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落書き帳

飛び地の定義

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[11857]2003年3月26日
N-H
[11909]2003年3月27日
太白
[11926]2003年3月27日
N-H
[11959]2003年3月27日
ペーロケ
[11972]2003年3月27日
KMKZ
[12001]2003年3月28日
太白
[12008]2003年3月28日
N-H
[12030]2003年3月28日
KMKZ
[12035]2003年3月28日
ペーロケ
[12043]2003年3月29日
般若堂そんぴん
[12047]2003年3月29日
KMKZ
[12053]2003年3月29日
太白
[12054]2003年3月29日
N-H
[12056]2003年3月29日
太白
[12057]2003年3月29日
深海魚
[12058]2003年3月29日
KMKZ
[12059]2003年3月29日
ペーロケ
[12062]2003年3月29日
太白
[12066]2003年3月29日
般若堂そんぴん
[12069]2003年3月29日
太白
[12080]2003年3月29日
ペーロケ
[12090]2003年3月30日
ken
[12102]2003年3月30日
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[30587]2004年7月16日
グリグリ
[30599]2004年7月16日
N-H
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グリグリ
[41305]2005年5月18日
太白
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グリグリ
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太白
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グリグリ
[67230]2008年11月9日
N-H
[67233]2008年11月9日
グリグリ
[67236]2008年11月9日
N-H
[67237]2008年11月9日
グリグリ
[67238]2008年11月9日
N-H
[67239]2008年11月9日
グリグリ
[67241]2008年11月9日
太白
[67244]2008年11月10日
faith
[67249]2008年11月11日
白桃
[67252]2008年11月11日
N-H
[67253]2008年11月11日
ペーロケ
[67255]2008年11月11日
じゃごたろ
[67256]2008年11月11日
N-H
[67257]2008年11月11日
ペーロケ
[69038]2009年3月28日
hmt
[69048]2009年3月29日
hmt

[11857] 2003年 3月 26日(水)15:57:20N-H さん
飛地研究所
お久しぶりです。
ここはちょっと来ないとものすごいことになっていますね。

さて、[11843]にてアーカイブズのテーマ「飛び地の疑問」があがっていますね。
で、そいつを見ていくと800番台あたりの古い記事に飛び地の話が結構でてますね。
それでびっくりしたのは[818]の飛地研究所の話です。

私、そこのメンバーだったんですよ。そこのオーナーの小田さんという方がここの記帳ページに書き込みをしているということでしたので、見に行ってみるとなんと1997年。そのころ小田さんは飛地研究所のページを立ち上げたばかりで、ふと目にした私が最初に小田さんにメールを差し上げた頃の話です。

たちどころに私は飛地研究所のメンバーにさせられ、飛地学会などというものまで結成され、私はそこで「飛地数学」の講義をしてくれないか、などと頼まれたのですがそれは辞退しました。
実はそれ以前に、とある場所で私は「飛地の数学的定義」について考察を発表していたのです。以下にその文章を採録します。

------ここから------------
飛び地研究家のN-Hです。

ところで、飛び地の定義なんですが、よく考えたら不明確ですね。
ここで、本体をA、飛び地をBとします。

(1) AとBは陸上部分で接していない

(2) AとBは地続き(陸地のみ経由して双方行き来できる)である

(3) AとBのいずれかは海岸線を持たない

(4) BはAと異なる単一の自治体(など)に囲まれている

(5) Aの面積 > Bの面積

まず、(1)は大前提ですが、(2)も条件としては必須ですよね。複数の島からなる自治体を飛び地とはあまり言いません。
問題は(3)なのですが、AとBが双方海岸線を持っていると、なんとなく飛び地っぽくない印象があります。たとえば、東京の港区は一部お台場に『領地』がありますが、あれを港区の飛び地というかどうか。海上を船で行けば、『他国の領地」を経由しないで到達できるし、近ごろは橋までかかっている。ここはやはり周りをぐるりと『他国の領地』に囲まれてこそ飛び地のイメージがありますよね。ですから、国単位でいくと、東ベルリンはまさ
に飛び地といえますが、アラスカはどうでしょう? 微妙なところです。
そういう意味で、ぐるりと囲む側の『他国』も、複数でなく、一国のほうが、より飛び地らしくなります。そこで(4)というさらに厳しい条件が出てきます。ここで挙がっている例でも、川崎市麻生区の例は、周りを囲む自治体が横浜市と町田市の複数にわたっているので、確かにまぎれもない飛び地なのですが、その純粋さは一段落ちるイメージがあります。

さて、飛び地は飛び地として、A>>BならばBを飛び地と呼ぶのは明白なのですが、AとBの面積が拮抗しているケースはどうでしょう? 新南陽市のケースですね。一応市の中心部(市役所など)があるほうが本体なのでしょうが、新南陽市のケースは面積的にはBのほうが大きいくらいなのですよね。地図でも新南陽市の場合、Bを「飛地」と書いてあったり、ただ新南陽市としか書いてなかったり色々です。

あと国単位の場合、「植民地」や「海外県」と飛び地との差異は何かという政治的な問題がありますね。スペインはジブラルタル海峡を挟んでモロッコ側にセウタとメリリャという領地を持っていますが、あれは植民地であって、(たとえ上記の(3)の条件を考えなくても)飛び地ではないような気がします。

------ここまで------------

結局飛地の定義とは数学の一分野である位相幾何学と密接なつながりがありまして、上記の定義のどこまでを満たしているかで「飛地度」という尺度を導入しよう、なんて話も当時の飛地研究所では話し合われていました。

それからやはり別のところで飛地の分類について書いています。これは以前ここにも書いた堀淳一先生の著書の受売りが元になっています。内容は以前き込みと重複するので再掲しません。
[11909] 2003年 3月 27日(木)07:38:14【1】太白 さん
飛び地の定義
[11857] N-H さん
[11868] KMKZ さん

 研究家に素人が楯突くのは僭越ですが、[11853]でデンマークのユトランド半島まで「飛び地」と判定してしまった私としては、N-H さんの飛び地の定義には異議があります(笑)。
 私自身は、「飛び地」の定義はもっと緩く解釈すべきではないかと思います。
 以下、自治体間ではなく、基本的には国と国の関係という前提で議論させていただきます。

 N-Hさんの定義を引用します。
本体をA、飛び地をBとします。
(1) AとBは陸上部分で接していない
(2) AとBは地続き(陸地のみ経由して双方行き来できる)である
(3) AとBのいずれかは海岸線を持たない
(4) BはAと異なる単一の自治体(など)に囲まれている
(5) Aの面積 > Bの面積

 (1)は議論の余地はないと思いますが、私は、(2)は必須ではないと思います。(2)の議論を厳格に適用すると、ポルトガルにとって旧ゴア植民地は(ユーラシア大陸の一部なので)飛び地だが、イギリスにとっての返還前の香港は飛び地でないことになります
 また、(3)を要件としてしまうと、例えば同じポルトガルの旧植民地でも、ダマオは飛び地でないが、ちょっと内陸にあったダドラやナガールアベリは飛び地と判定され、直感的に不合理が生じます。

(参考:ダマオ、ダドラ、ナガールアベリ位置関係については以下のHPを参照。ナガールアベリの中に、更にボンベイ(ムンバイ)の飛び地があって、結構ここはすごい(すごかった)です)

http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/india/datra.html

 同様に、(4)についても、飛び地の「質」(いかに美しい飛び地か)についての議論であって、飛び地に該当するか否かを判定する要件ではないと思います。
 さらに、(5)については「感性」の問題かもしれませんが、私自身は、赤道ギニアのような大きい「飛び地」の方が希少性という意味で価値が高いと思うのですが…。

 では、定義として何らかの適切なものはあるのか? 対案を考えてみました。

★飛び地の定義(太白案)

-A国の本体をA1、飛び地判定対象をA2、A2から最も近いA国の別の領土をA3とします。
 対象となる任意の国をB国とし、A2から最も近い領土をB2、本体をB1とします。
(なお、A1=A3、B1=B2となる可能性あり)

以下の要件をすべて満たすA2を「飛び地」とする。
(1) A1とA2は陸上部分で接していない
(2) A2とA3の距離は、A2とB2の距離より長い。
(3) A2とA1の距離は、A2とB1の距離より長い。
(A2とB2又はB1が陸続きである場合、その距離はゼロ)

 <具体例>
カリーニングラード、アラスカ:飛び地
北アイルランド:飛び地:イギリス本国とは海を隔てているが、北アイルランドとは陸続き
クリスマス島(豪州):飛び地:豪州よりインドネシアの方が近い
与那国島:要件(2)を満たさない:西表島の方が、台湾より近い
サルディニア島:要件(3)を満たさない:イタリア本国の方が、フランス本国より近い
関西空港の各自治体:要件(3)を満たさない(本体の境界線の延長上にある)

この考え方は、それぞれの領土が海に面しているか、島であるかは飛び地の判定に影響を与えません。島については、相互の本体同士の中間点までを勢力範囲となることを仮定しつつ、沖縄のように島が続いているときは、一方の国が中間点を超えて領土を保有しても飛び地ではないと判定するものです。

また、飛び地の質の問題としては、以下の(いずれかの/双方の)要件を満たす飛び地は、「飛地度」が高い。

(a) 上記定義(2)と(3)について、任意の国との距離差が著しく大きいもの
(b) B2が海岸線を持たない
(c) BがAと異なる単一の他国に囲まれているもの

例えば、ノルウェーのブーベ島、フランスのニューカレドニアなどは、条件(a)の距離差が大きいので、飛び地度が高いといえるのではないでしょうか?

「植民地」や「海外県」と飛び地との差異は「何かという政治的な問題
 私見ですが、飛び地の定義は、N-Hさん自身が言及されているように、AとBとの関係という、純粋数学的な問題であって、そこに政治的な問題を考慮する必要はないと思います。もっとも、第2次大戦前の状況だと、世界中飛び地になってしまいますが…。
 私の定義で申し上げれば、セウタやメリリャは飛び地になります。直感的に申し上げれば、周りがモロッコ領なのに、そこにあるスペイン領が着目されている(=何らかの「違和感」がある)以上、やはり飛び地なのではないでしょうか。

 以上の私案は、飛び地を若干広く認めすぎるきらいがあり、個々の適用において不合理な場面も出てくるかと思いますので、皆様のご意見をいただければ幸いです。
[11926] 2003年 3月 27日(木)13:05:23N-H さん
飛地の定義
[11909]太白 さん
 研究家に素人が楯突くのは僭越ですが、[11853]でデンマークのユトランド半島まで「飛び地」と判定してしまった私としては、N-H さんの飛び地の定義には異議があります(笑)。
あわわ、私が[11857]で引用した文章は飛地研究所設立の1997年にさらに遡る1996年に書いたものであることが判明しました。あれはあくまでその当時の文章をそのまま引用したものですので、現在の私の考えがあの通りであるわけではありません。というか、現在はまた白紙に戻して考えようかと思っております。
ということを前提に、太白さんの「定義」にも異議あり!(笑)

(1) A1とA2は陸上部分で接していない
(2) A2とA3の距離は、A2とB2の距離より長い。
(3) A2とA1の距離は、A2とB1の距離より長い。

私が主として問題だと思うのは(2)の条項です。
要するに同じ国(自治体)に所属する複数の島が近接している場合は、どれほど本体から離れていようと飛地とみなさないということになります。
たとえば太白さんはクリスマス島を飛地としています。しかしですね、仮にクリスマス島のすぐ近くにオーストラリア領の小さな島があったとします。そうするとそれだけでクリスマス島は飛地でなくなってしまうわけです。なんか変だと思うんですよ。
まあ、もともと島の場合はあまり飛地という感覚になじまないと私なんかは考えています。たとえそれが本体からどんなに遠く離れていても。
しかし、現実にはないと思うのですが、次のような場合を考えてみましょう。

1.Aという国とBという国があります。Bという国の中に大きな湖があり、その中に島が2つ近接して浮かんでいます。ところがこの2つの島はA国の領土となっています。

2.Aという国から2キロメートル海上に島があり、そこはA国の領土です。しかしその島から1.5キロメートルのところにB国本土があります。

太白さんの定義ですと、1.は飛地ではなく、2.は飛地だということになります。
ところでその後次のような変化があったとします。

1.はその後、2つの島のうちの1つにある火山が噴火し、2つの島は地続きになりました。
2.はその後、A国領の島にある火山が噴火し、A国本土と地続きになりました。

さて、1.も2.も同じ火山の噴火で地続きになったのに、1.は新たに飛地と認定され、一方2.は飛地が解消されたことになります。

なんか変だと思うんですけれど??
[11959] 2003年 3月 27日(木)18:12:33【1】ペーロケ[utt] さん
飛地
[11913]KMKZさま、[11914]kenさま
「藩」については、「飛び地」という表現をするのは、どうかなと思います。
確かに藩というのは現在の県とは質的に異なり、日本の領土を分割して自治するという意味合いよりも、
ただの大名の所有地といった意味合いの方が強かったようですね。
だから、大きい藩もあれば小さな藩もあり、あっちこっちで土地の売買があったり、
領主の経済力によって増えたり減ったり、あと、幕府などから「与えられた」りするので、
境界線も一定しないため、飛地として認定すべきかどうかは微妙ですが、
しかし、後の廃藩置県で、県や市町村の形の元になった事実を考えれば、
広い意味で「飛地」と言ってもいいような気がします。

[11909]太白さま、[11857][11926]N-Hさま
飛地の定義に島の条項を入れるとなると。。。
うーん、私もあまり素直にうなづけませんね。
[11857]の「海に接しているかどうか」といった条項は、
例えば岡山市の児島湾を挟んだ地域のような、
海を挟んで向かい合った地域を飛地とみなさないための条項だったのでしょうね。
しかし、バングラデッシュがパキスタンの一部だった時代は、一般的には飛地でしょうけど、
[11857]の定義では両方海に接しているために、飛地ではなくなるのですね。
だから太白さまが、それを解消するために、島も飛地だ!と言いたい気持ちは分かります。
まあ心理的には離れているから飛地だ!と言いたい気持ちは分かりますが。。。
私も島はあくまで島であって、飛地と言うには無理がありますね!!

ただ、島だけど、こういう場合は飛地と言えるかもしれません。
山口県岩国市は、東和町の沖あたりの柱島諸島を抱えています。
そして、岩国市の南にある由宇町は、岩国市の沖に浮かぶ甲島の西半分を抱えています。
甲島の東半分は広島県です。
さて、海上に岩国市と由宇町の境を、飛地にならないように書く事ができるでしょうか??
かなり不自然な形で由宇町が柱島と広島県境の間の細い範囲をまわっていかない限り、
どうしても、岩国市か由宇町のどちらかが飛地になってしまいますね。

そもそも「本体」とはどこを指すのか?という問題もありますね。
新南陽市の場合は、和田地区の方が面積が広いですし、もし、市役所がある区域が本体ということになれば、
鹿児島県の三島村、十島村は本体が存在しないですべて飛地?(役場は鹿児島市の市域だから)
ということになってしまいます。
[11972] 2003年 3月 27日(木)21:33:03【1】KMKZ さん
飛び地の定義の定義
[11857][11926]N-H さん
[11909]太白 さん
[11959]uttさん

そもそも、「飛び地の定義」とは何なのでしょうか?

「飛び地の定義」とは、自明(?)な互いに接しない陸上(注1)の複数の領域に対して以下の判定条件を定義することである。
・[本体判定条件]  各領域の諸属性(注2)から本体と呼ぶ1個の領域を判定する条件
・[飛び地判定条件] [本体判定条件]で判定された本体とその他の領域に対して、相互の諸属性間の関係から飛び地かどうか判定する条件

注1 川、湖等に関しては、対象となる領域によっては取り扱いが異なる。
注2 幾何学的・地理学的・政治力学的属性等が考えられる

こんな感じですか?
これでよろしければ、[本体判定条件]、[飛び地判定条件]を自分なりに考えてみたいと思います。
[12001] 2003年 3月 28日(金)09:48:46【6】太白 さん
飛び地の定義(round 2)
[11926] N-H さん
太白さんの「定義」にも異議あり!
同じ国(自治体)に所属する複数の島が近接している場合は、どれほど本体から離れていようと飛地とみなさないということになります。

第1ラウンド終了したところで挑戦者、早くもKO寸前ですが(笑)。

 まず、私の[11909]の定義のうち、N-Hさんが挙げている疑問点は仰るとおりです。私の定義の仕方が極めて不十分でした。申し上げたかったことは以下のとおりです。

 私の挙げた飛び地の要件(2)ですが、意図するところは、「A2(飛び地)とA1(本体)の間を、A2とB2(A2から最短の他国の領域)の距離より短い距離の島伝いに渡っていくことが可能」ということです。
 こうすると、仮に、本体から極めて離れた場所にぽつんと島が1つあっても、それが2つの場合でも、飛び地の判定上は同じになります。
 N-Hさんが挙げられた例でいうと、1.の場合は噴火前後いずれも飛び地、2.の場合は飛び地解消ということになります。2.で想定されるのは、桜島が大噴火して、錦江湾を隔てた鹿児島市飛び地が本体とつながったような場合です。

 ただ、例えば日本と台湾の関係で考えると、私の定義の場合、本州~台湾間で最も距離の長い部分を境にして、そこから先を飛び地と認定することになります。具体的には、沖縄本島~宮古島間が一番離れているので、宮古島から先が「飛び地」と判定されます。

 境界付きの地図に慣れていると、直感的に「おかしい」と思われるかもしれませんが、全然国の境界を知らない人たちに、日本と台湾の境界を入れてもらったら、「最も離れている島と島の間」に境界線を書き込む人が一番多いのではないでしょうか?

[11959] utt さん
島はあくまで島であって、飛地と言うには無理がありますね!!
ただ、島だけど、こういう場合は飛地と言えるかもしれません。
山口県岩国市は、東和町の沖あたりの柱島諸島を抱えています。
そして、岩国市の南にある由宇町は、岩国市の沖に浮かぶ甲島の西半分を抱えています。
甲島の東半分は広島県です。

…うーん、島を飛び地に入れることは、評判が極めて芳しくないですね(苦笑)。
 しかしながら、このuttさんの書き込みは非常に興味深いです。
 そこで、このお知恵を拝借して、要件2をこのように変更したら、いかがでしょうか?

「島は原則として飛び地と認めないが、他の国・自治体等と接している(=島の一部の)場合は、飛び地と判定する」

以下、飛び地の定義(太白案)の第2案です。
(自治体同士の場合は、「国」を「自治体」に入れ替えてください)

-A国の本体をA1、飛び地判定対象をA2とする。
 A2と接する領土を持つ国をB国とし、A2と接する領土をB2、B国の本体をB1とする。
(なお、関西空港や旧東チモールなどの例外的な場合を除き、多くの場合、B1=B2となると思います。)

以下の要件をすべて満たすA2を「飛び地」と認定する。
(1) A1とA2は陸上部分で接していない。
(2) (前提から明らかであるが)A2とB2は接している。
(3) A2とA1の距離は、A2とB1の距離より長い。

 これで、東パキスタンなどは救えます。
 旧東チモールは、ポルトガルの飛び地と判定されますが、違和感ありますか?

[11972] KMKZ さん
 「飛び地の定義の定義」については、KMKZさんの見解とほぼ同じです。
 このうち、本体条件としては、原則として、「首都・役場等所在地≒中心都市の属する領域」と考えております。だって、赤道ギニアの首都がアフリカ側にあったら、誰も着目しないと思いませんか?
 ただ、三島村、十島村は本体が存在しないことになりますが、この場合はさすがに、「役場が飛び地」ですよね…。

 ちなみに、「政治力学的属性」というのは、具体的にどういうイメージでしょうか。
 自治領かどうかとか、北キプロスのような分断国家を指していらっしゃるのでしょうか?

p.s.雑魚さん、書き込み大台+キリ番ゲットおめでとうございます!
 私も書き込み開始時にたまたま"999"だったので狙ってみたのですが、雑魚さんの大台を祝してお譲りいたします(負け惜しみ)。
[12008] 2003年 3月 28日(金)12:57:36N-H さん
Re:飛び地の定義(round 2)
太白さん、おそれいります。

[12001]
「島は原則として飛び地と認めないが、他の国・自治体等と接している(=島の一部の)場合は、飛び地と判定する」

異議あり。
洞爺湖の中に浮かぶ中ノ島が青森県だったら、私は飛地と認めたくなります(笑)。
これが中海に浮かぶ大根島がもし広島県だったら、海への出口があるからちょっと微妙なところです。
まあ、百歩譲って湖の中の島の話はとりあえず考えないことにしましょう。しかしながら……

(1) A1とA2は陸上部分で接していない。
(2) (前提から明らかであるが)A2とB2は接している。
(3) A2とA1の距離は、A2とB1の距離より長い。

異議あり。
これですと飛地の中の飛地が飛地でなくなってしまいます。
A1とB1は隣接した国で、A1の中にまるまる囲まれてB2があるとします。そのB2の中にB2に丸々囲まれてA2があるという場合です。
この場合条件(3)を満たしていません。よってA2は飛地でないということになってしまいます。
[12030] 2003年 3月 28日(金)21:12:47【1】KMKZ さん
飛び地の定義(KMKZ案)
[11922]太白 さん
謹んでお待ち申し上げます(笑)。

自分なりに飛び地の定義を考えているのですが、まだ厳密性に欠けます。
特に本体と陸続きでない領域を領域全体の分布から見て飛び地かどうか判断する方法が曖昧ですが、現時点での私の飛び地のイメージを明らかにする為にアップすることにします。

[本体判定条件]
・領域が国家、地方自治体を構成している場合は、その行政的中心(首都、都道府県庁、市役所、町村役場等)を有する領域を本体とする。
・領域が国家、地方自治体を構成していない場合、または領域内に行政的中心が存在しない場合は、最大の面積を有する領域を本体とする。
・ただし、行政的中心を有する領域(A)と最大の面積を有する領域(B)が別の領域で、かつ近接し、かつBの面積が著しくAの面積より大きい場合は両方を合せて本体とみなす。

[飛び地判定条件]
・本体とは直接には接していないが、陸続きである領域は飛び地とする。
・本体と陸続きでない場合は、領域全体の分布から見て、本体や他の領域から著しく離れて存在する領域は飛び地とする。
・これ以外の本体と陸続きでないが、領域全体の分布から見て、本体の傍にある領域は飛び地とはしない。

この定義で、過去に話題になった例を検証してみます。

[複数の島からなる国・自治体]
島の分布がまとまっていれば飛び地になりませんが、ひとつだけ離れている場合は、飛び地になります。
日本の場合、沖ノ鳥島など、一部の離島は飛び地、それ以外の本土に近い島は飛び地ではありません。

[港区とお台場]
橋を領域に含めなければ、飛び地。含めれば飛び地に非ずです。
(これは判定条件ではなく、領域の定義の曖昧さの問題です)

[旧西ベルリン、アラスカ]
共に飛び地です。

[横浜市と町田市内の川崎市麻生区の領域]
川崎市麻生区の飛び地です。

[新南陽市]
面積が拮抗しているので、市役所がない方が飛び地です。

[スペインとモロッコ側のセウタ・メリリャ]
セウタ・メリリャは飛び地です。

[デンマーク:コペンハーゲンがあるシェラン島より、ユトランド半島の領土が広い]
近接しているので、シェラン島とユトランド半島を合せて本体とみなします。

[マレーシア:マレー半島の領土より、ボルネオ島の領土(サラワク)の方が広い]
近接していないので、首都のあるマレー半島側が本体で、サラワクが飛び地です。

[ポルトガルと旧ゴア、ダドラ、ナガールアベリ]
旧ゴア、ダドラ、ナガールアベリはポルトガルの飛び地です。

[イギリスと返還前の香港]
返還前の香港はイギリスの飛び地です。

今回の検証は、とりあえず、ここまでにしておきます。


[12001]太白 さん
「政治力学的属性」というのは、具体的にどういうイメージでしょうか
適切な用語ではありませんね。単に「行政的中心の存在有無」といった属性を総称したかったのです。
[12035] 2003年 3月 28日(金)22:26:55【2】ペーロケ[utt] さん
飛び地論
[12001]太白さま
「島は原則として飛び地と認めないが、他の国・自治体等と接している(=島の一部の)場合は、飛び地と判定する」
私も意義あり!です。
それでは、「井島」は香川県と岡山県の共通の飛び地になってしまいます。
私が言いたかったのは、甲島に境界線があるから飛び地なのではなく、
岩国市と由宇町の位置関係なのです。だから、仮に甲島が由宇町単独で抱えていても飛び地なのです。

[12008]N-Hさま
中海に浮かぶ大根島がもし広島県だったら、海への出口があるからちょっと微妙なところです
これも意義ありです。
海を広島県域で強引につなげると、あの狭い境水道や関門海峡をぐるって越えて、
山口県をまわっていかなくてはいけません。
そうしたら、関門橋や境水道大橋には途中で「広島県」と書かれた領域があり、
関門海峡を渡るフェリーは、広島県域を通らなくてはいけないので、
広島県にも税金を納めなければいけないことになりますね(え?)

[12030]KMKZさま
本体や他の領域から著しく離れて存在する領域は飛び地とする。
これも、素直に頷けません。「著しく」とはあいまいな表現ですね。
[新南陽市]
面積が拮抗しているので、市役所がない方が飛び地です。
揚げ足を取るようで申し訳ありませんが、本体判定条件の順番が逆になっていますね。
インドネシアの本体がジャワ島、マレーシアの本体がマレー半島であるように、
和田地区の面積が大きかろうが小さかろうが関係なく、市役所がある南部が本体でしょう。
#書きながら気づいたのですが、デンマークの本体は、名前忘れましたがコペンハーゲンのある島なのでしょうか??
イメージ的にはドイツの北側に伸びるユトランド半島のような気がしますけど。。。

みなさま、そもそもの「飛び地」の定義から逸脱しているように思います。
「飛び地」というのは、他の領域を通らないとその土地に行けない場所を差すと思うのですが。。。
そこで、島の場合など両者が海に接する場合は、仮に海域に境界線を引くことを考えました。
その海上仮想境界線は互いに向かい合う両自治体(国)の陸地から等距離に引くのが自然でしょう。
ただし、引き方は厳密に2等分線と規定せず、若干のずれによる補正も認めて、
滑らかな形となるように引きます。(このへんがややファジーなのですが。。。)
そうして引いたときに、島であっても本体からその地に行く場合、
他の領域を通らなければいけないとき、飛び地なのです。
だから、港区から見たお台場や、岡山市から見た金甲山付近は、
橋の如何にかかわらず飛び地ではないのです。
まあ、引き方もいろいろ考えられますが、まさか広島県域が関門海峡を越えるなんて引き方、
どう考えても不自然ですよね??

ただし、この考え方の難点は、一般的に飛び地と認識されている
滋賀県西浅井町に接する高月町や湖北町も飛び地ではなくなるのですが。。。
普遍的なルール作りって難しいですね(苦笑)

ところで、[9293]ぷりぷりさまの意見より、湖沼は境界線を引かれているみたいですが、
海域にも同じように境界線を定義されているのでしょうか??
関空はあんな輪切りの状態になったのを勘案すれば、
海の境界線が定義づけられているような気もするのですが。。。
[12043] 2003年 3月 29日(土)00:21:56般若堂そんぴん さん
飛び地レス
[11857]N-Hさん
ですから、国単位でいくと、東ベルリンはまさに飛び地といえますが
[12030]KMKZさん
[東ベルリン、アラスカ]
共に飛び地です。
東ベルリンが飛び地というのが理解できないのですが? かつては西ベルリンが飛び地状態でしたね(ドイツ民主共和国に包囲されたドイツ連邦共和国領土).

国の飛び地は,首都のある地域から自国の領土・領海(経済専管水域の方が良いかも知れません)のみを経由して到達することの不可能な地域,と単純に考えてはいかがでしょうか?
自治体の飛び地などもそれに準じて考えるというのはどうでしょう?
[12047] 2003年 3月 29日(土)01:14:08KMKZ さん
飛び地レス
図形に関する議論を文章だけで行うのは、無理がありますよね。(^_^;

[12035]utt さん
「著しく」とはあいまいな表現ですね。
その通りです!(笑)
だって、
[12030]自分
まだ厳密性に欠けます。
特に本体と陸続きでない領域を領域全体の分布から見て飛び地かどうか判断する方法が曖昧ですが、現時点での私の飛び地のイメージを明らかにする為にアップすることにします。
ですもの。
「本体や他の領域から著しく離れて存在する領域は飛び地とする。」で、言いたいことは、例え島であっても沖の鳥島ようのに、1つだけぽつんと離れている場合は飛び地と認めようということです。

揚げ足を取るようで申し訳ありませんが、本体判定条件の順番が逆になっていますね。
インドネシアの本体がジャワ島、マレーシアの本体がマレー半島であるように、
和田地区の面積が大きかろうが小さかろうが関係なく、市役所がある南部が本体でしょう。
その通りなのですが、デンマークのように本体が小さくて、その傍に大きな領域がある場合は、それを準本体とみなし、飛び地とはしないと考えたのです。
イメージ的にはドイツの北側に伸びるユトランド半島のような気がしますけど。。。
正に、このイメージを表現したかったのです。

[新南陽市]
面積が拮抗しているので、市役所がない方が飛び地です。
これは、私の説明が良くないので言い直すと、
「市役所がある方が本体です。もう一方はすぐ傍にありますが、面積が著しく大きいわけではないので、飛び地です。」

これが、デンマークだと、
「コペンハーゲンがあるシェラン島が本体です。ユトランド半島は、シェラン島のすぐ傍にあり、シェラン島より著しく大きいので準本体とみなします。」

眠くなって来たので、今日はここまでにします。
[12053] 2003年 3月 29日(土)06:09:18【1】太白 さん
飛び地の定義・第2ラウンドを終えて
第2ラウンドを終えて、サンドバッグ状態の挑戦者にタオルが投げ入れられそうですが…。

[12035] uttさん
みなさま、そもそもの「飛び地」の定義から逸脱しているように思います。
「飛び地」というのは、他の領域を通らないとその土地に行けない場所を差すと思うのですが。。。
uttさんに他意はないと思いますが、敢えて反論させていただきますと、この記述は論理矛盾ですね。定義を議論している際に、「そもそもの定義」のコンセンサスがあるとは言えません。kmkzさんが[12030]で提起されている前提でさえ、議論の余地があるわけですから。私のように、東チモールや、果てはユトランド半島まで飛び地と主張している(していた)極端な人間は、uttさんのいう「議論の前提」を持ち合わせていない非常識な人間になってしまいます(苦笑)。「他の領域」とは何か? 公海や排他的経済水域、内水面の扱いによって異なるでしょう。海域を隔てた地域について「飛び地」か否か判定する際、その土地にいくルートは直線距離なのか、どこまで迂回を認めるのか? uttさん自身もお考えを提起されているように、認識の一致がないからこそ、議論の価値があるのだと思いますよ。

海上仮想境界線は互いに向かい合う両自治体(国)の陸地から等距離に引くのが自然でしょう。
ただし、引き方は厳密に2等分線と規定せず、若干のずれによる補正も認めて、滑らかな形となるように引きます。(このへんがややファジーなのですが。。。)
 uttさんの「海上仮想境界線」の議論は魅力的ではありますが、御自身認めているように、海上仮想境界線の引き方が極めて曖昧で、恣意的に適用されるおそれがあります。加えて、「仮に甲島が由宇町単独で抱えていても飛び地」という一方で、ニューカレドニアなどの「島はあくまで島であって、飛地と言うには無理がある」という、[11959]での主張と整合性が取れません。「定義」というからには、恣意的な運用が出来ないよう、可能な限りデジタルな要件で判断すべきものです。

太白飛び地定義第2案に対して、
「井島」は香川県と岡山県の共通の飛び地になってしまいます
とありますが、ならないはずです。Yahoo地図で見たところ、井島に県境が見つからなかったので断定できないのですが、直島の南西の大槌島を例にとると、島南端から香川県本体(大崎の鼻)と島北端から岡山県本体(鼻操鼻)の距離を比べると香川の方が近いです。したがって、要件(3)を満たす島の北半分だけが「岡山の飛び地」と判定されます。

 究極的には、この判断に違和感を感じるかどうかではないでしょうか。というのも、これを飛び地と認めないと、セウタやメリリャは飛び地ではなくなると思っているためです。

[12043] 般若堂そんぴん さん
首都のある地域から自国の領土・領海(経済専管水域の方が良いかも知れません)のみを経由して到達することの不可能な地域
 この案も、非常に魅力的であるのですが(この説だと、南太平洋の欧米諸国の自治領等は全て飛び地となりますが、私は違和感ありません)、セウタとメリリャ、赤道ギニアが海上の「回廊」でつながるので、飛び地と判定できなくなるのです。これがどうにも私には引っかかりまして…。これを克服しようとすると、[12001]のような定義案になったというわけです。
 また、最大の問題点として、排他的経済水域がつながっていないハワイは、アメリカの飛び地と判定されますが、これも異論があるかと思います。

[12030]でのKMKZ さんの案も、水域の扱いについて若干の違いがあるとはいえ、結論として般若堂そんぴん さん案に近いのではないかと思います。KMKZ さん案の場合、ヨーロッパとアフリカがもし陸続きでなかったら、セウタとメリリャが飛び地でないと判定されそうですが、ここに疑義があります。

[12008]N-Hさん
中海に浮かぶ大根島がもし広島県だったら、海への出口があるからちょっと微妙なところです
[12035] utt さん
海を広島県域で強引につなげると、あの狭い境水道や関門海峡をぐるって越えて、山口県をまわっていかなくてはいけません。
 これは、N-Hさんの議論に同感です。海への出口がどれくらいあれば、飛び地というのか、言わないのか。仮に、大根島が隠岐の西郷町の「飛び地」だったとして、中海の出口がどれくらい開いていれば、「飛び地」でなくなるのか。海域、内水面の扱い如何によりますね。

 TKO判定が出ていなければ(笑)、皆様のご意見を踏まえ、稿を改めて第3案を提示させていただきます。
[12054] 2003年 3月 29日(土)06:14:23N-H さん
飛び地議論は果てしなく……
[12035]utt さん
そうしたら、関門橋や境水道大橋には途中で「広島県」と書かれた領域があり、関門海峡を渡るフェリーは、広島県域を通らなくてはいけないので、
おっしゃることはごもっともなのですが、橋という存在はいやらしいものでとりあえず無視ということに(笑)……
アクアラインができてしまった今、伊豆諸島・小笠原諸島全体は東京都の飛び地と判定されてしまいますね。
橋の上は両端の自治体で領域を分け合っているのでしょうが、橋の下の水面もそうなのでしょうか?

[12043]般若堂そんぴん さん
東ベルリンが飛び地というのが理解できないのですが?
おお、元の文章を書いていらい7年間もうかつにも誤りに気づきませんでした。
もちろん西ベルリンのことを意図して書いたものです。
ご指摘感謝いたします。
首都のある地域から自国の領土・領海(経済専管水域の方が良いかも知れません)のみを経由して到達することの不可能な地域
「自国の領土のみ」というのは、たとえその間に現実的に到達可能な道がなくても物理的に連続していればよいというころでしょうか。
あと、一旦公海に出なければ到達できない地域は飛地と考えられるでしょうか。
上記条件ですと、経済専管水域で判断しても沖ノ鳥島は日本の飛地、アラスカはアメリカの飛地となりますよね。一方沖ノ鳥島を飛地と考えないと、アラスカも飛地でなくなります。
[12056] 2003年 3月 29日(土)07:39:10【4】太白 さん
飛び地の定義(ROUND3)
[12054] N-H さん
 飛び地議論は果てしなく……
確かに。アーカイブス風にいうと、「飛び地の疑問」から「こだわりの徹底追求」になりつつあるかも知れません(笑)。

[12008] のN-Hさんの指摘に答えるべく、一部修正案を考えたのですが、大幅に例外要件を加えないと辛いと判断いたしましたので、まことに勝手ながら全面的に修正いたします。

 飛び地定義、太白案その3です。
 般若堂そんぴんさんやKMKZ さんのお考えを踏まえつつ、考えてみました。

★飛び地の定義(第3案)

<前提>(自治体も、下記の考え方に準ずる)

a)国の領域を領土+領海+領空と定義する。
-「飛び地」という国の主権が及ぶ地域に関する判定である以上、EEZ(排他的経済水域)は必ずしもなじまないと私は思います。ただ、実際に判定するとEEZの方がうまくいくかも…。
b)「本体」とは国の首都が存在する領土とし、本体と陸続きでなく、飛び地判定の対象となる領土をAとする。ただし、領土内に行政的中心が存在しない場合は、最大の面積を有する領土を本体とする。

<飛び地の定義>
1.本体からAへ、自国の領域又は公海のみを経由して到達することが出来ない場合、Aを「狭義の飛び地」とする。
2.本体とAがそれぞれ属する領域を結ぶ最短距離(直線)上に、他国の領域が含まれる場合、Aを「広義の飛び地」とする。
3.Aが他国の領土の本体(B)に隣接している場合、Aを「最広義の飛び地」とする。

 要件1は、「通常の交通手段で到達することが不可能」という考えもあると思いますが、ややこしくなると思うので加えていません。具体的に当てはめます。

[カリーニングラード]
 ロシア本体から船で行こうとすると、バルト海に入るときに他国の領海を通過する必要があるので、狭義の飛び地です。

[アラスカ]
 最短距離上にカナダがあるので、広義の飛び地です

[ポルトガルと旧ゴア、ダドラ、ナガールアベリ]
 ゴアは広義の飛び地、ダドラ、ナガールアベリは狭義の飛び地です。

[港区とお台場]
 お台場は隣の区(江東区)の本体と隣接しているので、最広義の飛び地です。

[瀬戸内海の甲島・柱島諸島]
 「自治体の領海」の定義如何によっては、柱島諸島は狭義の飛び地となりえます。

[スペイン領セウタ・メリリャ、ユトランド半島、北アイルランド]
 いずれも、他国の本体と接しているので、最広義の飛び地です。
(領域が本体と一体であることを理由に切るとセウタも飛び地でなくなるので、敢えてそういう理由にしていません…)

[マレーシア領サラワク(ボルネオ島北部)]
 南ボルネオはインドネシアの本体でないので、飛び地ではありません。

[大槌島(香川・岡山県境)]
 いずれの本体も属さないので、飛び地ではありません。

自ら、過去の発言を一部否定してしまっていますが(苦笑)。
要件3は、セウタとメリリャを飛び地と認定したいがために、半ば無理やり付け加えたものであります。


[12017] 般若堂そんぴん さん
酒田市飛島ではないでしょうか?
飛島=飛び地と両方書いてかいてあった気がするのですが、曖昧な記憶で申し上げてすみません。[12001]の該当部分の記述は削除いたしました。
[12057] 2003年 3月 29日(土)09:16:07【1】深海魚[雑魚] さん
ベルリンの壁
飛び地の話題が盛んな様ですが、行政上の解釈からすると、大使館や領事館など在外公館および
空港などで税関を経た先の領域も 「飛び地」 と見なし得るのかな。(笑)

西ベルリンに関する鉄道誌の記事によれば、西独 「本土」 と西ベルリンを結ぶ列車は東独領内では
勿論 通過扱いなのですが、火器で武装した東独の警官が同乗し、物々しい雰囲気だったそうですね。
東西の接点と言えば、チャーリー検問所や Sバーンのフリードリッヒ・シュトラーゼ駅が有名でしたが、
エルベ川など、ベルリン以外の国境線では、どの程度あったものやら。

亡命阻止目的か、東独市民はバルト海沿岸での海水浴等は禁じられていたそうで、バカンスの際は
わざわざ国境を越え、黒海方面に行く手合いが少なくなかったとも聞きます。1989年秋にベルリンの
壁が崩れた際の予兆として、当時既に 「民主化」 が進んでいたハンガリー経由で、東独市民が多数
西側に脱出したのも、そうした元々の背景ゆえの事ですかね。

壁が崩れて間もない頃、親父殿が出張で旧東独を訪ねたところ、ベトナム人と間違えられたそうです。
同じ東側陣営として、技術研修や出稼ぎの人々を多々受け入れていた様ですね。そう言えば同国の
航空機の備品には、インター・フルーク (東独の航空会社) のお下がりが少なくなかったとか。
[12058] 2003年 3月 29日(土)09:32:46KMKZ さん
飛び地レス2
休みの日にPCにかじりついていると我が家のクサンチッペ殿の機嫌が悪くなるので、とりあえず、最低限のレスだけいたします。

[12035]utt さん
そもそもの「飛び地」の定義から逸脱しているように思います。
[12053]太白 さん
認識の一致がないからこそ、議論の価値があるのだと思いますよ。
「飛び地の定義」とは、「ある共通の属性(例えば日本の領土)を持つ複数の領域を更に他の属性で下記のように分類する方法・条件の定義」だと考えています。

本体最も重要と思われる領域
準本体重要な領域
付属地本体・準本体と密接な関係にある領域
飛び地本体・準本体に接していないが陸続きな領域(狭義の飛び地)
準飛び地心理的に飛び地とみなせる(見なしたい)領域

例として日本を構成する各島を領域と考えると
本体本州
準本体北海道、四国、九州
付属地ほとんどの島嶼
飛び地なし
準飛び地沖ノ鳥島等の離島


[12043]般若堂そんぴん さん
東ベルリンが飛び地というのが理解できないのですが? かつては西ベルリンが飛び地状態でしたね
あわわ。旧西ベルリンの間違いですね。修正しておきます。


[12053]太白 さん
KMKZ さん案の場合、ヨーロッパとアフリカがもし陸続きでなかったら、セウタとメリリャが飛び地でないと判定されそうですが、ここに疑義があります。
心理学的距離(?)を定義して、心理学的距離で領域の分布を考えればセウタとメリリャが準飛び地になります。

心理学的距離=幾何学的距離*心理学的係数
心理学的係数=飛び地らしさを表す1以上の係数

例 異文化の領域に囲まれた領域の場合、心理学的係数=1000
[12059] 2003年 3月 29日(土)10:00:43【1】ペーロケ[utt] さん
挑戦者
[12053]太白さま
だんだん、誰が挑戦者で誰がチャンピオンなのか分からなくなってきています。
義務教育までの地理知識しか持ち合わせていない私も挑戦者です(苦笑)
ニューカレドニアなどの「島はあくまで島であって、飛地と言うには無理がある」という、[11959]での主張と整合性が取れません。
言葉足らずで申し訳ないのですが、この場合の「島」というのは、
与論島は沖縄のほうが近いけれど鹿児島県の飛び地ではない
と言いたかったわけで、ニューカレドニアは飛び地ではない、とは言っていません。
何が言いたいのかと申しますと、他の島との距離関係で飛び地と判定している[11926]に対して、
島の場合、飛び地判定には他の国なり自治体との距離で規定されるものではなく、
[12043]そんぴんさまの言葉を借りれば、領海などで繋がっていれば飛び地ではない、と言いたかったのです。
ただ、[11959]の書き方であれば、誤解されますよね?すみませんでした。

「他の領域」とは何か? 公海や排他的経済水域、内水面の扱いによって異なるでしょう。
これも誤解を招く表現でした。
「他の自治体・国家の領土・領海」と書くべきでしたが、その言葉が出てきませんでした(苦笑)
自治体の場合も領海という言葉が適切かどうかはわかりませんが、それに近いものを仮想したものです。
その意味で、海上仮想境界線の考え方を持ち出したのですが。。。
海上仮想境界線の引き方が極めて曖昧で、恣意的に適用されるおそれがあります。
といった問題もはらんでします。
「角があってもいいので、厳密に2等分線」としたほうがいいのかもしれませんが、
そんな、海上の境界線に角がある地図なんて見たことありませんし。。。
この問題には、挑戦者は右ストレートを頭に直撃し、脳震盪をおこしてフラフラです(苦笑)

そういえば国家の場合は、どこの国の領海にも属さない「公海」といった場所もあるのですね?
忘れていました(^^;;

中海の出口がどれくらい開いていれば、「飛び地」でなくなるのか。
私は以前、常連さまを相手に、この問題にたてついて痛い目に遭った経験がありますが(^^;;
中海は、斐伊川の一部です。境水道が1級河川斐伊川の河口であり、
水面上での各自治体の境界線が明確に定められているようです。([9293]ぷりぷりさま)
それでも、出口がどれくらい開いているのか、といった議論をはじめたら、
屈斜路湖の島も釧路川で海と繋がっているという議論になってしまいますし。(笑)
ただし、湖か海域かといった問題も違う気がします。
大村湾は海域だからか、自治体の境界が明確に定められていないようですが、
もしも長崎空港が福岡県であったら、長崎県の領海(?)に囲まれた飛び地であると主張します!!

[12056]3.Aが他国の領土の本体(B)に隣接している場合、Aを「最広義の飛び地」とする。
素晴らしい。この条項を適用すれば、湖北町、高月町の問題も解決していますね!!
また、狭義、広義という区分もお見事です!!ただ一つ言いたい事が。。。
お台場は隣の区(江東区)の本体と隣接しているので、最広義の飛び地です。
は、お台場は島扱いではなく、江東区の本体扱いなのですか??
私は月島や佃を島と思っているので、お台場も当然島だと思っていましたが。。。
しかし、江東区は川や運河が入り組んでいて、どこまでが本体なのか分かりにくいですね(^^;;

ところで、京浜地帯(主に東京都、川崎市)では、人工的に作られた船の通路の
両側が繋がっている場合はともかく、袋小路の入り江も「運河」と称していますね。
一方、横浜市の大部分では、両側が繋がっている場合は運河ですが、
袋小路の場合は「派川」と称していますね。川の河口といいたいのでしょうか??
このへんが北九州市、大分市などの「泊地」と、福岡市の「船留」に通じるものがあります。
イカン!!全く関係ない方向へ進んでしまいましたね。

[12054]N-Hさま
アクアラインができてしまった今、伊豆諸島・小笠原諸島全体は東京都の飛び地と判定されてしまいますね。
私はアクアラインが出来る前から、伊豆、小笠原諸島は東京都の飛び地だと思います。
なぜなら、浦賀水道は神奈川、千葉のいづれかに属するためです。

[12049]紅葉橋瑤知朗さま
uttさんになんだか削除を強制したみたいで申し訳ありません…。
いえいえ、私もまだまだ大人になりきれていないので、
もし不快な表現があれば、どんどんご指摘ください!!
[12062] 2003年 3月 29日(土)12:44:22【2】太白 さん
飛び地の定義 バトル・ロワイアル
(一応、過去に上記名詞の書き込みがあることを確認したのですが、ひょっとしてフィルターNGワードですか?)

[12059] utt さん
[12053] で若干きつく書いてしまって反省しております。私も、大学受験は地理選択でない素人でございます。で、本題ですが…、

中海は、斐伊川の一部です。境水道が1級河川斐伊川の河口であり、水面上での各自治体の境界線が明確に定められているようです。
…湖か海域かといった問題も違う気がします。大村湾は海域だからか、自治体の境界が明確に定められていないようですが、もしも長崎空港が福岡県であったら、長崎県の領海(?)に囲まれた飛び地であると主張します!!

 私の頭の前提が、国と国の関係での飛び地を想定していたので、ご指摘のような、自治体間特有に生じうる問題の考慮はすっかり抜けております。境界が確定している内水面の扱いは国に準ずるにしても、海が絡む自治体間の場合、国家間の領海の作成手順に準じて「自治体領海」を擬制するということでしょうか。これなら、厳密な直角2等分線にならないので、uttさんのイメージする「海上仮想境界線」に近くなるかと思います。仮想領海何海里にするかですが…。

お台場は島扱いではなく、江東区の本体扱いなのですか??
 いやはや、お恥ずかしい限りです。実は国道357号線(湾岸道路)を車を走っていて、「橋」を意識するのは荒川と江戸川くらいだったので、お台場は江東区本体と地続きだと思い込んでいました。
 しかしながら、中海の扱いの話にありましたように、内水面(運河)も領域の一部とすると、江東区役所所在地とお台場は、ともに「本体」という扱いになるのではないでしょうか?そうしないと、極端な話、静岡県の天竜川より西の地域が「静岡県の飛び地」になりかねません(笑)。

[12058] KMKZ さん
心理学的距離=幾何学的距離*心理学的係数
「アナログ的要素」としてこれは面白いですね。
私のアプローチでは、主観的要素は極力排除しようと思ったのですが、結局、限界事例では人によって判断が異なりますから、最後は主観的判断要素が必要なのかもしれませんね。

[12057]雑魚さん
行政上の解釈からすると、大使館や領事館など在外公館および空港などで税関を経た先の領域も 「飛び地」 と見なし得るのかな。(笑)
 真剣にレスをしますと(笑)、在外公館は行政上は飛び地でしょうが、通関より先には空港所在地の警察権が及ぶと思いますので、飛び地ではないと思います。
 究極的には、「外国船籍の船や国際線は飛び地か」とか…。
[12066] 2003年 3月 29日(土)15:57:32【1】般若堂そんぴん さん
飛び地レス
[1204]N-Hさん
「自国の領土のみ」というのは、たとえその間に現実的に到達可能な道がなくても物理的に連続していればよいというころでしょうか。
あと、一旦公海に出なければ到達できない地域は飛地と考えられるでしょうか。
直観的には,物理的に連続していれば飛び地ではない,一旦,排他的経済専管水域外(飛び地を広義にとれば,公海)に出る必要がある地域は飛び地である,と思います.

[12056]太白さん
1.Aが、本体から、自国の領域又は公海のみを経由して到達することが場合、Aを「狭義の飛び地」とする。
文章が不完全なのですが,「他国の領域又は公海のみを経由してのみ到達することができる場合」ですか?
[12069] 2003年 3月 29日(土)17:17:32【1】太白 さん
飛び地談義(補遺)
[12063] 雑魚 さん
政府の実効支配が及ばないトライバル・エリアや解放区あたりは
通常、アフリカ南部のレソトのような形で、1つに固まって存在すると想定しますので、飛び地ではないと思います。解放区が飛び地状に存在する場合は、通常の飛び地に準じて考えればよろしいかと。(→何とか、頭痛なしで回答らしきものを考えました)

[12066] 般若堂そんぴん さん
[12056]の太白定義1.に関して、
文章が不完全なのですが,「他国の領域又は公海のみを経由してのみ到達することができる場合」ですか?
 いやはや、肝心なところがメチャメチャですね。「他国の領域を横切らないと到達することができない場合」です。自国領域+公海経由だけで到達できれば、狭義の飛び地とは認定しておりません。当該部分はお詫びして訂正します。
[12080] 2003年 3月 29日(土)21:37:25【1】ペーロケ[utt] さん
運河の扱いはいかに。。。
[12062]太白さま
私も、大学受験は地理選択でない素人でございます。
そんな、太白さままで挑戦者宣言してしまったら、チャンピオンは一体誰になるのでしょう(笑)

内水面(運河)も領域の一部とすると、江東区役所所在地とお台場は、ともに「本体」という扱いになるのではないでしょうか?
川は内水面なので、天竜川西部や富士川東部が
静岡県(ですよね?)の飛び地ではないことは誰もが認めると思いますが、
運河が内水面に当たるかどうか、が微妙ですね。
そこで、gooの国語辞典「大辞林第二版」で調べました。
船の運航・水利・灌漑(かんがい)・排水・給水などのため、人工的に陸地を掘ってつくった水路。特に、船の運航のための水路にいう。〔明治期には「うんか」とも〕
まあ、スエズ運河やパナマ運河や篠津運河みたいなものを想像していただけたら分かりやすいでしょうが、
もともと陸地だったところを掘って、人工的に水路を作ったものを指すようです。
(この解釈では、船の運航のためとは限らず、たとえば信濃川の放水路なども広義では運河となるのででしょうか?)

だから、江東区のお台場周辺の運河は、これらの運河と作り方が異なり、
もともと海であったところを埋め立て、人工島を造成した結果「陸」になり、
残された部分が、船運の機能を考慮して「運河」と命名されたものですので、
それを内水面と判断するには、やや苦しいような気がします。
運河をすべて内水面とするならば、極端な話、関空と泉佐野付近の間の水域を「運河」と
称するだけで、関空は島ではなくなります(え?まさか?)。
それとも、「運河」と称するための幅の制限とかあるのでしょうか??
逆に、港区・品川区本体とお台場の間は隅田川河口で挟まれているため、
ここも内水面と判断できそうです。そうなれば、両者は連続していることになり、
どっちにしろ、その場合でも「飛び地」ではなくなりますね。
ところで、法律上は、江東区の運河のどこまでが内水面と定義されているか、気になりますね。
運河と称しているものの、今更、江東区の内陸に広がるゼロメートル地帯を
「海に浮かぶ島」と認識するのも直感的には無理があり、
縦横に入り組んだ運河は、住民にとっては河川のような存在なのでしょうか。。。

「自治体領海」を擬制するということでしょうか。
そう、そのようなイメージですね!!

究極的には、「外国船籍の船や国際線は飛び地か」とか…。
どの程度の治外法権が認められるかわかりませんが、例えばある種類の麻薬が合法の国に籍を持つ船の中では、
例え日本沖であってもその麻薬をやってもいい、その程度でしょうか。(怖)
しかし、少なくとも、「地」ではありませんね(笑)
何か適切な表現があればいいのですけど(^^;;

[12071]カッパーさま
ぼくはその『携帯電話』も持っていません。僕としてもほしいしクラスの人も持ってるし・・・あ~~ほしい、ほしい、ほしいよ~
聞いた話でもうしわけありませんが、(あと、既に携帯を持つ若い方を脅してしまいますが)
脳に抵抗力があまりないような少年期に携帯を持つと、携帯から出る電磁波を直接側頭部(耳)に当てることより、
右利きの人は右脳に障害を受ける危険性が高く、最悪の場合、
脳腫瘍(のうしゅよう、脳のガンのこと)にかかる可能性もある、との研究があるそうです。
その抵抗力ができるのは、個人差はありそうですが一般的には17・8歳程度だそうで、
どこかの国(英国だったかな?)では、18歳未満の携帯所持を禁止しているのだとか。。。
(中にはその抵抗力もあてにならないという学者もいますけど。。。)
だから、携帯を持っている友達をうらやましがるのではなく、
心の底で「この人、危険なものを持っている、かわいそうな奴だ」と思い、(まるで悪魔??)
自分は高校卒業まで待って、卒業と同時に某社のCMのように、
「何をするか分かったモンじゃないかも??」とさりげなく親を脅してみましょう(笑)
[12090] 2003年 3月 30日(日)01:20:57ken さん
飛地横レス
まあ、皆さんの飛地定義論の論拠も、それぞれわかる部分もあるのですが、

私としては、海を絡めるのは、領海だろうが、排他水域だろうが、広い海のように見えて実は内水域であるものだろうが、どうも、今まで概念として持っている、「飛び地」という言葉に馴染まないんんですよね。
飛び地論は、陸上だけで完結させたいもんですが、どうなんですかね。

デンマークにも酒田市にも東京都にもインドネシアにも飛び地はない、と考えたいですが。
あ嘘、東京都には西大泉町の飛び地がありました。

海を挟んで、飛び地と言われると、どうも、対象が多すぎて、飛び地の珍しさ、地図上の不思議さ、が感じられず、何より、「飛び地の魅力」という視点から見ると、海を絡めると、私には飛び地の魅力半減、です。

それからまあ、どうでも良いことなんですが、
[12075]ちりたま さん
はじめまして
戊辰戦争の際秋田藩が官軍側に寝返った
とありますが、秋田藩は、最初から奥羽越列藩同盟には付かず、薩長側に与してますので、「寝返った」という表現は正確ではありませんね。
東北の中にあっては積極的勤皇派は秋田藩一藩で、孤軍苦戦し、庄内藩、南部藩に攻め入られ、秋田藩領内のほとんどが戦場になるなど苦戦してますので、「寝返り」は可哀相ですね。
しかしその分、その後報われたかというと、薩長から見れば、東北諸藩は、結局秋田藩も同様に写ったのか、秋田藩が戊辰戦争の功績云々くどくど言うのを新政府は煙たく思ったようで、結構冷たい仕打ちを受けてます。
激戦・苦戦だったこともあり、官軍側で、戊辰戦争による、戦争債務の額は、尾張名古屋藩に継いで2番目という高額で、新政府が肩代わりしてくれることを期待したようですが、はぐらかされたようです。
[12102] 2003年 3月 30日(日)12:21:22太白 さん
飛び地の定義談義(さすがに、そろそろ終盤戦?)
[12080] utt さん
 確かに、もともと海だった場所が「運河」という名称となっても、その「運河」の向こうは実質「島」ですね。扱いについては同感です。これを前提にすれば、台場は飛び地ではないことになりますね。uttさんとは飛び地の捉え方が近くなってきたと思います。
P.S. ご指摘のとおり、「愛知」ではなく「静岡」です。元記事は修正しました。

[12098] KMKZ さん
狭義の飛び地以外は、主観的要素なしでは判定できない…(中略)飛び地度なる判定値でも定義するにとどめ、実際に飛び地とみなすかは、各自の判断に任せるしかないのでは
 私は、「客観要素で飛び地度を図る」ことはある程度可能と思いますが、どの程度以上を「飛び地」という用語として表現するか、最もクリティカルなところは、おっしゃるとおり、各人の主観の問題ですね。私や般若堂そんぴんさんなどは、かなり広く認めていますが、[12090]のkenさんの、
海を絡めるのは、領海だろうが、排他水域だろうが、広い海のように見えて実は内水域であるものだろうが、どうも、今まで概念として持っている、「飛び地」という言葉に馴染まない
という立場に経てば、私が案として定義した「狭義の飛び地」であっても、領海が絡んでいる場合は「飛び地」とみなしませんから、立場はまさに人それぞれかと思います。

[12090] ken さん
海を挟んで、飛び地と言われると、どうも、対象が多すぎて、飛び地の珍しさ、地図上の不思議さ、が感じられず、何より、「飛び地の魅力」という視点から見ると、海を絡めると、私には飛び地の魅力半減、です。
 ご意見を非常に興味深く拝見いたしました。
 ひょっとしたら、重点を置く地図の違いに原因があるのかな…と思います。私自身は昔から境界のビジュアル面では日本地図より世界地図に興味があったため、kenさんの飛び地の定義を前提とすると、通常入手できる世界地図の範囲では飛び地が殆ど無く(アルメニアとアゼルバイジャンなど。しかもソ連時代は国の飛び地ではなかったですし)、逆に「見つからないから楽しみが半減」というところからスタートしております。また、例えばジブラルタルがイギリス領であることについて、ブリテン島周辺の島と同様の扱いであるとの捉え方がどうしてもできませんので…。

 KMKZ さんの言われる「準飛び地」のように、他に適切な用語があれば、「飛び地」というネーミングにこだわるつもりは毛頭無いないのですが、今のところ、適当な日本語として確立した用語がないのが現状かと思います。いずれにせよ、「飛び地」の判定に議論の余地があるものであっても、本体と離れて領土が成立することとなった歴史背景など、十分興味深い観察対象にはなっていると思います。
[30587] 2004年 7月 16日(金)02:31:47オーナー グリグリ
十四山村は名古屋市に接していない?
[30451] 2004 年 7 月 12 日 (月) 09:46:36 美濃織部 さん
私がグリグリさんがおっしゃっていると思われる村をウォッちずで確認したところ、ギリギリ引っかかっていませんでした。断言できる自信はありませんが…
[30521] 2004 年 7 月 14 日 (水) 01:24:53 美濃織部 さん
「政令指定都市に隣接している」です。
(中略)
グリグリさんとやりとりがあったのは、十四山村だと思います。
やはり引っ掛からないのが正解のようです。そう書いてあるHPを見つけました。
http://www52.tok2.com/home/ture/nawa/sa.html
ところで、市町村が隣接しているかどうかというのは、明確に定義できるのでしょうか。過去ログにこの話題があったような気もするのですが、見つけられません。

問題の十四山村は、 http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=35.5.42.396&el=136.47.59.424&la=1&sc=3&skey=%BD%BD%BB%CD%BB%B3%C2%BC&CE.x=260&CE.y=231
このヤフー地図でもウォッチずでも、名古屋市とは日光川の水面挟んで対峙しているように見えますが、川面に蟹江町が入り込んでいます。川面の境界も明確に定義されているものなのでしょうか。ひょっとしてこれは常識ですか。

海面はどうなのというのが次の疑問です。 http://map.yahoo.co.jp/pl?nl=34.15.22.302&el=133.3.55.067&la=1&fi=1&skey=%bd%bd%bb%cd%bb%b3%c2%bc&sc=5
広島県の瀬戸田町と愛媛県の上浦町は隣接していると言えるのか。もちろん、多々鞴大橋で隣接していると生活的には言えますが、市町村の隣接という法的な裏付けがあるのかどうかです。
[30599] 2004年 7月 16日(金)08:01:07N-H さん
水面をはさんだ自治体の隣接
ご無沙汰しておりますです。

[30534]いっちゃんさん
2位同士、3位同士を較べてみると、案外その都道府県の姿が見えてくるような気がします。
私もグリグリさん同様、この分析を見てあっと叫んでしまいました。
統計処理上一見複雑で意味がなさそうな比較でありながら、よく考えると実に都道府県の実態を表しているじゃありませんか。
なんかきとんとまとめて地理関係の学会で発表してもいいのでは?

[30593]グリグリさん
横須賀市が39画とされています
いつも会社の住所書くときにめんどくさいなとは思ってましたが、まさか日本で一番画数の多い市名だとは……

さて、本題です。
[30587]グリグリさん
ところで、市町村が隣接しているかどうかというのは、明確に定義できるのでしょうか。
そうなのです。海面、湖面、川をはさむと隣接の定義ってきわめてあいまいになります。
まず、通常の川をはさんでいる場合、常識的には隣接しているとみなしていますよね。
例:江戸川区と浦安市。陸地部分では全く接していませんが、この両者は明らかに隣接自治体でしょう。
ところが河口部付近になるとこれがなんともあいまいになります。
たとえば品川区と江東区は以前は隣接しているとはいえなかったわけですが、埋め立てが進んで現在は埋立地の上に立派に境界が引かれて明確に隣接しています。
しかし、この場合たまたま埋立地上に境界線を引きましたが、河川の延長上の水面に境界線が引かれるかもしれません。そうなると隣接しているのかどうかはあいまいですね。
さて、では横須賀市と富津市はどうでしょう?隣接しているのでしょうか?
間の浦賀水道上に東京都の本体と伊豆諸島とを結ぶ細長い東京都の領域があるから隣接しているとはみなされない? そんなことはないですよね。
すると伊豆諸島は東京都から見て飛び地になるのか?
など、興味はつきません。
さらにさらに、川崎市と木更津市はどうでしょう。本来隣接なんてとてもしているという感覚ではなかったのですが、東京湾アクアラインの開通により、どうみなされるのでしょう。あの道路をずっと走っていると、どこかに川崎市と木更津市の境界があるのでしょうか。
[41297] 2005年 5月 18日(水)00:24:49オーナー グリグリ
飛び地発見と定義について
ひょんなことから、比較的大きな飛び地を見つけてしまいました。大阪市の中の摂津市です。過去ログ漁りましたがどなたも報告されていないようです。太白さん、いかがでしょうか。

で、続けて飛び地ネタなんですが、

[11853] 2003 年 3 月 26 日 (水) 15:19:54【3】 太白 さん
本体より大きい飛び地を持つ国
かなり前の記事からです。「本体」「飛び地」の定義って、面積の大小に関わらず、首都、都道府県庁、市役所、区役所、町村役場がある領域を「本体」、それ以外を「飛び地」と言ってるのだと思いますが、

(1) 仮に、鹿児島市に市役所を置く三島村や十島村に飛び地があった場合に、どちらを飛び地というのか。

(2) 市町村合併の過程で、市役所等が2箇所以上に機能分割されて並存する可能性も出てくると仮定し、それらが飛び地だった場合、どこを本体とするのか。

と、あくまで仮定の話で恐縮ですが、「本体」「飛び地」という定義は将来的には不安定な要因があるんじゃないかなぁと思います。(現状上記のような事例はありませんよね)
[41305] 2005年 5月 18日(水)01:57:41太白 さん
第1回・落書き帳 飛地判定会開催
[41297] グリグリさん
比較的大きな飛び地を見つけてしまいました。大阪市の中の摂津市です。
これは新発見ですね! 早速収録しようと思ったのですが、地図の縮尺を1/8000にしてみると、何と、つながっているではないか!
しかも、国土地理院の地図では、「飛地」で検索されない場所ですので、早速、第1回飛地判定会を開催いたします(笑)。

各地図における現地の状況:
国土地理院電子ポータル:1/25000レベルでは、摂津市の領域としてさえ認識されていない
Mapion/Yahoo(上記):1/3000の縮尺のみ、飛地として表示
ゼンリン/Goo:飛び地ではない
(地図中、にある「王子板紙」の所在地をネットで検索すると「東淀川区南江口3丁目」なのですが、飛び地候補地の南東隣接地も同社の敷地なので、判断できません。
Mapfan:飛び地ではない
Onmap:地図を表示し、拡大すると飛び地になっている

というわけで、評価が分かれるのですが、一番下に挙げたOnmapは、大阪空港の細かな飛び地も正確に表現しており、かなり正確性が高いと思われること、この飛び地について言及したサイトがあることから、飛び地と判定したいと思います。ありがとうございました。

「本体」「飛び地」の定義…「本体」「飛び地」という定義は将来的には不安定な要因があるんじゃないかなぁ
え~っと、この手の話は非常に好きなので終わらないおそれがあるのですが、敢えて書きますと、まず、市役所や役場所在地を「本体」の判断基準とすることに「不安定な部分がある」とのご指摘は、そのとおりだと思います。以下に書くように、この基準は、現状でも厳密には論理破綻する部分があると思います。
 ただ、「飛び地」とは、国語辞典によれば「飛び離れた領土・土地・領地」と定義されている以上、「何かから」飛び離れていなければならず、それを「本体」(と呼ぶかはともかく)として観念することは必要なわけです。(この点まで、グリグリさんが不要と言っているわけではないと思いますが)

(1) 仮に、鹿児島市に市役所を置く三島村や十島村に飛び地があった場合に、どちらを飛び地というのか。
 例えば、「(領域が2つに分断されている)南箕輪村の役場が伊那市内にあった」と仮定します。この場合、役場基準で考えると、人口や面積は関係ないのですから、そもそも、「どちらが飛び地か」という問題には答えようが無くて、「どちらも飛び地」か、「どちらも飛び地ではない」としか答えようがありません。
(1)「どちらも飛び地」と答えた場合:役場所在地は「伊那市」であるにもかかわらず、そこが本体ということになり、おかしい。
(2)「どちらも飛び地ではない」と答えた場合:2つの領域は「飛び離れた土地」であるにもかかわらず、飛び地でないことになる。

 つまり、市役所が本体という議論は、それが領域内にあることが前提になっています。役場所在地が本体という議論を突き詰めると、現在の十島村の本体は鹿児島市内の役場所在地だ!ということになりますが、これを支持する人は殆どいないと思います。

市役所等が2箇所以上に機能分割されて並存する可能性も出てくると仮定し、それらが飛び地だった場合、どこを本体とするのか。
これは考えたことが無かったのですが、「飛び離れた土地」である以上、「両方とも飛び地ではない」とはいえないでしょうね。「相互に飛び地」と言うかどうか。しかし、この場合に「相互に離れているから、両方とも飛び地だ」というと、およそ、全ての「本体」も「飛び地」として表現する必要が出てくるので、悩ましいですね。


 以上のように、不安定な部分があることは認めた上で、南箕輪村や、旧新南陽市のような、大きい飛び地の事例を「珍しいもの」として抽出しようとすると、「市役所・役場のある方が本体」として定義するのが最もシンプルであり、かつ、今のところ、特に問題が生ずることはないのではないかと、私自身は考えています。
[61174] 2007年 9月 16日(日)11:03:41【1】オーナー グリグリ
第十六回全国の市十番勝負問九について & 飛び地コレクション(太白さん)へのコメント
表題の件、まず、問九の全ての想定解28市について確認してみます。

問九:横須賀市、広島市、長崎市、佐世保市、鹿児島市
■他の自治体により海岸線を分断されている市(分断部分が河口や港湾まわりの微小な場合は除く)

【説明】種別(分離型=自治体本体が分離している場合/一体型=分離していない場合)
    飛び地コレ:分離型のもので飛び地コレクションに掲載されているもの

想定解市種別飛び地コレ想定解市種別飛び地コレ
1釧路市分離型掲載済 15八幡浜市一体型
2むつ市一体型 16土佐市分離型未掲載
3石巻市一体型 17須崎市一体型
4南房総市一体型 18唐津市一体型
5横須賀市一体型 19長崎市一体型
6静岡市分離型掲載済 20佐世保市分離型掲載済(準飛び地)
7豊橋市一体型 21諫早市一体型
8尾鷲市分離型未掲載 22雲仙市一体型
9洲本市一体型 23上天草市一体型
10米子市一体型 24天草市分離型未掲載
11広島市分離型掲載済 25鹿児島市分離型未掲載
12福山市一体型 26垂水市一体型
13尾道市分離型掲載済(準飛び地) 27奄美市一体型
14萩市一体型 28名護市一体型

上記の通り海岸線の分断タイプには元の自治体が分離する分離型と分離しない一体型があります。分離型の場合、飛び地と言えそうなのですが、太白さんの飛び地コレクションの掲載状況を確認したところ上記の通りです。太白さんに以下確認です。

1.未掲載のものの追加を検討してはいかがでしょうか。

2.尾道市と佐世保市は準飛び地となっていますがその基準は何でしょうか。

3.そもそもこれらは飛び地コレクションの対象なのでしょうか。
飛び地コレクションの説明文によるとコレクション対象の飛び地とは、
(1)他の自治体に完全に囲まれているもの、または、
(2)他の自治体と水域に囲まれており、本体と結んだ直線上に他の自治体が挟まっているもの
となっており、この基準を当てはめますと上記の分離型はすべて対象外となると思われます(2項に該当しない)。

4.前項に関連して、飛び地コレクションにある佐世保市宇久町を飛び地としているのは上記基準の(2)に該当するからでしょうか。宇久島、寺島ともに佐世保市本体と直線でギリギリ見通せない位置関係のようです。

5.問九の除外条件である「分断部分が河口や港湾まわりの微小な場合」に該当する堺市浦添市のケースも飛び地と見なすかどうかが難しくなってきます。飛び地コレクションの対象規定を整理する必要があると考えます。

6.問九では海岸線が分断されていないとしている射水市宮津市岡山市の場合も微妙になります。

以上、問九の想定解を調査している段階から飛び地コレクションとの親和性を意識しておりましたので、今回整理してコメントしてみました。
[67200] 2008年 11月 5日(水)21:16:25【3】太白 さん
久々の書き込み(自治体の飛び地コレクション)
 ごぶさたしております。1年3か月ぶりの書き込みなので、「誰だよ」と言われそうですが。西日本に引っ越したこともあり、兵庫・佐賀での宿泊を経て、残る未宿泊県は滋賀のみとなりました。経県度比率ランキング で宿泊者比率46位の佐賀は何とかクリアしたものの、メンバーの半分以下しか泊まったことのない、同47位の滋賀はやはり、難攻不落です…。

 落書き帳も、もうすぐ9年を迎えられる中、最近は貢献しておりませんで、メンバー紹介文担当も、先日かぱぷうさんと日本人さんに引き継いでいただき、ありがとうございました。一方で、担当コレクションの更新が滞っておりましたので、自治体の飛び地コレクションについて、ご指摘を受けていた分を含め、更新しました。

 相当前に[61174]グリグリさんで御指摘を受けた、飛び地コレクションの考え方については、「いまさら感」もあるかも知れませんが、以下、編集担当としての考え方を整理したいと思います。

 まず、相当前に「飛び地論争」があった際にここに書き込みましたが、できるだけ、「飛び地といえそうなところは広く収録したいが、定義は客観的にしたい」という、編集者個人としての「思い」があります。
 飛び地コレクションにおいて、
(1)他の自治体に完全に囲まれているもの
に当てはまる場合、飛び地と判断することに異論はないと思いますが、

(2)他の自治体と水域に囲まれており、本体と結んだ直線上に他の自治体が挟まっているもの
は、まさに、釧路市のようなケースを飛び地として収録したいと考えたからです。より正確には、「他の自治体と水域に囲まれており、本体と結んだ最短距離の直線上に他の自治体が挟まっているもの」ということでしょうか。これによって、グリグリさん御指摘のとおり、佐世保市宇久町のケースも飛び地として収録される結果になっています。

 一方で、琵琶湖で隔てられた高月町や湖北町のケースは、上記の定義には当てはまらないので、ある意味番外として、「準飛び地」として収録しています。いま思えば、これをごっちゃにしていることが、「基準のわかりにくさ」を生んでいるなあと反省しています。

 もし、条件を緩和して、単に、「海岸線で分断されていれば飛び地」だとすれば、射水市や浦添市、福山市といったケース、さらにはお台場とか関西空港のようなケースまで、すべて飛び地に当てはまることになります。川で分断されている場合は、「内水面で隔てられているだけで、川も自治体の領域だから、飛び地とは言わない」といえるにしても、このようなケースをすべて、準飛び地として収録してよいか、編集者として迷うところではあります。
 また、グリグリさんが書かれている「分断部分が河口や港湾まわりの微小な場合」の「微小」は、客観的な定義が困難であることを懸念しています。

 選択肢としては、
(1)自治体の飛び地コレクションの定義を厳格に適用する。準飛び地として掲載されている例は、すべて削除する。
(2)外水面で隔てられているもののうち、本体と道路等で直接つながっていない領域については、(飛び地ではないが)「番外編」として収録する。(飛び地リストからは区別する)

 個人的には、「視覚的に面白い領域」であれば収録したいので、上記(2)の方向で編集できればと思います。あまりに数が多い場合、収拾がつかなくなりますが。

 いずれにせよ、琵琶湖周辺のケースは、内水面の境界が確定したこともあり、涙を飲んで(?)飛び地リストからはずしたいと思います。

#ループ橋のほうは、さらに多くの情報提供等をいただいているので、稿を改めます。
[67224] 2008年 11月 9日(日)16:00:59オーナー グリグリ
飛び地の定義について
以下はあくまでも私の考えです。

[67200] 2008 年 11 月 5 日 (水) 21:16:25【3】 太白 さん
相当前に[61174]グリグリさんで御指摘を受けた、飛び地コレクションの考え方については、「いまさら感」もあるかも知れませんが、以下、編集担当としての考え方を整理したいと思います。
太白さんの考え方を理解いたしました。
その上で私の感想と言うか提案になります。結論を言うと、以下のような定義の方が私には違和感が少ないと感じます。

(1) 陸続きの領域で他の自治体を通らないと到達できないもの
(2) 内水面(湖沼)でのみつながる場合は準飛び地とする

(2)は琵琶湖で隔てられた高月町や湖北町のケースを想定しています。

私には、釧路市と、尾鷲市、尾道市、鹿児島市(桜島)などのケースを区別するのが気持ち悪いですし、佐世保市宇久町を飛び地とするのも違和感を感じます。

なお、分断部分が河口や港湾まわりの微小な場合については、できる限りリストアップするとした方がすっきりするかもしれません。この場合、河口など内水面の境界を明確に知る必要が出てきますね。まぁ、そのあたりはできるだけリストアップすると言うことでよいかなと思います。いかがでしょうか。
[67230] 2008年 11月 9日(日)17:33:45N-H さん
Re:飛び地の定義
[67224] オーナー グリグリさん
(1) 陸続きの領域で他の自治体を通らないと到達できないもの
(2) 内水面(湖沼)でのみつながる場合は準飛び地とする

上記の定義ですと、「他の自治体に完全に囲まれている」か否かにかかわらず、陸続きでないと飛び地と認めないということですね?

しかしながら、たとえばこれは仮定ですが、
(1)北海道と奈良県が同じ自治体だった場合
(2)洞爺湖の中島と札幌市が同じ自治体だった場合
のようなケースはいずれも上記の定義では飛び地ではないということになりますが、これでいいのでしょうか?
[67233] 2008年 11月 9日(日)18:16:34【1】オーナー グリグリ
Re: Re:飛び地の定義
さっそくのふぉろ~をどうもです。

[67230] 2008 年 11 月 9 日 (日) 17:33:45 N-H さん
(1)北海道と奈良県が同じ自治体だった場合
(2)洞爺湖の中島と札幌市が同じ自治体だった場合
私の感覚ではどちらも明らかに飛び地です。

なるほどねぇ、ということは、
(1) 陸続きの領域で他の自治体を通らないと到達できないもの
の定義は単に
(1) 他の自治体を通らないと到達できないもの
でいいのでしょうね。

追記:
いろいろなケースを検証すると定義も複雑になると思うのですが、私の定義でもなんとなくしっくりしない点もあります。例えば、佐世保市のここ(旧小佐々町)は、佐々町が海に面していると判断できますので私の定義では飛び地になります。次に仮に平戸市のこのあたり(平戸島の一部分)が佐世保市だったとしても、私の定義では飛び地になりません。これは平戸市が佐世保市と陸続きの部分(旧田平町)があることから違和感を感じてしまいます。
[67236] 2008年 11月 9日(日)20:17:36N-H さん
飛び地の定義の困難さ
[67233] オーナー グリグリさん

早速の反応、ありがとうございます。以前「飛び地の位相幾何学的定義」をしようとしたこともあり、この話題にはこだわりがあります。

(1) 他の自治体を通らないと到達できないもの

これもまた、定義が広すぎるような気がします。
たとえば、小さな島AとBがあり、間を阻むようにやや大きな島Cがあったとします。
AとBは同じ自治体であり、Cは別の自治体とします。
A島のどこの領域からB島のすべての領域に直線を引いても必ずC島の上を線が横切ってしまいます。
このような場合、AとBは飛び地の関係にあるとはなかなか言いがたいような気がするのです。
いかがでしょうか?
[67237] 2008年 11月 9日(日)20:56:13オーナー グリグリ
Re:飛び地の定義の困難さ
[67236] 2008 年 11 月 9 日 (日) 20:17:36 N-H さん
この話題にはこだわりがあります。
ふふふっ、私も拘りたいですね。
ただ、どうもN-Hさんと私の感覚は一致しているような気がします。
たとえば、小さな島AとBがあり、間を阻むようにやや大きな島Cがあったとします。
AとBは同じ自治体であり、Cは別の自治体とします。
A島のどこの領域からB島のすべての領域に直線を引いても必ずC島の上を線が横切ってしまいます。
このような場合、AとBは飛び地の関係にあるとはなかなか言いがたいような気がするのです。
はい、私の定義でも明らかにこれは飛び地ではないですね。飛び地の定義に直線を持ち込むのは賛成できません。あくまでも位相幾何学的に連続するかどうかだと思います。

私の定義である、
(1) 他の自治体を通らないと到達できないもの
をもっと厳密にくどく書き直すと次の通りです。

(1) 陸続きでない場合は海または内水面(湖沼)を通ってもよいが、それでも他の自治体を通らないと到達できないもの
[67238] 2008年 11月 9日(日)21:21:06N-H さん
Re:Re:飛び地の定義の困難さ
[67237] オーナー グリグリさん
(1) 陸続きでない場合は海または内水面(湖沼)を通ってもよいが、それでも他の自治体を通らないと到達できないもの
なるほど。これならわかりますが1点確認です。陸続きの場合は陸地経由で他の自治体を通らないと到達できないならば飛び地とするということでよろしいでしょうか。
一方、陸続きでない場合は、どのように2つの領域がかけ離れていても両者ともに海に面している限りは飛び地とは言わない、ということですね。
前者の例として、アラスカはアメリカ合衆国の飛び地、後者の例として、佐世保市宇久町が飛び地でないのと同様フランス領ギアナやタヒチはフランスの飛び地ではないと。
まあ、言わんとするところはわかります。
ただ、また仮定の話として、対馬の北端と南端に同じ自治体に属する離れた領域があったとしましょう。この場合、対馬は1つの島と考えれば飛び地になりますが、地峡が切り離された瞬間に飛び地でなくなるということになります。なんかしっくりこない気がしますが、まあ仕方ないのかな。
[67239] 2008年 11月 9日(日)21:29:46オーナー グリグリ
Re:Re:Re:飛び地の定義の困難さ
[67238] 2008 年 11 月 9 日 (日) 21:21:06 N-H さん
なるほど。これならわかりますが1点確認です。陸続きの場合は陸地経由で他の自治体を通らないと到達できないならば飛び地とするということでよろしいでしょうか。
一方、陸続きでない場合は、どのように2つの領域がかけ離れていても両者ともに海に面している限りは飛び地とは言わない、ということですね。
はい、その通りです。

ただ、また仮定の話として、対馬の北端と南端に同じ自治体に属する離れた領域があったとしましょう。この場合、対馬は1つの島と考えれば飛び地になりますが、地峡が切り離された瞬間に飛び地でなくなるということになります。なんかしっくりこない気がしますが、まあ仕方ないのかな。
全くその通りで、[67233]で追記した佐世保市の例が同じケースです。まぁ、実際にはそのような事例がないので、とりあえずはこれでいいのかなと思っています。

佐世保市宇久町が飛び地でないのと同様フランス領ギアナやタヒチはフランスの飛び地ではないと。
ギアナやタヒチは海外領として広義には飛び地と言いたいですね。ただ、じゃぁどこまで離れていれば飛び地なのかという程度問題になってしまうので、やはり、飛び地の定義としては、

(1) 他の自治体を通らないと到達できないもの
(2) 内水面(湖沼)でのみつながる場合は準飛び地とする

と軽くまとめておきたい気がします。
[67241] 2008年 11月 9日(日)22:29:44【2】太白 さん
飛び地の定義
何か、数年前(!)に議論した話題の続きの気もしますが(笑)

[67239]ほか グリグリさん
[67238]ほか N-H さん
 おそらく、基本的な考え方として、私は、お二人より飛び地を広く判断する(したい?)傾向があると感じました。(編集者として、できるだけ多く収録したい、という気持ちを含めて)
 タヒチや仏領ギアナはもちろんのこと、セウタだってスペインの飛び地だと認識しているし、[67236]でN-Hさんが例示されている飛び石状の島の配置ケースも、私から見れば立派な「飛び地」です。だからこそ、「飛び地の定義に直線を持ち込」んだうえ、佐世保市宇久町をリストに加えているわけです。

 他方で、「一般的な(というか、多数派の?)感覚として飛び地を収録する」というのが地名コレクションの趣旨にも合うと思います。

 そこで、具体的なケースに照らして確認ですが、[67237]でグリグリさんが提案されている、
(1) 他の自治体を通らないと到達できないもの
・・陸続きでない場合は海または内水面(湖沼)を通ってもよいが、それでも他の自治体を通らないと到達できないもの
という定義では、釧路市や尾鷲市、お台場(品川区)や関西空港(泉南市)は「飛び地」となるのでしょうか?
 釧路市や尾鷲市、お台場は陸続きだから、飛び地とするが、関西空港は陸続きでないから、飛び地でないということでしょうか?
 あるいは、関空は「橋でつながっている」から陸続きという判断も可能ですが。
 
 これまでの議論に照らすと、人によって飛び地の範囲の意見が分かれるため、異論のないケース以外は、
(2) 内水面(湖沼)でのみつながる場合は準飛び地とする
と同様、「準飛び地」としたほうがよい気がします。
 また、(2)の内水面のケースは、湖沼限定で、河川は除外するということですね?(河川を入れると収拾がつかないので)

 すなわち、以下の定義ではいかがでしょうか。長ったらしく定義していますが、「準飛び地」の範囲以外は、グリグリさんの定義と似たようなものです。

(1) (海や湖沼を通ったとしても)どうしても他の自治体を通らないと到達できないものは「飛び地」
 →完全に他の領域に囲まれているケースに加え、飛び地が海に面している場合を含む。直線の概念は関係ない。
(2) 陸続きの場合であって、陸路では他の自治体を通らないと到達できないものは準飛び地
 →釧路市や尾鷲市のようなケース。陸続きでないために除外される具体的なケースとして、関西空港。
(3) 内水面(湖沼)でのみつながる場合も準飛び地
 →琵琶湖のケース

#この場合でも、限界事例として、お台場と関西空港の扱いに差が出るようですので、やや違和感はあるのですが・・・。


【追記】それはそうと、こんなところに県レベルの飛び地があるとは知りませんでした。
[67244] 2008年 11月 10日(月)02:35:23【1】faith さん
飛び地の定義
ご無沙汰しております。飛び地の定義スレッドの皆様:

陸地でつながっているのか水面でつながっているのかを問わず、
・行政区画が連結(任意の2点を結ぶ曲線を、行政区画内のみを通るようにひける)であれば飛び地なし、
・そうでなければ飛び地あり、
と判断し、
「どれが飛び地か」を決める必要であれば、人口が最も多い連結領域以外をそう呼ぶ、というのはどうでしょうか。

何か私が知らないことがあるのかも知れませんが…
ただ、「飛び地」という概念自体は、もともと定義を与えずとも、何となく使われている単語なので、どのような定義を行っても、限界的な事例では見解が分かれるのは致し方ないのかなと思います。

※誤字訂正
[67249] 2008年 11月 11日(火)01:42:58白桃 さん
能生が膿んで喜多方市
皆様の「飛び地」に関する論議、とても興味深く読ませていただきました。
でも、久しぶりにアタマを絞ったので、明日の仕事に費やす知力を使い果たしてしまいました。(^l^)~~
結局、皆様のお考えをまとめると、
A域とB域が
(1)陸地でつながっている場合、いかようにしても第三領域を経由せざるをえない場合は「飛び地」とする。
(2)陸地でつながることなく、間に海(内水)域を介するとき、A域、B域双方、または、いずれかが当該の海(内水)域に面していない場合を、「飛び地」とする。

ここで、クエスチョン:
香川県と高知県と淡路島が白桃国だとします。で、東かがわ市が首都だとします。淡路は「飛び地」ではないが、高知地域は「飛び地」である???
だけど、南あわじ市が首都だとすると、香川地域も高知地域も「飛び地」にはならない???

また、頭が痛くなったので、話題を変えます。

白桃「ここんとこ、若年層の海外旅行離れが激しい」と、独り言。
桃娘「今のヒト、国内にめざめてきたのよ。」
白桃(ココロの中で)「じゃ、なんで袋田の滝が日光にあるの?」
[67252] 2008年 11月 11日(火)08:14:51N-H さん
飛び地
[67249]白桃 さん
香川県と高知県と淡路島が白桃国だとします。で、東かがわ市が首都だとします。淡路は「飛び地」ではないが、高知地域は「飛び地」である???
だけど、南あわじ市が首都だとすると、香川地域も高知地域も「飛び地」にはならない???

う~む、これはまた鋭いご指摘ですね。
確かに、飛び地という言い方には、どちらかが主で従のほうが飛び地という言い方をしますね。
さすれば、主に対して従が複数あった場合、主から見たら従はいずれも飛び地ではないが、従同士が飛び地とみなされうると。かようなことの起きないようにするためには、2箇所以上の領域のすべての領域間で一意に定義できる飛び地の規定が必要になるのか……
[67253] 2008年 11月 11日(火)12:54:22ペーロケ さん
従同士が飛び地であっても
[67249]白桃さん
だけど、南あわじ市が首都だとすると、香川地域も高知地域も「飛び地」にはならない???
飛び地にしていいと思います。現に[60435]般若堂そんぴんさんご指摘のここ、誰がどう見たって飛び地ですね。こうすれば、仮に尾道市役所が向島に移転したとしても対応できます。
[67255] 2008年 11月 11日(火)21:00:13【3】じゃごたろ さん
飛び地に関する、定義と感覚
こんばんは、じゃごたろです。
立冬を過ぎ、今週は甲斐駒にも積雪が見られ、いつタイヤ交換をするかが話題になりはじめてきました。オフ会に参加する場合には、それが最大の問題です。

[67249] 白桃 さん
香川県と高知県と淡路島が白桃国だとします。で、東かがわ市が首都だとします。淡路は「飛び地」ではないが、高知地域は「飛び地」である???
だけど、南あわじ市が首都だとすると、香川地域も高知地域も「飛び地」にはならない???

[67252] N-H さん
[67253] ペーロケ さん

白桃さんの例。

香川県に首都があった場合、淡路は飛び地でなく、高知県は飛び地。
淡路に首都があったら、香川県も高知県も飛び地ではない。
では、高知県に首都があったとしたら、やはり淡路は飛び地ではなく、香川県は飛び地。

これらを総体的に判断すると、香川県と高知県は互いに飛び地の関係にあるが、淡路と香川県、淡路と高知県は飛び地の関係ではないということ。感覚的に受け入れられるかは別として、論理的には十分な定義と言えるでしょう。

逆にいえば、主従を逆にしたらとたんに破綻するするようでは十分ではないでしょうから、「定義」とするにはそれをも満たす必要があるでしょうね。


【追記】
和歌山県の北山村は、わかりやすい飛び地ですよね。もしこの北山村に和歌山県庁があったとしたら、和歌山県の多くは飛び地扱いということになるでしょう。しかし、現在はそうではありません。現在の状況で、和歌山県の多くが北山村に対して飛び地であると感じる人はそういないと思います。

しかしそれでも、互いに「飛び地の関係」であることは変わりないことだと思います。
[67256] 2008年 11月 11日(火)22:00:12N-H さん
誰がどう見たって?
[67253]ペーロケ さん
現に[60435]般若堂そんぴんさんご指摘のここ、誰がどう見たって飛び地ですね。
いや、グリグリさんの定義からすると、これは飛び地ではないということになりますね(役所のある本体とは陸続きでないから)。

私は実のところ飛び地の定義としてはかなり狭義の飛び地信者でして、2つの領域のうち一方は他の自治体に完全に囲まれているもののみが真正な飛び地と考えております。
ですからアラスカはせいぜいアメリカ合衆国の準飛び地程度に思えます。
[67257] 2008年 11月 11日(火)23:20:11ペーロケ さん
主従関係って。。。
[67256]N-Hさん
いや、グリグリさんの定義からすると、これは飛び地ではないということになりますね
 いやあ、昼休みでかなり時間がなかったので言葉足らずでした。この範囲だけを見ると飛び地のようにも見えますが、役所は別の島(白桃国で言うと淡路島)にあるので、あえてここを例示させていただきました。

グリグリさん理論では
あくまでも位相幾何学的に連続するかどうかだと思います。
が重要ということなので、陸続きの領域がある場合は、海を飛び越えるのではなく、陸続きで移動する方が優先され、その際に別の自治体を通らないといけない、という意図だろうと思います。それを、役所が別の島(すなわち、本体じゃない)の領域にも拡大解釈したわけですが、グリグリさんは本体が云々ということはおっしゃっていませんよね?

 そもそも、本体っていう概念もあまりシックリ来ません。仮に平戸市が波佐見町を編入した場合は、波佐見町域が飛び地になるんでしょうが、佐々町だったら飛び地じゃなくなるのも変ですね。あと、まずありえないでしょうが、三島村や十島村が内陸の自治体を編入した場合はどうなるんだろう?とか。。。
[69038] 2009年 3月 28日(土)15:34:46【1】hmt さん
「飛び地」の魅力 (11)本体とは何か? 分体の飛び地も考えたい
飛び地のことを長々と記しながら、私は飛び地の定義には触れずにきました。
トポロジーでは、2つの領域の相対的な位置関係を対象とするにしても、人文地理的な用語の「飛び地」は「本体」と対比され、主従関係にある使われ方がされています。

では、「本体」とは何か?
過去記事を見ると、市役所・町村役場などのある地域を指すのが主流になっているようですが、 [11959][41297]等で指摘されているように、便宜上から村外に設置されることもある役場[19799]を基準にすることは、適切とは思われません。
「本体」とは、主たる居住地のある地域ぐらいでいかがでしょうか? 簡単に言えば、人口の多い方が本体。

ところが、前回[69023]ちょっとだけ登場した天草市倉岳町(天草上島)の、 棚底湾対岸 に関して、次のようなやりとりがありました。

【以下引用】
[67253] ペーロケ さん
【香川県と高知県と淡路島とからなる白桃国で南あわじ市が首都だとしても、香川地域も高知地域も】
飛び地にしていいと思います。現に[60435]般若堂そんぴんさんご指摘のここ、誰がどう見たって飛び地ですね。

[67256] N-H さん
いや、グリグリさんの定義からすると、これは飛び地ではないということになりますね(役所のある本体とは陸続きでないから)。
【引用者注: グリグリさんの定義[67237]は、“陸続きでない場合は海または内水面(湖沼)を通ってもよいが、それでも他の自治体を通らないと到達できないもの”となっており、市役所のある天草下島からならば、海を通って到達できる。】

[67257] ペーロケ さん
グリグリさん理論では
あくまでも位相幾何学的に連続するかどうかだと思います。
が重要ということなので、陸続きの領域がある場合は、海を飛び越えるのではなく、陸続きで移動する方が優先され、その際に別の自治体を通らないといけない、という意図だろうと思います。それを、役所が別の島(すなわち、本体じゃない)の領域にも拡大解釈したわけですが、グリグリさんは本体が云々ということはおっしゃっていませんよね?
そもそも、本体っていう概念もあまりシックリ来ません。(以下略)
【引用終】

この議論、直感的には飛び地肯定説に傾くのですが、天草市の本体は(市役所基準でも人口基準でも)天草下島ですから、こちらからの視点ならば、否定説に軍配が上がります。
つまり、問題の地域は、倉岳町など天草上島内の地域から見れば飛び地ですが、天草市の本体である天草下島内の地域からは飛び地でないということなのですね。

“(天草市の)本体に対する飛び地”という筋を通せば後者になるが、地理的に近接した前者を無視した考えには納得せず。
つまり、“倉岳町など天草上島内の地域に対する飛び地”という概念を取り入れる必要があると思います。

天草市のように、陸続きでない複数の地域からなる領域を、仮に「本体」と「分体」という言葉で区別すれば、問題の地域は、“分体の飛び地”ということになります。問題の地域も小さいながら分体ですから、正確に言えば、“(天草市の)主たる分体(であるところの天草上島地域)の飛び地”ということになるでしょう。

陸続きでない複数の地域が一つの領域を構成するのは、極めてありふれたことです。
日本そのもが島国だから、当然これに該当します。本州が本体であり、北海道・九州・四国などの主要な分体があります。分体のうち、小さなものは離島と呼ばれています。

[11853] 太白 さんが例示したデンマークは、コペンハーゲンがあるシェラン島が本体ですが、本体よりも面積が大きい分体であるユトランド半島は、大陸の一部です。両者の間にはフュン島(古都オーデンセ所在地)があり、これも主要な分体です。もちろん面積最大の分体はグリーンランドです。

大陸にある島国の分体として赤道ギニアも例示されていますが、歴史上の顕著な事例として、イギリスがありました。
1066年、イングランドを征服して王朝を開いたのはノルマンディー公。英語読みの名はウィリアム1世。
イギリスの本体はグレートブリテン島ですが、1180年の図(百年戦争 背景) を見ると、イギリス王家は、ノルマンディー地方だけでなく、フランスの大半に及ぶ巨大な分体を領有していたことがわかります。

急にスケールが小さくなりますが、長崎県平戸市も、本体が島にあり、分体の田平町が九州本土にあります。

上記やりとりの中で、[67257] ペーロケ さん (以下略)と書いた部分
仮に平戸市が波佐見町を編入した場合は、波佐見町域が飛び地になるんでしょうが、佐々町だったら飛び地じゃなくなるのも変ですね。

この場合、佐々町は、九州本土の分体に対しては飛び地になりますが、平戸市本体の飛び地ではありません。
内陸の波佐見町は、平戸市本体に対しても飛び地になります。

【追記】「棚底」という地名について
本文で“棚底湾対岸”と書きましたが、リンクしたMapionも、ウオッちずも“柵底湾”と記載しています。
しかし、25000分の1地形図の図名は「棚底」(たなそこ)であり、棚底開拓地、棚底川などの表記もあるので、棚底湾が正しいものと推測しました。
[69048] 2009年 3月 29日(日)12:52:18【1】hmt さん
「飛び地」の魅力 (12)内陸型飛び地・川崎市麻生区岡上
[69040] Issie さん
ノルマン朝は当然にイングランドの王家ではありましたが,大陸,つまりフランスではあくまでも「フランス王」であるカペー朝の歴代王の“家臣”でありました。

琉球王国を征服した島津家が、日本では徳川家に臣従していたようなもの? 
あちらさんは本拠地をイギリスに移したのに、こちらではあくまでも薩摩が本体という点は大きな違いですが。

ジョン・バ・イッシー

飛び地の話題からウィリアム征服王、ジョン失地王を経て Issie さんと「ご同名」の王様の話になるとは、意外な展開。
雑談の醍醐味ですね。

本筋の飛び地。
「飛び地」には、本体に対する飛び地だけでなく、天草上島の例で見たような「分体の飛び地」もあることがわかりました[69038]
これまで、飛び地に対する「親」の地域を本体と呼んできましたが、自治体の中で人口最大の地域でない分体についても、飛び地の存在を認めることにしたいので、飛び地域に対する本地域という意味で、「本域」と改めます。

「親」の地域である本域との関係に注目すると、飛び地は、以下の3分類に改めた方が適切と思われます。

内陸型 = 飛び地が内陸であるもの。本域は内陸・沿海の区別不問。
市浦(しうら)型 = 飛び地は沿海で、本域は内陸のもの。
沿海型 = 飛び地と本域の双方が沿海であるもの。

2番目の命名は異質ですが、五所川原市 市浦にちなんだものです。さしあたり思いつく類例としては、隣接した 中泊町 小泊がある程度です。共に2005年津軽半島で誕生。

内陸型飛び地に入ります。
そのトップスターとして挙げたいのは、川崎市麻生区の 岡上 です。過去記事
これは、昭和14年に行なわれた横浜市第6次(17町村編入)・川崎市第6次(2村編入)の市域拡張の際に行なわれた、都筑郡岡上村の 川崎市 への飛び地合併で生まれたものでした。

【追記】
むじながいり さん の パラパラ地図神奈川県 をリンクしました。
第6次市域拡張のあった1939/04/01と、その直前(1938/10/01)とを対比してください。

改正新旧対照市町村一覧(1913) で岡上村を見ると、役場は 柿生 と記されています。
現在は「おかがみ」と呼んでいるようですが、「ヲカノボリ」というフリガナが付いていました。

岡上村が 柿生村とのペア を組んだことは、既に [817]Issieさん によって紹介されています。
明治22年の町村制で組合役場を作った鶴川(鶴見川)流域の都筑郡柿生・岡上の2村ですが、間にある南多摩郡鶴川村(能ヶ谷、三輪)の領域により隔てられた「飛び地組合」でした。
現在の飛び地の淵源は、都筑郡の間に南多摩郡が入り込んでいた行政区画にありました。

もっと遡れば、江戸時代初期には多摩郡だったらしい岡上村が、都筑郡に移ったのが遠因だそうで[68630]

南多摩郡鶴川村の前身である小野路村や野津田村のことは、[33902]で書いたことがあります。
鶴川村になって4年後の明治26年には 東京府に移管され[33700]、岡上村から 役場のある柿生村に行くには 東京府経由ということになってしまいました。
# 東京府になって2年後の1895年、鶴川村の小島鹿之助(近藤勇の後援者で義兄弟)に孫娘が生まれました。私の母です。大昔のことを書いているようでも、私にとっては、ある程度は身近に感じることのできる時代と地域なのでした。

この地域は、かつて「禅寺丸」という小さな甘柿の産地でした。柿生という村名は、これに由来。現在は小田急の駅名。
子供の頃はよく食べたものですが、もっと見栄えの良い大きな柿が市場に出回っている現在、禅寺丸を口にする機会はなくなりました。

飛び地の岡上村に話を戻すと、1939年の横浜・川崎の市域拡張の際に、低い分水嶺を介して背中合わせ(こちらは鶴見川支流の恩田川流域)の田奈村[34657]と共に横浜市に合併すれば飛び地が解消したのでしょうが、組合役場時代の飛び地状態を維持したまま、川崎市への合併という結果になったのですね。

本域の川崎市は、もちろん沿海ですが、岡上飛び地の淵源は柿生組合村の飛び地であり、本域側が 1939年に大きな川崎市の一部となって海に面したことが、岡上飛び地に影響を及ぼすこともありません。
今回改めた分類で、「内陸型」の本域につき それが内陸であるか沿海であるかの区別を不問 にしたのは、このような理由によるものです。


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