まず、忘れ去られないうちに、クイズの答えから。
[103912]で出題した、今春の「選抜」出場校の所在地に関する共通項当てクイズ
【問A】:さいたま市、敦賀市、三島市、京都市、鳴門市
ですが、千本桜さん(
[103937])以外に反応がなかったので、ここまで引きずっていたのですがこの辺でお開きにします、
共通項は、「(出場校がある)その市内に、(旧国の)『
一宮』と呼ばれる(名乗っている)神社がある」ことでした。
市名、出場校、神社名、旧国について下記の表に示しておきます。想定解は8市でした。
市名 | 出場校 | 神社 | 旧国 | 備考 |
さいたま市 | 浦和学院 | 氷川神社 | 武蔵 |
敦賀市 | 敦賀気比 | 気比神宮 | 越前 |
三島市 | 日大三島 | 三嶋大社 | 伊豆 |
京都市 | 京都国際 | 賀茂別雷(上賀茂)神社・賀茂御祖(下鴨)神社 | 山城 |
和歌山市 | 和歌山東、市立和歌山 | 日前(ひのくま)神宮・国懸(くにかかす)神宮 | 紀伊 | [93732] |
鳴門市 | 鳴門 | 大麻比古神社、一宮神社 | 阿波 |
高知市 | 高知 | 土佐神社 | 土佐 | [103937] 千本桜さん(正答) |
大分市 | 大分舞鶴 | 柞原(ゆすはら)八幡宮、西寒多(ささむた)神社 | 豊後 |
したがって、残る2市は、和歌山市と大分市でした。
ところで、「一宮」という呼び名の発祥ははっきりしないようですが、平安後期という説が有力らしいです。「一宮」を名乗っている神社は、必ずしも旧国に1社とは限らず、複数の神社がそれぞれ「一宮」と名乗っているところがいくつかあります。このことは、白桃さんの
[103207]の記事からも見えていますが、
京都市と岡山市には二つ
その京都市のケースは、「賀茂」の付く二つの神社でセットになっている例で、「2社一組でどちらも『一宮』」ということになるのでしょうか。信濃国一宮の「諏訪大社」が4社で一組の神社として扱われているも同様と言えるでしょう。和歌山市の2つの神社は、同じ境内にあり、「日前宮(にちぜんぐう)」と呼ばれる一つの神社として実質的に扱われているようです(
[93732])。一方、岡山市の場合は、備中一宮の「吉備津神社」と備前一宮の「吉備津彦神社」で、合併によりどちらも岡山市内になったことによるものでした。
これに対し、鳴門市と大分市は、それぞれ別個の神社がお互いに「我こそは一宮」と名乗っている例です。このように、旧国内に複数の一宮が存在する例はいくつもあり、バックについている勢力同士の争いが関係していることも多いようです。
[103208] であきごんさんがおっしゃっている越中国の例(4社ある)は、どういう背景があるのでしょうか。武蔵国の場合、本来の一宮は多摩市の
小野神社であり、付近の地名も「
一ノ宮」。武蔵国を代表する6社をまとめて1か所に祭った「武蔵国総社」にあたる大国魂神社(府中市)でも、小野神社を一宮とし、現在一般に「武蔵国一宮」とされているさいたま市大宮の氷川神社は「三宮」となっており、後世に一宮が入れ替わったとされているようです。
クイズに戻りますが、千本桜さんが
[103937]で答えたのは、高知市にある土佐国一宮・土佐神社。その神社が鎮座しているのは、
ひらがなで書くと「いっくしなね」という意味不明になってしまう地名
その「いっくしなね」というのは、「
一宮しなね」と書く漢字かな交じりの地名。「一宮」と書いて「いっく」と読むのも、他では見かけない読み方(近くにある土讃線の駅名も「土佐一宮(とさいっく)」)ですが、何とも謎めいているのは、かな書きの「しなね」とはどういう意味なのか。土佐神社のHPを開くと、毎年晩夏に行われるこの神社の大祭「
しなね祭」のページがあり、どうやらこの大祭に由来するようですが、肝心の「しなね」の語源には諸説があるようです。
ところで、今日は「富士山の日」でもあります。富士山の神を祭った、富士宮市の「富士山本宮浅間大社」は駿河国の、笛吹市の「浅間大社」は甲斐国の、それぞれ一宮になっていますが、その富士山の神を祭った神社(というより祠)があることからその名がついたという、群馬県桐生市にある小高い丘、「上州の偽(ミニ)富士山」こと「富士山(ふじやま)」。その麓にある上毛電鉄「富士山下(ふじやました)」駅(
記事集)の横にある「『鐘』が鳴る旧式踏切」が消える」というニュースが飛び込んできました。
動画によると、この踏切は今月末で閉鎖されるとのことで、警報機も撤去ということになりそうです。現在ではこの踏切を通る地元の人もほとんどなく、利用者は踏切の音を録音する「オタク」とすぐ東側のある渡良瀬川の鉄橋を渡る電車を撮る人ぐらいと思われ、駅の反対側(西側)にも踏切があるので不便はないと判断したのでしょう。この踏切は既にだいぶ前から片方(南側、ホーム・神社と反対側)が故障して鳴らないままになっていたらしく、私が9年前に訪れたとき(
[84083])でも、確かに南側からは音が聞こえていませんでした。近年にUPされた動画・画像でも、警報機本体も錆が激しくなって老朽化が一層進行しており、いずれは踏切を閉鎖する予定になっており、警報機を交換も補修もせず「放置」していたのではないでしょうか。それと、動画のコメントにもありましたが、駅の北東にある渡良瀬川の県道の橋「赤岩橋」が架け替えられた、というのがあり、また
地図を見ると、駅の北東側の道路が渡良瀬川の手前で不自然に行きどまりになっており、これが「旧・赤岩橋」へつながっていた旧道の名残と思われ、赤岩橋が現在の場所にかけ替えられたことにより通行量が激減し、この踏切の存在価値もほぼ消滅したのでしょう。
一方、「本物」の富士山の麓を走る富士急にも、「下吉田」駅構内に
旧式踏切が残っていますが、こちらも以前(
11年ほど前)と比べても明らかに音が劣化し「空振り」も目立つなど、老朽化が進行しているように思えます。