都道府県市区町村
落書き帳

トップ > 落書き帳 >

記事検索

>
6件の記事を検索しました

… スポンサーリンク …


[30880] 2004年 7月 22日(木)12:55:15ゆう さん
島の名前と自治体の名前 ~江田島市官報告示に寄せて
江田島と能美島は陸続きでありながら部分毎に別の名前を持つ島であることは落書き帳でも何度か話題になっていますが、日本中では知らない人のほうが圧倒的に多いことと思います。こんな特殊な事情のある島ですが、「江田島市」となった将来「この島全体の名前は『江田島』である」という認識が広がっていくかもしれないと考える今日この頃です。
地図に自治体名を書き入れるとすれば、おそらくその自治体の中央付近あるいは纏まった面積を確保できる場所になるでしょう。そうすると「江田島」の文字を入れやすい場所は西能美島のあたりだと思います。実際、M.K.さんの色塗り地図でもそのようになってます。 http://www.tctv.ne.jp/mkim/geography/image/HIROSHIMA.GIF


有人島やその一部を複数持つ地方自治体の名前のつけ方には何か傾向があるのでしょうか。ちょっと考えてみました。

A) 島群名から
 例 小笠原村 (父島,母島,wtc.)
B) 最大の島、著名な島等の名から
 例 福江市 (福江島一部,久賀島,etc.)
C) その他
 例 豊浜町 (豊島,大崎下島一部,etc.)

さて、Bの場合、久賀島に住む人は「福江に住んでます」とは言わないだろうなぁと思う訳です。「福江市に住んでます」は、もしかしたら言うかもしれません。
#「五島に住んでます」は今後さらにメジャーになるでしょう。


では今後、能美島の住人が「江田島市に住んでます」と言うだろうか、「能美島に住んでます」というだろうか、それとも別の言い方ができるのだろうかと考えると、とても興味があります。
江田島市が市名で揉ましたことはみなさんご承知のことと思います。少し話を飛躍させますが、もし「南広島市」に決まっていたとしても「南広島(市)」に住んでます」という表現はあまり広まらなかったでしょう。私の勝手な推測ですがほとんどの場合「江田島に住んでます」「能美島に住んでます」のように使われてたのではないかと思うのです。


江田島市発足とともに、「沖美」「能美」「大柿」の行政地名はなくなります。これは合併する以上仕方のないことです。しかし「江田島」だけが残ることによって「能美島」という自然地名がだんだんと廃れていくかもしれません。これがもし行政地名「江田島」も一緒になくなっていれば自然地名「江田島」「能美島」は共に当面安泰だったろうと思えるのです。


そんなことを考えていると、合併自治体名はとにかく中心集落名にすべしという意見にはやっぱり賛成できないなぁと思います。また、新自治体名をセンスが悪いと批判するだけでは、本当の意味で地名を保存することにはならないこともあるという思いを強くしました。


最後に、私は「江田島市」が悪いとも「南広島市」が良かったとも言うつもりはございません。ただ「自治体名だけが地名ではない」を久しぶりに言いたかっただけです。
[30999] 2004年 7月 25日(日)02:22:16YSK[両毛人] さん
「江田島市中町」があるのは、能美島
[30880]ゆうさん
これから発足する予定の「江田島市」をめぐる、地名のジレンマのお話、興味深く拝見いたしました。確かに、江田島市発足以後、東・西能美島と江田島とが現行のまま自然地名として継承されていくのか、不安な面もありますね。

この3つの自然地名の場合、「島」となっていながら相互に陸続きであることが、さらに問題を深刻にしていますよね。

先ほど江田島市となることが決まった4町による合併協議会のホームページを確認しましたら、新市発足後の住所地名はそのまま継承されるとのこと。住所表記からも「能美」はなくなるわけです。
当面の市役所となる予定の能美町役場の住所は、「能美町中町」から「江田島市中町」になるわけです。なんか江田島という島の中心集落みたいな印象を与えかねない住所ですね(まあ、江田島町役場の所在する住所も「中央」ですが)。

「自治体名だけが地名ではない」
私もこのお考えに近い認識を持っている(自治体名と地名は別物と扱う)のですが、東西能美島に居住する住民が、江田島市発足後も、「江田島市に住んでいる」と「江田島に住んでいる」とを明確に区別して使用していくのか、私としてもたいへん興味がありますね。
[31278] 2004年 8月 2日(月)01:14:12M.K. さん
レス2題
落書き帳の流れの中では、ずいぶんと亀レスになってしまいますね。すみません。

[31142]いっちゃんさん
完答勝利を遂げた方には楽しんでいただけるかな・・・と。
と、いうか、実はグリグリさんの設定した共通項とは微妙にピントがずれていたもののうまく当たってしまったというのが2、3ありまして…ヒントのおかげでだいぶはっきりしました。(そういう事情で、十番勝負採点係長のもとで助手も務める力がなくて、申し訳ありませんでした)
ウケたいちばんの理由を考えると、そこはかとなく「同世代」を感じさせる選曲の妙でしたねぇ。その後のヒントにも大いに楽しませていただきました。(シンシア…私も好きだったし。(^^;))
ところで、問四は自分の中でまだ未解決の部分があります。管轄する「親方」の違いなのか、別の分類なのか、そのへんの知識に乏しいのがいけないのでしょうね。

[31275]稲生さん
※M.K.さん御免なさい、勝手にリンクしてしまいました。
いえいえ、お気遣いなく。子供が塗り絵に興じるのに近い感覚でやっておりますものを、きちんとしたリポートや考察の中で利用していただけるのは幸せです。(^^)
遅くなりましたが、[30880]ゆうさんの稿についても同様に思っております。

そこで、本日の「近未来塗り分け地図」は、
・関係市町村すべてが合併関連議案を可決した「十日町市」と「新発田市」を加えた新潟県図
・関係2市町が合併関連議案を可決した「鴨川市」を加えた千葉県図
[35164] 2004年 11月 17日(水)23:59:30【1】ゆう さん
江田島市能美町中町と江田島市江田島町中央
本当はもう少しはやく書く予定だったのですが。

[30999]両毛人さん
先ほど江田島市となることが決まった4町による合併協議会のホームページを確認しましたら、新市発足後の住所地名はそのまま継承されるとのこと。住所表記からも「能美」はなくなるわけです。
私も協議会録を読んでそう思っていましたが、実際にはタイトルのようになったようです。スナフキんさんが[22423]にてご紹介くださった、いなべ市のときと同じなのですが。やっぱり難しいです。

江田島市の旧4町の名は住所表記に残り、旧江田島町は江田島市江田島町となりました。冗長に見えるかもしれませんが「江田島市全体が江田島ではない」ことが明確な表記です。拙稿[30880]での「能美島の名が消えてしまわないだろうか」という心配は当面は大丈夫かもしれません。

ところで「能美町中町」、この集落の名前はもともと「中」だったようです。能美島東西の中心という意味でしょうか。昭和の合併以前は「佐伯郡中村」、ところが能美町発足時に「佐伯郡能美町中」とはなりませんでした。「中」ではすわりが悪かったのでしょうか。でも「町」が2回続くのもすわりが悪いように思います。「能美町中村」では駄目だった理由に思いを巡らせる今日この頃。

(まあ、江田島町役場の所在する住所も「中央」ですが)。
一方の「江田島町中央」は住居表示による名前ですね。住居表示実施済地域においても、合併前の旧自治体名を冠する例は多いものの、「町」までくっつける例はあまり聞きませんでしたので、ちょっと新鮮でした。
[42807] 2005年 7月 4日(月)17:46:28hmt さん
伊能図に見る島名・日本の島の数
[42798] あきすて さん 
日本にある島の数は、政府の統計年鑑の発刊(1882年)から載っている。最初は1847。翌年には413。発刊時は伊能忠敬の地図で周囲1町(約109メートル以上に対して翌年は周囲1里(約4キロ以上)と基準が変わったため。(中略)現在は6852。海図で岸の長さ100メートル以上を基準。

周囲1町というと、大図上で3mm。さすがの伊能忠敬も、これだけ小さな島を漏れなく図示することはできなかったようですね。

昨年の伊能大図フロア展示[35754]で気がついたことですが、伊能図では、九州・四国はもとより、佐渡・淡路・対馬・壱岐には「島」という言葉は使われておりません。「佐渡国」というように「国」です。

隠岐は、「隠岐国知天里郡(知夫里郡)島前・西島」というようになっていました。この例は「島」でしたが、「嶋」という字が使った例も多いようです。
例えば、(伊豆の)大嶋。この文字は、江戸から見るような向きになっています。その他の地名は、海から見るような向きです。「三宅嶋」・「櫻嶋」も同様。ところが、「八丈島」・「屋久島」になると「島」ですね。この使い分けは、良くわからない。屋久島は、赤い測線が内陸側に描かれている部分があり、人を寄せ付けない海岸の様子を偲ばせます。

安芸国・隠渡迫門(音戸瀬戸)の対岸には「瀬戸島」とありますが、その南には、現在と同じ「倉橋島」の文字があります。このように、昔は地続きでも場所により異なる名で呼んでいたのが、交通の発達につれて統一されてゆき、複数の島名が現代まで存続している珍しい例が、すぐ隣の東能美島・西能美島・江田島なのでしょうか。

[30880] ゆう さん の記事にあるように、
「江田島市」となった将来「この島全体の名前は『江田島』である」という認識が広がっていくかもしれない(中略)
今後、能美島の住人が「江田島市に住んでます」と言うだろうか、「能美島に住んでます」というだろうか、それとも別の言い方ができるのだろうかと考えると、とても興味があります。
ということですね。

八代島(現・屋代島)、引島(現・彦島)のように、少し字が違う島もあります。

思わず伊能図の話題が長くなってしまいましたが、本題の「日本の島の数」について。

島の数については [29533]で、これと密接に関係する島の定義については [26206]で論じたことがあります。
これらの記事と重複するところがありますが、少々記します。

都道府県別の内訳数は、第四管区海上保安本部のページにある通りで、長崎県が971とダントツです。
琵琶湖の島を数えてもらえない滋賀県を含む内陸8県以外では、大阪府が唯一のゼロとなっています。

大阪府には、「関西空港島」のような立派な島があるのに、人工島であるという理由で数えられていません。同じ画像に見える神戸のポートアイランドや六甲アイランドは、本州付属の「埋立地」であるとしても、本州からこれだけ離れた「関空島」が除外されているのは、ちょっと納得できません。

自然島なのに、本土に近すぎてしまったために、SHIMADASに収録してもらえなかった、防府市の向島(むこうしま)[26206]、下関の「彦島[24550]、佐世保の針尾島[17741]が、6852島に含まれているか否かも気になりますが、個別データがないので、確認できません。

伊能図に見える長崎の「香焼嶋」。現在では、すっかり本土と地続きになってしまい、明らかに6852島に含まれていません。香焼島という地名もなくなってしまったようです。
[82886] 2013年 2月 14日(木)18:18:28【2】hmt さん
海と島 (3)地元の会話では 居住地名の「大島」 が使われるが、国土地理院の自然地名は 「屋代島」
[82880] ペーロケ さん
私は愛媛、山口、広島の居住経験がありますが、「屋代島」と呼んでいるのを一度も聞いたことがありません。

私は 大野瀬戸の沿岸に約4年間 住んでいました。対岸は「厳島」です。
眼前に臨むのは緑濃い原生林に包まれた島の南部で、島の北部にある厳島神社の朱塗りの鳥居や社殿は見えなかったのですが、「宮島」と呼んでいました。

「屋代島」からは 30km以上離れていましたが、ここでも お説のとおり「大島」と呼んでいたと思います。
地元としての実感は 付近の島々との比較において 「大島」(面積128km2)であり、それだけで十分に通じます。
これは、2004年に 周防大島町 が発足する前の実感ですが、「周防大島」の呼び名は、あまり聞かなかったように記憶します。
わざわざ国名を付けた新自治体名は、合併した4町の1つ大島郡大島町と同名になるのを回避するのが最大の理由でしょう。

もちろん、もともと相対的な言葉である“大島”は、小さな無人島に至るまで日本中に数多く存在します。
参照:「大島」コレクションアーカイブズ「大島」

最大の奄美大島(712km2)の他に、伊豆諸島の大島【伊豆大島】(91km2)も有名です。この3大島以外にも 1000人以上の人口がありそうな大島として、しまなみ海道の大島【伊予大島、(郡名から)越智大島】、炭鉱から造船への産業転換を果した西海市の大島【(これも大島町時代の郡名から)西彼大島】、宮城県の大島【気仙沼大島[15299] 】、遣明船の寄港地であった的山大島(あずちおおしま)[75121](2005年まで長崎県最後の村であった大島村)、♪ここは串本 向いは大島の【紀伊大島】などがあります。
日本最大の無人島も「大島」【渡島大島、松前大島】です[33529]

大島の名称について。
国土地理院の地名集日本島面積によると、奄美大島や的山大島のように冠称付きの大島は例外的存在で、大部分は単なる「大島」です。大島は、本来的にはローカルで通用すべく生れた冠称を必要としない地名であったのでしょう。
上記括弧内で示した【○○大島】は、本来はローカル地名であった「大島」の一部が、伊豆大島のように全国に知られる存在になり、他の地域の大島と区別する必要から生じた別名である と思われます。

本州、北海道を始めとして、「大きすぎる島」は大島とは呼ばれないようです。沖縄本島も「本島」。
近くの島と相対的に見比べた結果が「大島」なのでしょう。奄美には徳之島があり、屋代島も防予諸島の中で山口県の平郡島や長島、愛媛県の中島などと比べることができるから「(相対的な)大島」と呼ばれたのでしょう。
世界最大の大島は、面積約1万km2の Big Island(ハワイ島)?

地名には自然の地物(例えば島)に付けられた「自然地名」と、人々が社会生活を営む場所(例えば集落)に付けられた「居住地名」とがあるようです。[56419]参照

思うに、厳島・屋代島は「自然地名」なのですが、地元の人々が普通に会話に使っているのは、より身近な「居住地名」である宮島・大島なのだと思います。
厳島で居住者がいるのは北部だけですが、2005年に廿日市市と合併するまで 全島が広島県佐伯郡宮島町でした。日本三景「安芸の宮島」で知られる「宮島」の名が、自然地名の厳島に代って日常会話の島名として使われることに違和感はありません。

屋代島は 2004年の合併で周防大島町になる前は、山口県大島郡の4町でした。郡名そのものが島名「大島」の存在を示唆しており、これが屋代島に代り使われるのも自然なことと思われます。

このように理解しながらも、[82870]で敢えて「屋代島」と記した理由を書きます。
1つは、地元での会話と違う 落書き帳の記事では、全国的視野に立って、数多くある大島の中に埋もれやすい名称でなく、独自の識別性を発揮する島名 を記すのが好ましい と考えたからです。

更に重要な理由は、今回のテーマ「海と島」を、自然地名に関する記事として捉えたからです。
「屋代島」は、国土地理院が その各種出版物、すなわち『地勢図(松山図幅)』、前記の『地名集日本』(94/97コマ)、『島面積』(4/10コマ)などで使っている唯一の島名です。ウオッちず でも自然地名としての注記に使っています。但し、居住地名の周防大島町に比べてずっと小さな文字です。

山口県当局も、自然地名としては「屋代島」を使っています。海岸保全区域

確かに地図では大島(屋代島)と注記がありますが

上記のように、地勢図などでは「屋代島」単独で使われていました。『日本の島全図 Shima:zu』[82777]も同様です。市販アトラスでは平凡社が「屋代島(周防大島)」、帝国書院が「屋代島(大島)」となっていました。
「大島(屋代島)」は発見できませんでした。

屋代島・大島に関する議論から離れます。

実は、この付近の島の自然地名で最も気になるのは、2004年の4町合併で全島が「江田島市」になった島です。
『島面積』(3/10コマ)には“江田島・能美島 えたじま・のうみじま 91.54km2 江田島市”と記されていました。

古い地勢図(手元の1970年版)は、3箇所に江田島・西能美島・東能美島と書き分けていました。
しかし、『日本の島全図 Shima:zu』や平凡社のアトラスが“江田島・能美島”なっていることから、最近は能美島の東西は区別されていないのかもしれません(未確認)。
ウオッちずも江田島と能美島と書き分けていますが、居住地名の江田島市に比べて小さな文字であることは、屋代島の場合と同様でした。

大きな島なのに、『地名集日本』には収録されていません。国土地理院も割り切れずに苦慮している?のかもしれません。
外野席からの勝手な推測を記せば、居住地名が江田島市に統一されたので、時が経過すれば 自然地名も「江田島」に統一されてくる のではないか?

そんなことを考えながら過去記事を検索したら、さすがに 地元出身の ゆうさん が発言していました。
[30880] ゆう さん 島の名前と自治体の名前 ~江田島市官報告示に寄せて を御覧ください。


… スポンサーリンク …


都道府県市区町村
落書き帳

パソコン表示スマホ表示