いつもの通り、十番勝負の感想文です。今回も解答できた順に。
解答者のレベルアップが著しくなってきことと、誤答リスクを避けることもあり、結局「模様眺め」ということから、ここのところ取ることが多くなっている「第一回採点が出るまで待つ」という戦術を取ることになりました。
問二~Strawberry Fields Forever~
お題にあった小平・宝塚(女性市長)、磐田(若い市長)、名古屋、それとここまで出てきた答えの流れから「4月中の選挙」と見当は付きましたが、想定解と照らし合わせるために使った「4月の知事・市長選挙結果一覧」が出ていた新聞記事と照らし合わせると、「無投票も含む」ことはわかったのですが、お題の大仙市が載っていなかったので、大仙市のHPを開いたところ、「3月28日の立候補受付で現職1人しか立候補せず無投票当選」と分かり、「本当の投票日は4月4日だった」と。一方、宍粟市がNGになっていたのは、その新聞記事を見ると「4月25日に無投票当選」とあり、本当の投票日は5月2日だったとわかって、その「線引き」が見えた。となると、やはり「ご当地」で「領主」でもあり、しかも自分で話題にしていた伊豆の国市(
[101537])を答えぬわけには参りません。
問一~お腰につけた吉備団子~
銚子・彦根・下関から、やはりまず「気象」関係だろうと想像は付いたのですが、ここで少し引っかかった「別海」の可能性。「市内の高校の甲子園の出場回数」、白桃さんの(
[96368])の記事。3年近く前のものなので現在とは様相が変わっていますが、銚子・彦根・下関、いずれも入っている、想定解が49なのは「同率でトップタイ」のところがある…。結局、稚内や函館が出てきたのでやはり「本命」の気象関係だ、と見えたのですが、やはり問二と同様採点待ち。直感通り「気象関係」と分かったのですが、「なぜ福岡がNGで名古屋はOKなのか」が呑み込めず、気象庁のHPから「気象台」を調べたところ、
こちらのページに一覧表があり、福岡は「管区気象台」に、名古屋は「地方気象台」の欄にある。そして「地方気象台」の数を数えて行くと、「市」にない南大東を除くとちょうど想定解と一致。どこを選ぶか迷いましたが、県庁所在地の中で未解答であり、今後答える機会もなさそうな岡山市を。
結局、ノーヒントで答えられたのはこの2問だけでした。
問十~沼津食わずに汽車の旅~
第一ヒントで「阿武町」が出てもしばらくわからなかったのですが、ここまで出てきた答えをじっと眺めているうちに、ふと「市名に含まれている母音が『あ』と『う』の2種類だけ」、これをローマ字で表すと「母音の字が"A"と"U"の2種類」だ、ということに気づいた。そこでここまで出てでてきた市を頭の中でローマ字に置き換えると、いずれもそのようになっている。八幡浜と福津がNGなのは、それぞれ「Aだけ」「Uだけ」だからだ…。そのような市が「準・ご当地」にあった。既に「王手」をかけていた沼津市で領主盗り。
ところで、この問の想定解をめぐっていくつかやり取りがありましたが、
[101960] デスクトップ鉄さん
問十の未答市に羽生市ははいりませんか。母音は「a」と「u」だけですが
[101961] Nさん
羽生市が入るなら、日向市も入りますね
自分は羽生、日向inで、山武、白山、雲南outだと思ってました
[101966] オーナー グリグリさん
少なくとも「ん」は母音ではないのははっきりしているようなので、山武市、白山市、雲南市は想定解に入れました。羽生市と日向市の「にゅ」「ひゅ」が母音かどうかという点は曖昧だったので、とりあえず外しました
私の個人的意見としては、デスクトップ鉄さん・Nさんの認識のほうに軍配を上げたいと思っています。
この方面は特別詳しくはないのですが、日本語には特有な「音韻」の認識として、西洋式の「音節」とは別に日本語独特の「拍」というのがあります(金田一春彦氏著「日本語」(岩波新書)より)。例えば、英語の「sun」は1音節、中国語の「三」も1音節と数えますが、「三」は日本語では「サ/ン」と2音、つまり2拍と認識するのが日本人として一般的な見方と考えられるでしょう。つまり「ん」には母音はなくても、立派な1拍=「1音」として見られていると認識されているわけです。この問十では、促音(っ)を含む「福生」もOKとなっていましたが、この「っ」は単独では発音できませんが、こちらも「1拍=1音」として数えているとされているのです。一方、「羽生」に含まれる「にゅ」のような小文字の「ゃ」「ゅ」「ょ」が入る「拗音」は、カナでは2文字ですが、こちらも2文字で「1拍」という数え方をしています。「羽生」は、「は/にゅ/う」と3拍になり、「にゅ」で1拍、と数えられるのです。実際の発音に従えば、最後の「う」は伸ばす音なので、「HANYUU」と「U」をもう一つ加える(いわゆる「ワープロ式」もこの形を採用)にするのがより正確でしょうか。「Y」の字は、日本語のローマ字表記では、どの方式でも母音には使われず(いわゆる「半母音」であり、「子音」扱いになる)、また拗音の場合は「拍」に入らない要素にもなっているので、母音字は「A」と「U」だけなので、該当すると考えられ、「母音を含まない『拍』がある」白山や福生よりも合理性があるように思えます。ただ、福生をOKとし、未解答であった白山などもOKとするのであれば、「曖昧領域」を避ける意味でも羽生と日向はOKとするのが無難でしょう。
この問については、「ローマ字表記で母音を表す文字が"A"と"U”の2種類からなる市」とした方が、よりすっきりしたように思えます。
♯この感想文をWordで下書きし、推敲している間に、鳴子こけしさん(
[101985])から詳しい解説があり、Nさんからもフォロー(
[101986])がありました。お二方、ご解説をありがとうございました。
問五~あらたふと青葉若葉の日の光~
第二ヒントを「周りと比較」と解けて、お題とここまでの流れから「隣接するすべての市町村より面積が広い」と。全国の市町村で3位・関東では断トツの1位、「絶対的安全牌」であり、かつ領主争いも緊迫している日光市の領地防衛を。
問六~伊勢は津で持つ 津は伊勢で持つ~
こちらも第二ヒントから。「釣り合うところ」→「人口重心」だと。人口重心が「市」になかったり、中には海上にある県もあったので、想定解数「36」に納得。これが過去に「クイ図」で出ていたことを思い出した。第一回の問五。その時に答えたのは津市。当時の位置から少し移動していたが、同じ市内だったので、今度も。
問三~何ぞこの子のここだ愛(かな)しき~
ここも第二ヒントから。「その市の最高点の海抜が県内で最も低い」。ヒントの大阪市福島区の最高点が「0m」だということ、「やはり」という市が多い中にあって、お題にあった「幸之助さん」のおひざ元のように、意外にも?内陸の平野部にある市がいくつかあったことも結構新たな知識を得たような気がした。ここもどれを選ぶか迷いましたが、東京都の初代領主の地位固めから、前々回の問九に続いて、都内で最高点が最も低い狛江市を。
問八~から衣着つつ慣れにし妻しあれば~
お題の愛知県の隣接3市から、まず「男性が多い」ことはまず考えましたが、この根拠となる資料が以前は簡単に見つかっていたのに、今では見つけにくくなっていて(
[101681] 深夜特急さん)、先へ進めない状況になっていました。実際、過去に第30回・問十の「順位問題」で出ていて、その時は「生活ガイド.com」から検索できたのが、今では会員登録しないとリンクできなくなっており、パスワードだの七面倒な手続きが嫌でGive up。次にGoogle検索で「市町村 男女比」で検索したところ、最初に出てきたのは、何と当サイトのcash、「
2005年国勢調査時の男性比率が高い市ランキング」。これだと、男性上位の市の数は122。想定解の94位までだと、切りのいい数字にはならず、「これはさすがに使えない」と。次に出てきたのは「
男だけの街ランキング・ベスト10」。「市」単位でなくて政令市は「区」単位であるなど、こちらも到底使い物にならない「代物」でしたが、お題の愛知県3市と南相馬市もしっかり入っている。この中にあって、まだ答えられなかった市の中から、お題の愛知県3市の近所であり、やはり「トヨタ」関係の従業員が多いことだろうと推測できた、東海道五十三次の「池鯉鮒宿」を。
問九~田子の浦ゆ打ち出でて見れば真白にぞ~
こちらも第二ヒントで共通項がほぼつかめましたが、「想定解数がもっとあるのでは」、と半信半疑で調べるのに時間をかけたため、結局次の第三ヒントが出てから解答する、ということになりました。どうやら「新設合併でリニューアルしていた場合はその最新の新設合併以降、それ以外は市制=市の誕生以降、『町』だけを編入している」、と見えました。該当する市の数を改めて指折り数えてみると、どうやら合っている。静岡県に5市もあり、全国の該当市の1割近くを占めていることには驚きました。ここで選んだのは、ここを取ればその市の市盗りと、「静岡県内百万石」のダブルリーチを掛けられる、富士市。
…ここからの2問は、解答の出足も全体的に遅く、多くの参加者が苦闘された難問。
問七~Bohemian Rhapsody~
ヒントに惑わされて迷走に迷走を重ね、ここ数回の大会で最も苦しめられたといってよい問題でした。第二ヒントは「5本まとめて」と解け、まず「五差路」と見てコレクションをあたったものの外れ、次に一文字ヒントで「国」が出たところで、「5本→指」からの連想で「国指定の史跡関連」だとかをあたったりとか「国の統計」に出ている何かの「指数」とか、あらぬ方向に。第4ヒントも「数値皆以下」などと「数値」に思考回路を遮られ行き詰まり、その間に残りの想定解は減って行く。ようやく第五ヒントの「道」で、「国」と合わせて「国道」か。解けなかった第4ヒントも「回数ちなみ」だったか、と見え、そこで「国道一覧」をwikiで見ると、「そうか、57号・157号・257号・357号・457号と、『下二桁が57』の国道が通る」か。「5本まとめて」とは、「下二桁57の国道が計5本ある」ということか、と。そして、お題の市が北から南へのコード順に並んでおらず、実はこれがこの問を解く大きなヒントになっていたのだったのでした。この時点で残りは12市に減っており、「近間」では357号線が通っている千葉県の市がまだいくつか残っている。前に一度答えた市であったが、前日が「母の日」だったこともあり、「ママ(真間)」の地名がある市川市に。とにかく、
[101885]に書き込んだ通り、「鬼門」の道路問題だったとわかって、溜息と徒労感が一気に溢れ出てきたのでした…。
問四~歌はちゃっきり節 男は次郎長~
最初に誤答続きだったうえ、ヒントの意味を誤解していたりしてこちらも大いに苦闘を強いられた、今回最大の難問。初め「合併」「隣接」関係ばかりを考えていて、頭から離れられず、これがこの問での苦闘の原因でした。まず「一部を除く」から、NGとされていた高島市の前身の各町の過去の変遷履歴を調べると、「高島町と志賀町の境界変更」があったのが見つかり、「境界変更していたから…」と一瞬思ったものの、他には当てはまらなさそうだ。次に第4ヒントが「内側を取る」とは、「県内の町村とだけ」かと思ったが、県外と隣接していない市がいくつも出てきてこちらも行き詰まり、動き出した解答ラッシュについて行けません。ようやく共通項が分かったのは、第6ヒントの参考ページ。「内側を取る」というのは、「市名の読みの真ん中のほうにある1文字か連続する複数の文字を除く」ことで、これで「町村名になる」ということか…。まだ出ていなかった静岡市のよみから真ん中の2文字を取って最初と最後だけにすると、石川県「志賀町」になることが見つかる。これで、静岡県の総領国石高を百万石の大台に乗せることになったのでした…。
これで、今回もノーミス完答となりましたが、最終順位は、ここ10回の中では最低の20位に転落、「入賞」も一つもなく、問五と問八の11位が最高という成績。今後の戦いはますます厳しくなって行きそうです…。
ところで、
[101691] でのオーナー グリグリさんの「妄想」から始まった「改革論議」、デスクトップ鉄さんからの
[101933])を始めいくつかの反応があり、私もいくつか賛否や別案を少し深く掘り下げて書こうかと思ったのですが、一度立ち返って考えてみると、(1)と(2)は過去例もあり、あまり問題なく受け入れられると思いますが、(3)については、「領主税」とか「石高の期限付き」については、「石高を守ろうとする領主の『防衛意識』を高める要素になって、かえって逆効果になる」恐れがあるようにも思え、他にも、例えば1万石のところに20万石以上取っているような、必要石高に比べ異常に過剰な石高を取っている領主に「永世領主」の称号を与えて「祭り上げ」、その市の市盗りから退いてもらい、他の参加者で改めて「新領主」を争う、といったことも思いつきましたが、いずれにせよ、「領主の名誉」にもかかわることになり、また「都道府県の総領主」争いとの関係をどうするかなど、各方面に影響が及び、相当困難な「障壁」がありそうで、短期間で実行に移すのはやはり無理がありそうに思え、やはり今の段階では「妄想」の域を出ないような気がします。むしろ、「入門コース」を復活し、初心者が参加しやすい環境を作ることも考えたらどうでしょうか。その場合、入門コースへの「上級者」の参加を厳しく制限し(例えば一般コースで一定数以上正答している者の参加禁止など)、また「入門コース」は開催していた時と同様に「市盗り」の対象としない(「市盗り合戦」のエスカレートに「嫌気」がさして十番勝負に参加しなくなり、中には落書き帳自体からも遠ざかっている「反戦主義者?」も複数いらっしゃるようですので…)とするなど、「原点」に立ち返って純粋に「クイズを楽しむ」と言う「場」を設けることも考えてはいかがでしょうか。
♭今回の選曲は…「レトロ」でまとめました。
問二:伊豆の国市の特産の1つ、「苺」にちなんで。市内には「苺狩り」の温室などがいくつかありますが、今年は疫病禍で客が遠ざかり、また春先の気温が高めで、「旬」も例年より早かったとか。
問一:言うまでもなく「桃太郎」ですが、岡山市民の「桃太郎熱愛」の激烈さは、TV番組でも放映されていました。
問十:その昔よく聞かれた駄洒落(
[75051])。
問五:芭蕉が日光で詠んだ、ちょうど今頃の時季にふさわしい名句。
問六:藤堂氏32万石の城下町として、また伊勢街道の重要な宿場として栄えた三重県の県庁所在地、2年前に訪れたのですが、今となっては市街地の繁栄度でも四日市に大差をつけられた印象で、人口でも、大規模合併をしたにもかかわらず四日市の後塵を拝したままで、もはや「伊勢は津で持たなくなって」久しいのでしょう。
問三:前回狛江市を答えた時に引用した萬葉の東歌(
[100760])、今回はその下の句を。
問八:知立市にある、在原業平の「伊勢物語」ゆかりの史跡、「かきつばた」の名所としても知られる「八橋」(
知立市HPより)。物語の中に出てくる、「かきつばた」の5文字を読み込んだ和歌。
問九:ご存じの超有名な萬葉の和歌。「百人一首」で改変されていない元歌のほうを。
問七:つい最近、映画の公開でリバイバルヒットした、「女帝」という名のバンドの名曲。"Mama~"で始まるフレーズが続いているのが印象的な曲でした。市川市にある「ママ」(真間)の地名(
[97693])にこじつけた「駄洒落」での選曲でした。
問四:この歌は、現在の静岡鉄道(新静岡~新清水)のコマーシャルソングとして作られたとか。