美馬市の本庁舎が穴吹にある点について、ご案内の方もおられると思いますが、簡単に合併協議での経緯と現状を触れておきます。
合併協議では当然のごとく脇町・穴吹町が本庁舎をめぐって争いました。合併協議会に、合併時の本庁舎は最も新しく延床面積も広い穴吹町役場として分庁・総合支所方式を採用し、合併後4年以内に脇町内で新庁舎を着工(具体的な位置は美馬町の意向を尊重)する(合併期日は05年3月)という案が提案されます。いわば妥協の産物と言えそうです。しかしそれでも、脇町議の一部が穴吹町役場を本庁舎とすることに反対する要望書を出したり、穴吹町議会も新庁舎建設については意見集約ができていなかったりといった状況でした。
まず脇町議の一部の要望書は容れられず、合併時の本庁舎は穴吹町役場に決まるのですが、その後も穴吹町議会が新庁舎の着工時期を削除する要望書を出したり、脇町の住民が署名を集め脇町を本庁舎とすることを求めたりと混乱は継続しました。
最終的に原案通り(美馬町の意向を受け新庁舎の位置を脇町西部地区と明記する修正のみ実施)で合意し、脇町や美馬町にもかなりの部門を割く形の分庁方式でスタートします。
しかし07年4月に美馬市は旧穴吹町役場周辺の施設に、脇町や美馬町から本庁機能の大半を移転。07年9月に庁舎検討市民委員会は「新庁舎建設を急ぐべきでない」と報告し、新庁舎の先行きも怪しくなる一方、穴吹への集約は進んでいます。
私も市制施行後に旧脇町役場を外観だけではありますが見たのですが、古い建物だなあという印象は拭えませんでした(旧穴吹町役場は見ていませんので比較はできませんでしたが)。
追記:美馬市成立以降の流れは、あくまでも地方財政が厳しい中で行政の効率化や支出の見直しを検討した結果であり、脇町いじめとか、そういった意図ではないことを念のため申し添えます。