町→市が実現しそうな「大網白里」に始まる連称自治体名の話題です。
現存する自治体は3郡6市4町ですが、連称になった時代で3グループに分類しました
[79346]。便宜上 糸島郡にも言及。
明治生まれの町村は、2町【宇治山田町>市を含む】21村ありますが、
[79347]では、愛媛県南宇和郡緑僧都村(1952年消滅)と地方自治法施行前に消滅した 13村は、一部(5村)を除き村名を挙げていません。
今回は昭和生まれの1市15町7村を対象にします。
実は、町村制施行の1889年に 23の連称町村が誕生した後、長いこと連称自治体名は誕生していません。
現存3町村を含む昭和生まれ 26市町村のうち 唯一戦前の事例は、千葉県安房郡
館山北条町 であり、その他はすべて昭和大合併を中心とする1950年代の誕生です。
館山北条町は、約6年半後の市制を機会に館山市になりました。
これと同様に、一度は連称を選んだものの、結局その中の1つに戻った事例を列挙します。大部分は短期間です。
福島県東白川郡塙笹原町→21日後の
合併で塙町
栃木県下都賀郡国分寺小金井町【注1】→28日後の
改称で国分寺町
長野県更級郡稲荷山桑原町→8ヶ月後の
改称で稲荷山町
鳥取県東伯郡東郷松崎町→2年余後の
合併で東郷町
島根県大原郡雲南木次町【注2】→2年余後の
改称で木次町
岐阜県土岐郡瑞浪土岐町→3年後の
合併で瑞浪市
鹿児島県姶良郡隼人日当山町→3年後の
改称で隼人町
【注1】小金井村は旧村名(1889以前)であり、「国分寺小金井」は町村制自治体名の連称ではない。
【注2】雲南は新町名案の1つであり、「雲南木次」は町村制自治体名の連称ではない。
短寿命の極致「即日改称」も、合成地名コレクションに3例あります。これは手続的理由でしょうか?
千葉県香取郡
神崎米沢町→神崎町 は逆戻りです。
茨城県東茨城郡
竹原堅倉村→美野里村
茨城県那珂郡檜沢嶐郷村→
美和村 変遷情報には連称経由の記載なし
ストレートの逆戻りではないが、「かな」で11字という最高記録?を持つ 大阪府南河内郡藤井寺道明寺町は、8ヶ月余で
改称。
連称名の寿命が短かかっただけでなく、改称後の美陵町(みささぎちょう)が市になる時には、結局は
藤井寺市 に戻っています。長すぎる名前ということで、古くから話題になっています
[13374]。
長野県南佐久郡田口青沼村は、半年後の
合併で臼田町となり、塙笹原町21日、国分寺小金井町28日に次ぐ昭和の短寿命第3位(即日改称を除く)です。
そして、稲荷山桑原町・藤井寺道明寺町に次ぐ第6位が あの大湊田名部市です。ここまでが寿命1年以内で、三重県南牟婁郡市木尾呂志村の2年弱と続きます。
館山北条町など短期逆戻り組4町は既出で、栃木県下都賀郡桑絹村>町、秋田県雄勝郡稲庭川連町
[13645]、佐賀県東松浦郡浜崎玉島町
[20520]、熊本県飽託郡
河内芳野村【逆戻り組の中では例外的長寿命】、広島県安佐郡安古市町の5町村は9~18年の寿命がありました。
少数派ですが、昭和生まれで長寿命の連称町村名もあります。
大網白里町を始めとする現存3町村
[79346]以外にも、福島県耶麻郡熱塩加納村 52年弱、千葉県安房郡天津小湊町 50年。町村名の連称ではなくて連称郡名由来の香川県綾歌郡綾歌町が 46年。