[77566]中島悟さん
京都府久世郡
淀町なのか宇治町なのか、あるいは移転しているのか?
まず京都府に郡区町村編制法が施行されたのはM12.3.14です。
その時の宇治郡&久世郡の郡役所の位置は宇治郷(久世郡)でした。
参照:
府布達第70号(M12.3.14)
#ただし実際に郡役所が開庁したのは
府布達第133号(M12.4.10)でM12.4.21になってからでした。
その後、M12.5.7に宇治郡及び久世郡の各郡に郡役所が置かれることになりました。宇治郡役所の所在地は醍醐村で、久世郡役所の所在地は淀でした。
参照:
府布達第163号(M12.5.7)
その後の移り変わりを国立国会図書館所蔵の京都府統計書で見てみます。
京都府統計書(明治13年)ではM13.12.31の久世郡役所の所在地は池上町(淀3町の1つ)。
京都府統計書(明治14年)ではM14.12.31の久世郡役所の所在地は池上町(淀3町の1つ)。
京都府統計書(明治21年)ではM21.12.31の久世郡役所の所在地は淀下津町(淀3町の1つ)。
京都府統計書(明治22,23年)によると、M22.4.1の市制町村制施行で久世郡役所の所在地は淀町となりました。
京都府統計書(明治25年)でもM25.12.31の久世郡役所の所在地は淀町。
明治26年から明治35年の京都府統計書は見つかりませんでした。
京都府統計書(明治36年第1,2編)では久世郡役所の所在地は宇治町に移転しています。
この後は
京都府統計書(大正2年第1編)などを見る限りでは郡役所所在地は変わらなかったようです。
以上からすると、久世郡役所の所在地の変遷は
宇治郷→淀→池上町→淀池上町or下津町→淀下津町→淀町→宇治町
であったものと考えられます。
#淀池上町or下津町と記載したのは、淀3町(新町、下津町、池上町)に公式に町名の最初に「淀」との名称がついた時期と、池上町から下津町へ移転した時期のどちらが先か不明であるからです。