[91224]Takashi
個人的には想定外の神戸市を解答。それにしてもなんで神戸市ではこれだけ人口が減少しているのでしょうか?
第四十三回十番勝負の問Eの解答から心の中に残っている疑問なのですが、これについて関東在住の私がそれなりの考察をしてみたいと思います。なお、人口増減については基本的に2010年と2015年の比較に基づくものとすることにします。また、必要に応じて
神戸市町別世帯数・年齢(5歳階級)別人口(国勢調査)を使うことにします。
まず、神戸市の各区と阪神間の3市(尼崎、西宮、芦屋)および明石市の人口増減を示します。順序はわかりやすくするためにあえてコード順には並べておりません。
市区名 | 2015年速報 | 2010年組替 | 増減数(人) | 増減率(%) |
尼崎市 | 452571 | 453748 | -1177 | -0.259 |
西宮市 | 488147 | 482640 | 5507 | 1.141 |
芦屋市 | 95440 | 93238 | 2202 | 2.362 |
東灘区 | 213727 | 210408 | 3319 | 1.577 |
灘区 | 136130 | 133451 | 2679 | 2.007 |
中央区 | 135218 | 126393 | 8825 | 6.982 |
兵庫区 | 106982 | 108304 | -1321 | -1.120 |
長田区 | 97152 | 101624 | -3672 | -3.613 |
須磨区 | 162533 | 167475 | -4942 | -2.951 |
垂水区 | 219554 | 220411 | -857 | -0.389 |
明石市 | 293509 | 290959 | 2550 | 0.876 |
北区 | 219868 | 226836 | -6968 | -3.072 |
西区 | 245895 | 249298 | -3403 | -1.365 |
(1)JR神戸線沿線の各市区(表内では尼崎市から明石市までが該当)
阪神間にある西宮市から中央区にかけては人口が増加しています。(中央区の人口増が際立っているのは都市中心部への回帰現象も要因としてあげられると思います。)尼崎市は人口が減少していますが、隣接する大阪市西淀川区よりは人口減が数・率ともに少なく(市内全体では増加している大阪市ですが、中心部に存在する区では増加している一方、周辺部に存在する区では減少しているという現象がみられました。)阪神間の人口増と大阪市周辺部の人口減の二つの要素が重なっているものと思われます。
兵庫区と長田区は1995年から2000年にかけては震災に遭われた方が戻ってきた結果かどうかわかりませんが人口が増えていますがそれ以後は減少し続けています。特に長田区の場合1995年の人口に戻りそうなくらい減少しています。このあたりについては詳しい方の解説をお願いしたいところです。なお、各町ごとでみた場合、増加しているところも存在しているので一律に減少しているわけではないようです。(どこが増加していてどこが減少しているかを地図化すると面白いかもしれませんがさすがにすみませんがそこまでする気はおきません。)
須磨区は区全体としては人口が減少しているのですが、
本区地区ではでは人口が微増から微減に転じた程度である一方(-0.2%)、須磨ニュータウン地区では人口の減少が1995年以後続いております(-5.1%)。須磨ニュータウン地区の人口の減少は入居開始から40年以上が経過し、そこで生まれ育った子どもたちが出ていくなどしておこったのではないかと思います。(子どもたちが出ていく要因としては単に親元を離れるということもあると思いますが、市営地下鉄からJR・阪急・阪神と乗り継がないと大阪に出られないのも要因なのかもしれません。)
垂水区は大阪市から離れていますが、人口はそれほど減少していません。隣接する明石市は逆に人口が増加しています。明石駅から三ノ宮駅まで新快速で15分、大阪駅まで41分という立地から(朝のラッシュ時の所要時間です)大阪や神戸の通勤圏としてまだ人口増の可能性があるということでしょうか?(といっても垂水区が増加に戻るとも思えませんけど。)
(2)JR神戸線から外れたところに存在する区(表内では北区と西区が該当)
2000年から2010年にかけては微増の傾向にあった北区ですが、2010年から2015年にかけて大きく減少しています。本区地区では人口が大きく減少する一方(-5.4%)、北神出張所管内では人口がまだ増加しています(0.7%)。本区地区の方が開発が早くから進んでいると思いますので、やはりそこで生まれ育った子どもたちが出ていくなどしておこったのではないかと思います。(子どもたちが出ていく要因としては単に親元を離れるということもあると思いますが、神戸電鉄からJR・阪急・阪神と乗り継がないと大阪に出られないのも要因なのかもしれません。)
西区は1995年から2010年まで順調に増加していきましたが2010年から2015年にかけて減少するようになりました。本区地区では人口が減少する一方(-2.1%)、西神中央出張所管内では人口の変動はほとんどおこっていません(0.0%)。ここは開発自体が比較的新しいせいかまだ減少の程度は小さいのですが、市営地下鉄もしくは神戸電鉄からJR・阪急・阪神と乗り継がないと大阪に出られない(あるいはバスでJR神戸線の駅に出てからJRで大阪に向かうという方法も地区によっては考えられます。)ことを考えるとこれ以上の増加は厳しいのかなとも思います。
もしかしたら的外れなことを言っている可能性もありますのでそのときはご指摘お願いいたします。