共有する都市
私の住む群馬県太田市は、となりの栃木県足利市と生活圏が一体です。
足利市の人も、栃木県民というよりは、より群馬県側に親近感を持つ
人が多いのではないでしょうか。私も、足利市でよく買い物をします。
かつて、この場で指摘したことがありますが、旧群馬県山田郡矢場川村
が、両市の生活圏にまたがっていたため、越境分村したという経緯もあ
ります。
また、鳥取県の米子市と島根県安来市、広島県の福山市と岡山県笠岡市・
井原市、静岡県の湖西市と愛知県豊橋市、栃木県小山市と茨城県結城市・
下館市なども県境を跨いで一体の生活圏を共有する都市ではないでしょ
うか。
さらに、海峡を挟んでいますが、山口県下関市と北九州市門司も、一体
的な都市圏としての性格を備えているような気がします。
また、都市同士でなくても、鳥取市は、兵庫県北部の一部地域に都市圏
を伸ばしているし、宮崎県都城市も、鹿児島県側に都市圏を伸ばしてい
ます。
市町村合併が加速していますが、時には県境にとらわれずに、柔軟な合
併が進むといいですよね。
[7071] 2002年 12月 28日(土)01:43:38YSK さん
広域化について
[7034]TNさん
<広域化の結論にはなりませんが、
市名人口(人)面積(平方km)人口密度(人/平方km)
埼玉県蕨市71,1725.1013,955.29
福島県いわき市359,0371,231.13291.63

こういった、自治体間の規模のばらつきも、行政の広域化の必要性があるということでしょうか。確かに、直径10キロメートルを生活圏の基礎的単位とした場合、それに満たない小規模な自治体が多いのも事実ですね。

なお、ご提示いただいた鹿島台町のケーススタディについてですが、通勤流動、買物行動、通学流動などを基礎データに用いて都市圏を抽出し、それらと広域行政単位としての広域圏と学区との整合性を論じている内容、たいへん興味深く拝見しました。

とはいえ、
(1)行政のこととはいえ、単位地区が市町村単位になっているのでは、果たして正しい生活圏構造を反映した分析となっているのか?
 #鹿島台町から、仙台市に通勤者や買物のために行く者が多かったとしても、その行き先の大勢が仙台市街地へ行っているのか?それとも宮城野区あたりの国道45号沿いの商業集積地区止まりなのか、判断ができないですね。

(2)通勤流動(→通勤圏)や買物行動(→商圏)によって都市圏を設定しても、それはあくまで都市の経済的な勢力範囲を示すもので、人々の生活圏構造とは質的に違うのではないかとYSKは思っています。この分析は、行政経営の道筋を判断する一指標として、非常に重要ですし、意義のあることであると思いますが、このことをもって「生活圏と行政地域の不整合」を論じることには、ちょっと無理があるような気がしますが・・・。

という所感を持ちました。
私も、もう少し具体的なお話ができるように、頭の中を整理したいと思います。
[16044] 2003年 5月 27日(火)22:43:32【1】YSK[両毛人] さん
国勢調査による「大都市圏」
国勢調査では、以下の定義により、「大都市圏」と「都市圏」を設定して、人口などの統計を発表しています。

この概念は、まず「中心市」を設定し、(その中心市への通勤・通学人口÷常住人口×100)の数値が1.5(%)以上の市町村を基準として「周辺町村」を設定し、これらの範囲として定義されています。

1.中心市

(1)大都市圏の中心市は、東京都特別区部及び政令指定市としています。ただし、「中心市」が互いに近接している場合には、それぞれについて大都市圏を設定せず、その地域を統合して一つの大都市圏としています(例:京阪神大都市圏)。

(2)都市圏の「中心市」は,大都市圏に含まれない人口50万以上の市としています。

2.周辺市町村

 「周辺市町村」は、大都市圏及び都市圏の「中心市」への15歳以上通勤・通学者数の割合が当該市町村の常住人口の1.5%以上であり、かつ中心市と連接している市町村としています。
 ただし,中心市への15歳以上通勤・通学者数の割合が1.5%未満の市町村であっても、その周囲が周辺市町村の基準に適合した市町村によって囲まれている場合は、「周辺市町村」としています。


以上の設定基準に基づき、平成7年国勢調査では、次の大都市圏と都市圏が、「中心市」を中心として設定されました。

(大都市圏)(中心市)            
札幌大都市圏──────札幌市          
仙台大都市圏─────―仙台市          
京浜葉大都市圏─────―千葉市、東京都特別区部、横浜市、川崎市    
中京大都市圏──────名古屋市
京阪神大都市圏─────―京都市、大阪市、神戸市
広島大都市圏──────広島市
北九州・福岡大都市圏──────北九州市、福岡市

(都市圏)(中心市)
浜松都市圏─────浜松市
岡山都市圏─────岡山市
熊本都市圏─────熊本市
鹿児島都市圏─────鹿児島市

なお、大都市圏の中心市の設定基準のうち人口規模に関する基準は、昭和35年では人口60万以上の市、昭和40年では人口100万以上の市(ただし、人口100万以上の市と同一都道府県内に人口50万以上の市が存在している場合は,これら人口50万以上の市も「中心市」としています。)、昭和45年では人口50万以上の市、昭和50年以降は現行の基準となっています。

このように、「国連統計」の「都市集積」のリストと、国勢調査の「大都市圏」は、京都が単独の「都市集積」を形成していることを除けば、ぴたりと符合します。

ですので、国勢調査による「大都市圏」のなかで、連続したDIDの範域を対象にしているのではないかと考えたわけです。「京阪神大都市圏」は、京都と大阪の間でDIDが一部不連続な地域があるため、2つに別れたのでしょうか?
[23673] 2004年 1月 12日(月)01:16:16YSK[両毛人] さん
日常生活圏
[23643]軒下提灯さん
私としては、都市に関わる地域構造を、中心地とその後背地、といった結節構造のみに頼るのではなく、もっと自由に考えたいと考えています。もちろん、全国的には、[23651]faithさん のお話の久慈市のように、中心都市が十分な結節構造を維持している地域も多いですし、そういった部分まで全く無視して議論をしたほうがよい、とまでは考えていません。中枢管理機能や、高度の中心地機能については、依然として規模の大きい都市に集中している現況もありますし、現在の経済的な地域システムがそういたルートによって強固に形成されていることもまた事実です。

しかし、軒下提灯さんもお感じになっていらっしゃるように、住民に身近な中心地機能の多くは、もはや中心市街地の独占物ではなくなってしまいました。

たとえば、手許に1990年国勢調査結果を利用した、群馬県内の市町村間の通勤依存率※を示した図がありますが、前橋市に5%以上の通勤依存率を示す市町村は、高崎市、伊勢崎市、渋川市の3市をはじめ、新里村、粕川村、大胡町、富士見村、北橘村、赤城村、子持村、小野上村、吾妻郡東村、吉岡町、伊香保町、榛東村、群馬町、箕郷町、玉村町、赤堀町にも及びます。この様子が、群馬県の市町村の境界線入り白地図に図示されているのですが、これをただ見ると、「前橋市」が周辺の市町村から多くの労働者を集める、強大な結節地域を形成している、と読み取ってしまいがちです。

ところが、市町村よりも少し狭い地域スケールで人々の動きを記録している「パーソントリップ調査」を分析しましたところ、周辺町村からの労働力は前橋市の中心市街地へはほとんど向かっておらず、前橋市内の中心市街地以外の場所に立地した事業所へ向かうものがほとんどだったのです。前橋市内の従業者さえ、中心市街地へ通勤するのはせいぜい中心市街地に隣接した地区までで、やはり前橋市内の中心市街地以外の職場へと向かう人のほうが多いという結果でした。一部地域では、前橋市内よりも、隣接市町村へ働きに行く人のほうが多いところもありました。市町村単位でまとめてしまうと前橋市の中心性が強大なのに、スケールを小さくした途端、前橋市(の中心市街地)の形成する結節地域は実にコンパクトなものになってしまい、それ以外の地域では明確な労働の集積中心地はなく、地区相互に水平的な結合関係が形成されていたように思います。

長々と話を進めてしまいましたが、人々の日常生活での実感としては、前者の市町村単位の分析結果よりも、後者の水平的な地域構造のほうが、より実態に即した形なのではないでしょうか。

私は、都市圏を「1つの中心地を、周辺地域が指向するモデル」に限定するのではなく、より現代の日常生活圏の形にマッチした形への変質も可能な、複数の地区間における水平的なつながりを基本としたエリアのモデル」として考えたいな、と思っています。

前橋の都市圏ではなく、前橋を中心とした地域間の交流がなされる「前橋エリア」、桐生の都市圏と足利の都市圏と太田の都市圏が肩を並べる地域ではなく、桐生、足利、太田等の市街地が相互に連携した「両毛エリア」というふうに。この「エリア」という概念は自由度の高いものですから、場合によっては強大な1つの中心地が後背地に絶大な影響を持っている地域をも包含し得るものです。

なお、地図表現に関しては、一義的に表記する地名が「自治体名に使用されるもの」に限定されるなどの制約がありますので、上記の議論とはまた違った視点からのお話になると思います。私個人的には、両毛地域で1つの点を打つということはせずに、何も点は打たないで、「両毛地域」という文字を記載していただければ十分だと思っています。

※ある市町村から、特定の市町村へ流出する通勤者の割合。A町からB市への通勤依存率5%なら、A町に居住する従業者の5%が、B市内で就業していることを示す。
[23758] 2004年 1月 14日(水)04:38:30千本桜[軒下提灯] さん
Re:第二次産業、第三次産業
[23743]両毛人さん
朝日新聞社が編集している「民力」という本がありますが、そこでは、日本各地を複数の「エリア」に区分しています。
この朝日新聞社の「民力」という本ですが、実は私、食わず嫌いで、この本を楽しんで味わったことがないのです。口に入れる前に盛り付けを見ただけで、もう御馳走様と箸を置いてしまった感じ。私の口に合いません。出版社は考えがあって編集したのでしょうから、とやかく言うつもりはありませんが、ひとつだけグチらせて!。どうしてあの本は、市は都市圏を持ち、町村はその都市圏に付属したもの、と受け止められるような圏域設定をするのでしょうね。そういうのは理屈ぬきで感覚的に嫌なんです。食わず嫌いと言いながら’89年版を持っています。哀しいサガですね、買うなんて。それによると、仙台都市圏の南端は大河原町ですが、中間の名取市、岩沼市は市であるが故に独立都市圏を形成して仙台都市圏から除外されています。名取、岩沼を飛ばして一気に柴田・大河原が仙台に吸い込まれる圏域設定なんて、私には考えられない。また、それよりも新しい年度版を立読みした時は、大河原町が白石都市圏、柴田町が岩沼都市圏、村田町が仙台都市圏に包含されていました。町村は町村であるが故に、むりやり市の都市圏に組み込まれる感じですね。もちろん例外もあって、近くに市のない栗原登米地方は、築館・迫地区として独立していますが・・・。’89年版では高松市の都市圏は大川郡を含んでいましたが、さぬき市、東かがわ市が誕生して各々が都市圏を形成することになりますから、一気に高松都市圏が縮小しますね。なにか、あの地域で高松都市圏が激ヤセするような変動がありました?。何もないと思うけど、「民力」ではそれがあるんですね。「民力」には編集に当たっての考えが割と詳しく書いてありますね。それを読みこなせば別の見方も生まれるのでしょうが、もう食わず嫌いになってしまって、ダメなんです。両毛人さん、暇があるときでいいですから読んでもらえませんか。
二次産業であれ、三次産業であれ、ブルーカラーであれ、ホワイトカラーであれ、今日では都市的なライフスタイルのもとでの日常生活を展開していることに変わりはありません。圏域を理解する際に、ことさらに二次産業、三次産業、という分類を行なうことに、かつてほどの意義はなくなっているのではないでしょうか。
両毛人さん、私の興味の的を完全に誤解なさってますよ(笑&涙)。私は人々のライフスタイルには無頓着なのです。そこまで頭がまわりません。産業を分類したがるのは、産業とライフスタイルの関わりを知りたいからではなく、産業と景観の関わりを知りたいからなのです。枝葉を切り落としてしまうと、私に残る地理的興味は、町並みの景観や村落の風景ばかり。単純なのです。簡略に二次産業を工場に、三次産業を商店に置換えてみます。100人の従業員を抱えた工場が100軒並んだ町並みと、100人の従業員を抱えた商店が100軒並んだ町並みとでは、明らかに景観差異が生じます。そして、たいがいの人は商店が100軒並んだ町並みに中心性を感じるのではないでしょうか。だから私には二次産業、三次産業の分類が必要なのです。もっと細分化すれば切りがなくなります。産業上は公務に分類される県庁市町村役場は中心機能の1つですが、同じく公務に括られる自衛隊駐屯地も中心機能として扱って良いのかなどなど、迷うことしばしです。
都市の施設からの視点ではなく、もっと生活者に密接した視点から、地域を見つめたいな、と思います。
それは大事なことだと思います。両毛人さんのその思いは付焼き刃でなく、生活の中から深く根ざしたものでしょうから、大切に前進させてください。
[40534] 2005年 5月 3日(火)01:43:39うるう さん
組替人口へのポリシー
ちょっと昔のレスですが・・・。

[40381]白桃 さん
もっとも、組替えしない人口の比較自体がナンセンスといえばナンセンスなのです。(前にも書き込みましたが、私は組替人口の比較が論理的であるとも思っておりません。)

私は基本的に、時系列で人口を比較するときには組替人口を好んで使います。しかし例外もあって、都市の人口を比べるときには組替人口はあまり使いません。あくまで「地域」で人口を比べるときに使います。(ちょっと線引きが難しいですがそこはあんまり深く言及しないでください。あくまで目安ってことで。)なぜなら時代によってそれぞれの「都市の大きさ」が変わっていると考えているからです。また、現在を含めての市区町村界が都市を区切っているとも思えません。たとえ人口という観念だけであっても、都市の大きさを単純に順位で表すのは難しいことです。
こんなとき使っていたのが都市圏人口なんですが、これでは時系列として扱うことが出来ませんし、市町村合併で各市町村の面積が大きくなった現在もう役には立たなくなってしまったかもしれません。
都市人口研究って難しい・・・
[46032] 2005年 10月 23日(日)02:00:46futsunoおじ さん
大合併、15番目の政令指定都市
[45931] ahokusa さん
 なぜ進まない?東京・神奈川・大阪の市町村合併

 個人的な独断と偏見も交えて分析すると、以下のようになります。


 大都市圏の市では比較的税収が安定しているのに比べ、地方では国からの交付税の配分に頼っている市町村が多く、国の方針に逆らいにくい。

 大都市圏で、いわゆるベットタウンとして住んでいる住民では、合併に対する意識が低い。又、合併のメリットが見えなければ賛同する住民はいない。
 地方では地域の有力者の意見を重く見る傾向があり、正確な情報が伝えられないまま、合併が決定されることも考えられる。

 大都市圏では生活圏があまりにも拡大しているため、通常規模の合併では生活実態は変わらない。 又、合併を検討するにも相手が定まりにくい。
 地方では「市」を核にして共通の生活圏を構成している周辺「町村」との合併を進めやすい。

 大都市圏では(地方でも?)合併が実施された場合、首長・議会議員などは失職する不安があり、消極的になりやすい。 (役所職員も遠方への転勤などの不安がある。)
 地方では「村」よりは「町」、「町」よりは「市」に魅力を感じやすい。(もちろん「普通の市よりも政令市」)

 市町村を指導する都道府県側の方針(熱意?)が異なる。
 周辺市町村の動向に影響を受けやすい。 (周辺が合併に流れている場合、独立を守るのは大変。)



[46012] がめら さん
15番目 堺市決定 朝日新聞記事

 こちらは東京発行の、22日朝刊です。
「見出し」と「本文」の間の、概要を伝える文章に、  (前略) 『 今後も、新潟、浜松、岡山などの「予備軍」が控える。』 (後略)  となってますので、「浜松」について一言も触れてないわけではありませんが・・。

(「後に続く岡山・新潟」ではなく、) 「次ねらう 岡山・新潟」との見出しが、下の方にありまして、以降本文は名古屋本社版とおそらく同じ。

 まだ見通しがついていない「岡山」に比べ、事実上決定している「浜松」の紹介が漏れているのは、(朝日の)読者に誤った認識を与えかねないとは思います。
 ただ、今回決定したのは「堺市」で、16番目以降は未決定なんだから同列だよ・・と言われればそれまでですが。
[47069] 2005年 12月 3日(土)11:22:09小松原ラガー さん
2030年・・・
小松原ラガーです。
本日の新聞に「2030年の経済規模予測」という面白そうな記事が載っていました。経済産業省が発表したもので、いわゆる行政上の市や町という単位でなく、通勤圏となる周辺市町村も含めた都市圏の域内総生産と人口の試算をしたもので、それによると東京都市圏(さいたま、千葉、横浜、川崎の各指定都市と首都圏の周辺市を含む)以外は全ての都市圏で、人口はマイナス。東京都市圏でもかろうじてプラスだが、15歳から64歳の生産年齢人口ではマイナスとのこと。また、域内総生産でも下記以外は全てマイナスとのこと。都市圏の割り振り方など算定方法など詳しくは確認していませんが、全国一律の算定方法で計算しているとのこと。今後の各自治体、および自治体連合(とでもいいましょうか、)の政策に何らかの影響が出てくるかと思います。

域内総生産が2030年でプラスと予測された都市圏(名称は2000年時点、だそうな):
東京都市圏、三沢市、仙台市、郡山市、つくば市、波崎町、宇都宮市、小山市、伊勢崎市、金沢市、名古屋市、豊橋市、岡崎市、刈谷市、安城市、四日市市、長浜市、守山市、野洲町、京都市、大阪市、神戸市、姫路市、岡山市、広島市、福岡市、久留米市、大村市、熊本市、国分市、那覇市、石垣市、沖縄市、読谷村
(因みに甲府市は0.0)

因みに神戸市(都市圏)は2030年の人口予測が205.2万人でマイナス10.7%ということです。う~む、ますますどういう割り方しているのか気になります・・・

P.S.
昨日初めて321系に乗車しました。液晶表示はJR東のと感覚的に大差ありませんでした(設置位置は異なります)が、あの固めの椅子は私にはFITでした。鉄ネタですみません。
[52974] 2006年 8月 3日(木)22:40:46矢作川太郎 さん
三大都市圏ってTOKYO-OSAKA-あとは・・・
[52966]U-4さん
かれこれ愛知県民歴十ん年の矢作です。(「ん」と言うのは数字を伏せた「ん」です。一般的な言い方なのかな?)

たまたま行政区画は名古屋市には入っていないものの、名古屋城下とその周辺地域を総称して「名古屋」と認識しているんではないか、というような気もします。
確かに名古屋市では無く漠然と「名古屋」とすればその範囲は人によって如何様にも変わってきます。例えば私の場合、明治期に設置された名古屋区の範囲が「名古屋」だと感じます。(中区全域と東区の一部)ですが、東海地方の名古屋寄りでは、ごく一般的には幕政期の尾張藩の範囲である尾張一円だとされる事が多いと思います。また、東海地方から離れるに従って「愛知県一円と岐阜・桑名」・「東海三県と遠州地方」・「東海北陸7県(これは海外からでしょうか?)」までと幾らでも拡張は可能でしょう。(この認識には誤用と言う概念を差し挟む術は無い様に思います。)

あと、
さらにもう少し広域のイメージで使う地名は「尾張」ですね。これはキチンと線引きができる言い方です。それ以上の広域を示す言い方はあまりなくて、私の周辺では「愛知」という言い方は、「自治体」もしくは「県という行政区域」を明示するときぐらいしか使われていないんですね。「三河」とは違うという意識が強いのかもしれません。
についても、「尾張国」の独立性に着目して述べたいと思います。前述の尾張藩の範囲であると同時に現在に至っても市町村内に境界が埋もれる事無く維持されているのは特筆すべき事です。(←河川の流路変遷による海西郡・中島郡・羽栗郡の移管を除く)たとえば、因幡国や伊賀国などは地形的条件によって周りから遮断されています。しかしながら、特に三河国との境は「境川」と言う小川によって遮られているだけ(北部は地形的条件が関わる。)です。(最も、遠江国と駿河国の境であった大井川に比べて小さいと言う訳で・・・でも大井川ですら市町村内に埋もれていっている訳で・・・)まあ、一時期東郷町と三好町の合併話があったと言う様な事も聞きましたが、三河国が小藩林立状態だった過去を差し引いても、ここまで同県内に於いて境が明確かつ越えがたくは無いのは全国的に見ても希有な事例だと思います。(でも、知多半島が三河と一緒に扱われた時期も有りましたが。)

加えて、
府県名=県庁所在地市名であれば、大阪市ではなくても「大阪」、広島市でなくても「広島」というのが一般的でしょう(府県名と認識して使っているかどうかはわかりませんが)。しかし、江別市や北広島市の住民が「札幌」、綾瀬市や大和市の人が「横浜」というような使いかたをしているでしょうか。どうも「名古屋」というのは、「札幌」や「横浜」とは違うと思われてなりません。
と言うのもとても興味深いです。どうやら「愛知県」の影が薄いのにはとても複雑な事情が有りそうです。他の三大都市圏を例に挙げれば東京・大阪とも府県名=県庁所在地市名に厳密では無いにせよ大方当てはまります。それに周辺県の県庁所在都市を一つないし複数個都市圏に取り込んでいます。しかし、名古屋は隣県に影響を及ぼすも県庁所在都市を取り込むには至っていません。(県内で影響力がほぼ完結している。)もう一つの条件に府県名≠県庁所在地市名が挙げられます。U-4さんは札幌と横浜を例に挙げられていますのでそれに従いたいと思います。札幌の場合、道庁所在地と道名が不一致ですが、道名の知名度は絶大です。江別や北広島の人は札幌の名を出す以前に「北海道」を出せば内地?に来ていた場合は済ます事が出来ると思います。(道内の人に対しては札幌を出す。)横浜の場合ブランドイメージがまず先行します。札幌同様、県庁所在地と県名が不一致です。しかし、都市圏としては東京の名前に集約されてしまい東京都横浜市の様なイメージとなり「神奈川」の名前がぼやけたとも言えます。(千葉・以前の浦和も同様。)また、綾瀬や大和の人は東京と言ったあと横浜の近くと付け加えるだけで、神奈川を出す必然性が余り見えないのも有るかも知れません。(バックボーンとなる都名(首都名)を出すだけで良い。)一方、名古屋の場合はどちらにも当てはまりません。まず、県名は余り有名では有りません。加えて、何処かに付属している訳では無く他の都市名に付託する必要も有りません。そして、県内で影響力がほぼ完結となれば「愛知=名古屋」だと言う認識になっても仕方が有りません。

とまあ、ダラダラ書き綴ってみましたが最後までお読みいただき光栄です。

最後?
「瑞穂都市圏」なんていうのはどうも「西多摩郡瑞穂町」のことのようだし、「読谷都市圏」というものまであるし・・・
と言うのは、米兵の勤務実態まで反映されているのかな、と言うのが私の見解です。(基地近くに住み、基地などで演習。)あと、有り得ない事ですが、基地で働いている人の影響かなとも考えます。(ある程度の人数であれば周辺都市圏から独立して計算される・・・)どうなんでしょう?
[53931] 2006年 9月 12日(火)01:04:26hiroroじゃけぇ さん
○大都市より三大都市圏
[53899]白桃 さん
1984年生まれの私は、義務教育時代が「平成」なわけですが、「○大都市」といったことは習わなかったと思います。わたしが教育を受けていた頃は「仙台市」が100万人に到達するかどうかという時代だったわけですから、すでに12の政令指定都市があったわけです。そういった事情かわかりませんが、「三大都市圏」と習いました。その上、[53919]ぐりゅん さんのように「四大工業地帯」もすでに「三大工業地帯」に言い換えられていた時期であり、やはり「三大都市圏」のイメージしかありませんね。

また、新幹線では「のぞみ」が全列車停車する駅の中で、唯一「岡山」だけが「政令指定都市」でなく「百万都市」(現在は違いますが)でもないことに、少し恐縮してしまいますよね。でも、新幹線の乗降人数ではトップ5に入る程度ですから、その意味では「山陰」「四国」の手助けは大きいと思います。

[53919]ぐりゅん さん
私自身、浜松市の分類にも途惑いました。旧「浜松市」と新「浜松市」ではあまりにも性格が違いすぎるためです。山間部の広さは一次産業の割合を押し上げた反面、二次産業の割合を低下させました。そのため、現在の浜松市に通じている人にうかがわないと、正確なことはわからないと感じていましたので、もう少し詳しく分類していただければと思っております。

「一+二」複合型なら、今後の発展は間違いないと(勝手に)思ってます。
私の分類法では、「新種」(笑)ですよね。同じ都市の中で、「一次」と「二次」が同居していれば、「三次」の発展を誘導するのは、他の都市よりも容易なはず。「京都市」の発展方法となんとなく似てますね。
[73384] 2009年 12月 23日(水)23:46:15rigst さん
都市圏と中核的町村
時折眺めてはおりましたが、初めて書き込みをさせていただきます、rigstと申します。

金本・徳岡両氏が提唱した「都市雇用圏(wikipediaではよく見かけますね)」は、
中心自治体のDID人口が10,000人以上、昼夜間人口比が1以上であることなどが要件です。
しかしDIDが少なかろうと昼間の方が人が少なかろうと、地域の中心であることには変わらない市町村も数多くみられます。
先の研究はあくまで"都市"圏の定義が目的なので然も有りなんといったところですが、
少し拡張すれば"都市"に満たない「中核町村」を定義できるんじゃあないかと思いまして。

そこで試しに、10%通勤圏だけの合併で30,000人を超え市制可能だった町村たち(ただし人口は2000年基準)を探してみました。
北海道と近畿と九州はまだ途中なので、それ以外のところだけ……です。
条件は通常の都市雇用圏の定義から「DID>10000」および「昼夜比>1.0」を除いただけのものです。

岩手・千厩圏(千厩町、藤沢町、室根村:30,272人)
宮城・築館圏(築館町、一迫町、志波姫町、花山村:34,532人)
宮城・迫圏(迫町、登米町、東和町、中田町、米山町、南方町:75,471人)
秋田・仁賀保圏(仁賀保町、象潟町、金浦町:30,347人)
新潟・中条圏(中条町、黒川村、荒川町:45,833人)
新潟・小出圏(小出町、堀之内町、湯之谷村、守門村、広神村:43,338人)
新潟・六日町圏(六日町、塩沢町、大和町:65,492人)
新潟・佐和田圏(佐和田町、相川町、金井町、真野町:33,424人)
富山・福光圏(福光町、井口村、城端町:31,637人)
岐阜・下呂圏(下呂町、加子母村、萩原町、小坂町、金山町、馬瀬村:43,513人)
三重・阿児圏(阿児町、大王町、浜島町、志摩町、磯部町:61,628人)
岡山・落合圏(落合町、勝山町、久世町、美甘村、富村:39,611人)
徳島・池田圏(池田町、三野町、三好町、山城町、井川町、三加茂町:49,286人)
徳島・脇圏(脇町、美馬町、穴吹町:35,318人)

こうして見ると、平成の大合併で生まれた新市となかなか一致しますね。当然ではありますが。
また東北および新潟の多さが目をひきます。水原や中新田、鷹巣などもいいセンいってました。
これらは市街規模はともかく、役割的には市になるべくしてなったと考えてもいいのではないかと思われます。

通勤率と都市雇用圏の関係は面白いもので、例えば黒部市は現在魚津都市圏とされてはいますが、
黒部→魚津が12.29%なのに対し、魚津→黒部は11.35%とあまり差がなく、数字的には"連合都市圏"とでも称した方がいいような感じになっています。
また通勤率の10%を5%に引き下げると、六ヶ所村が三沢市を取り込んで約10万人の「六ヶ所都市圏」を形成したりもします。
大合併がなされた今では意義がだいぶ薄れたこの手法、新たな都市圏定義方法に胸をはせながら過ごす師走の夜でしたとさ。長々と失礼いたしました。
[82945] 2013年 2月 28日(木)22:41:11白桃 さん
Re; 衛星都市とおがちゃんさん
[82942]グリグリさん
千葉市は東京の衛星都市にはならないようですが、堺市は大阪市の衛星都市になっていますから、和泉市は孫衛星都市とでも言ってはどうでしょうか。要件2は衛星都市の性格を表す際の排他条件にしなくてもよいように思います。
このようなご意見はごもっともです。
ただ、文章にしなかったのですが、自分の頭の中で以下、二つのルールを決めていました。
「衛星都市は自ら母都市となって衛星都市を持つことはない」
「衛星都市は複数の母都市をもつことはない」
千葉も堺も昼夜間人口比率が100%未満なので、母都市にはなれません。
しかし、通勤通学率(仮称)の関係から、堺は大阪の衛星都市ですが、千葉は東京の衛星都市ではありません。
後日書き込もうとしていたのですが、ここから先は「都市圏」の話になります。
B市の居住者で、A市内に通勤・通学する人数が、B市内に通勤・通学する人数の1割以上に達しているとき、「B市はA市の都市圏内の市」にしようと考えています。
ですから、
千葉は東京の衛星都市ではないが、東京都市圏内の市であり、2次都市圏である千葉都市圏内にある市は
市原、茂原、東金、八街、山武、四街道、大網白里(四街道、大網白里は東京の「衛星市」でもある)であり、
さらに、3次都市圏である市原都市圏には
木更津、袖ヶ浦があり、
4次都市圏である木更津都市圏には
君津があり、
5次都市圏である君津都市圏には
富津がある
だんだん、ややこしくなってきます。
この他、皆さまから異論が出ると想定されるのは、「通勤通学率」です。
1.なぜ分母がB市に居住する従業者・通学者の総数ではないのか?
2.B市内で従業・通学する者のうち、なぜ、自宅で従業する者を除くのか?
3.母都市-衛星市のとき、5割以上とする根拠は?(10割以上でも良いのでは・・・)
4.都市圏のとき、1割以上とする根拠?(3割以上でも良いのでは・・・)
こういった疑問に対して、2.以外はうまく説明できません。(汗)
3.と4.については「“決め”の問題です。」と逃げるしかありません。

頭の中がだんだんモヤ~としてきたので、なんだか自分でもよく解らない書き込みになりました。
それにひきかえ、
[82940]の安中市が衛星都市かどうかに関する書き込みは、分析内容、論理展開、文章表現、分かり易さと、中学生レベルを遥かに超えて素晴らしい完成度だと思います。
まったく同感です。
なんかもう、相模原や浦安の一時期の人口急増も影が薄くなるほどの成長ぶりですね。
[82949] 2013年 3月 1日(金)09:42:03白桃 さん
ごぼうと黒豆
[82945]白桃
ここから先は「都市圏」の話になります。
「都市圏」という言葉というか概念は地理学あるいは地域経済学の分野でもわりと古くからあり、その設定の仕方もいろいろあるようです。
白桃は従業地・通学地のデータを使用しましたが、卸・小売販売額を用いたものもあるでしょう。いずれにしろ、何層かの都市圏(都市圏の中に、子都市圏、孫都市圏・・・)が出来あがる場合があります。
(また話が脱線しますが、「都市圏」という考えには昔から関心ありましたが、市や町の余計なランク付けに繋がるのでは、と敬遠していました。)
話を戻して・・・
一方で、(市だけを対象とした場合)どこの都市圏にも属さないかわりに、自己の都市圏を持たない市が現われます。
“白桃方式”ではそういった市が109あり、その内訳は
A.昼夜間人口比が100%以上・・・70市
B.昼夜間人口比が100%未満・・・39市
です。
A.の“お山の大将”的な市を「独立市」とでも名付けましょうか?
では、B.の“淋しそう”な市は「孤立市」ですかね?
A.の代表格が御坊市、昼夜間人口比率113.0で
B.の代表格が丹波市、昼夜間人口比率95.6ですが、意外な市として下関市が入ります。


※母都市-衛星都市のときと同様、自市より昼間人口が少ない市の都市圏には属さない、というルールですので、昼夜間人口比率が100%未満でも都市圏を設定している市があります。

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