まず、ひとつ勘違いをしてました。
[20415]
政府間歳入(つまり補助金)の占める割合は12~52%、歳入に占める税収も22~74%と州によってまちまちなようです
これ数値は正しいんですが、州の下部である地方政府(カウンティ・シティなど)の政府間歳入(主に州からの補助金)の州別平均でした。
ここは大変重要なところで穴があったら入りたい心境であります。
(その部分消去させていただきました。)
[20458]なきらさん
他州への配分に対して豊かな州から不満は出ないのでしょうか
で、州・地方政府の支出における連邦補助金の割合は全国平均22%、配分額は最大はカリフォルニアの$327億最少はデラウェア$7億、格差はおよそ47倍。一人当たりは最大はアラスカの$2606最少はバージニアの$660で3.95倍です。
そしてここのあたりが日本の補助金制度との違いなんですが、下表で違いがはっきりわかりますね。
つまり、USAにおいては財政調整機能は行われていないんです。
これは、全てではありませんが、USAは、そのサービスを享受するであろう人の頭数によって(例えば貧困ライン以下の人口とか就学年齢層の人口など)額を決定したり、州の財政能力(つまり一人当たりの所得・税収)に基づいて配分を決定したりしている部分が多いためです。因みに高速道路は10%、経済復興にかかるものは50%州が負担します。また、維持努力要求といって、補助金交付の条件として、それにかかる特定の分野において交付前のレベルの財政努力を政策的に要求するというもらうほうにとって頭の痛い制度もあるようです。結局、
[20415]で書きましたが、福祉などの人的補助が大部分ですし、財政調整もしないので不満は出にくいのでしょう。
| 地方税収入 | 税+連邦補助金(地方交付税)収入 |
日本税収上位5都府県 | 1.326 | 0.886 |
日本税収下位5県 | 0.692 | 1.224 |
USA税収上位5州 | 1.408 | 1.401 |
USA税収下位5州 | 0.727 | 0.814 |
注:それぞれの国の全国平均を1とした場合の数値、住民一人当たりベースでの値
最後に、英・独・仏においては財政調整機能制度は存在しますが、英は都市部ほど一人当たりの補助金が多くなり(人件費や物価の関係らしい)、また公共事業は交付金の対象外、独はキレイに一人あたりの額が同じになるように調整(ただしもともと格差が20%くらいしかない)、仏は制度が複雑な割にはほとんど調整されない形です。