[77623] 伊豆之国 さん
三浦半島の横須賀ばかりが全国的に知られるようになったのですが、そのほかにも各地にこの地名が見られます。
横須賀に近代技術による造船所
[77630]と軍港が作られる前の相模国では、馬入川(相模川)の河口にある須賀湊(
地図)が知られていました。平塚の「ツカ」は
「スカ」に由来するという説 もあるようです。
「スカ」とは「洲(ス)」+「処(カ)」で、海や川の土砂が積もってできた高地、砂丘、砂地などを意味するとされます。
ウオッちずで「須賀」を検索すると、全国の地名がヒットし、読みは「スカ」と「スガ」があります。
横須賀という地名は、
[77623]に挙げられた4ヶ所の他にもいくつかありましたが、茨城県に5ヶ所もあったのは、やはり苗字に横須賀さんが多いことと関係しているのでしょうか。
横に広がる砂洲 や 砂洲の横 が「横須賀」でしょうが、同様に接頭語の付く須賀地名も多く見られます。
平塚の須賀湊より少し東の茅ヶ崎海岸には浜須賀があります。
東海道五十三次の宿場には白須賀(湖西市)がありました。
長須賀・高須賀・平須賀などは、白須賀と同様に、砂洲の様子を表します。
中須賀(西日本に多数)、北須賀・東須賀・西須賀・上須賀・下須賀など位置的な接頭語も使われます。
人名として有名な蜂須賀も、尾張の地名にあるのですね。
梅須賀・鎌須賀も尾張、赤須賀は伊勢、竹須賀・先須賀が阿波、貝須賀が上総と、面白い接頭語を拾ってゆくときりがありません。
須賀に接尾語が付くグループでは、須賀川が市の名前になっており、横須賀と並ぶ双璧です。
須賀川の風景 には、阿武隈川の中流にあって、釈迦堂川との合流地の 砂堆地の写真が掲載されています。
福島県以外にも、北海道・宮城県・栃木県・群馬県・愛知県・島根県・愛媛県と多数の須賀川があります。
須賀地名の中には、須賀神社(須我神社)由来の地名があるようです。
新宿区須賀町は、まさにその例で、東京四谷18ヶ町の鎮守様である須賀神社に由来します。
ヤマタノオロチを退治した素戔男尊を祀る神社ですが、「素鵞」とも書かれる「スガ」は、これまで記してきた「洲処」とは別のようです。
須我神社 のある 島根県雲南市大東町須賀は、川が砂を堆積する場所のようには思われません。