[54178] かすみ さん
「日本で一番海から遠い地点」は臼田にあるんですが
[54189] スナフキん さん
う~ん、どこなんだろう…仕事柄、ちょいと気になる(笑)。
私も気になり、日本列島の地図に内接円を描いてみようかとも思いましたが、適当な地図が手元になかったこともあり、安直にネットを検索して調べてしまいました。
最初に見た
トレッキングレポート で、北緯36度10分25秒、東経138度35分1秒というデータを発見。
2001年の報告なので、世界測地系の経緯度を求めるため、これに緯度でプラス12秒、経度でマイナス12秒の補正を行なった概略値を、MapionのURLに打ち込んで表示させてみました。
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経緯度変換プログラム もあるようですが、シロウトにとっては「12秒加減して北西にずらす」という程度で間に合います。
このようにして得られた
日本で一番海から遠い地点の地図 を見たら、2年前の話題
田口峠 を思い出しました。
群馬・長野県境(すなわち上信国境)は、地図にマークされた地点から南については、本州の中央分水嶺と一致しているのですが、この地点から先 少しの間は、南東側に迂回しており、北東の田口峠に向かう分水界としばらくの間離れています。そのために、「利根川水系なのに長野県」という地域が生じていることが、話題のポイントでした。
それはさておき、
Mapionの地図を拡大すると、雨川砂防ダムの貯水池が見えます。少し南の佐久穂町の領域に入ると余地ダムの貯水池も見えます。「日本で一番海から遠い地点」からの直線距離は、ほぼ同程度です。
更に南には、もっと大きい南相木ダムの貯水池がありますが、そこから三川を下ると「立岩湖」。小さいながら、
ダム湖コレクション にも収録されています。
これが「海から二番めに遠い場所」という「岩立湖」でしょうか?
そう言えば、海から遠い佐久の地図で、「小海」や「海ノ口」のような地名を眺めるのも面白いところです。
検索で得た他の頁を見ていたら、
日本で一番海から遠い地点認定証 というのがありました。
長野県南佐久郡臼田町大字田口字榊山209-1。
北緯36度10分36秒、東経138度34分49秒。
海岸線までの球面距離 静岡県富士市田子の浦港114.853km
以下上越市直江津、小田原市国府津、糸魚川市梶屋敷が示されています。
先に求めた概略値は、こちらに出ていた世界測地系の経緯度とほぼ一致していることを確認しました。
臼田町観光協会の認定証にあるデータは、とても立派なもので感心しましたが、それも道理、
国土地理院が本格的な解析をした結果 でした。
タイトルに、「
地球を測った人々(番外編)」と付けたのは、そのレポートに対する敬意のあらわれです。
この報告によると、北海道の最内陸地点は,石狩山地美瑛岳の東,約7キロメートル地点、海岸線までの距離は概略108.2kmとあります。
# 本州のもう少し西側にも、かなり大きな内接円が描けそうですが、富山湾・三河湾・駿河湾で制約されるようです。
なお、国土地理院の技術報告は1997年のもので、日本測地系の経緯度で示されており、海岸線までの距離も上記認定証と少し違います。認定証の数字は、国土地理院からのその後の連絡に基づいて修正されたと考えられるので、これを信用してよいと思います。
蛇足
mikiさんのご指摘を煩わすまでもなく、長野県南佐久郡臼田町は2005年の合併で佐久市になっておりますが、引用など関係部分に、「臼田町」を使っていることをお断りしておきます。