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市の同名回避の例を一覧します♪


市区町村雑学市の同名回避
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かつて、新潟県には高田藩15万石の城下町であった高田市がありました。1971年(昭和46年)4月29日に直江津市と合併して上越市となったために、今では高田市はなくなりました。ところが、全国にはいくつかの高田市が存在します。岩手県の陸前高田市、奈良県の大和高田市、大分県の豊後高田市です。陸前高田市は1955年(昭和30年)1月1日、大和高田市は1948年(昭和23年)1月1日、豊後高田市は1954年(昭和29年)5月31日にそれぞれ市制施行しています。新潟県の高田市が市制施行したのは1911年(明治44年)9月1日と古く、このため後発三市は同一市名を避けるために旧国名を市名に冠することになりました。

2004年(平成16年)3月1日に広島県に安芸高田市が誕生しました。すでに高田市が存在しないため同名回避ではありませんが、先行する陸前高田市、大和高田市、豊後高田市への遠慮が働いたのかもしれません。同じような例として、既に消滅した福岡県の八幡市との同名回避例である近江八幡市に対して、1977年(昭和52年)11月1日に京都府に誕生した八幡市の場合はそのまま八幡市を名乗りました。もっとも、近江八幡市(おうみはちまんし)と八幡市(やわたし)では読みが違うので、その分遠慮がなかったのかもしれません。

町や村が昇格して市となる場合や合併などで市の名前を変更する場合、京田辺市が誕生した1997年(平成9年)頃までは、同名の市がすでに存在する場合には混乱を避けるため、後発の市は名称を変更して届け出るのが通例となっていました。これは、1970年(昭和45年)3月の自治事務次官通知発行により、同名の市とならない配慮がより明確に求められたことよりますが、その後、2000年(平成12年)4月1日施行の地方自治法改正において、先の自治省通知自体には拘束力がないことが明確にされ、2006年(平成18年)には福島県伊達市が誕生し、2つの府中市に続く二例目の同一名の市が誕生しました。同名の市の詳細については次の雑学で説明します。

同名回避のため旧国名や東西南北などの文字を冠したり、読みが同じ別の漢字を充てている例を列挙します。また、旧町名が既存市名と同一のため、まったく違う市名を採用した例についても掲載します。なお、背景が灰色のデータは過去に存在した市です。



旧国名で区別している例
後発の市元祖の市備 考
岩手県陸前高田市新潟県高田市高田市は新設合併により上越市に /1971(S46)4.29
茨城県常陸太田市群馬県太田市 
東京都武蔵村山市山形県村山市 
岐阜県美濃加茂市新潟県加茂市 
愛知県尾張旭市千葉県旭市 
滋賀県近江八幡市福岡県八幡市八幡市は新設合併により北九州市に /1963(S38)2.10
大阪府泉大津市滋賀県大津市泉は和泉国から
大阪府泉佐野市栃木県佐野市泉は和泉国から
大阪府河内長野市長野県長野市 
奈良県大和高田市新潟県高田市高田市は新設合併により上越市に /1971(S46)4.29
奈良県大和郡山市福島県郡山市 
愛媛県伊予三島市静岡県三島市伊予三島市は新設合併により四国中央市に /2004(H16)4.1
高知県土佐清水市静岡県清水市清水市は新設合併により静岡市に /2003(H15)4.1
大分県豊後高田市新潟県高田市高田市は新設合併により上越市に /1971(S46)4.29
大分県豊後大野市福井県大野市
その他の方法で区別している例
後発の市元祖の市備 考
北海道北広島市広島県広島市地名と駅名から(市制施行前は広島町)
広島市の北の意もあるかもしれない(結果的?)→ 下記※1参照
福島県会津若松市福岡県若松市会津は旧国名ではなく旧郡名
1955(S30).1.1に若松市から会津若松市に改称
若松市は新設合併により北九州市に /1963(S38)2.10
茨城県鹿嶋市佐賀県鹿島市読みを同じにして漢字を変更
埼玉県東松山市愛媛県松山市松山市に対して東に位置することから
埼玉県上福岡市福岡県福岡市地名と駅名から(市制施行前は福岡町)→ 下記※2参照
上福岡市は新設合併のよりふじみ野市に /2005(H17)10.1
東京都東大和市神奈川県大和市東京の大和の意(大和市の真北に位置している)
東京都東久留米市福岡県久留米市久留米市との行政的な混同回避と、駅名の「東久留米」から
愛知県みよし市徳島県三好市漢字をひらがなに変更
京都府京田辺市和歌山県田辺市京都の田辺の意
京都府長岡京市新潟県長岡市長岡京にちなむ(市制施行前は長岡町)
大阪府大阪狭山市埼玉県狭山市大阪の狭山の意
山口県新南陽市山形県南陽市新南陽市は新設合併により周南市に /2003(H15)4.21
福岡県大野城市福井県大野市古代の大野城にちなむ(市制施行前は大野町)
沖縄県宮古島市岩手県宮古市郡名からの宮古市が当初候補市名
島名にすることで同名回避 → ARC 2つの「宮古市」は実現するか?
名前を変えた例
後発の市元祖の市備 考
埼玉県和光市神奈川県大和市大和町から和光町に改称し即日市制施行 /1970(S45)10.31
大阪府摂津市静岡県三島市三島町から三島市に市制施行し即日改称 /1966(S41)11.1
高知県土佐市富山県高岡市高岡町から土佐市に改称と市制施行を同時に実施 /1959(S34)1.1
福岡県八女市福島県福島市福島町から福島市に市制施行し即日改称 /1954(S29)4.1


※1 北広島市は広島県民の入植地としての広島町が市制施行時に広島県の広島市との同名回避で命名されたというのが一般的ですが、元々北広島という地名もありました。これは、北広島と呼ばれていた入植地の北部が中心部となったためで、千歳線の駅名も最初から北広島で「きたひろ」の略称で呼ばれていたそうです。→ ARC 地名・北広島と市名・北広島の関係

※2 同じように上福岡市についても市制施行前の福岡町には、福岡、上福岡、中福岡、元福岡などの地名がありました。東武東上線の上福岡駅が存在したことからも市制施行時の新市名として考慮されました。→ ARC 上福岡市は、なぜ「上」がつく市名なのか?


東京都の東村山市(1964年/昭和39年 4月1日市制施行)は武蔵七党の一つ村山党の勢力下にあった村山郷東部に位置するという意味で、山形県の「村山市(1954年/昭和29年 11月1日市制施行)」との同名回避ではありません。市制施行前は東村山町(1942年/昭和17年 4月1日町制施行)、そのさらに前は東村山村でした。千葉県の八日市場市(1954年/昭和29年 7月1日市制施行・2006年/平成18年 1月23日匝瑳市施行で消滅)と滋賀県の八日市市(1954年/昭和29年 8月15日市制施行・2005年/平成19年 2月11日東近江市施行で消滅)も気になるのですが、千葉県の八日市場市は、八日市場町と周辺の町村が合併して市制施行しています。富士見市(埼玉県)、中津川市(岐阜県)、小松島市(徳島県)、八幡浜市(愛媛県)も同名の町からの市制施行です。

2004年(平成16年)10月12日に鹿児島県川内市と薩摩郡4町4村が新設合併し薩摩川内市が誕生しました。また、2005年(平成17年)3月22日には秋田県本荘市と由利郡7町が新設合併し由利本荘市が誕生しました。名称は違うが読みが同じ、宮城県仙台市および埼玉県本庄市との同音市名回避の意向が働いているのではないかとも思われますが、合併協議会の協議議事録などを確認してみると、必ずしもそう言う訳ではないようです。薩摩川内市の薩摩は旧国名ではなく薩摩郡の意味合いであり、由利本庄市の由利は由利郡です。川内市も元々薩摩郡であり本荘市も元々由利郡でした。この2市は郡名に中心市名称を組み合わせた連称名と言えます。


最初に記述した「高田」関連の市の変遷を表にまとめてみました。「たかだ」と「たかた」の2通りの読みがあります。

高田を含む市の変遷
市名誕生日市名消滅日都道府県市名読み備 考
1911(M44).9.11971(S46).4.29新潟県高田市たかだ・し新設合併により上越市に
1948(S23).1.1 奈良県大和高田市やまとたかだ・し 
1954(S29).5.31 大分県豊後高田市ぶんごたかだ・し 
1955(S30).1.1 岩手県陸前高田市りくぜんたかた・し 
2004(H16).3.1 広島県安芸高田市あきたかた・し 



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