ある程度の距離を走る高速バスで通勤するには、ダイヤの安定性(定時性)が重要です。渋滞で到着時間が読めないのが恒常化していると通勤には使えませんよね。電車の遅延はある程度大目に見てくれる職場が多いとは思いますが、バスの遅延を堂々と主張するのはなかなか難しいかと。
さて、首都圏で通勤利用が多いのは(つくばエクスプレス=TX開通前の)「東京~つくば」と「東京~鹿島」の2路線。関鉄バスの2大ドル箱路線であり、ローカル路線の赤字を補填しているのは間違いないでしょう。この2路線の共通点として、以下の2点が挙げられます。
(1)鉄道利用では不便である
TX開通まではつくばの研究所群へは土浦からバスでけっこう時間がかかるし、目的地によってはつくばセンターでさらにバスやタクシーへの乗換が必要でした。鹿島は成田周りで行くと本数は少ないし、千葉や佐原などで乗換を強いられるので時間がかなりかかってしまいます。高速バスは主な利用者の目的地である工場や研究所などにこまめに停車しているのも注目です。
(2)通勤は郊外方面が主流
つくばの研究所群・鹿島臨海工業地域の工場とともに、通勤先が下り方向ということになります。都心の職場に向かうには首都高などの渋滞が慢性化していますが、郊外方面へは渋滞することが少ないですね。
一方で、アクアラインの高速バスは都心への通勤がメインです。木更津など~品川の路線は通勤需要がかなりあります。アクアラインの渋滞はまず起こらないし、川崎(浮島)以降の首都高湾岸線の渋滞もあまりないため定刻に着ける可能性が高そうです。こちらは休日もゴルフや観光などの安定した利用が確保されていたのですが、例のアクアライン通行料ダンピングのせいで利用が落ちていないか心配です。日東交通や小湊鉄道のドル箱路線であり、ローカル路線へしわ寄せが行きそうです。
そして、神奈川県内ですが
横浜~横須賀市西部(佐島・長井)線というのがあります。横浜への買い物客(朝の上り)と電力研究所への用務客(朝の下り)を狙っているようですが、いまいち中途半端という感じが否めません。京急が開発する
佐島の丘絡みの先行投資だったのかもしれません。4月からは横浜~佐島の高速バスを新設するとのことです。
あっさり短期間でコケたのが「
新横浜~本厚木線」。厚木の研究所などから新幹線利用を当て込んで新設したらしいのですが、思ったほどの利用がなくてあっさり終了。