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落書き帳

国土行政区画総覧

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[18675]2003年7月28日
スナフキん
[18683]2003年7月28日
スナフキん
[18693]2003年7月29日
スナフキん
[19499]2003年9月1日
スナフキん
[19990]2003年9月18日
スナフキん
[20025]2003年9月19日
紅葉橋律乃介
[20809]2003年10月9日
スナフキん
[21391]2003年10月23日
スナフキん
[23718]2004年1月12日
スナフキん
[24809]2004年2月13日
スナフキん
[25249]2004年2月23日
だんな
[27916]2004年5月4日
スナフキん
[36826]2005年1月17日
今川焼
[36850]2005年1月17日
今川焼
[42099]2005年6月8日
ひげねこ
[42346]2005年6月14日
スナフキん
[42373]2005年6月15日
ひげねこ
[44470]2005年8月24日
ひげねこ
[44899]2005年9月15日
スナフキん
[44931]2005年9月17日
紅葉橋律乃介
[48313]2006年1月13日
スナフキん
[48501]2006年1月18日
スナフキん
[48875]2006年2月1日
スナフキん
[48878]2006年2月1日
Hiro_as_Filler
[50420]2006年4月4日
スナフキん
[50445]2006年4月5日
スナフキん
[50649]2006年4月10日
スナフキん
[53081]2006年8月6日
スナフキん

[18675] 2003年 7月 28日(月)19:19:39スナフキん さん
よっ、読めなすぎる!地名
いま、主力商品のデジタル化作業中にとんでもない難読地名を見つけてしまいました。私も仕事柄多くの地名に触れていますが(だから「アルカディア1丁目」が出てきた、とも言えますが)、こんな訳の分からない読み方をする地名にはなかなかお目にかかりません。

「甘一」。島根県益田市にある通称名ですが、どうひねってもこの読みは出てきそうにありません。さて、何と読むでしょうね? もちろん、国土行政区画総覧などの信頼できる資料にもしっかりルビが掲載されています。

本来こんな書き込みをいちいちしていたらきりがないのですが、あまりにも度を超えた珍地名と判断したのであえて書き込みました、ご容赦願います。
[18683] 2003年 7月 28日(月)23:40:49スナフキん さん
「甘一」早速レスどうもです
う~む、これほどまでに関心を示されるとは思ってもいませんでした、さすが地理好きの皆さま。

もう答えを出してしまってもよろしいでしょうか? それとももう少し悩ませてくれとの声があればもう少し待ちますが…。ちなみに、現在までにレスをいただいた方々の中に、きわめて近い回答を出されている方がいらっしゃいます。…明日まで待ちましょうね?

ただ、出題と言うか、問題提起をした私もはかりかねているのは先頭の「甘」の字。資料によっては「にじゅう」を示す「廿」としているものもあり、今もって確定できていません。国土行政区画総覧には「甘」で掲載されていますが、この「甘」と「廿」も、地図上での誤植の多さでは横綱級の実力の持ち主(大汗)です。誤植され続けて定着してしまうケースも小字クラスだと実在するらしく、余計に話がややこしいです。少なくとも、ここで答えの読みを明かしたところで、どちらが正しいかは分からないとは思いますが。

難読というものは個人差があるので一概に一くくりできないものですが、難しい文字を並べたてる地名よりもよっぽど、易しい漢字を並べているのに皆目それらの字からは見当もつかない読みをする地名の方が、誰しも「難読」と認識できるのかもしれません。同じ易しい字を並べる「雲谷」(青森県)や「納田終」(福井県)など、言われればああ、漢字から何となく分かるな、というものともまた根本的に違いますからねぇ。
[18693] 2003年 7月 29日(火)13:29:34スナフキん さん
「甘一」の解答と、独りよがりな解説です…
では、「甘一」の解答です。国土行政区画総覧によれば「つつぬけ」とありました。しかし、以前の書き込みでも触れたように、漢字そのものが「廿一」の誤りである可能性も捨てきれず、(軒下提灯さんご指摘の)地形図に記載の「つづぬけ」と濁る可能性もまた、ゼロではありません(詳細は以下に)。

ここでスナフキんが勝手にこじつけた、難解な読みの謂われを書き連ねてみます(諸資料を当たりましたが、由来にまで踏み込んで記述しているものはありませんでした)。

恐らく、北海道の地名によく見られるようにもとあった地名の読みに、この漢字を力ずくで充てたものと考えられます。「つつぬけ」と言われればまず「筒抜け」と誰もが連想しますが、漢字からも読みからも、共通項は何一つ見えてきません。一見、漢字と読みが全く一致していないようにも見えますが、「甘」が「廿」だとすると、少し光が見えてきます。角川の日本地名総覧で「つつ」の項目を見ていくと、日本各地にこんな地名が見えます。

つつはたじょう 二十端城 長野県中野市・小布施町
つづはら 廿原 岐阜県多治見市
つづや 廿屋 岐阜県美濃加茂市
つづやま 廿山 大阪府富田林市
つづらふち 十九淵 和歌山県白浜町

各地に散財する地名から総論的結論を出すのは危ういですが、「20」を「つつ」または「つづ」と読ませる言い回しはどうもないわけではないようです。角川の解説によれば、「十と十、重なるの意」で「つつ」なのだそう。で、それに「一」を足すことで「つつ」を「ぬけ」る、つまり超えると読ませる…きわめてこじつけですが、これ以外に明白な由来は思いつきません。もっとも、この解釈でも「つつぬけ」の読み自体の由来は分からないのですが、この漢字を当てた意味合いは何となくですが説明がつきます。例示した中の「十九淵」もどうも、数字が近いことから無関係ではないように思えます。

解説を見ればう~むなるほど、となりますが、10+10=20で「つつ」と読み、その20をさらに漢字の「廿」に置き換えるなどと、転化が進んでしまってまともに読める地名でなくなってしまっているのは事実ですね。

こういう詮索、非常に楽しいですね、時が経つのを忘れます。溢れるほど資料が転がっているので、つい本格的に首を突っ込んで調べたくなります。そう、本業さえなければねぇ…(自爆)。
[19499] 2003年 9月 1日(月)13:43:51スナフキん さん
地名の入らない住所レス
[19470]ありがたきさん
岩手日報ニュースのバックナンバーで面白い記事を発見しました。
はい、よく存じ上げております。この直後に岩手県の地図を出しましたから。いやもう、資料はみんな古いものばかり、編集作業で頭を抱えた記憶があります。他自治体の例を参考にすればいいとは言え、湯田町をそんな表現にするのは初めてとあり、おっかなびっくりでした。

[19433]地理好きのケンさん
東京都檜原村は役場所在地の小字は上元郷です。
これは正式な文書で調べると「通称」ですね。公式な文書上ではやはり「上元郷」を送らないものが正式な住所とされています。国土地理協会発行の「国土行政区画総覧」、第一法規発行の「全国市町村要覧」、日本加除出版発行の「市町村役場便覧」いずれにも
東京都檜原村467-1
の記載があります。通称と小字は何が違うのかと問い詰められると、私もそこまで博学ではないので分かりかねますが、厳密には別物であるようです。すべてを信頼するわけではないのですが、先に例として挙げた「龍ヶ崎市」の住宅地図にも、「旧市内小字町名」と「旧市内通称名」というカテゴリが別立てになって明確に分かれています。

[19427]mikiさん
龍ケ崎市役所の場合「寺後」という小字が一応ありますが...。
これも正式文書によれば「通称」であるようです。ただ、こうなると住宅地図と見解が異なってしまうのですが…(大汗)。ちなみに、「龍ケ崎」でしたね、「ヶ」ではなく「ケ」です。でも、一発変換で出てこないと、ついこういうところはスルーしてしまいます…。って、こんないい加減な人間が地図編集していていいんだろうか…(自爆)。

[19422]深海魚さん
茨城県那珂郡大宮町も加えて置いて頂きたく。
す、すみません。リストアップ時に相当焦っていたもので、落としてしまいました。それもよりによって、那珂郡の中心となる町を落としてしまうなんて…。と、いう私の認識で大丈夫ですか? 一見那珂町が中心のようにも思えますが、ハローワーク始め農水省・国交省などの出先機関、土木事務所や地方福祉事務所といった県の機関も圧倒的に大宮町への立地が多いので、私は勝手にそう思い込んでいますが…。
[19990] 2003年 9月 18日(木)15:58:18スナフキん さん
また、妙な町名出没…
また、主力商品のデジタル化作業中に脱線、おかしな町名が…。これは決して「失敗」につながった事例ではないのですが、首都圏至近であることと、そのアクセスに特異な移動手段が用いられていることを勘案して、ちょっとアップしてみることにしました。

「コモアしおつ○丁目」

ひらがな部分を漢字にすると確かに難読なのですが、だからと言って安直にひらがなに置き換えてしまうとすっかりどこにでもある普遍地名になってもう、どこの「しおつ」だか分からなくなります。多少の難読でも漢字地名の持つ知名度は、こんなところでバカにならないなと考えさせられる地名です。よっぽど漢字そのままで方角を付す方が適切だったやにも思えますが、今や駅のすぐ脇からこの住宅団地内に小学校が移転してしまうほどまとまって人口の増加がある現状を見れば、止むなしなのかな…と。

その話を資料室長にしてみたら、もっとすごいのがあると提示され、開いた口がふさがらなかったのがこれ。

「テクノステージ○丁目」

これは「アルカディア」とよく似てますね。大阪府が全額出資する第三セクターが整備した研究開発用地のまさにその場所ですが、これも先行きの見通しが甘く半ば不良債権化していて、マスコミに散々(ノックは一体何してたと)たたかれている開発行為です。それをなあ、住居表示にしてしまう和泉市って一体…。

少しレスを。
[19966]紅葉橋瑤知朗さん
樺戸郡月形町がそうなんですが、
そうですね、月形町の場合は中心集落(=役場周辺)のみが「字なし」ですね。周辺部には軒並み字名が記されています。いかにも過去に合併した結果、みたいな印象ですが、こういうケースは全国的に見てもかなりの数に上りそうです。以前に私が例示した「龍ヶ崎市」も同様です。

また、美唄市の地図を読むと、「東美唄出張所」と「南美唄出張所」の住所は、ともに「字美唄○○番地」となっています。地図上は「東美唄」や「南美唄」ですが、そういう住所は存在しないんですね。
これは私、ごく最近(それも今月になって…)知りました。全く、美唄炭鉱の跡地への調査のため現地へ足を踏み入れたことのあるエリアにもかかわらず、この有様です…。国土行政区画総覧の美唄市の項には冒頭に、「美唄市内の住居表示地名以外の地名は全て通称地名で、公称地名とは異なる。」とゴチックで大書きされています。で、公称地名については一言も触れられていません。つまり、この公的出版物をもってしても分からないので、地図編集の折、困ってしまったのです。ただ、市町村役場便覧にはご指摘の住所が掲載されており、何となくの類推はできました。公称地名だけを掲載しても訳が分からなくなりそうだったので、開き直って地形図に記されているとおりの表記を貫くことにした次第です。もちろん、国土行政区画総覧には「字美唄」の項目は立っていません。
[20025] 2003年 9月 19日(金)02:42:59紅葉橋律乃介[紅葉橋瑤知朗] さん
“通称”地名というもの
[19990] 2003年 9月18日(木)15:58:18 スナフキんさん

(国土行政区画総覧の美唄市の項では)「美唄市内の住居表示地名以外の地名は全て通称地名で、公称地名とは異なる。」

 勉強になりますねえ。確かに、「字美唄」では本当に訳がわかりません。
 わたしの書き込みも、ちょっと分かりにくいので修正。
 「市町村役場便覧」には、「東美唄出張所」と「南美唄出張所」の住所は、ともに「字美唄○○番地」となっています。住宅地図を読むと、そのような地名は見当らない、ということでした。
 月形の件も含めて、こういったことを知ったきっかけは、わたしのHPに最近新設した「岩見沢市町名別人口」でした。ほかの市町村も同じような統計を取っていないか調べようとしましたが、まずは住宅地図の目次から字名を拾ってみようと。
 「月形町・北村・新篠津村」を読むと、「市南公住」とか「農事会」なんて字名(?)が並んでいて、<これは本当の地名だろうか>と。

 「ぽすたるガイド」や住宅地図を読むだけでは、絶対に分からなかったですね。
[20809] 2003年 10月 9日(木)19:19:21スナフキん さん
地図上での舞鶴
地図の校正でいま、舞鶴市にさしかかっています。先頃舞鶴市の合併期日・市制施行期日を始め話題になっていた地域なので、ふむふむと取りかかったのですが…舞鶴東港、舞鶴西港などとさもありそうな名称(正式には「舞鶴港」の西港と東港です、たぶん港湾法に基づく名称がこうなっているのでしょう、地形図もこう記載しています)がど~んと鎮座しているし、両駅近くに堂々と「西舞鶴」「東舞鶴」とこれまたありそうで実はない大字町名が文字サイズを大きくしてまで掲載…うっは、恥ずかしい。

余部、もとい中舞鶴は今や、東港の拡張ですっかり「東」市街地に飲み込まれてしまった感があり、データ上も「中舞鶴」は見当たりません。もともとは駅もあったまとまりのある集落だったのですが…。駅で言うならこの他、「舞鶴港」という駅もありました。こちらは西舞鶴から分岐していた支線の終点にあったもので、「舞鶴」を装飾する数々の字に、ただ今悩まされています(汗)。

これらとは別件で、舞鶴市内には非常に不思議な地名があります。「○○由里」という地名で、具体的に国土行政区画総覧から拾い上げてみると「岡田由里」「河辺由里」「高野由里」の3つが見えます。局所的に後方一致町名として例の挙がる「郷」や「触」の仲間でしょうか。漢字で並べるとまるで女性名のようで、不思議さを助長させています。この3ヶ所に共通するのは、いずれも固有名詞部分を冠した河川名称があり、その河川沿いの地名だということ。「岡田~」だけは最下流部を指していますが、ほか2つは中流域に存在します。そして「岡田~」だけがかなり郊外にあって、残り2つは舞鶴市街地(東西中を含む)周辺にあります。こうなると「由里」の指し示すモノを探ってみたくなる物好きなスナフキんなのですが…そんなことしていたら仕事になりませんので、あきらめました(自爆)。ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてくださいね。

[20802]三丁目さん
お尻にとってつけたレスで申し訳ありません。
他にも、参加したいという方がいらっしゃれば、落書き帳で表明されるなり、メールを送って頂くなり、お願いしたいと思います。
もし、愛比売命さんが当初おっしゃっていたように「金曜夜」になりそうなら参加可能です(恐らく日程がぶつかりそうな忘年会は週末になるはずなので)。残業仕事を投げ出してでも(ヲイヲイ)参加できますので、近づきましたらお知らせ下さい。
[21391] 2003年 10月 23日(木)09:17:40スナフキん さん
駅前レス
[21388]でるでるさん
ところで、この出家のちょいと西側の「駅前」という地名の由来って、何なのでしょう?以前鉄道が通っていたのでしょうか?
確かに2.5万地形図に記載されていますね。これは中勢鉄道七栗(ななくり)「駅前」の意味だったようです。昭和22年の5万地形図には明瞭に鉄道の記載があります。その跡地がほぼ、現在の国道165号になっていますが、この七栗駅付近から国道は線路跡を逸脱してそれていきます。

それにしても、廃止以降50年が経っても生き続けている「駅前」はすごいですねぇ。参考までに、国土行政区画総覧の久居市の項は大字名だけの掲載で、小字または通称の「駅前」が日の目を見るに至ってはいませんでした。地形図記載の小字・通称名は往々にして「マユツバ」なこともあるので、どれほど実用的に使われているかははっきりしませんが…。
[23718] 2004年 1月 12日(月)23:04:10スナフキん さん
徳島県一宇村のナゾ
ただ今、先週から患っている腹痛と格闘中です。時折便意を催してその都度書き込み中断するので文脈が乱れるかもしれません。

先週、地図帳の校正をしていて妙な事実にぶち当たりました。徳島県一宇村のところに我が地図帳は「イッチュウ」とルビがふってあるのです。そんなはずはないと市町村要覧や国土行政区画総覧を引っ張り出して調べると、やっぱり「イチウ」であって「イッチュウ」ではありません。でも「イッチュウ」としたくなる気持ちも分からんではないな…と地方資料をあたっていてビックリ! 何と1969年発行の村政要覧の表紙には「いっちゅう」と堂々と書いてあるではありませぬか。しかも、しかもです。ページを開くとまず「村名について」なる項目が立っている。そこでは以下のように文章がしたためられているのです。

一宇村発達の最初の部落ともいえる一宇はやはり“いっちゅう”と呼ばれ“いちう”とはいっていません。

『一宇(いっちゅう)』も「いちう」といっている人もありますが、固有の名称であり、とくに村名は簡単に変えることはできないのです。
古くから呼びなれてきた、輝く伝統をもつ意義ある村名「一宇(いっちゅう)」に誇りをもって村民自らが進んで正しい村名を使うようにしなければなりません。
次代を背負う児童・生徒の教育にあたられる先生方には、特にお願いします。
(一部抜粋)

とまあ、ややもするとかなり強い調子にも見える語気で「イッチュウ」の正当性が語られています。が、こんなにかたくなな姿勢にもかかわらず数年後の村政要覧ではあえなくローマ字で「ichiu」と書かれた表紙に乗っ取られ、どうも「イッチュウ」はどこかへ行ってしまったようなのですが…一体この村には何が起きたのでしょうね。当時の自治省と大もめでもしたんでしょうか、ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてくださると幸いです。なお、地図帳は現在正しいとされている「イチウ」にもちろん直してしまいましたが。
[24809] 2004年 2月 13日(金)16:31:54スナフキん さん
住居表示のこと
すっかり遅きに失した感じのレスで恐縮ですが…。
[24705]だんなさん
あるいは参考になる資料などの情報がありましたらお教えください。
完璧な参考資料となるものは恐らく、国土行政区画総覧(国土地理協会発行)と日本行政区画便覧(日本加除出版発行)以外にないのではないかと思います。ただ、だんなさんの「塗りつぶし作業」の参考資料としては、いささか弱いかなという気もします。どちらも明確に住居表示かどうかが分かるようになっていますが(前者は町名ゴシック表示、後者は町名の頭に星印付加)、ビジュアルにエリアを指し示しているほどの親切さはなく、所詮文字の羅列に過ぎないのでイメージは全然涌きません。まあ、
住居表示(○○町×番×号)を実施している自治体は一体どれくらいあるのか
については、しらみつぶしに当たれば答えは導けますけど、塗りつぶしにはこの資料だけに向き合っていても全く作業にならないと思います。そもそもどちらの資料も、とんでもない大枚をはたかないと入手が出来ない代物であり、個人所有はまず無理でしょう。参考までに、国土行政区画総覧はA4版7巻台本セット(ほぼ自治体コード順・地域ごと)で6万円、毎月追録にかかる費用が月々4800円、しかも分冊販売・台本単体販売はしていないので、個人にしてみれば限りなく敷居の高い品物です。これを個人所有している方がいたら、いろんな意味で尊敬しますね…(汗)。各社の出している道路地図などもある程度は参考になりますけど、「○丁目」となっているからといって、即住居表示整備地域か、というわけでもないので完全な参考資料にはほど遠いです。地番が振ってあるとかなり有力な資料となり得ますが、地番を振ることができるほどの縮尺で全域をカバーできている場所などほんの一握りですからねぇ。

あまり答えになりませんでした、すみません。
[25249] 2004年 2月 23日(月)21:10:34だんな さん
レスとはレスキューの略称ではなかったのですね(大バカ)
なぜだか仕事がひまにならない~、おかしいな。
遅ればせながら25000書き込みおめでとうございます。

さて、[24705]にて住居表示に関する情報提供をお願いしたところ、
[24726]なおさん
[24742]サンドルさん
[24809]スナフキんさん
からレスを頂きました。ありがとうございます。特にスナフキんさんからは詳しくお教えいただき感謝いたします。実は私も
国土行政区画総覧(国土地理協会発行)と日本行政区画便覧(日本加除出版発行)
の存在は知っておりまして、やっぱりこれに頼るしかないのかなと思うとちょっと気が滅入りそうです。やっぱり楽して調べようと思った私が悪いのですが。ひまができたら図書館に行って調べるとするか。でもそこには前の職場の同僚が何人もいるのでちょっと行きにくいんですが…

まだまだ情報募集中ですのでみなさんよろしくお願いします。
[27916] 2004年 5月 4日(火)23:19:43スナフキん さん
「かじまち」のこと
[27906]地名好きさん
「鍛冶町」・「鍛治町」が日本各地にありますが、どちらも間違いではないのですかね?
これはどうも、誤記がそのまま定着した典型例、という場所がほとんどのようです。もちろん使い方としては「鍛冶」とにすいの字を使うほうが自然であり、由来から考えても妥当だと思うのですが、かと言って「鍛治」を全面否定できるわけでもありません。公的資料と捉えて差し支えない「国土行政区画総覧」においても、この両表記は揺れていて統一できていません。どちらにも「正しい」という公のお墨付きがついてしまっているのです。この両者に関してどちらかが明らかな誤り、と判断を下すには、誤記と思しき例があまりにも増えすぎていて、この表記の揺れを是と認めざるを得ない、というのが地図編集の立場からの言い分ですねぇ。

連休中は川越の実家に帰っており、甥っ子のお守りをしたりもして疲労困憊モードです。溜め込んだ分全部を読み直してはいませんが、取り急ぎレスまで。
[36826] 2005年 1月 17日(月)12:28:16今川焼 さん
国土行政区画総覧を典拠とするJIS漢字 ~山一女の孤独~
[36824] じゃごたろ さん
やまいちおんな
鑁阿寺の話題が出たとき、私も妛(やまいちおんな)の話を思い出しました。それにちょっと補足を。
これは滋賀県多賀町にあった(と言われる)「妛原」という地名が採用されたものということです。
「妛原(あけんばら)」ですが、ネット上の地図では確認できませんでしたが、手元のマップル関西版を見るとこのあたりに「妛原」と書かれています。ただし「妛」の漢字の「山」と「女」の間の「一」はありません。せっかくここの地名のためにJISに採用された「妛」ですが誤って収録されたために使うことができないということになっているのですね。ですからこれは地図屋さんか写植屋さんがわざわざ作字して貼り付けているわけです。

JIS漢字を制定するとき、日本中のすべての地名を表記できるようにと国土行政区画総覧で使われている漢字が全て収録されたそうです。その中には漢和辞典にも収録されていないような怪しげな俗字の類の漢字も多く含まれていました。その数は国土行政区画総覧典拠のJIS漢字によれば185字なのだそうです。いずれも地名にしか使われない珍しい漢字ですが、「妛」はなおかつそれが誤って収録されたという意味で非常に希少価値のある文字です。ちなみにこのサイトには、その185字と一部の文字の使用例が写真で紹介されています。「あけんばら」もありますので興味のある方はご覧ください。

(こちらも参考までに:山一女の孤独
[36850] 2005年 1月 17日(月)23:12:37今川焼 さん
「ナタ」や「アマ」もあります
[36842] きまぐれ さん
岐阜県にあるダム湖は「御母衣湖」(ミホロコ)、そして青森県北津軽郡小泊村の字名
「母と衣を上下に重ねて一字のホロ」+内で(ホロナイ或いはホロウチ)。こんな例が他にもあるかもしれません。

探せばありますねぇ。

山形県尾花沢市と最上町の境に、芭蕉も越えた「山刀伐(なたぎり)峠」があります。
一方、地図上では確認できませんが、宮城県桃生町に「山」+「刀」を上下に重ねた「屶」という漢字を使った「屶巻(なたまき)」という地名があるようです。
参考記事

もう一つは、鹿児島県串木野市に、「海土泊(あまどまり)」があります。
一方、鹿児島県西之表市に「海」+「土」を上下に重ねた「塰」という漢字を使った塰泊(あまどまり)という地名があります。

海土ではなく海士と書いて「あま」と読む地名なら他にもありますが、「士」ではなく「土」なのは鹿児島独自の用例なのでしょうか。

まだ出てくるかもしれませんね。

参考:国土行政区画総覧典拠のJIS漢字
[42099] 2005年 6月 8日(水)23:28:44ひげねこ さん
駅の住所
[42068] 更級14 さん
[42070] なかやま さん
[42071] N-H さん

JR(旧国鉄)の駅の住所は、なかやまさんのおっしゃるように、駅長室のある場所で決まります。
駅舎を駅本屋(book shopではない)といいますが、原則この場所が駅の所在地になります。
駅舎が複数(たとえば線路の両側)ある場合は、駅長室のある側の駅本屋の所在地です。
ただし、一回決められた後は、駅そのものが移転した以外は、なかなか所在地の変更というのはなさそうです。
たとえば、橋上駅舎になって駅長室が線路上に移り、線路がかつての駅舎と町名が異なっていたとしても、駅の所在地(住所)は変更しない場合がほとんどです。駅舎を線路の反対側に移転したとしても、駅の所在地が変更されたケースも少ないと思います。
ただし、ホームなど駅施設が全体移転した場合は、変更されてるでしょう。

住居表示をした場合、町境は道路または線路の端が境になります。大字・町境は線路敷きの真ん中や道路・川の中央を通っている場合がありますが、住居表示町境は線路敷きや道路の端、川岸となるので、旧町名が(住人のいない線路敷きや道路や川面だけ)残るケースがあります。(国土行政区画総覧で、旧町名全体が住居表示されて新町名が記載されているのに、消えたはずの旧町名が残っているのは、このケースが多いです)。
こんな場合、かつて駅舎があった側が住居表示されたら、かつての駅舎の位置や自由通路の階段の位置などで住居表示町名に変更するのが一般的です。
逆に、線路敷きまで住居表示されても。かつての駅舎があった側の町名が変わらなければ、駅の所在地は変更せずそのままになっているようですね。
四ッ谷駅の場合も、線路敷きは千代田区で、橋上駅舎の駅事務所はホーム上かもしれませんが、橋上駅舎の出入口が従来駅舎があった場所にありますので、所在地は新宿区のままなのでしょうね。
ホームの番線も駅長室のある側から1,2,3・・・と付けるのが原則です。
[42346] 2005年 6月 14日(火)09:53:41スナフキん さん
国土地理協会のこと
[42334]梅8さん
ご指摘の上越市長岡ですが、日本加除出版発行の「日本行政区画便覧・関東北陸」編には「なおか」の読みで掲載されています。国土地理協会の「国土行政区画総覧」ともども、ネタは時刻表の倍以上あるような分厚い加除式の資料で、名称は似通っていますが全くの別物です。両者の表記及び読みが異なるのはよくあることで、まあどちらかの誤植ということになるのですが…

間違った読みを広める「国土地理協会データ」というのは、なんなんですか?
の表現は、いかがなものでしょうか。その問いをここに書き込む必然性は、私はそれほどないように思うのですが。YSKさんもおっしゃっていますが、その文言をそのまま国土地理協会に投げかければそれで済む話なのでは…。もっとも、「国土行政区画総覧」自体が相当に公的意味合いの強い資料であり、それが誤植しているのだとすればそれなりに問題ではありますけど、物ごとに100%を求めることはなかなかむつかしいですし、その一つ一つに目くじらを立てているというのはどうも…。

地元育ちが言っているのだから間違いありません。
それと、感情を逆なでしてしまうようなら申し訳ないのですが、ごくまれにではありますけど「地元の誤用」という事態も、実はあったりするのです。私は過去にその一例として[29294]にて「名古屋市千種区本山」のケースを挙げたことがあります。また、読み方に2通り以上の言い分があるというケースもあったように記憶しています(申し訳ありません、どこだったかは失念してしまいましたが)。

この問いかけをしたとして、国土地理協会がどんな見解を出すのかは興味のあるところですね。
[42373] 2005年 6月 15日(水)14:06:58ひげねこ さん
町名地番整理・国土地理協会
[42329] まがみ さん
調布市は、全域にわたって住居表示未実施です。
教えていただき、ありがとうございます。
住居表示と両方ではなく、町名地番整理だけをしている市はほかにもあるはずなのですが、記憶力が減退して出てきません。

[42334] 梅8 さん
地元の町名の間違いだから、頭にくるのもしょうがないでしょうが、誤りはあるものです。
[42335] で YSK さん がおっしゃっているように、データの元をつくっている国土地理協会へ指摘するのが一番でしょう。

国土地理協会といえば「国土行政区画総覧」を思い出します。
会社で仕事に使われている方はいらっしゃると思いますが、個人で持っている方ってどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
台本の定価が6万3000円で、年間の追録代が6万480円…。値段もきついですが、置き場所にも困るボリュームだし…。でもほしいなあ。追録代も通常なら高いけれど、平成の大合併で差し替える量がかなり多くなっているので、昨年や今年は版元は赤字かも。

どこが変わったか、確かめながら差し替える作業も楽しいものです。
出版社のときは差し替えつきの契約だったようですが、プロダクション時代の後半は、私が差し替えてました。
当初は地図部隊のいる支社でパートさんが差し替えていたのですが、本社に統合された後に見たら、ページの抜けはあるは、ダブりはあるはというひどい状態でした。
幸い差し替えたものもすべて残っていたので、2年分ほど過去に戻す作業をしてから、全部改めて差し替えました。残業で一週間はかかりましたね。
実は地図出版社に入る前、○○加除法令という法律関係の出版社(日本加除出版と社長が兄弟という噂)に居たので、加除と官報には慣れているのです。

「国土行政区画総覧」にも誤字脱字など細かいミスはありますが、見つけた間違いでいちばん大きなものといえば、住居表示を実施した市町村を間違えて、別の市に記載していたことがありましたね。
東京都羽村町(現・羽村市)が住居表示を実施したとき、なぜか福生市の部分にこの住居表示が記載され、羽村町には全く記載がなかったのです。気づいて連絡しましたが、修正(差し換わる)まで、半年くらいかかりました。
[44470] 2005年 8月 24日(水)15:07:31ひげねこ さん
取り残された町名
[44449] ふかみ さん
[44453] 御巫大丸 さん

住居表示から取り残された町名ですが、これは大字町名と住居表示町名で、町界をどこに引くかの基準の違いからきています。

大字・町名では、町界が河川や道路、線路上にある場合、その河川、道路の中央に引かれていることが多いです。川の中央から半分はA町、もう半分はB町、あるいは道路のセンターラインから半分はC町、もう半分はD町といった具合ですね。

ところが、住居表示の場合、町界は道路や河川、線路敷の端に沿って引くことになっています。したがって、町の境目となる河川や道路は、両側が住居表示されている場合はどちらか片方の町に属することになります。
道路や河川、線路敷の東西・南北のどちら側に町界を引くかは、その市町村によって統一されてますので、河川や道路、線路敷を含まない側が先に住居表示をされると、河川や道路、線路敷に細長く旧大字・町名が残ることになります。
大きな河川の場合、河川敷を住居表示のエリアから外す場合もあります。その場合は河川敷は住居表示されずに大字町名のまま残ります。
都市地図の編集をしていたとき、全域が住居表示をされたはずなのに、国土行政区画総覧に大字町名が残っている場合は、ほとんどがこのケースでした。
こういったケースでは、旧来の町名が残る場所には決して恒久的建築物は建たないので、住所として使われることはありませんが、町名としては残っている形になります。

ダムなどの場合は、湖底に沈んでも地籍は残っているようで、かつて入手した東大和市の管内図には、多摩湖の湖面部分にも町名・丁目界・地番が入っていたと記憶してます。
また、水面を住居表示したケースもあります。静岡市の用宗漁港にある「港」という町名は、水面のみで陸地がないという住居表示町名で、ちゃんと街区もあります(1のみですが)。町界は岸壁と水面の界で、周囲の陸地は異なる住居表示町名になってます。
この漁港は陸地を掘り込んで造った形なので、水面下の土地は県とか国とかが買収して所有しているからではないかと想像しております。
[44899] 2005年 9月 15日(木)09:46:51スナフキん さん
久遠と書いて、「くどお」と読む…
[44896]紅葉橋律乃介さん
ここで皆さんにお聞きしたいのですが、この「要覧」の古い版でも、「くどうぐん」表記なのか否か。古い版を持っている方に調べて頂きたいのです。
我が社の地図帳では索引配列や市町村一覧などへ大きく影響するので、慌てて資料をあさって調べてみました。結論として、お尋ねのもので我が社が保有していた最も古いもの(それでも平成元年という最近のものが限界でした)の表記も「くどう」でした。実は我が社では「くどお」読みを採用しており、何か言い訳を探さないと正当性を主張できないので(汗)、他の資料もありったけ出して調べてみました。

「久遠」は郡名の他に集落名としても存在していますが、いずれの(最新)資料も郡名と集落名の読み表記は一致させています。すると、青表紙の国土行政区画総覧では「くどお」、赤表紙の日本行政区画便覧では「くどう」、市町村役場便覧では「くどう」としていました。これら、きわめて公的要素の強い資料同士、表現が揺れているのですから、
「くどおぐん」と思っていたのは妄想だったのでしょうか…?
とまで考え込まなくても大丈夫だと思います。また、根拠とするには弱いですが、国土地理院の1/20万地勢図「久遠」の読みは「くどお」にしています。最新のWindows XP搭載のIME変換では、「う」だろうが「お」だろうが「久遠」と変換が可能です。

有力資料の揺れが気に入らない(汗)ので、もっと突っ込んで調べてみると、角川の地名事典は「くどお」読みで項目が立っています。さらに、親会社の出す地名事典(バレバレ?)も「くどお」表記でした。我が社の地図帳表記はどうもこれに引っ張られた模様です。近世、「クドウ場所」表記もあったと記されていますが、「クトホ」の表記も見えるとあります。私も国語学に堪能ではありませんが、「ほ」→「う」への直接転訛はないような気がするので、あえて我が社は「くどお」の道を選んだ(汗)のでしょう。
行政機関においては、「くどうぐん」に統一しております。
という見解は確かに重んじるべきかもしれませんが一方で、地図においては1つの見解に凝り固まって表現をする必要もないです(過去に何度か書いたかもしれません)から、我が社では当面は「くどお」を貫くことになるだろうと思います。地図に掲載の地物は一様ではなく、その種類は多岐にわたるため判断基準も様々で、地図上で「正しいものをそのまま正確に記さなければならない」わけではないのです。そもそも、これも再三複数の方が書き込んでいらっしゃいますが、「何をもって正しいとするのか」から議論を始めなければならず、結果として編集元としては、よりどころとなる資料を読者に示して納得いただける表現であればよい、となります。

公的資料の表記ゆれはそれほど珍しいことではないので、思い悩まなくてもいいと思いますよ。
[44931] 2005年 9月 17日(土)00:43:34紅葉橋律乃介 さん
工藤さんと工藤さん
[44896]「久遠と書いて、なんと読む?」に返信を頂きまして、ありがとうございます。


[44900] 9月15日(木)10:50:18 じゃごたろさん
「久遠」と書いて「くどお」とするのが素直ではないかと思います。
 今まで、なんの疑問もなくそう思っていたんですが…。

[44899] 9月15日(木)09:46:51 スナフキんさん
国土行政区画総覧では「くどお」、赤表紙の日本行政区画便覧では「くどう」、市町村役場便覧では「くどう」としていました。
[44906] 9月15日(木)22:10:03 北の住人さん
「せたな町大成区久遠○○番地○」の「久遠」の読みとして「くどう」となっています。

 書き込んだあと、検索してみました。字名は「くどお」のようです。旧大成町を構成している「久遠」は、もともと「久遠村=くどおむら」でした。道庁の国勢調査人口表(大正9~昭和25年)での読みがなも「くどおむら」。
 そう考えると、「くどう」とは読めないような気がします。

[44902] 9月15日(木)15:12:05 eiji_tさん
『日本歴史地名大系1.北海道の地名』平凡社2003.10と
『角川日本地名大辞典1.北海道(上)』1991.10を調べました。(以下平凡社版、角川版と略)

久遠郡の表記は両者とも「くどお」でした。
 わたしも、両書を読んだことはありますが、明治期に統廃合された郡はともかく、現存のものに表記ゆれがあるとは思わず、細かく記述を読んではいなかったんです。


 その後、また道庁の部署より返答がありまして、
読みを変更したことを示す資料はない
行政機関で「くどお」と表記した例はなく、すべて「くどう」となっているようだ
 というような内容でした。
 これは郡名に関してのことでして、字名(あるいは旧村名)については今日になって国調人口HPを思い出したので、休み明けにでもまた問いただしてみようかと。


[44903] 9月15日(木) 19:06:15【1】 Issieさん
「久遠」だけだったら「くをん」なんですどね…。
 [44896]のタイトルは、「くおん」を変換したものです。変換してしまったら分からないですよね(今日のタイトルは、くどうさんとくどおさん→工藤も「くどお」と読むみたい)。

太政官布告別紙

 清濁の違いはまあともかく、原音に忠実な読み、とでも申しましょうか。
 とはいえ、
当縁:トウフチ
 これがどうして「とうぶい」という読みになってしまったのか…。


 Issie先生のサイトでのお話でしたが、
網走:アハシリ
網尻:アハシリ
 ほら、やっぱりどっちも同じ読みですよ。
[48313] 2006年 1月 13日(金)10:14:15スナフキん さん
大字のこと、少し補足など
[48271]グリグリさま
この説明でホッとしています。長年の疑問に対する回答にようやく出逢えた気持ちです。スナフキんさん、ありがとうございました。
レス元冒頭にも書いたように、あの文言は私が地図を編集していて思うことをしたためたものなので絶対ではなく、安心するのは早いかもしれませんよ(苦笑)。私自身「多分無理だと思います」という大いなる婉曲表現をしてますし。

ただ言えることは、全国的に統一性のないこれらの居住地名についてまとめたものが国土行政区画総覧であり日本行政区画便覧であるということ、それらもまとめこそすれども上下関係を中心に体系的に整理するまでには至っていないということです。また、最近の相次ぐ合併に伴って誤植や事実誤認が散見されることもあり、やはりこれをバイブルとして100%信用してよいとまでは言い難いですね。私が確認したとんでもない誤植は、岩手県西和和町(目次では正しく書かれていますが、大見出しにはこう書かれていました)なんてのがありましたし、青森県外ヶ浜町では旧蟹田町内の記述が町役場ホームページで見られる新住所一覧とかなり異なっている、といった具体例がありました。

普段からこのぶ厚い資料に目を通すことは日常茶飯事なのですが、例えば大字の下に相当する小見出しの「字」がなぜ同じ大字の中で2分割で表示されているのか(つまり「字」の項目が2つ以上立つ大字があるのです)、「字」と同格で表示されている「通称」との混在はどう説明すればいいのか、北海道などで大字に相当するランクに「字○○」という地名が記されているのはどう考えればよいのか、理解に苦しむ記述も多くあります。こういった表記の揺れを見ると、やはり地域ごとに異なる地名の考え方を纏め上げるのは、資料の収集能力があるはずの機関が作ったこれだけの物量の書物をもってしても難しいのだなぁ、と私は考えるのです。この公的要素の強い書物がこうなのですから、自分のところを含めて地図会社がこれを全国的に熟知し、完全に理解して地図作りができているはずがなく、殊に地名の上下関係だけに的を絞って道路地図を眺めておれば、おかしな記述は恐らく山ほど出てくるのだろうと思います(もちろん、自分のところで作ったアトラスを含めて、の話ですが)。ですから、
字、小字の概念も同じように捉えてよろしいんですよね。
についても、やはり全国的にきっちりと上下関係を明らかにするのは難しかろうと思います。前述の「字○○」が、「大字なし」と書かれていないのにズラズラ並んでいるのなどは、大字の下にあるべき字・小字と同じものには見えません。昨今の合併に伴う住所変更の取り扱いでよく見られる「大字の語句を削除」という処置も、では新住所は大字ではなくなるのか、大字だけれども表現をしないように改めるのか、それとも全部が字や小字のランクになるのかなど、実際には全く分からないです。まあ、一般人には分からないでも何の不都合もないのでそれでよいのでしょうけれど、こだわりのある人、地名を研究したり論じたりする人には不親切ではあります。

ただ最後に一つ言いたいのは、私は「これではまずかろう」とは思っていない、ということです。地域によって考え方が異なる、こういう独自性・主体性があってもいいじゃあないですか。逆に日本全国を杓子定規に当てはめることができる地名体系だったとしたら、私はとてもつまらないと思いますし、そもそも「国土行政区画総覧」などという分厚い資料の存在意義もなかったことでしょう。そういうファジーな部分を楽しめるのが、日本の国民性というか日本気質というか、そんな気もします。これを失うのはもったいない、というのが私の気持ちですね。
[48501] 2006年 1月 18日(水)09:38:45スナフキん さん
大字・字、問いかけの答えなど
[48349]北の住人さん
北海道にもそのような例があるでしょうか。面倒でなければ2、3教えてください。
とのことでしたので、国土行政区画総覧を調べてみました。
釧路市の項目中、
音別町中音別
 通称 チノミ台
 通称 北栄
というふうに独立して立てられている部分がありました。字や通称の表現方法は、中黒「・」で結んで列記していくのが普通なのですが、ここではどういうわけか個別になっています。これは単に郵便番号が独立しているからそうしているだけなのか、それとももっと別な理由があっての措置なのかは私にも分かりません。他にも帯広市に、
清川町
 通称 仲通
 通称 本通
があったほか、士別市には、
西士別町
 通称 東の沢・中の沢
 通称 学田
 通称 新学田
のようなケースも。留萌市には、
三泊村
 字 ヲムロ
 通称 三泊町
???なんていうのもありました。字と通称の並列例はここだけではないようです。同じ留萌市内には、
字留萌
 通称 大和田町
 通称 藤山町
もあり、留萌市内においてはどうも「字」の概念がひとくくりでまとめられないように、私には思えるわけです。例示としてはこの程度でよろしいでしょうか。

私のフォロー以降に突っ込んだ見解が様々示されていますが、あくまでも私のフォローはフィーリングによるものであり、地方自治法など具体的かつ個別の法律話になるともう私は手も足も出ませんので脱落します(汗)。私が思うのは、恐らく大字や字は公的にはきっちり決められているだろうということ、けれどもその上下関係や相互関係を全国的に纏め上げるのは地域ごとの格差が激しく難しかろうということです。そしてそのことを私は必ずしも否定的には捉えてはいません。

何だ、地図屋のくせにとんずらか? と思われるかもしれませんが、所詮餅は餅屋ですから仕方ありません。地図屋にとって多くの知識を吸収するのは仕事上プラスになることではありますが、やはり法律の条文を読み解くのはあまりにも実作業からかけ離れすぎていて手に負えないのが実情です。後の議論は有識者ならびに関心のある方々に、無責任ではありますがお任せします。
[48875] 2006年 2月 1日(水)09:48:42スナフキん さん
ちょこっとレス
明日まで(汗)の仕事を抱えていてあんまり進んでいないので、少うしだけレスを。
[48871]Hiro(&TOKO)さん
再論「ケ」と「ヶ」
非常に興味深い情報となりそうです。ニュアンスは微妙に異なりますが、「葛」の字をどうするかの話に通じるものがあり、地図作りとも関係大ありです。地元の見解は尊重すべきで、この結果をわが社製品にフィードバックすればいいのですが…他人の汗かき結果を横取りするようでいい感じじゃあないですね。

無難な落としどころとすればやはり、国土行政区画総覧や市町村要覧によったという判断基準に落ち着くのでしょう。でもこれら参考資料も、目次と扉・本文タイトルで「ケ」のサイズが揺れているところが、確かどこかにあったと思います。同じ資料内で統一がとれていないくらいですから、世間の認識(ケは大きいか、小さいか)はそれ以下かもしれません、「ケ」の大きさで問い合わせやクレームがわが社に舞い込んだ話は一度も聞きませんし。

鶴ヶ島はいまだ来ず、ですか。実家が市役所から車で数分のところにあるので、リタイアした母親に直接聞いて来いと言えなくもないのですが…こういう話って、聞く本人にある程度の意識がないと突っ込んだやり取りになった場合に面倒が起きるので、この選択肢はどうしても返事がなかったら、の最終手段としてとっておきます。あるいは、自分が実家まで出向いて行くか…でも有給休暇をとらないとだめだぁ(爆死)。

水曜どうでしょうDVDにはまっている
これ、大泉洋さんのサイコロ「何が出るかな、何が出るかな~」ですか?
このDVD、1月1日の午前1時頃、勤務先で見てました(爆)。年越しソバは、年が越す前に食べるんじゃないのかな…と思いつつもどん兵衛をすすりながら、知り合いと二人で腹を抱えて笑いました。文字通りの「初笑い」ネタだったわけです(苦笑)。初日の出列車までの時間つぶしということで、知り合いが持ってきてくれたもの。夜行高速バス全盛時代の番組なので、今改めて見るとなかなか興味深いです。その後、利用率の悪い路線は順次削減され、現在はその頃ほど夜行バスの元気はありません。ついこの前も、東京-伊良湖岬の「伊良湖ライナー」が廃止されるなど、衰退傾向はわずかながらも続いているようです。そういう視点で見ると、東京から東北各地へ向かう路線は、いずれも善戦しているなぁ…なんて思ったりします。
[48878] 2006年 2月 1日(水)12:57:20Hiro_as_Filler[Hiro(&TOKO)] さん
ちょいレス
こんにちは。
公式ホームページの2/1合併対応は完了いたしました。
また、坂戸市が本日よりlgドメインに移行しましたので、その対応も行いました。

さて、レスをば。

[48875] スナフキん さん
非常に興味深い情報となりそうです。ニュアンスは微妙に異なりますが、「葛」の字をどうするかの話に通じるものがあり、地図作りとも関係大ありです。地元の見解は尊重すべきで、この結果をわが社製品にフィードバックすればいいのですが…他人の汗かき結果を横取りするようでいい感じじゃあないですね。
いやいや、もしこの調査結果が使えるものになりましたら、ぜひ使ってください。^^
私の調査がそこまでのものかどうか自信がないですが。。。^^;
「葛」の問題は、パソコンで表示できる自体の兼ね合いもあってむずかしいですね。平成の大合併で誕生した奈良県葛城市は下部が「ヒ」みたいな字で告示されましたが、たとえば埼玉県の北葛飾郡などは下部が「人」になっていますね。また、同じ埼玉県の長瀞町の「瀞」は正式には右側が「靜(静の旧字体)」になっているなど、パソコンで文書をつくるときには、外字を作らねばならないといった悩みもあります。^^;

無難な落としどころとすればやはり、国土行政区画総覧や市町村要覧によったという判断基準に落ち着くのでしょう。でもこれら参考資料も、目次と扉・本文タイトルで「ケ」のサイズが揺れているところが、確かどこかにあったと思います。同じ資料内で統一がとれていないくらいですから、世間の認識(ケは大きいか、小さいか)はそれ以下かもしれません、「ケ」の大きさで問い合わせやクレームがわが社に舞い込んだ話は一度も聞きませんし。
makiさんへのレスにも書きましたが、文献によって、また文献内でも表記が揺れている場合が多く、なかなか参考にしづらい部分もありますね。ただ、自治体の中でも意図はしているが表記が揺れているケースがあるなどから考えると、一般レベルでは、まったく気にしないものなのかもしれませんね。

水曜どうでしょうDVDにはまっている
これ、大泉洋さんのサイコロ「何が出るかな、何が出るかな~」ですか?
わかる人にはわかってしまうのですね。^^
この番組、スタートは北海道のローカル番組ですが、これでいてなかなか地理的な興味もそそる番組なのです。
スナフキんさんが出された「サイコロの旅」は、ディレクターがその都度用意した6つの行き先の選択肢の中から、サイコロの目によって行き先を決定し、到着したらまた違う選択肢からサイコロで選ぶという無茶な旅で、東京から札幌を目指しているのに鹿児島に行ってしまうなど、笑いどころ満載です。いろんな交通機関を使うのも面白いですね。
また、「北海道212市町村カントリーサインの旅」という企画では、カントリーサインを模した各市町村のカードから1枚を引き、その市町村に行きながら全道制覇を目指すもので、これも、とてつもない大移動が発生したりで無茶な企画です。


[48873] miki さん
 埼玉県ときがわ町HP
情報ありがとうございます。
ただ私も以前の書き込みで書いてしまったことがあるのですが、メールアドレスがlgドメインだからといって、URLがlgドメインであることの確証にはならないようです。最近はとりあえずメールアドレスを先行してlgドメインにしているところも多いようですし。
今回のときがわ町はあくまで合併協議会にlgドメインになるという記述があったため、そちらを採用しました。

なお、追加情報ですが、「都幾川村・玉川村合併協議会」のページは、合併に伴いときがわ町のホームページ内に移転しました。(旧アドレスでもつながりますが。) http://www.town.tokigawa.lg.jp/tokitama/
[50420] 2006年 4月 4日(火)20:35:14スナフキん さん
ちょっと気になる昔の「いわき市」
十番勝負の最中に、どうせすぐ流れてしまうと分かっていながら書き込んでしまいます。

仕事で、昔の合併をほじくり返していてちょっと気になることがありました。皆さんよくご存じのいわき市は、「超」のつく規模の大きな合併を経て成立しています。その合併前の自治体名称を調べていたら、どうも資料によって記述がまちまちなのです。しかもそれは、誤字脱字とかいう単純なものではなく、町か村かを取り違えているという結構重要な違いでして、頭を抱えてしまいました。

具体的には、合併を詳細に記したものとしては最も身近と思われる「市町村要覧」。このいわき市の項には
合体 平市 磐城市 勿来市 常磐市 内郷市 四倉町 遠野町 小川町 好間村 三和村 田人村 川前村 久之浜町 大久村
とあります。何の疑いもなく、別資料で校正しようと国土行政区画総覧(これにも各自治体の末尾に行政変更の内容が記載されています)を出してきて、見てビックリ!
平市・磐城市・勿来市・常磐市・内郷市と、石城郡四倉町・遠野町・小川町・好間町・三和村・田人村・川前村、双葉郡久之浜村・大久村を廃し、いわき市を置く
とあったのです。上下をよ~く見比べてください。町村の違う箇所が2ヶ所もあるのです。この、公的色のきわめて強い書物の食い違いというのは厄介で、どちらを信用していいものか非常に困惑します。最終的には出典明示して逃げるしかないかな、と思うのですがそれではプロらしくない(汗)ので、他資料も総ざらいしてみました。

勤務先に最も縁が深い(?)事典をひもとくと
勿来市・磐城市・常磐市・内郷市・平市、石城郡田人村・遠野町・好間村・三和村・小川町・四倉町・川前村、双葉郡久之浜町・大久村が合併
とあります。順序こそ違えど、内容は市町村要覧と一致します。

では、角川の地名事典はどうでしょうか。
いわゆる常磐5市に好間村・遠野町・田人村・三和村・四倉町・川前村・久之浜町・大久村・小川町の4町5か村が合併
でした。省略はされていますが、これも市町村要覧の内容を裏付ける形になっています。なるほど、単純に国土行政区画総覧の誤植かと思ったのですが、福島民報社の発行する福島大百科には
平・磐城・勿来・常磐・内郷市と、四倉・遠野・小川・久之浜・好間町、三和・田人・川前・大久村
とあるのです。何と地元の新聞社は、冒頭に示した2つの有力公的文書のいずれでもない記述をしています…??? 決して、史実が風化してしまうほど昔ではないはずの事実が、どうしてここまでぐちゃぐちゃになってしまうのでしょう?

さらに追い討ち。アーカイブスにもなっている”「いわき市」について語ろう”の中で、何とこの混乱を裏付けるかのようにIssieさんのデータが誤植。三丁目さんが何気なく誤植を指摘されていますけど、この混乱はどうも根が深いような気がしてきました。

こうなったら地元の主張に頼るしかないッ、といわき市webの歴史コーナーを調べてみたら…
好間村→いわき市
久ノ浜町→いわき市
って言うか、参考になりません、町・村の違い以前に自治体名を間違ってるし(爆死)。

困ったなぁ。どなたか「これ!」という真相もしくは明示できる資料をご存じの方、いらっしゃいませんか?
[50445] 2006年 4月 5日(水)09:28:42スナフキん さん
助け舟に感謝です
いわき市の合併に伴う不思議に関して、十番勝負の最中だというのに多くの皆さまから情報をいただきました。個々の引用は数が多くなるので省略しますが、私の個人的な仕事上でのつまづきにフォローを下さり、ありがとうございました。本業の地図屋が「お手上げバンザイ」しても、博学な方々からの意見が頂戴できるこの場は、どちらかというと知識の乏しい「バカ地図屋」にとっては本当に貴重です。

お寄せくださった情報より、好間は「村」であり久之浜は「町」であることが確定・判明できました。結果的には市町村要覧の情報(=多数決による決定)で正しかったことになります。ただ、それですべての問題が解決したわけではありません。国土行政区画総覧と地元新聞社の百科事典という有力な情報ソース上での誤植事実は動かないわけで、出版業という同業他社の立場で考えるとこの事例は肝に銘じておいたほうがよさそうです。

人間のやることですからミスはつきものです。それに甘えてはいけませんが、完全に排除することは難しいといえるでしょう。けれども、例えば「葛」の字を外字にし忘れたとか、「ヶ」の字を大きくしてしまったとかいうレベルのミスと、町・村を取り違えるミスとでは明らかに重大性が異なります。今回のケースはメジャーな事例でありながら、超のつく大規模合併で関係自治体の数が多かったことが混乱を助長したように思えます。翻って、平成の大合併の嵐が吹き荒れる中、自分との因果が薄く土地勘もあまり働かない場所でも大規模な合併がいくつも興りました。登米市しかり、新潟市しかり、上越市しかり、高山市しかり、そして浜松市しかり、です。挙げておればきりがありません。今後10年20年が経過した後でも、上越市で「清里町」とか、浜松市で「龍山町」とか、自分で書いてしまわないようしないといけませんね。

最後は守りの姿勢で結んでしまったスナフキんでした。
[50649] 2006年 4月 10日(月)17:31:19スナフキん さん
無視できなくなってしまった「まなづる」
[50529]でhmtさんが指摘された事実、なるべくなら知らんぷりして(汗)通したかったのですが…索引の校正をしていて、知らぬ存ぜぬで通せなくなってしまいました(大汗)。でも、校正作業を中断して脱線すると集中力が切れるので、最後まで校正を終えて調べてみたんですが…この、何か心に引っかかったまま「ま」~「わ」の校正をするのって、実にイヤな感じです。

このテの話での多数決は、モノの本質を見極めるのに何の足しにもならないことは分かっているのですが、まあ比較対照する意味が全くないというわけでもないと思うので、ありったけの資料で調べてみました。

「まなづる」(濁る)派:
角川地名大辞典
わが社に近い(スミマセン、あからさまに示すと正体がばれます・汗)資料2種類
神奈川県百科事典
町役場ホームページ
町発行の印刷物(郷土誌・町勢要覧・パンフレットなど)
平成17年版市町村要覧

「まなつる」(濁らない)派:
国土行政区画総覧
日本行政区画便覧
平成16年版以前の市町村要覧
2005年10月1日国勢調査速報値
(三省堂コンサイス地名事典)

以前私のおバカで話題を撒いてしまった「いわき市」の時ほど混沌としておらず構造は単純ですが、数の上では拮抗しています。しかも、わずかに分が悪い方に「重い資料」がのっかっています。ちなみに、三省堂の地名事典にカッコが付してあるのは、参照資料を「市町村要覧と国土行政区画総覧」と断っており、マゴ引きとも考えられるためです。但し同時に、「別訓」として濁るまなづるを立てており、中立とも取れるスタンスです。

概して言えるのは、「アーカイブズ・呼称が複数ある地名 ~地名呼称の多様性~」でも指摘されている通り自治省~総務省における見解と地元が主張する見解が異なっているようだ、と言うことです。読みを変えるのでも、例えば和歌山県広川町がそうであったように告示の対象となるはずですが私も見覚えがなく、合併告示に埋もれてしまったとも思えません。

市町村要覧の冒頭、凡例部分には出所明示がしてありますが、ここには平成17年4月に各都道府県に照会したとあります。つまり問い合わせ先は国の機関たる総務省ではなく地方に直接問い合わせた、ということです。しかもこの内容を見る限り、市町村要覧の内容全般が総務省の監修を受けているという事実もどうもないようです。そもそも編者である市町村自治研究会なる団体がどれほど総務省との関わりがあるのかは私も分かりませんが、改めてこの方針を貫いたところ地元が主張する「まなづる」表記が表に出てしまった…そんな事情なのではないかと(あってほしいという希望も含めて、ですが)。

上記は、私の大したこともない知識で記述しています。間違いがありましたらフォローをいただければと思います。
[53081] 2006年 8月 6日(日)00:49:47スナフキん さん
教育用地図帳のこと、地図屋としての、その悩み
レスしたい書き込みはいくつかあるのですが、その前に。

まず始めに、教育用地図帳とよりどころについての問題は、非常な複雑な事柄を内包しています。多方面から様々な書き込みが見られますが、私自身もそのすべてに目を通し、かつそしゃくしているわけではないので、この書き込みは私からの一方通行気味になることをお許しください。

くだけた話、私自身は恒常的な作業担当としてではないものの、教育用地図帳の編集・制作作業に携わった経験があります。ですから、ある程度の事情は飲み込めているつもりです。しかしそれとは別に、自社が独自に出版している地図帳の記載事項について問い合わせがあった場合、私はかなりの確率でこんなニュアンスでもって答えています。

「学校教育で使用されている地図帳には、そのように記されています。弊社ではそれをひとつの基準として、地図帳の掲載内容を編集させていただいております。」

これが例えば日本の自然地名や標高数字になってくると「国土地理院」を引き合いに出します。字名クラスだと「国土行政区画総覧」の存在を示し、典拠であると説明することも。海外の山岳標高になってくると「理科年表」が重要なバイブルとなります。モノによって参考資料は異なりますが、教育用地図帳による部分は多いと言えるでしょう。あまりここで例示すると企業秘密および取引先との守秘義務に抵触するので、変に詳しくは書けませんがご勘弁を。

上記の返答内容に「教育用地図帳は正しく、絶対なものである」とはどこにも見えません。しかし、相手方には「教育用地図帳は正しいのだな」と抱かせるには十分な内容でもあります。そういう意味では、私の応答内容は決して好ましいものではないのかもしれません。

ですが、ちょっと言い訳をさせてください。それならどうやって相手に納得してもらえばいいでしょうか? 台湾は中国と同じ色が伏せてあるが別の国ではないのかとか、樺太のかなりの部分が白く抜けているが印刷ミスではないのかとか、問われた時に答える手段としてやはり教育用地図帳を出す以外に有効な手段がないことが多いのです。

確かに、私も前述のように編集経験があるので教育用地図帳こそが絶対の信頼を置けるものだとは思っていません。「大和…」の例を引き合いに出すまでもなく、日本国内でさえ地域によって地名呼称が変化することは決して珍しいことではありません。多分書いている私以上に皆さんがそれをご存じでしょう。しかし、日本国中ほとんどの人が1度は手にした事のある地図として、教育用地図帳の存在があるのは事実として動きません。問い合わせの相手は地図の記載内容に疑問を抱いているわけですから、それを受けているこちらとしては納得してもらえる一番いい方法(無難な方法、に置き換えられるかもしれません)を探さなければなりません。

論争を巻き起こすつもりはないのですが、結局自分では欠点・短所が分かっていても教育用地図帳にはその浸透度の点から、どうしてもしがみつかざるを得ない、そんな矛盾があります。私が答えている内容は世間に誤解を与えているのかもしれませんが、それはどうしようもなくやむを得ずのことと、納得していただきたく思います。


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