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伊豆之国さんの記事が1件見つかりました

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[92138]2016年12月29日
伊豆之国

[92138] 2016年 12月 29日(木)20:47:44【2】伊豆之国 さん
鶏が先か、卵が先か
来年は酉年。と言うことで、少々気が早いですが「鶏」にまつわる地名談義を。

「鳥」のつく地名は全国各地にありますが、「鶏」に限定するとなると、大変稀少な地名になります。
「鶏」のつく住所地名(大字以上)を調べてみると、次に挙げるようなものがありました。

青森県上北郡横浜町鶏沢鶏ヶ唄
岩手県宮古市磯鶏…磯鶏西・磯鶏沖・磯鶏石崎もあり
三重県桑名市長島町白鶏
京都市下京区鶏鉾町
京都府向日市鶏冠井町
北九州市小倉北区金鶏町

…ざっとこんなところでしょうか。

青森の横浜町には「鶏」のつく大字が2箇所ありますが、「にわとりざわ」「とりがうた」とそれぞれ「鶏」の字の読み方が異なっています。宮古市の「磯鶏(そけい)」にはJR山田線の「磯鶏」駅(震災で長期運休中、復旧後は三陸鉄道に移管予定…[86828] スカンデルベクの鷲さん 他)があり、全国で唯一の「鶏」のつく駅名ですが、「地元には地名の由来として縁起の悪い言い伝えが残っており、『鳥取か鳥羽あたりを代役として立てたらどうか』と言うことが書かれていた」のを、その昔どこかで見たような記憶がありました。
桑名市長島の「白鶏」は「はっけ」。何か言い伝えがあるのか、ご当地ゆかりの方に由来を尋ねてみたいものです。
京都の「鶏鉾町」は、祇園祭の「鶏鉾」に由来する町で、付近には「山鉾」に関係する町名が集まっています。向日市の「鶏冠井」は「かいで」と難読です。「紅葉した楓(カエデ)の葉が鶏の『とさか』に似ている」ことから来ていて、「井」は「サイレント」の「添え字」らしいです。町内には「長岡京」の大極殿跡と伝えられる遺跡が残っています(向日市HPより)。
小倉の「金鶏」には、どんないわれがあるのでしょうか。

「鶏」の字には、つくりが「ふるとり」の異体字「奚+隹」もあります。長崎県対馬市の旧美津島町には、この異体字を使った「(奚+隹)知」(けち)という地名があります。こちらも、デビューして間もないご当地ゆかりの方にその由来をお伺いしたいものです。この「奚+隹」の字はJIS第2水準までには入っていないため、PCではうまく表示できず、Web上では常用漢字の「鶏」に置き換えられている場合が多いようです。
対馬市美津島町「奚+隹」知地区のStreet Viewからいくつか見ると…

鶏知郵便局…常用漢字の「鶏」になっています。
「奚+隹」知中学校…生徒用玄関には「鶏」の「鳥」を「ふるとり」に入れ替えた略字体が使われています。
「奚+隹」知通学バス待合所…字がぼやけて見づらいのですが、どうやら「奚+隹」であるようです。

…という具合で、地元でも結構表記が混乱しているように見受けますが…。

「鶏」のつく自然地名としては、栃木県日光市川治温泉の奥の鶏頂山、その昔登山だかスキーだとかでにぎわったことがあったらしい、と言うことをTVで見たようなこともあるのですが、今は観光ガイドなどでも見かけないようで、既に荒廃しているのでしょうか。

「鶏」にゆかりの神社というと、和歌山県田辺市の「闘鶏神社」(こちら)。
『平家物語』『源平盛衰記』に、源平合戦時、紀伊国の住人、熊野別当湛増(たんぞう)が源平いずれに付くかで迷った際に、赤(平氏)と白(源氏)の鶏を戦わせたところ、白鶏が勝ったので源氏方についたとあります。これが神社名の由来とされています。この湛増は、源義経の家来の武蔵坊弁慶の父ともいわれ、田辺は弁慶の出生地をうたっています
この神社では、公式には先ほどの「奚+隹」の字を使っています(さらに正式には「闘」も「たたかいがまえ(とうがまえ)」の「鬪」)が、やはりPCで出せないこともあり、神社自身でも常用漢字の「闘鶏」と表記することがあるようです。
♯横道にそれますが、前記のサイトの続きには、以前に話題になった串本町の「くじ野川」([80935] 白桃さん、[80941] hmtさん)も出てきました…。また、「源平合戦」つながりですが、「平家の落人伝説」が残る日光市旧栗山村の湯西川温泉([79328])には、「鶏の鳴き声がしたのを、源氏の追っ手に『合戦の合図』と思われた」と言うことがあったので、それから集落では鶏を飼わなくなった」という言い伝えが残っているそうです。

「鶏」のつく寺院に、滋賀県長浜市旧木之本町の「鶏足寺」かあります(長浜市HPより)。この付近を含めた湖北地方は、知る人ぞ知る「観音の聖地」とされ、村々の道端にたたずむ小さなお堂に収められた観音像を求めて訪れるファンも多いようです(私自身も二昔ほど前に2度に分けて、この地方一帯の仏像めぐりに訪れています)。

もう一つ「鶏」にゆかりの場所。京都・滋賀県境の逢坂山。百人一首にも収められた清少納言の和歌、「夜ををこめて鶏の空音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ」。この歌は、中国の春秋戦国時代の故事「鶏鳴狗盗」を基にして読まれたものとされています。

「干支」の「酉」のほうにゆかりの神社では、やはり東京近辺では晩秋の風物詩として名高い「酉の市」。台東区千束の「鷲(おおとり)神社」、目黒区下目黒の「大鳥神社」、新宿区新宿五丁目の「花園神社」などが知られていますが、発祥の地は足立区花畑の大鷲神社とされているようで(こちら)、また「鷲神社」の「本家」は埼玉県久喜市旧鷲宮町の「鷲宮神社」とも言われているようです。

最後に、今年の経県値は30点
静岡県の△は、湯河原町(温泉ではありません)への社用の帰り、飲み会に間に合わせるために熱海まで戻って新幹線に乗ったこと、栃木県の△は9月の「みちのく独り旅」([91505])の帰りの新幹線で、宇都宮駅に「超特急」の追い抜き待ちで駅のホームに下りて飲み物を買ったことによるものでした。
「市の経県値」(認市度)は、残念ながらUpは無し。新規市制の富谷市は未踏のため、実質Downとなってしまいました(町村では蔵王町が●→○、大河原・柴田両町が▲→●と、計5ポイントUpしたのですが…)。


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