[87841] N さん
そもそも、Mapion(というかZENRINの地図)が正で、地理院地図が誤とする根拠ってどこにあるのでしょう。
根本的が疑問ですが、あのような山の中の境界は誰がどのように決めて、地図を作る人間はそれをどのように確認しているのでしょうか?
なにげなく使っている地図に関する、基本的な問いかけですね。
私にも的確な答えはできないのですが、何か答えてみたくなりました。
地表を形作る山や川の位置を示す地形図は、国土地理院が責任を持って測量し、民間の地図もその成果を利用するという仕組みでしょう。
しかし、市町村の境界となると人為的な取り決めに基づくもので、国土地理院だけで決められる問題ではありません。
国土地理院は、地図つくりに際して 地元市町村の意見を聞いて、小さな居住地名までを把握するための「地名調書」を作成しています。
ところが、平成合併で市町村が広域化した結果、役所から遠い山の中の集落名などについては、自治体側の把握さえも十分でなくなり、地名調書への協力体制に 問題が出ているようです。
[56419]
もちろん、過疎化により かつての居住地名が無人化して、地名が失われる問題もあります。
地名調書作成に際しては、当然 自治体の範囲の確認も行なわれるでしょう。
しかし、隣接自治体との境界線について、両側の自治体から一致した意見が得られるとは限りません。
[79063]では約100年前に実施された江戸川改修工事の結果、新流路の反対側に取り残された「境界未定地」を例示しました。
現地探訪者は 道路地図で 市川市に「河原番外地」という表示を見つけて訪れたようです。
しかし、現地にあった 国土交通省の出張所長によれば、その場所は「東京都江戸川区東篠崎」でした。
地理院地図では 東京都と千葉県との境界線が途切れて、境界未定地であることを示しています。
特別な問題が生じなければ、「境界未確定」であること自体が 認識されないままになっている地もあると思います。
ご指摘の山の中の境界なども、必ず両側の自治体の意見を確認した上で地図に描いているわけではないでしょう。
一方だけの資料に基づいて その領域として地図に記載されていても、隣接自治体がそれに気づかず異議を唱えていなければ、境界未確定地にさえなっていないでしょう。
国土地理院の面積調を見ていて、時々新たな境界未確定地が登場してくるのは、このような事情かなと思っています。
江戸時代からの治水行政がからんでいる水元公園・小合溜の都県境未確定地についても、
[82206]で触れたことがあります。
参照したコラム(15コマ)のURLを更新しておきます。
要するに、地理院地図といえども決められない境界があるし、情報不足で 係争地であることに気がつかない場合もあるだろう。
独自の情報入手により地理院地図の誤りを正している民間地図の事例もあることと思うが、我々には判断できない。
残念ながら、記された境界が絶対に正しい地図を期待するのは、無い物ねだりではなかろうか?
私の結論はこんなところです。
4市町村以上の点接触境界については ご承知のように、
[23953]以来 みやこ♂ さんの記事があります。
代表記事は下記の2件です。
[25588] 日本のグレートジャンクション(残念編)
[25592] 日本のグレートジャンクション(当選編)
地名コレクションにも登録されていますが
[55637] 、リリース待ちの間に多数の合併があったので、変化していることと思います。
[82209] グリグリさんは 第一回クイ図五番勝負問三で 東京都奥多摩町を含む4市町村境界はグレートジャンクションですとしています【Mapion】。
しかし、参照として示された上記
[25588]では「残念編」に分類されています。
【追記】
[25588]の30番が記された当時のYahoo!地図によれば、4市町村が点接触でなく「残念」な結果になったのだと思われます。
現在クリックすると その後改められたURLに飛びます。これはZENRINデータですから、
[82209]で使われたMpionと同じく4市町村が点接触になっています。
そこで
地理院地図 を確認すると、奥多摩町・檜原村・上野原市の市町村境と、奥多摩町・小菅村・上野原市の市町村境とは数十m離れた別地点であるように認識できます。
つまり、地理院地図に基づけば、ここにはクイ図五番勝負問三共通項である「市と町と村が接する都道府県境界点」が2つ存在していたことになり、想定解の数にも影響すると思われます。【追記終】
地図の見方次第で こんな食い違いがあるので、
どこかで市区町村の隣接関係を明示したほうがよいと思います。
という意見(
[87845] デスクトップ鉄 さん)が出るのでしょう。
その方が答えやすいと思います。
しかし、終了後にいろいろと提示される問題点。これも、クイズの楽しみの一要素ではないでしょうか。
最後になりましたが、グリグリさんの米国西部写真集より 4州の点接触。
Four Corners Monument