都道府県市区町村
落書き帳

編入・境界変更に係る議論

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[51095] 2006年 5月 1日(月)21:58:00Hiro_as_Filler[Hiro(&TOKO)] さん
合併情報へのご指摘へのレスへのレス
こんばんは。
私の環境で官報が閲覧できますので、ちょっと補足させていただきます。

[51091] 88 さん
私の手元資料(「全訂 全国市町村名変遷総覧」(1991年8月) 自治省行政局振興課監修 日本加除出版 )では、「新設」扱いになっていますので、まずはそう訂正させてください。

こういう時には官報告示を見れば解決です。
● 自治省告示 第百九十九号
   町村の廃置分合
 地方自治法第七条第一項の規定により、新潟県西蒲原郡西川町及び升潟村を廃し、その区域をもつて 西川 ( にしかわ ) 町を置く旨、新潟県知事職務代理者から届出があつた。
 右の廃置分合は、昭和三十六年六月十日からその効力を生ずるものとする。
 昭和三十六年六月五日
※(にしかわ)は実際にはルビです。

ということで、旧自治体がすべて廃されていますので、新設合併で確定です。

-----------------------------
朝日町の一部を舟見町に編入する
舟見町を入善町に編入する
-----------------------------
の、2段階の編入を同日付で行っているため、あえて「編入/編入」と、時系列的に並べました。ほかに適当な表現も浮かばず、こうさせていただきました。
これは、確かにそうなのですが、前者はあくまで一部編入で、法人格の変動はありませんので、告示上は境界変更になります。

● 総理府告示 第四百五十七号
町の境界変更
 地方自治法第七条第一項の規定により、富山県下新川郡朝日町大字野中、島迷、中沢(字道人田一、三〇八及び終の区域を除く。)、今江、ニツ屋、西中、林尻、古畑、藤塚字今江田一から一〇まで並びに下野字北梨木、南梨木、清水田、河原田四八八、助左エ門田、丸田、東逆仕及び西逆仕の区域を舟見町に編入する旨、富山県知事から届出があつた。
 右の境界変更は、昭和三十四年一月一日からその効力を生ずるものとする。
 昭和三十三年十二月二十七日

● 総理府告示 第四百五十八号
町の廃置分合
 地方自治法第七条第一項の規定により、富山県下新川郡舟見町を廃し、その区域を入善町に編入する旨、富山県知事から届出があつた。
 右の廃置分合は、昭和三十四年一月一日からその効力を生ずるものとする。
 昭和三十三年十二月二十七日

というわけでございます。
[51099] 2006年 5月 1日(月)23:13:52【2】88 さん
境界変更・編入の定義について
[51095]Hiro(&TOKO) さん
合併情報へのご指摘へのレスへのレス
フォローありがとうございます。これは、官報情報検索サービス からの情報かと思います(花笠カセ鳥 さんもご活用のようですが)。私もこの申込用紙は入手してあります。ある程度、[51091]でもご紹介した「全訂 全国市町村名変遷総覧」(1991年8月) 自治省行政局振興課監修 日本加除出版」からの入力が落ち着いたら、このサービスで個別に確認していこうと思ったのですが・・。ところが、ところが、です・・・。

この文献上は、「○○村の一部を○○町に『編入』」と、軒並み表記されております。「境界変更」との表記は一切ありません。この文献には、
なお、廃置分合の形態は原則として官報告示によったが、告示文からその形態が不明の場合には当該市町村に紹介するか、県史等の文献等により表した。
と凡例があるのですが・・・(「廃置分合」ですが)。「廃置分合」「境界変更」の定義は、今も昔も、変わらないのですか? ちょっと今手元に資料がないもので・・。だとすると、私が今整理していっているなかの、「○○村の一部を編入」のパターンは、軒並み、「境界変更」が正当なのでしょうか(とすると、合併情報は軒並み要訂正・・)。

おそらく一番詳しい書き込みは[46494] Hiro(&TOKO) さん の記事だと思い、読ませていただきました。ある自治体(A)が、実質的に2分割されて、一部がBに編入(境界変更?)、残余がCに編入(境界変更?)して法人格が消滅する場合でも、「境界変更」なのですか?

また、似たような例(これと対をなすところですが)過去にも、「分立」「分割設定」の議論もあり、参考になるのかも、と拝読しましたが(こちら)。このあたりは、最後は、「告示」の表現に合わせるのが一番間違いないのですが・・。この定義が疑問になり始めると、「入力ストップ」or「とりあえず入力してから、後から訂正」 になってしまいそうです。さらにお知恵をお貸しいただければ幸いです。

(参考)地方自治法
第七条  市町村の廃置分合又は市町村の境界変更は、関係市町村の申請に基き、都道府県知事が当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。

#以下追記。
[43716]Hiro(&TOKO) さん で、山梨県西八代郡上九一色村の分村合併に関しての告示が紹介されていました。
西八代郡上九一色村を「廃し」、甲府市及び南都留郡富士河口湖町への「編入」なんですね。「境界変更」との相違が、ますますわからなくなってきました・・・。本体が残れば「境界変更」、境界変更が複数組み合わさって、結果として本体もなくなれば「編入」なのですか???
[51121] 2006年 5月 2日(火)13:00:06Hiro_as_Filler[Hiro(&TOKO)] さん
Re:境界変更・編入の定義について
こんにちは。
少しレスをば。

[51099] 88 さん
「廃置分合」「境界変更」の定義は、今も昔も、変わらないのですか?
私の解釈では、「廃置分合」と「境界変更」の違いは、法人格の発生・消滅のあるなしだと思っていました。
例えば、こんなページもあります。
http://www.pref.shiga.jp/shichoson/gappei/handbook/1_1.pdf
(滋賀県 市町村合併ハンドブック(PDF))

ある自治体(A)が、実質的に2分割されて、一部がBに編入(境界変更?)、残余がCに編入(境界変更?)して法人格が消滅する場合でも、「境界変更」なのですか?
これは廃置分合になります。おっしゃるとおり法人格の消滅を伴いますので。
告示文としては、同時に行う場合、「○○○(市町村)を廃し、△△の区域を□□□(市町村)に編入し、残りの区域を×××(市町村)に編入する。」となるケースですね。

このケースでも、告示が別ならば扱いも変わるとは思います。
例えば、「○○○(市町村)のうち△△の区域を□□□(市町村)に編入する。」という告示が出て、その後に「○○○(市町村)を廃し、その区域を×××(市町村)に編入する。」という告示が出れば、同じ結果でも前者は境界変更、後者は廃置分合になるわけです。

西八代郡上九一色村を「廃し」、甲府市及び南都留郡富士河口湖町への「編入」なんですね。「境界変更」との相違が、ますますわからなくなってきました・・・。本体が残れば「境界変更」、境界変更が複数組み合わさって、結果として本体もなくなれば「編入」なのですか???
これについては、私が述べた告示文のうち前者ですね。いっぺんにやっていますので、告示は廃置分合の告示と書かれているはずです。

分立・分割設定についてはまたのちほど。
[51138] 2006年 5月 3日(水)07:55:2588 さん
廃置分合のうちの編入と、境界変更の定義について
[51121] Hiro(&TOKO) さん

境界変更・編入の件のご説明、ありがとうございます。
正直言って、[51099]拙稿は、かなり動揺の中で書き込んだこともあり、自分で見るのも恥ずかしいくらい文章が美しくありません。[51095] Hiro(&TOKO) さん のご教授を受け、「全国市町村名変遷総覧」の「編入」表記が、告示の表現と異なることが多々ある、というのに激しいショックを受けたものでした。

そもそも、私は、(新設合併はもちろん除いて、)『(市の中の)町・大字単位で大きく合併すること』が『編入』、『町・大字の一部(小字単位であったり、地番にして数筆であったり、という軽微なもの――イメージとしては、一般の地図に表現しにくいレベルのもの――が異動することが『境界変更』だと思っていたからです。地方自治法の定義もそういうものだと思っていました。もっとも、そう書いてある資料を見たわけでもなく、まったく根拠のない「感覚」でのものですが。

[51121] でご紹介いただいた、滋賀県市町村合併ハンドブック(PDFファイル)は、単純明快でよくわかりました。上述の動揺が、一気に瓦解した心持ちです。ほんと、感謝いたします。ありがとうございました。

[51095] [51121] Hiro(&TOKO) さんでご指摘の件を含めて、合併に伴う地方自治法第7項第1項における定義付けと、告示の表現をモデル化してみると、次のようになるので正しいのでしょうか。『  』が告示内容(地方自治法第7条第1項での位置づけ)です。
条件:
・登場する自治体:A市、B町、C市
・B町は2つに分かれる場合、「大字b1」「大字b2」に分かれる(他の大字はない)
・B町は「分割」も「分立」もない
・自治体名の改称はない
★(例1)
「B町のすべてが、A市と合併する場合」(C市はそのまま)
・・・・「A市及びB町を廃し、その区域をもって(新)A市を設置する」、いわゆる新設合併の『廃置分合』と、「B町を廃し、その区域をA市に編入する」いわゆる編入合併の『廃置分合』の2とおりに分かれる。いずれも、B町の法人格は消滅するため、『廃置分合』となる。
★(例2)
「B町のうち大字b1はA市と合併し、残りの大字b2はそのままB町として存続する」
・・・・告示上(本文)は「B町大字b1の区域をA市に編入する」という言葉は使用するが、地方自治法第7条第1項上の扱いは、あくまで『境界変更』(表題に明記)。B町の残りである大字b2は、当然、B町として存続する。
★(例3)
「B町のうち大字b1はA市と合併し、残りの大字b2はC市と合併し、B町は消滅する」
(そもそも、このように分かれる例は今では少ないが、昭和の大合併の頃はよくあった)
 ●その1 この2つの内容が同一の告示で行われる場合(かつ、同日付けで合併する場合)
   2つの合併がともに行われると、B町が消滅する。このため、
  ▲その1の1 「A市+B町大字b1」が新設合併、「C市+B町大字b2」も新設合併の場合
・・・・「A市、B町及びC市を廃し、A市及びB町大字b1の区域をもって(新)A市を設置し、C市及びB町大字b2の区域をもって(新)C市を設置する」との表現の『廃置分合』となる。
  ▲その1の2 「A市+B町大字b1」が新設合併、「C市+B町大字b2」が編入合併の場合
・・・・「A市及びB町を廃し、A市及びB町大字b1の区域をもって(新)A市を設置し、B町大字b2の区域をC市に編入する」の『廃置分合』となる。
  ▲その1の3 「A市+B町大字b1」が編入合併、「C市+B町大字b2」が新設合併の場合
・・・・上記「その1の3」のそのまま置き換えるだけだが、「C市及びB町を廃し、B町大字b1の区域をA市に編入し、C市及びB町大字b2の区域をもって(新)C市を設置する」の『廃置分合』となる。
  ▲その1の4 「A市+B町大字b1」が編入合併、「C市+B町大字b2」も編入合併の場合
・・・・「B町を廃し、B町大字b1の区域をA市に編入し、B町大字b2の区域をC市に編入する」の『廃置分合』となる。(今回の山梨県上九一色村の例)
 ●その2 2件の合併が別々の告示となった場合
  (市町村や都道府県の議決の時期がずれる場合が想定されるが、あまり例はないと思われる)
  ▲「A市+B町大字b1」の合併が先行して告示され、あとから、「C市+B町大字b2」の合併が告示の場合
・・・・1回目の告示の時点では、B町はまだ存続するのが明らかなので、新設合併や編入合併はありえない(B町の法人格は存続する)ので、『境界変更』しかありえない。よって、上記(例2)の例で、告示上(本文)は「B町大字b1の区域をA市に編入する」という言葉は使用するが、地方自治法第7条第1項上の扱いは、あくまで『境界変更』(表題に明記)。
・・・・2回目の告示は、C市と、B町大字b2とはいえB町すべてとの合併である。このため、上記(例1)に倣い、新設合併ならば、「C市及びB町(大字b2)を廃し、C市及びB町(大字b2)の区域をもって(新)C市を設置する」(「大字b2」は表記しないが参考までに付記)との表現の『廃置分合』となる。また、編入合併ならば、「B町(大字b2)を廃し、その区域をC市に編入する」いわゆる編入合併の『廃置分合』となる。いずれの場合も、B町の法人格は消滅するため、『廃置分合』となる。


総務省(自治省などの時期を含む)告示では、本文中には廃置分合にも境界変更にも「編入」を使用しますが、表題では「廃置分合」と「境界変更」を明確に区分していますね。とすると、「全国市町村変遷要覧」は、この件に関しては、表題ではなく本文に忠実である、と解釈したほうがよさそうな気がします。

こういう考えで整理できれば、非常にすっきりしました。私が入力していった合併情報は、この観点に従い、該当するものは表現を「編入」から「境界変更」に順次訂正したいと思います。(「分立」「分割設定」の、同様に考えるのでよいのでしょうね。)

長文、失礼しました。

----------------------------------------------------------------
(参考)地方自治法
第七条  市町村の廃置分合又は市町村の境界変更は、関係市町村の申請に基き、都道府県知事が当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。
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