[74259]hiroroじゃけぇさん
深夜も40分間隔で運行されていた宇高航路でいきなり廃止届を提出したというのは、フェリー業界の高速道路ばかり優遇する政治への不満が現れたものであり、「このままでいいのか」と一石を投じる意味もあったのでしょう。実際、岡山・香川のマスコミにとどまらず全国版で報道されたこともあり、その面では成功したとも言えます。この1年間で本四航路は他にも廃止されたものがありますが、ここまで話題にできたのはさすが宇高航路というべきなのでしょうか。
さて、廃止届を撤回した国道フェリーは「高速無料化などが実施されれば「自助努力では無理」と再度の撤退を示唆した」とのことですが、今後の見通しはどうなのでしょう。
(1)自動車(トラック)の航送は継続するのか?
トラックをたくさん乗せることを前提に運航してきたフェリーなので、トラックの利用が大幅に減った現在では輸送力が過剰になっています。当面の存続が航路廃止を前提とした激変緩和措置なのか、「どうせ高速料金は政治のおかげで安くなっているだけ(民間企業の価格競争の一環ではない)だから、いずれ元に戻される」と見込んでそのときまでしのいでおこうという考えなのか。
(2)24時間運航は継続するのか?
深夜運航はトラック輸送のためにあるものです。生活航路として残すのであれば、長くても午前6時~午後9時の運航があれば十分です。それ以外の時間帯に移動したいのであれば瀬戸大橋線が走っています。高松発4:30・岡山発24時過ぎというのは、新幹線との接続とはいえ地方都市間の輸送にしては破格といえるでしょう。
(3)フェリー運賃値上げの可能性は?
ここで値上げすると更なる客離れは確実ではないかと思われるでしょうが、ヒトの輸送に関しては連絡船時代の慣習からか、他の離島航路よりも安めに設定されているようです。そこで他の離島航路並みに値段を上げて存続を図るというわけです。値上げを嫌って乗客が大幅に減るようであれば、別に航路がなくても差し支えなかった=安いから使われていただけ、と判断されて廃止はやむなしでしょう。
今後も本四の貨物輸送を担う航路として存続を図るのか、大幅に縮小して宇野~高松のローカル輸送のみを行う形にするのか、果たしてどうなっていくのでしょうか。