[72787]で約束した通り、第二十一回・問三の「新+市名」駅(
[68384])と同様に「駅名」関係の問題であった、問八の共通項「東+市名」駅に関連したお話を書いてみたいと思います。
現在、市名の頭に「東」の付く駅は、元の市名とは直接無関係なものを除くと、全部で66駅ということになります。これらを「元の市名駅との関係」から見ると、次のように分類できると思われます。
(1)「○○」(市名)駅、「東○○」駅が共に市内にあるもの。下記を除いた59市となります。
(2)「○○」駅がその市内にないもの。これは、更に(a)市内に直接市名を表す駅がないもの‥舞鶴・大崎の2市、(b)市名を含む中心駅名があるもの‥小金井(武蔵小金井)・富岡(上州富岡)・向日(向日町)の3市、に分けられそうです。
(3)「○○市」駅になっているもの。寝屋川・山梨の2市です。
この中で、(2)で挙げた市のうち、舞鶴市については、かつては「舞鶴」駅があったのですが、昭和19年に現駅名の「西舞鶴」に改称され、それ以降「舞鶴」という駅名は存在していません(Wikipedia「
西舞鶴駅」より)。現在では市の中心もかつての東舞鶴市に移り、東舞鶴駅が時刻表の代表駅となっているようです。一方、大崎市については特殊な事情がある例と言えましょう。大崎市には「東大崎」駅の他に「西大崎」駅がありますが、「大崎」という駅はなく、「東大崎」駅の開業は昭和30年、「西大崎」駅は平成9年に「上岩出山」から改称されたものですが、共に「大崎市」の発足より遥か前であり、駅名は古くからの地方名に由来すると思われます。そして両駅共に単線1本ホームの無人駅であり、「東大崎」駅も市の中心駅である「古川」駅から見ると西に位置します。「大崎」の「本家」はもちろん山手線の大崎駅ですが、「品川駅と北品川駅」の関係を思い起こしてしまいそうです。
かつて存在していましたが、改称や廃線で消えた「東」駅もあります。現在の和歌山駅は、昭和43年まで「東和歌山」といい、それまでの和歌山駅は「紀和」駅と改称されています。これについてのいきさつは、
[4649]Issieさんの記事に詳しく述べられています。このほか、京王八王子駅も、昭和38年に現在地に移転・改称されるまでは「東八王子」と名乗っていました。廃線になったために消えた「東」駅には、東佐賀(旧国鉄佐賀線・昭和62年廃止)、東加茂(蒲原鉄道・昭和60年廃止)、東神戸(阪神国道線・昭和44年→
[68422]拙稿、
[68430]hmtさん)などがあります。
市名が消滅したために仲間から外れたものには、さいたま市となった東浦和・東大宮・東岩槻の各駅や、新潟市になった東新津駅といったところがあります。
「新」では例があった、直接市名に由来しながら別の市町村にある「東○○」駅、というのは現在は見当たらないようですが、過去には「東都城」という例がありました。元々は「三股」駅でしたが、昭和47年に「東都城」と改称され、61年に再び元の「三股」に戻されています。しかし、駅は当時から三股町にあり、そして現在も三股町です。都城市との合併話も、本サイト内の「合併情報」を見ても、どうやらないようです。これは、おそらく当時都城市への合併構想が進み、駅名を「先取り」して改称までしながら、結局直前で破談になった、といういきさつ絡みではないかと思うのですが、私には「未経県」の地なので詳しいことはわかりません‥。
「東」が地名の後ろに来る例は、一般の地名では普通に見られますが、市名の後ろに「東」、という駅名では「堺東」が唯一の例と思われます。この堺東駅は、東区にはなくて堺区にあり、乗客数も堺駅(こちらも堺区)を大きく上回り、1日の乗降客数は6万人近くに達し、実質的な堺市の中心駅と言えそうです。ちなみに、JR堺市駅も堺区ですが、利用客数は堺駅・堺東駅よりもずっと少なく、1万人余りとなっています。
「東+市名」の後ろに更に別の語が付く駅名もあります。名鉄築港線の「東名古屋港」駅がそれです。
次に、ちょっと前に話題になった、元の市名と無関係な「東○○」駅(&「東○○市」)について(
[72165][72167]稲生さん、
[72166]なきらさん、
[72168]hmtさん、
[72169]Issieさん)。これについては、項を改めて書き込むことにします。