[42439] hmt さん
それはさておき、スウェーデン語の「G」の発音は、やはり要注意です。
現代の英語(イングランド語)は,11世紀のノルマン・コンクェスト以来フランス語の影響を思い切り受けて, G もフランス語の習慣に近く i や e などの前で「ジ」と読み,それ以外は「グ」と読むというのが基本的な習慣ですが,古代の,今よりもずっとゲルマン系の性格の強かった頃の英語(アングロ・サクソン語)では,現代のノルマン語同様に G が i や e の前に来るときには「イ」と読む習慣であったようです。
たとえば,「ノルウェー」の形容詞形である Norwegian の綴りと発音に,このあたりの事情が反映していそうですね。
[42436] 星野彼方 さん
新チェコは旧チェコスロバキアの国旗をそのまま使用していたんですねぇ。
もともと「チェコだけの国旗」というものがなかったのでしょうね。
「チェコスロバキア」という“国”自体が,極めて人工的な存在です。
神聖ローマ帝国内の有力領邦としての伝統を持つ「ボヘミア」やそれ以前に国家を形成した経験を持つ「モラビア」に対して,「スロバキア」は永らく“ハンガリーの一部”でした。
チェック(チェコ)人とスロバキア人とはお互いに非常に近い言葉を話してはいますが,それぞれのたどった歴史は違い,ともに1つの国家をつくった経験はありませんでした。少なくとも,スメタナやドボジャーク(ドボルザーク)に象徴されるような「チェコ」および「スロバキア」という民族意識に目覚めてからは。
第1次大戦後の オーストリア・ハンガリー帝国(ハプスブルク帝国) の解体に際して,“西スラブ系南部”の人々を統合して“初めて創設”された国が「チェコスロバキア」です。
この国は1918年の創設当初,現在のポーランドと同じ「白・赤」の横2色旗を国旗としましたが,1920年に旗棹側に“青の三角形”を加えて以降の国旗としました。
チェコとスロバキアは,(少なくとも表面上は)円満裏に“離婚”をして,結果的に「チェコスロバキア」の主要部分は主に「チェコ」が“相続”することと相成りました。
国旗もその1つなのですね。
スロバキアの国旗,というより,「白・青・赤」の“横3色旗”は,同じ配色の旗がロシア帝国の“民間旗”に採用されて以来,オスマン帝国やハプスブルク帝国(オーストリア・ハンガリー)の支配から独立しようとするスラブ系諸民族の旗として,3色の順番を変えつつも広く用いられました。
(ロシアの3色旗は,直接にはピョートル大帝が近代化のお手本としたオランダの国旗がオリジナルである,と言われています。)
現在のスロバキア国旗は,同じ配色の他のスラブ諸国家の国旗と区別するために,スロバキアを象徴するシンボルを配した国章を旗の中央に置いています。