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落書き帳

宇高航路撤退表明

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[74148]2010年2月12日
みかちゅう
[74151]2010年2月13日
hiroroじゃけぇ
[74152]2010年2月13日
Issie
[74154]2010年2月13日
oki
[74157]2010年2月14日
みかちゅう
[74170]2010年2月16日
hiroroじゃけぇ
[74175]2010年2月18日
oki

[74148] 2010年 2月 12日(金)23:18:47みかちゅう さん
宇高航路の廃止
高速道1000円均一のあおりを受けて、宇野~高松間の航路が3月26日で廃止すると届け出たとのこと(記事)。

採算を度外視したETC割引や普通車1000円均一といった税金を使ったキャンペーンのおかげで、いち民間企業が太刀打ちできる状態ではなくなったわけですね。検討中の高速道無料開放の対象からも「本四連絡道を無料にすると瀬戸内海航路に悪影響がある」という理由で除外されたわけですが、もはや限界だったようです。
もっともこのまま自治体などが廃止を容認するとは限りませんが、離島の生活航路と違って「税金を投入してでも存続させる必要がある」と判断されるかは分かりません。

私が房総半島南部に出かけるのに幾度となく利用した東京湾フェリー(久里浜~金谷)も危ないかもしれません。燃料の高騰を口実にして大幅値上げしたのに、燃料費は落ち着いたはずでも運賃が戻らないのは気にいらないところですが、だからといって経営者がもうけているというわけではないのは明らかです。

あれだけ二酸化炭素の排出削減とか言っているくせに、公共交通機関は冷遇されているように思います。利用もされないのにローカル鉄道・バスへの補助金を出し続けることがいいとはいえませんが、もうすこし考えてもらえないものかと思います。
[74151] 2010年 2月 13日(土)11:04:58hiroroじゃけぇ さん
宇高航路が消えたら・・・
[74148] みかちゅう さん
宇高航路の廃止は地元にとって、とても衝撃的なニュースです。今年で開設から100年となり、hiroroじゃけぇのみではなく、多くの地元民にとってあって当然なものでした。それが、なくなるというのは、相当な衝撃であったのです。落書き帳のメンバーの中にも四国出身者がいるので、おそらく同じような気持ちになっていると思います。

さて、
もっともこのまま自治体などが廃止を容認するとは限りませんが、離島の生活航路と違って「税金を投入してでも存続させる必要がある」と判断されるかは分かりません。
とみかちゅう さんは考えられております。しかし、宇高航路は他の本四連絡船に比べ、生活航路としての重要度も高いのです。実際、この航路を生活航路としている人は約3100人。これだけの人が、他の交通機関への乗り換えが必要となるのです。また、宇高航路は強風時の振替輸送機関であり、瀬戸大橋が通行止めとなると、四国は大きな孤島と化してしまいます。さらに、振替輸送の一部となる宇野線(茶屋町~宇野間)についても、必然的にその存在意義を問われることになってしまいます。
また、宇野や高松では、フェリー待ちの人が買い物をしなくなり、更なる景気悪化ももたらします。そして、どちらの港も、せっかく整備した施設が有効利用できなくなり、不良債権化してしまう可能性もあります。
航路廃止が及ぼす影響が恐ろしくてたまりません。共同運航で、便数半減でもよいので、補助金を投入してでも維持すべき航路だと思っています。
[74152] 2010年 2月 13日(土)12:24:15【1】Issie さん
船では行けない石垣島
[74148] みかちゅう さん
宇高航路の廃止

離島の生活航路と違って「税金を投入してでも存続させる必要がある」と判断されるかは分かりません。

[74151] hiroroじゃけぇ さん
共同運航で、便数半減でもよいので、補助金を投入してでも維持すべき航路だと思っています。

ご存知かもしれませんが,実は今,沖縄本島から宮古島・石垣島へ一般旅客が船で行くことはできません。
この航路で旅客船を運航していた2社のうち,まず琉球海運が2006年に博多航路も含めた全旅客航路の運航を休止し,次いで1999年の経営破綻後,県財界の支援で再建を図っていた有村産業も原油価格高騰が打撃となって2008年6月に無期限運航休止となり,結局有村産業は破産してしまいました。
結果,この2008年6月をもって沖縄本島-宮古・八重山間の定期旅客航路は事実上消滅しました。自動車そのものについては琉球海運が RO-RO船 という形態で輸送を続けているのですが,これはあくまでも貨物船。お客として乗船できるのは原則としてドライバーだけなようです。

もちろん大多数の旅客は航空機を利用するわけで,その意味では「生活路線」とは言い難いかもしれません。しかし,島々を領域とする沖縄県にとって拠点都市間を結ぶ幹線航路なわけで,これの存続がかなわないというのは,かなり危機的なことであるように思います。
だから当然,航路の存続がかなり危ぶまれるようになった2008年の5月以降,沖縄県当局も県議会も国などに対して盛んに支援を要請したりもしているのですが,あまり状況は芳しくなく,したがって現在に至るまで,時刻表の索引図から航路を示す赤い線が消えたままです。

宮古・石垣航路と同様,たとえわずかな人数の利用者しか想定できなくても住民にとってなくなっては困るから絶対になくせない小さな島への航路よりも,宇高航路クラスの航路の方がかえって存続は難しいかもしれません。それが地域経済にとって大打撃でも。

私はかねてからこの国に総合的な交通政策などというものがあるのか甚だ疑問に思っています。かつての官庁名でいえば,鉄道と航空と海運は運輸省(しかし担当は別),自動車は通産省,道路と港湾は建設省,環境問題は環境庁。最近は環境問題ともリンクした話をするけれども,交通と環境と産業全体をトータルした政策や取り組みがなされているとは到底思えない。官庁の統合が行われても,政権交代が起きても,あの人たちの発想と行動は変わらない。
ただ,そのような総合的な政策を打ち立てるとして,さしあたり,そもそも経営が成り立たなくてだから撤退した路線の存続のための支援をするにあたって,この不況下,“先立つもの”をだれがどれだけ負担するのか,という話に結局はなってしまうのでしょうね。
[74154] 2010年 2月 13日(土)23:55:34oki さん
宇高航路、もしくは本四間の海上交通と陸上交通について
[74152] Issie さん
[74151] hiroroじゃけぇ さん
[74148] みかちゅう さん

hiroroじゃけぇ さんには申し訳ないですが、宇高航路の廃止を聞いても、「相当な衝撃」を受けたわけではありません。ただ、一昨年玉野に行ったときに30分間隔で運行していたのを見て、「宇高フェリーは頑張ってるな」と思っていたので、南海の徳島~和歌山航路より先に廃止するのはちょっと意外、というのが実感です。
徳島県民は、明石大橋の開通以前から宇高航路はほとんど利用せず、本州との連絡には南海フェリーを使うのが通例でした(県西部の池田周辺は別ですが)。私自身も、国鉄時代の宇高航路に数回乗船した程度です。
また、マスコミの反応を見ても、地元の四国新聞山陽新聞では相当な話題になっていますが、高知新聞は「高知県への影響 限定的」と冷静ですし、徳島新聞や愛媛新聞に至っては、ネット上には記事すらありません。あくまで、香川~岡山間に限定された話題に留まっているようです。
もっとも、問題の構図から影響が宇高航路だけに限定されるとは考えられず、早晩南海フェリーにも同様の事態が生じるでしょうから、関心は強く持っています。
そこで、まず事実を把握するため、宇高航路の利用動向の推移を整理してみました。

  高松 ~ 宇野      徳島 ~ 阪神    
年度航送台数指数輸送人員指数航送台数指数輸送人員指数
1987年度1872933100.03968221100.0463763100.02399414100.0
1989年度132154070.6211523453.345723598.6227432094.8
1993年度126526067.6189251447.740754587.9224377893.5
1998年度108437257.9159493940.220859345.0114035447.5
1999年度104846656.0149692437.717995338.885691935.7
2000年度104939656.0150704438.018931640.866518327.7
2001年度105814056.5159138540.119173141.366120327.6
2002年度108669258.0162434940.919389141.860056625.0
2003年度102378354.7149005037.519054841.157970624.2
2004年度97782752.2138268734.818597440.155814223.3
2005年度96425951.5132977833.518569440.056723323.6
2006年度95291050.9131222533.118153839.154139522.6
2007年度93984750.2129910032.718105239.052657021.9
2008年度85131345.5119965530.216994536.649729020.7
                  
2008年度第2四半期23956233776350259150445
2009年度第2四半期137975-42.4227719-32.66862536.518117520.4

表の初年度である1987年度は、瀬戸大橋が開通した1988年4月の前年度です。参考のために徳島阪神航路の推移も示しています(阪神航路といっても、本州側の発着地は和歌山で、徳島側発着地は1999年4月に小松島港から徳島港に移っています。ちなみに明石海峡大橋の開通は1998年4月です)。
(※データは四国運輸局のこのページ所載のファイルから抜き出しています。車両の航送台数はトラックと乗用車、バスとの合計値です)

表から明らかなように、宇高航路の利用者は瀬戸大橋の開通に伴って大きく減少しています。ただ、08年度の旅客輸送人員が87年度の30%の水準であるのに対し、車両航送台数は46%に踏み止まっています。両者の差をもたらした主因が、瀬戸大橋の通行料金の高さにあることは言うまでもないでしょう。
徳島阪神航路の場合は航送台数が87年度の37%、旅客輸送に至っては21%という水準ですから、これと比べても宇高航路が健闘していたことは間違いありません。この記事によれば、88年以降も航路収支は黒字だったそうですから立派なものです。その影には相当な企業努力があったと思います。

問題は高速道路の1000円政策が導入された09年度4月以降です。年度を通しての数字はまだ出ていませんから、最新統計である第2四半期(7~9月)の数値で代用します。
09年度第2四半期における宇高航路の車両航送台数は、前年同期に比べ、実に▲42%も激減しています。旅客輸送人員も▲33%の減少です。おそらく、09年度を通じてこのような数値なのでしょう。
87年から08年までの20年をかけて▲55%の減少であったものが、たった1年で▲40%も減少すれば、普通の私企業が対応できないのは無理もありません。今後も高速道路料金を抑える国の方針に変更がないとすれば、傷が大きくならないうちに事業撤退を選択するのは当然と言えます。

では、明かな総選挙目当ての人気取りであった前内閣の高速料金値下げ政策が悪いのか、それとも現政権のそれが原因か。しかし、非常に高額である瀬戸大橋(のみならず本四架橋全体)の通行料金を値下げしてほしいというのは、四国4県こぞっての願望だったはずです。
先の表からも分るように、宇高航路の航送台数が08年までの水準を維持し得ていたのは高速道路の料金が高かったからで、それを値下げすれば自動車が本四架橋に流れ、フェリー会社の経営を圧迫し、最悪の場合航路廃止に至ることは自明だったはずです。もしも、フェリー会社の経営維持のため、他の高速道路の料金を引き下げても本四架橋だけは従来通り維持する、などという政策が採用されれば、四国各県の行政も住民も黙ってはいないでしょう。
結局、あちらを立てればこちらが立たずです。しかし、きわめて冷徹な言い方をすると、行政と住民が本四架橋の建設を選択した時点でフェリー会社の命運は尽きていたのであり、開通後は地域経済や利用者、そして従業員に与える悪影響を最小限に保ちながら、一定の時間をかけて会社の安楽死を図るのが、Issie さんの仰る「総合的な交通政策」というものではなかったかと思います。本州と四国との連絡を陸上交通化するのが本四架橋の本来的役割であり、それが両者間の海上交通を無用のものにするのは当然ですから。
今回の航路廃止が突然に思えるのは、昨年3月からの唐突な高速料金引き下げ政策が引き金になったからですが、四国の行政や住民が高速料金の引き下げを望んでいるのであれば、フェリー航路の廃止はそれに伴う犠牲として甘受するしかないでしょう。あとは、激変緩和措置として、自治体段階の補助金で廃止期日を若干引き延ばすくらいの対応しかないと思います。

個人的なことを言えば、私は港町の生まれであり、自分では自動車を運転しないので、高速道路が伸びるより海上航路が維持された方がよっぽど良いと思っています。本四架橋に関しても、四国と本州の間に3本の橋を架ける必要などまったくなかったと思います(別に瀬戸大橋だけでも私は構いません。南海を利用すれば良いだけのことです)。しかし、現実に3本の橋をつくってしまった以上、これを活用する方策を見つけるしかないでしょうし、それが本四間の海上交通を圧迫するのは必然です。本四架橋は、四国の行政と住民が強く望んだ結果建設されたものです。その果実を享受するなら、マイナス面も併せて引き受けるしかないと思います。
結果として、徳島阪神航路も早晩廃止されるでしょう、残念ではありますが。
[74157] 2010年 2月 14日(日)23:09:28みかちゅう さん
宇高航路の廃止の影響
[74151]hiroroじゃけぇさん
生活航路としている人は約3100人
とのことですが、どのような利用が主になされているのでしょうか。「宇野の住民が岡山ではなくあえて高松に行く目的」も「高松の住民が岡山ではなくあえて宇野に行く目的」もいまいち思い浮かばないのですが、意外と通勤や通学の需要があるのでしょうか? 岡山ではなく「宇野(の周辺)」と高松間の需要が一定以上なければ、瀬戸大橋経由で代替可能と判断されて当然でしょう。つまるところ、[74152]Issieさんのおっしゃるように
住民にとってなくなっては困るから絶対になくせない小さな島への航路よりも,宇高航路クラスの航路の方がかえって存続は難しいかもしれません。
ということになるのは仕方ないことだと考えます。

瀬戸大橋開通に当たっても海運業界に補償や雇用対策がなされたとは思いますが、[74154]okiさんがおっしゃるように
本州と四国との連絡を陸上交通化するのが本四架橋の本来的役割であり、それが両者間の海上交通を無用のものにするのは当然
なので、今回もフェリー関係者の雇用対策などをした上で廃止することになるのでしょう。瀬戸大橋を通行料無料政策の対象外とする理由が「宇高航路を守るため」では通らないでしょうね。それならば「温暖化の原因となるCO2の排出抑制」とすれば納得がいくかというと、宇高航路ぐらいの短い距離を船に替えたところで抑制効果は限定的なので納得することはできません。むしろ「結局は特定業界の保護のためか」と勘繰られても仕方のないことでしょう。

悪影響として一つ考えられるのは、四国フェリーの主要路線である宇高航路の採算悪化によって同社運航の他の航路に影響することです。小豆島航路に影響するようであれば、何らかの補填は別途考える必要があることになるかもしれません。
[74170] 2010年 2月 16日(火)23:18:47hiroroじゃけぇ さん
交通期間の選択肢は複数が望ましい
[74154]oki さん
宇高航路の廃止を聞いても、「相当な衝撃」を受けたわけではありません。
過去の幻想でしょうか。地元では「宇高航路こそ四国連絡航路で最重要ルートである」と今でも考えています。そして、過去の繁栄を今でも引きずっているのは確かです。「サンポート高松」などはその代表例です。それでも、四国と本州をつなぐ役割は他のどの連絡航路よりも大きかったと思っています。そして、その航路が廃止というのは、四国の歴史にとっては大きなニュースであると思ったのですが・・・。そうでないとすると、やはり「過去の幻想」なんでしょうね。

[74157]みかちゅう さん
「宇野の住民が岡山ではなくあえて高松に行く目的」も「高松の住民が岡山ではなくあえて宇野に行く目的」もいまいち思い浮かばないのですが、意外と通勤や通学の需要があるのでしょうか?
「生活航路」としては、通勤や通学の需要が高い比率を占めているはずです。hiroroじゃけぇが、児島から高松の高校に通学していたように、宇野から高松への通学需要はあるのです。実際、hiroroじゃけぇの知り合いにもフェリー通学者がいますから。

また、「振替輸送」についての重要度は見逃せないのではないでしょうか。松山から、あるいは高知からの旅客が香川県内で足止めを余儀なくされる。そのような状況下では、おそらくその旅客を宇多津~丸亀~多度津間で吸収するのは難しく、坂出・高松ということになるでしょう。しかし、本来のルート上にない都市に収容されるとなると納得できない人も多いのではと思います。そんな時の「フェリー」はありがたいものです。ただ、「振替輸送」の為だけに航路を維持するのは非効率なのは確かです。そういった点では、「振替輸送」は一つの参考点になるでしょうが、これを元に維持するということは無理だと自分自身思っています。

さて、oki さんもみかちゅう さんも、そして自分もですが人の移動手段の面でしか書き込んでいませんでした。しかし、フェリーは物流システムの一部であることを忘れてはいけません。橋の上では重量制限など様々な理由で、通過できない車両が多々あります。例えば、建設重機などがそれに当たります。もし、「宇高」などの「本四連絡航路」特に「直行航路」がなくなれば、重機の輸送コストが大幅に上がることになり、四国経済のテコ入れに水を差す結果になりかねません。逆に、四国から本州への重機の出荷にも影響がでかねません。また、同僚の元トラック運転手にきくと、「フェリーは休憩しながら前に進める唯一の機関。平日の料金などを考えるとフェリーで休んで、前後を走る方がいい」とのこと。このような利用のされ方も考えなくてはなりません。更に、このような利用方法は24時間運行しているフェリーだからできることなのです。「本四架橋」に移行となれば、与島P.Aなど中間点に宿泊施設が求められることになりそうです。物流という面からすれば、1時間に1本。特に夜間には確保してもらいたいというのが、物流業界末端の願いなのではと思います。
[74175] 2010年 2月 18日(木)03:19:43oki さん
高松-宇野間の流動人口
[74170] hiroroじゃけぇ さん
四国と本州をつなぐ役割は他のどの連絡航路よりも大きかったと思っています。そして、その航路が廃止というのは、四国の歴史にとっては大きなニュースであると思ったのですが・・・。そうでないとすると、やはり「過去の幻想」なんでしょうね。

宇高航路が、四国と本州をつなぐ路線として他のどの連絡航路より大きな役割を果たしてきたのは紛れもない事実です。しかし、それに寄せる思いが、岡山・香川県民と、他の四国3県とで差があるのも否めないようです。
高知・愛媛県にとって、宇高航路は何よりも本州への連絡ルートでしたから、瀬戸大橋によってその機能が維持されていれば、現行の宇高フェリーが廃止されてもさほど痛痒を感じないようです。徳島に至っては、国鉄の時代から本州への連絡は南海フェリーが主であり、現在は明石海峡大橋がその機能を担っていますから、宇高フェリーの廃止を聞いてもほとんど感慨も抱かないでしょう。
一方、岡山・香川県民にとって、宇高航路は本四連絡ルートであるとともに、両県を相互に(たぶんもっとも安い価格で)結びつける「生活航路」としての機能を持ってきたのだと思います。宇高フェリーの廃止は、この「生活航路」の切断であるため、その直接関係者には見過ごせない事態であり、hiroroじゃけぇさんのように、過去にこの路線を利用されていた人たちにも衝撃として受け止められたのではないかと思います。

そこで、現行の宇高航路が、岡山・香川県間の日常生活でどの程度の役割を果たしているかを探るために、2005年国勢調査の流出入人口をもとに、次のような表を作ってみました。

    就業者通学者
岡山市366215151
倉敷市1147143
玉野市43385
その他281711
 計 551341210
岡山市491309182
倉敷市411215196
玉野市1067432
その他1235667
 計 1131654477
 岡山市857524333
倉敷市525286239
 玉野市14911237
その他1517378
  計 1682995687

宇高フェリーの特性を考えて、対象としたのは高松市と岡山県内各市との流出入人口です。
分りにくい表で恐縮ですが、「高松→宇野」の欄にあるのは、高松市に住んでいて岡山・倉敷・玉野その他の岡山県内に通勤通学する人の数で、計551人です。「宇野→高松」は岡山市等に居住して高松市に通勤通学している人で、計1,131人になります。両者を合計すると1,682人で、これが宇高フェリーを使って通勤通学している可能性がある人の最大限の数です。
最初は、岡山市や、倉敷でも玉野から遠い地域では宇高フェリーを使わないだろうと思っていたのですが、このフェリーの運賃が宇野-高松間で大人片道390円と信じられないほど低額なため(JRだと岡山-高松間1,470円)、会社が定期代を払ってくれる就業者(通勤者)はともかく、687人の通学者はすべて宇高フェリーを利用している可能性があります。玉野市関係の就業者112人も当然利用者でしょうから、合わせて800人程度は、通勤通学で毎日宇高フェリーを利用しているのではないかと思われます(往復で1,600人ですね)。

本来であれば、少なくともこの通勤通学者に対しては代替交通手段の提供が必要なのだと思います。トラックを含めた車両輸送の激減がフェリー廃止の主因ですから、代替交通手段は高速船のような旅客専用船が求められるだろうと思います。しかしこの航路では、1988年の瀬戸大橋開通後も残されたJRの高速艇が、90年に廃止されており、旅客専用船の運航は難しいでしょう。であれば、現在の通学生が卒業するまで、朝夕の通勤通学時のみ、現行のフェリーを自治体の補助金で運航させる、くらいのことしかできないのではないでしょうか(それもかなり難しいことでしょうが)。
なお、hiroroじゃけぇさんの指摘された宇高フェリーの物流機能に関しては、ほぼ考慮の余地はないでしょう。先のように、フェリー廃止の理由がトラックを含めた車両輸送の激減ですし、重機の輸送は現在でも内航海運が担っていると思います(そうでなければ、高松に本社を置く重機メーカーのタダノが、今回の件に沈黙を通すはずはありません)。

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話変わって、横断と縦断のことなのですが、ふと思い立って辞書を引いたところ、「横断」について「横にたち切ること。平行方向に区切ること」などのほかに「ある地域や海域を東西の方向に通ってゆくこと」という説明がありました(日本国語大辞典)。え~そうなの、と思って「縦断」を見ると、「縦または南北の方向に断ち切ること」となっています。
念のために広辞苑を確認したところ、やはり横断に東西、縦断に南北方向に通り抜けるとの意味があると書いてあります。
春秋戦国期の中国ならともかく、現代日本語で、横断=東西、縦断=南北の意味があるとは今の今まで知らなかったのですが、皆さんはいかがですか?


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