[29500]地名好き さん
「川」、「山」、「島」なんて、身近な「自然地名」で、コレクションには最適だと思いますが。
「川」、「山」、「島」の数が多くて却下ですか…?
他のコレクションにもあてはまることかもしれませんが、「島」の定義、数が多いこと(絞る場合の選定基準)、異名、包括関係などの問題があります。実現に役立つかどうかわかりませんが、計画を立てるご参考までに。
はじめに、「島」の定義と、それに基づいて数え上げた日本の「島」の数は?
総務庁統計局編「日本統計年鑑」をはじめとしてよく使われている数字は、6,852島です。
これは、「海上保安庁が2万5千分の1海図を基準として,海上の岸線0.1キロメートル以上の島について,昭和63年9月(歯舞群島,色丹島,国後島及び択捉島は昭和44年)に調査したものである」とのことです。しかし、海上保安庁自身が言うように、(満潮時)岸線0.1km以上という基準は「絶対的なものではなく、あくまでも計数するための便宜的手段です」。上位は長崎県971島、鹿児島県605島、北海道は北海道本島を含めて509島。大阪府は内陸8県以外で唯一のゼロ。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN4/topics/gansen/coastisl.htm
「都道府県市区町村」のコレクションという観点から見ると、この6,852島(個別情報は未公開?)は、多すぎる数もさることながら、「関西空港島」のような経済的に重要な地位を占める(その結果 3市町にまたがることになった)島が除外されているという問題点があります。
「関西空港島」を人工島であるとして除外するのは、国連海洋法条約
http://www.d2.dion.ne.jp/~a_isaka/okitori/kaiyouhou-j.html の影響かもしれませんが、新たな領海の主張と関係するわけではありませんから、これを持ち出すのは場違いです。
羽田空港や大井埠頭のような「埋立地」は、本土との間に水路が残されていても既存の陸地の拡張であることは明らかであり、これに準じるという考えも不自然です。
「箕島」を埋立拡張した「長崎空港島」とは、元になる島がなかったという相違があるとしても、現存する「関西空港島」は立派な「島」であると認定してコレクションに加えていただきたいのですがいかがでしょうか。
この件については、以前に「認島度」問題で論じたことがあります
[26206]。「第二海堡」も立派な島ですね。さすがに不忍池の弁天島までとは申しませんが(笑)、この落書き帳の話題として取り上げられた島は、なるべく収録できるような基準がほしいですね。
海図ベースの6,852島では滋賀県もゼロでしたが、湖の島も数える必要があります。琵琶湖の沖島や竹生島。湖の島で面積最大は屈斜路湖の中島、面積は2位だが人口最大の大根島(中海)。
国土地理院の
http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/MENCHO/200304/shima.htm には、面積1km2以上の自然島が収録されており、その数は各本島を含めて、北海道 22、本州 113、四国 48、九州 110、沖縄 47、合計 340です。
国土地理院発行の5万分の1地形図(北方領土を含まず)に記載されていた島(岩礁を含む)は 4,345であり、もっと小さなものまで数えると日本全国の島の数は約4万5千島(95%は0.01平方キロメートル以下)ともされます。なにしろ隠岐諸島にある島だけでも800島だそうで。
このように小さい島まで含めると始末におえない島の数になるので、大きさで選別するのはやむをえないのですが、これを一律に適用すると 沖ノ鳥島
[26266] が落ちてしまいます。
格別の計らいで収録されることをお願いいたします。
人が住んでいる島の数は「日本島嶼一覧(昭和57年)」によると425島だそうですが、現在はだいぶ減っているでしょう。
一転して大きな島。本州等の「四大島」(沖縄本島を含めて「五大島」)は「島」でしょうか?
これは言葉の使い方しだいです。よく参照される日本離島センター編:日本の島ガイドSHIMADAS(シマダス)収録の850島には本島は含まれません。
離島振興法の「離島」は更に限定されており、架橋等により本土と結ばれた島は除外されているように思われます。「指定地域」と、その中の「有人離島」は下記pdfにより知ることができます。
http://www.mlit.go.jp/crd/chirit/pdf/ichiran1603.pdf
離島はさておき、先の海上保安庁の定義では、「橋・防波堤等の細い構造物」で結ばれる自然陸地は島として計数されます。
これを裏返すと、「埋立等による完全な陸続き(例:香川県沙弥島、瀬居島、長崎県香焼島)や架橋人工島」は掲載しないというシマダスの基準になるのですが、架橋自然島であっても本土と一体化しているように見える彦島(下関市)、向島(防府市)、針尾島(佐世保市)などはシマダスの収録から落ちています。世界で一番狭い土渕海峡の西側も無視されています
[26206]。
「橋・防波堤等の細い構造物」と言えば平安座島などに通じる「海中道路」がありますが、この言葉が使われているのは、日本では沖縄だけでしょうか。アメリカの影響?
http://explorer.road.jp/us/special/overseasroads/us_overseasroads.html
狭い海域に高密度で島があることで有名な長崎県の九十九島(くじゅうくしま)。
「美しき天然」は、佐世保海軍軍隊長・田中穂積が九十九島をイメージした作曲だそうです。
長崎新聞2001/4/2によれば、「九十九島の数調査研究会」の調査により植物の生育が認められた島が208と確定されたとのことです。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kako/200104/02.html
2000/1/24の記事も参照すると、島の定義や数え方の検討も含めて1年半ほど要したようです。
九十九里浜は6町=1里として約99里。能登の九十九湾(つくもわん)には入江がいくつあるのでしょうか?