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落書き帳記事集河と海


記事#記事日付
記事タイトル
発言者
[57190]2007年3月7日
河と海 その1 88
[57208]2007年3月7日
河と海 その2 88
[57224]2007年3月9日
河と海 その3(完) 88



[57190] 2007 年 3 月 7 日 (水) 00:09:42 88 さん
 河と海 その1
hmt 海岸線〜陸と海との境界〜

冒頭にまず問題です。
香川県丸亀市の通称「さぬき浜街道」に、西から汐入橋京極大橋富士見大橋 があります。これらはそれぞれ、河川に架かる橋でしょうか、海に架かる橋でしょうか? 正解発表はまたあとで。

――――――――――――――――――――――――――――――
地理的な定義はよくわかりませんが、河川法、港湾法その他の法的な位置づけについてです(私は河川の方が得手なので、河川法が中心です)。
まず一言。「河川」「海」の境界を法的側面から明確にすることはできますが、非常に困難です。
[55136]拙稿で国道の起終点等についての正確な情報の確認方法をご紹介し、「確認はできるが容易ではない」と書きましたが、「河川」「海」の境界は、これよりもさらに困難です。

「川っぽいもの」「海っぽいもの」は、法的には、次のものに分かれます。

★川っぽいもの
○河川法の適用あり
 (1) 一級河川(河川法第4条)
 (2) 二級河川(河川法第5条)
 (3) 準用河川(河川法第100条)
○河川法の適用なし
 (4) (下水道法など他の法律によって指定された)水路
 (5) (1)〜(3)の河川法も、(4)の他の法律も適用を受けない)(いわゆる)普通河川
(5)は法定外公共物である水路などです。「法定外公共物」は、以前は「農道・水路」として国有財産法の適用を受けていましたが、地方分権一括法により例外を除いて各市町村に譲与されました([48795]拙稿後半参照)。これにより、現在では基本的に市町村の財産になっています。地方自治法第238条を受けた、例えば丸亀市法定外公共物管理条例第2条の定義にもあるように、河川法の適用を受けない、「水路」などです。

★海っぽいもの(注:「川っぽいもの」に比べると詳細は自信なしです。)
■港っぽいもの
▲(人・貨物の)港系
 重要港湾、特定重要港湾(港湾法第2条第2項を受けて港湾法施行令で指定されたもの)
 地方港湾(港湾法第2条第2項)
 港湾区域(港湾法第2条第3項)
 臨港地区(都市計画法第8条第1項第9号港湾法第38条)
 など
▲漁港系
 第一種漁港、第二種漁港、第三種漁港、第四種漁港(漁港漁場整備法第5条)
■海岸っぽいもの
 海岸保全区域(海岸法第3条第1項)
 一般公共海岸区域(海岸法第2条第2項)
(海岸は、「農林水産省所管」「国土交通省港湾局所管」「国土交通省河川局所管」に分かれる。)
■普通の海っぽいもの
一般海域(例:香川県一般海域管理条例第2条)
この種の条例はどの都道府県にもあるようです。この「一般海域」の定義があるので、フツーの海はここにあてはまり、つまり海はすべて何らかの法律や条例の中に収まります。
――――――――――――――――――――――――――――――

さて、これらのもの(特に河川法による河川区域)が、どう告示されているか、ですが・・・・
★「メッセージ」は全角換算で3000文字(6000バイト)以内で入力してください。
とのことですので(!)、ここが区切りがいいので一休みし、続きは別投稿とします。

[57208] 2007 年 3 月 7 日 (水) 23:59:59 88 さん
 河と海 その2
hmt 海岸線〜陸と海との境界〜

[57190]の続きです。その前に、
★「メッセージ」は全角換算で3000文字(6000バイト)以内で入力してください。
テキストリンク機能を使用した場合、外見上は見えないアドレスもこの文字数(バイト数)にカウントされるのですね。[57190]は2,800文字くらいのつもりだったのですが、書込みランキングを見ると1,200文字ほどでした。アドレスを加えた文字数は数える気は毛頭ありませんが・・・・・。

さて、河川の公示の件です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
河川法(昭和三十九年七月十日法律第百六十七号)
(一級河川)
第四条 この法律において「一級河川」とは、国土保全上又は国民経済上特に重要な水系で政令で指定したものに係る河川(公共の水流及び水面をいう。以下同じ。)で国土交通大臣が指定したものをいう。
5 国土交通大臣は、第一項の規定により河川を指定するときは、国土交通省令で定めるところにより、水系ごとに、その名称及び区間を公示しなければならない。

河川法施行規則(昭和四十年三月十三日建設省令第七号)
(一級河川の指定の公示)
第一条の三 法第四条第五項 の公示は、次の各号の一以上により区間の起点及び終点を明示して、官報に掲載して行うものとする。
一 市町村、大字、字、小字及び地番
二 一定の地物、施設又は工作物
三 平面図
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、二級河川は河川法第五条第三項を受けて河川法施行規則第一条の四により公示します。準用河川は河川法第百条第一項により二級河川の規定を準用します(だから「準用」河川)。

公示の例を一つご紹介します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
香川県告示第六百九十八号(抄)
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第五条第一項の規定により、次のとおり二級河川を指定し、又は二級河川の指定を変更する。
  昭和六十年八月一日
            香川県知事 前川忠夫
区分河川名区間上流端下流端延長
変更(略)
西汐入川左岸丸亀市金倉町字上下所923番1地先海に至る4,590m
右岸同市新田町字池東1番1地先
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
上流端は、地番があるのでその気になれば特定できますが(ちなみにここ)、下流端は「海に至る」という表現です。こうなると、河川管理者(この場合は知事)の書類を見るか、延長の距離から測るか、をすれば特定できますが、非常に困難です。このため、河川と海との境界は判別できません(他のものも同様に「海に至る」か、他の河川に合流するものは「○○川合流点に至る」との表現しか発見できませんでした)。

[55136]88で国道の起終点等についての特定の手法をご紹介しましたが、道路よりも河川の特定が困難なのは、その成り立ちの相違にあると思われます。
公の用に供されているものの総称として「公物」という表現がありますが、
人工公物:人工的に造成して公共のように供することの意思を示すこと(区域の指定や供用開始の告示など)によって初めて公物となる
・・・道路、公園など
自然公物:自然の状態(自然現象としてその状態になった時点)で既に公共の用に供される性格を持っている
・・・河川、海岸など
という違いがあります。このため、告示のしかたも異なるのではないか、と想像します。
よって、
 ・まず河川の告示を確認する
 ・下流が地番で特定されていればよいが、そうでない場合(これが大半だと思われる)は添付図面等で確認するしかない(個別に河川管理者に照会するしかない)
ということになります。

参考までに、黒田如水(官兵衛、孝高)の「水五則」をご紹介します。なかなか示唆に富んだ表現だと思います。
一 自ら活動して他を動かしむるは水なり
一 常に己の進路を求め止まざるは水なり
一 障害にあい激しくその勢力を百倍しうるは水なり
一 自ら潔うして他の流れを洗い清濁併せ容るるは水なり
一 洋々として大洋を充し発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変し霰と化し凝っては玲瓏たる鏡となり而も其の性を失わざるは水なり

またもや文字数オーバーですので、再び稿を改めます。

[57224] 2007 年 3 月 9 日 (金) 06:00:00 88 さん
 河と海 その3(完)
hmt 海岸線〜陸と海との境界〜

[57190][57208]の続きです。

[57190]冒頭の問題の答です。
汐入橋は河川に架かっています。地図上の「西汐入川」は[57208]で香川県告示をご紹介したように河川法の二級河川であり、下流端は「海に至る」です。私はたまたま河川区域を示す図面に触れる機会があり、この橋の少し下流の左岸下流端右岸下流端までが河川区域でした。よって汐入橋は河川に架かっています。
京極大橋は、丸亀港(地方港湾)内です。よって、海に架かる橋です。
さて、実はこれが難問だったのですが、富士見大橋は、海に架かっています。地図上では「東汐入川」となっていますが、これは河川法にいう河川ではありません。また、この付近は先述の丸亀港の一部であり、この付近は河川の護岸ではなく、港湾施設である護岸(けい船岸、港湾管理者が管理)です。これは丸亀港の「港湾台帳」(港湾の区域を示す図面等)を見る機会がありましたのでその折に確認しました。よって富士見大橋は「海にかかっている橋」です。
余談ですが、この東汐入川(という名の港湾の一部)は、公有水面埋立法により(港湾法第58条第2項により、港湾区域内の埋立認可は港湾管理者が行う・・・この件はむじながいりさんのサイトの掲示板で灘の生一本さんにご教示いただきました)丸亀市が南方から順次埋め立て中です。この富士見大橋を含むさぬき浜街道は、この橋を除く前後は片側2車線で供用中ですが、この富士見大橋部分だけが現在片側1車線です。埋立工事竣工後は地続きとなり、片側2車線に拡張するべく事業中です。つまり、やがてはここは(おそらく港湾区域からもはずされますが)橋でもなくなります。
なお、河川でも、港湾でも、その中に道路を設置することは、本来の用途と異なって使用することになるため、道路管理者は河川法第24条港湾法第37条による占用許可を、河川管理者や港湾管理者から受ける必要があります。国、都道府県、市町村や公団などのお役所同士になりますが、手続きが必要です。

これに関連して「島」について。
定義はよくわかりませんが、国土地理院の島面積から逆に推測するだけしかできないのですが、
島・・・・海・湖により分離され、陸続きになっていないもの(このため、琵琶湖や中海のものは島扱い)
(河川により分断されているものは陸続き(千葉島なども)。輪中も河川による分断なので、伊勢の長島も陸続き扱い)
と想像します。これで上記の国土地理院のHPも説明できます。
・・・・・説明できないのが、香川県の小豆島の通称前島。([57103]くは さん 、[57119]hiroroじゃけぇ さん も触れていらっしゃいましたが。)
上記国土地理院HPでは小豆島としての面積は153.33平方kmなのです。地図から推測するとすぐそばの小豊島が1.09平方kmですから、通称前島は5平方kmくらいはあるはずなのですが、この153.33平方kmに含まれているように思います(前島が別立てされていないので)。
[51562]88でも少し別件で触れましたが、土庄町の大字なし地域がこの「前島」になります。
二級河川の伝法川はここらあたりまでだと思うので(河川法の公示は「海に至る」、図面は10万分の1のものしか見られなかったので詳細不明)、河川区域にはなっていないし、土渕海峡は「海峡」だし、地方港湾の土庄港の区域に入っていると思うのですが・・・・(詳細は確認できず)。海を挟んでいるにもかかわらず、「島」扱いされていない?? よくわかりません。



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