[109976] futsunoおじ さん
「自治体の最高点」での最高点の求め方は地理院地図に記載の三角点・標高点などの数値と地図中央の”+”カーソル位置の標高を比較して高い方を採用するといった単純なもので、何か克服したというものではありません。「DEM5A」「DEM10B」などの意味も考えず使っています。
ありがとうございます。現状では標高点から10メートル程度以内に基盤地図情報による最高点がある場合には、仮に最高点の方が標高が高くても標高点の標高を優先し、それよりも離れている場合には、より標高の高い方の情報を採用することにします。
海岸線延長についても悩んでおられるようですが地図の精度が向上して、より細かい凹凸が表示されるようになるにつれ海岸線が長くなる傾向はあるかなと思います。海岸線延長については出所を明示して適当と思われる値を利用することで良いのではないでしょうか。
おっしゃる通りです。
ちなみに
[110035]であきごん さんが求められた円形度について、
(A) 新版 日本の島事典 (2022年)
(B) 2021 離島統計年報 (2023年)
(C) 新版 日本の島ガイド SHIMADAS (シマダス) (2019年)
(D) 2003 離島統計年報 (2004年)
で比較すると、ここまで数字に違いがでます(なお桜島はいずれの文献でも島扱いされていない)。
島名 | 面積 (km2) 文献(A) | 海岸線延長 (km) 文献(A) | 円形度 文献(A) | 面積 (km2) 文献(B) | 海岸延長 (km) 文献(B) | 円形度 文献(B) | 面積 (km2) 文献(C) | 周囲 (km) 文献(C) | 円形度 文献(C) | 面積 (km2) 文献(D) | 海岸延長 (km) 文献(D) | 円形度 文献(D) |
南大東島 | 30.523169 | 25.233 | 0.602 | 30.53 | 24.1 | 0.661 | 30.52 | 21.2 | 0.853 | 30.57 | 21.2 | 0.855 |
多良間島※ | 19.808106 | 23.232 | 0.461 | 19.81 | 20.9 | 0.570 | 19.81 | 20.9 | 0.570 | 21.88 | 26.2 | 0.401 |
利尻島 | 182.087447 | 86.567 | 0.305 | 182.09 | 64.0 | 0.559 | 182.12 | 64.0 | 0.559 | 182.15 | 65.1 | 0.540 |
三宅島 | 55.195318 | 55.002 | 0.229 | 55.21 | 38.4 | 0.471 | 55.20 | 38.4 | 0.470 | 55.44 | 38.3 | 0.475 |
屋久島 | 504.294137 | 167.815 | 0.225 | 504.29 | 126.7 | 0.395 | 540.48 | 126.7 | 0.423 | 504.56 | 126.7 | 0.395 |
島後 | 241.531788 | 180.964 | 0.093 | 241.55 | 209.9 | 0.069 | 242.83 | 209.9 | 0.069 | 241.58 | 211.0 | 0.068 |
※2003離島統計年報の多良間島(19.73km2)の海岸延長(26.2km)は、水納島(2.15km2)を含むため、合計の面積で円形度を算出。
基本的に面積には大きな違いはありませんが、海岸線延長(島事典では解説編で「海岸線」、データ編で「海岸線延長」、離島統計年報では「海岸延長」、SHIMADASでは「周囲」と表記)では、日本の島事典とその他3つとの間の大きな差があります。
日本の島事典では、以下の解説があり、独自に面積と海岸線、標高を出したと伺えます。
面積については日本の島事典の数値はかなり信用が高く、国土地理院が公表していない1km2未満の島の面積については、現状もっとも信頼できると思われます。標高については、日本の島事典は基盤地図情報の利用が限定的であるため、データの確認が必要です。
●無人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
国土数値情報によるが、記載のないものについても読者利益を図るために国土地理院の『地理院地図』(https://maps.gsi.go.jp )のデータツール機能を用いて、概要を仮測定している。それでも不明な場合は低島または「―」記載にした。海岸延長は島が島である基本情報であり、海から受ける影響度・利用・海との相互作用的近接性の指標そのものである。公的島基準もその長さで線引きしてきた。高島は目印や生態系多様性に関わり、また低島であっても領海・EEZ基点や渚生物の生態系環境保全上重要な干潟等であったりする。そこで可能な限り、それらのデータを洗い出した。
(中略)
●有人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
無人島と同様。
一方SHIMADSの周囲の数値は、おそらく過去の離島統計年報の海岸延長を引用していると思われます。肝心の離島統計年報の掲げる海岸延長数字に関しましては、例えば2021離島統計年報では:
海岸延長は,国土交通省水管理・国土保全局の海岸統計調査(平成27年3月31日)等に基づく数値である。
2003離島統計年報では:
海岸延長は,「海岸統計平成12年度版」(国土交通省河川局編)による全国の総海岸延長である。
とは書いてあるのの、国交省の海岸統計には市区町村別まで海岸線延長の数字が示されており、「「離島振興法」に係る海岸線延長」という項目からある程度割り出すことは可能なのですが、個々の島の海岸線延長まで算出することはできません(参考
[109921])。
とりあえず、手元にある令和2年度海岸統計によると、利尻町の延長は25.256km、利尻富士町の延長は38.743kmとあり、合計すると63.999kmとなっており、確かに離島統計年報が採用している64.0kmと一致しました。つまり離島統計年報やSHIMADASの数字は国交省系の数字で、独自に算出している日本の島事典の数字との違いは、「自然な海岸線」の解釈違いということになるのでしょうか?
日本の島事典はほとんどの島について海岸線延長の数値が得られるので便利ですが、国交省系の公的な数値との大幅な違いがあるということを念頭に入れないといけない・・・というあまり〆のない結論に達しました。
【追記】データを見返したら島後に関しては、国交省データよりも日本の島事典の方が低く出ていますね。国交省の令和2年度海岸統計によると隠岐の島町の延長が210.685km(全体が「「離島振興法」により指定された地域における海岸線延長」となっている)であり、それがそのまま島後の海岸延長として採用されているようですが、国交省データは無人の大森島(0.296496km2, 3.172 km)などは海岸延長に含めないのか?などと色々な疑問が出てきます。