[88270] futsunoおじ さん
[88174]の案内標識の「秩父」についてですが単純に考えれば大滝村が秩父市などと合併(2005年)して新・秩父市になったことで、元は「大滝」とあった案内が「秩父」に書き換えられただけのように思うのですがいかがでしょう。
確かに、市町村合併によって、道路案内標識の地名が 影響を受けるケースは存在すると思います。
極端な事例ですが、合併の結果「大宮← →浦和」という標識が「さいたま← →さいたま」になってしまい、ビックリしたという記事もありました。
[37066]
私の考えでは「さいたま市」は「行政管理用の名称」であり、「地名」としての「浦和」や「大宮」に取って代わるような性格のものではないのですが、現実には道路標識の行先をわざわざ「さいたま」に書き換えてしまい、人々を困惑させる結果になったのでした。
この件については
行政苦情救済推進会議で検討が行なわれ、一応は解決しました。
[42974]
本題に戻り、川上村の村道?に設置された標識にあった「秩父」という行先地名。
これは、合併前には「大滝」だったのでしょうか?
「さいたま」の例を見ると、案内標識に記す地名は 自動的に「市町村名」で決まってしまうようにも思われるのですが、本当にそうでしょうか?
川上駅近くの標識の実例
[88179]を見ると「梓山」が使われています。これは字名でしょう。
「川上駅」や「川上村役場」にしても市町村名ではないし、市町村名に限定されているとは思われません。
「大滝村」という標識だったのならば、村の消滅後には改める必要があるかもしれません。
しかし、「大滝」という地名ならば そのままの形で残して差し支えないし、「奥秩父に通じる山道」であるという情報も残せます。
そんなことを考えているうちに、案内標識に記される地名を決めるルールが気になり、国土交通省のサイトを調べてみたところ、
案内標識のしくみ-1(案内標識に表示される地名) というページがあり、4つのルールが示されていることを知りました。
何はともあれ、ルール2
経路案内に用いる地名はあらかじめ決められています を見ましょう。
経路案内に用いられる地名は、
1.基準値【おおむね1県1都市】、
2.重要地【地方生活圏の中心都市など】、
3.主要地【二次生活圏の中心になっている市や町など】、
4.一般地【2、3以外の市町村、その他沿道の著名な地点など】であり、
「各都道府県において表示される基準地・重要地・主要地一覧表(平成19年3月末時点)」 が示されています。
8年も前なのが少し気になりますが、内容は極めて具体的で 参考になります。
埼玉県を見ると、早速「さいたま」が登場して市町村名なのかと思わせますが、「大宮」「浦和」も健在です。記載位置が最後になっているのは、前記苦情救済の結果追加された結果かもしれません。「さいたま」と「浦和」は同じ位置を呼び分けています。
東京都を国道1号に沿って眺めると、道路元標
[65682]のある日本橋
[75365]を始めとして、大手町、日比谷、祝田橋、桜田門、赤羽橋、五反田、馬込 と著名な地点が並んでいます。
重要地・主要地とは道路交通上のポイントであり、特別区名など自治体名とは明らかに違う捉え方であることが読み取れます。
勝沼バイパスのイラストを見ると、鷺堂に「主要地点標識」があります。
右方、勝沼町に入った地点にある市町村標識(カントリーサイン)が「自治体名」を示しているのと違い、こちらは「地名」です。でも、前記の表に示された主要地点は「笛吹」ですね。「鷺堂」は一宮町時代の主要地点名で、更新されていないのかもしれません。
一般地とは表外の地名で、「川上村役場」「梓山」など適宜選んだ地名を使うことができるようです。
このような地名が記された案内標識は、
ルール1に示された3種類あり、
ルール3 の方法で地名が表示されるとのこと。
[88179]k-aceさんが、信濃川上駅近くの交差点手前で記録した
案内標識の写真 を見ると、距離が示されておらず、交差点手前なので「108系標識」ですね。
【追記】
ここで、いきなり聞き慣れない言葉を使ってしまいましたが、ルール1示された説明文によるものです。
「交差点手前」という表現については、
[88294]で指摘されたような問題がありましたが、「交差点を通過する手前から見える位置にある」と解釈してください。
もっとも、その後で
案内標識のしくみ-2の使用区分を見たら、大きな交差点に使われる標識のようなので、今回のケースのような小さな交差点で使われている標識を 108系としたのが正しいか否か自信がなくなりました。
詳しくは、
『道路標識設置基準・同解説』 (日本道路協会)という本に書いてあると思いますが、読んでいません。【追記終】
国土交通省の説明は、幹線道路【ルール3に記された3分類に該当する道】を対象としているようなので、これに該当しない村道では 少し様子が違うようです。しかし、上段の「小諸」と「秩父」が遠距離にある「重要地」であり、下段の「川上駅」と「梓山」が近距離にある「一般地」であることは理解できました。
[88174]で挙げられた標識の「秩父」が、合併前の「大滝」を形式的に修正したものだったのか、どのような位置付けで記されていたのか、私には詳しいことは判りません。
しかし、信濃川上駅前の標識と同様に、遠距離にある「重要地」という位置付けでドライバーを秩父に案内していたのならば、「まともに信じて行ったら大変な目にあうだろうな」という感想を持たれたのは当然という気がします。
道路利用者から 標識の改善についての意見については、
意見箱 が設けられているそうです。ご参考まで。