前回
[69946]に引き続き、「鉄道のない市」についての考証を進めたいと思います。
ところで、今回の「問二」で「NG」とされた神栖市と牧之原市は、「鉄道が通るが駅がない」という市で、他にこれに該当するのはかすみがうら・綾瀬・宮若の各市です(
[69934]運び屋Aさん)。このうち、神栖(鹿島臨海鉄道の貨物線が昭和53-58年の間旅客列車を運行、神栖駅・鹿島港南駅で客扱いしていた。なお、「大洗鹿島線」の開業は昭和60年)・牧之原(静岡鉄道駿遠線(
HP)大井川以南が昭和43年に廃止)・宮若(旧国鉄宮田線・平成元年廃止)は、いずれも市の成立前に、鉄道の旅客駅がありました。
長い間鉄道が通らず、近年になって初めて鉄道の恩恵に浴することになった市には、八潮(「TX」・平成17年)、鳩ヶ谷(埼玉高速鉄道・平成13年)、宿毛(土佐くろしお鉄道中村線延伸・平成9年)などがあります。
かつてあった鉄道が廃止されてから長い年月を経て鉄道が復活した例には、那覇(沖縄県営鉄道が昭和20年に戦災により壊滅・事実上廃止→「ゆいレール」(沖縄都市モノレール)が平成15年に開業)、安芸・香南(土佐電鉄安芸線が昭和49年に廃止→土佐くろしお鉄道「ごめん・なはり線」が平成14年に開業)、それに前回
[69946]でも触れたつくば(筑波鉄道が昭和62年に廃止→「TX」が平成17年に開業。筑波山のケーブルカーは、前回の「問七」と同様に「対象外」扱い)といったところがあります。那覇市は鉄道が復活するまでに実に58年の歳月を要し、高知県の両市も復活まで28年かかっています。このうち香南・つくばの両市は、鉄道が消えたのは共に市の成立前で、香南市は市制の2年前に鉄道が復活し、つくば市は鉄道が消えたその8ヶ月後に市制(筑波鉄道が通っていた旧筑波町は2ヵ月後に編入)、それから18年を経て再び市域に鉄道が戻ってきたというわけです。
ところで、「鉄道のない市」で最も人口の多い市といえば、つい数年前までは、
[69367]での桜トンネルさんの「フライング」
この問題を県庁所在地から答えるのは絶対に無理です
を思い起こさせる、那覇市がダントツ。これとつくば市が「両横綱」でしたが、現在の時点ではどうやら沖縄市(129,051人)が最多、以下うるま(114,259人)、浦添(108,348人)とトップ3を沖縄勢が独占し、本土で最多なのは4位の鹿屋(105,152人)。人口10万人以上で鉄道が市内にないのはこの4市ということになりそうです。
♯香南市・つくば市についての不正確な表現を修正