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okiさんの記事が1件見つかりました

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記事番号記事日付記事タイトル・発言者
[65419]2008年6月6日
oki

[65419] 2008年 6月 6日(金)02:37:21oki さん
静岡新聞 徳島新聞 配達する人
[65407] EMM さん
全国新聞折込広告部数集計表を見てみました。
これもなかなか興味深いデータでした。
が、気になった点が何点か。

はい、気になる点がいくつか上がってくるだろうと思っていました。
まず、このデータの性格ですが、広告主が新聞に折込広告を入れる場合の、部数(料金)算定の基礎資料として提供されているものです。ローデータは各販売店の新聞ごとの配達部数で、それを折込専門の広告代理店が集計・整理したものだと思います。したがって、販売店側からのデータ提供がなければ、新聞ごとの部数は分かりません。

静岡県は折込に関して全国でも特殊な地域らしく、どのデータを見ても、新聞別の部数が明らかになっていません。わたしが昔使っていたデータでは、上の部数表とは逆に、全国紙を含めてほぼすべてが静岡新聞の部数になっていました。おそらく、業界内の何らかの事情で、販売店が新聞ごとの部数を公表しないのだと思います。

次に、秋田、山形などの地域紙のことですが、これらは、「部数が少なすぎ」「折り込み広告が入らない」ために、集計表に載っていないのだと思います。大崎タイムスのように総部数7000部程度の新聞でも掲載されていますから、紙名のない新聞はそれ以下の部数しかないのでしょう。
販売店が配達するのは一般紙だけでなく、スポーツ新聞や各種業界紙も対象で、市郡単位でまとめれば数百部程度になるものもあると思いますが、これらは部数表には掲載されていません。小規模な地域紙も、これと同じような扱いになっていると考えられます。

なお、この部数表やABC協会の公表する部数は、いわゆる公称部数で、実際の配達部数とは異なります。新聞業界には「押し紙」と言われる慣行、有り体に言えば部数の水増しがあることは公然の秘密です。押し紙について説明し出すとややこしくなるので詳しくはこのサイトなどを見ていただきたいのですが、一般的には公称部数の2割、場合によってはそれ以上の押し紙があると言われています(新聞社自身はもちろん、テレビも週刊誌も報道しないので具体的な数値は不明ですが)。したがって、部数データを見る場合には、この分を割り引いて考える必要があると思います。

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徳島県が際だっている感があるのは、徳島新聞の占有率だけではなく、ライバル紙が無いあたりも影響しているかも。
「とくしん」が他の県紙と比べても際だった占有率を示す理由として考えたのは、ざっと次のようなことです。
・すでに県内で圧倒的な地位を占めているため、県内資本が新たな新聞社を立ち上げて読者を拡大することは困難(販売店もほとんど徳島新聞が抑えていますからね)。
・隣接する香川の四国新聞、高知の高知新聞も県紙であり、中日新聞や西日本新聞のようなブロック紙と違い、各県内のみを購読対象としているので、徳島まで進出する動機に乏しい(もしそれをやると徳島新聞から反撃されかねません。また、山陰中央新報が鳥取県で主な販売エリアとしているのは境港や米子といった島根県に隣接する都市で、距離的には鳥取市より松江市に近い地域です)。
・全国紙にとって、総部数30数万部に過ぎない徳島は、圧倒的な影響力を持つ地元紙を相手に多大なコストをかけて販売合戦を仕掛け、部数を拡大するほどの魅力に乏しい。

ただこのような状況は、多かれ少なかれ、県紙を持つような地域に共通するはずで、ほかにないかな、と思いついたのが、テレビ視聴のあり方です。
以前にも話題になったことがあると思いますが、徳島の民間テレビ局は徳島新聞と関係のある「四国放送」のみ。この局は、一応は日本テレビ系列なのですが、民放が1つしかないことなどから、ほかのキー局の番組も流しています。しかし、県民の多くは四国放送など見ていません。
県の人口が集中する東部の沿海地域には、生駒山上から発射される大阪キー局の電波が直接届き、四国放送と合わせて5局の民放が見られます(場所によっては和歌山放送や神戸のサンテレビも)。この場合、ほかの県と違って地元局の放送ではなく、大阪の放送が直接見える、という点が重要です。テレビでから流れるニュースは朝日新聞ニュースや毎日新聞ニュースでしたし(今もやっているのだろうか)、枚方パーク菊人形祭りのCMも入ります。

徳島県民にとっての大都会は今も昔も大阪(および神戸)です。東京が日本の中心であるのは分かっていますが、歴史的なつながりが深く、移住者も多い大阪への親近感は非常に強いものがあります。その大阪の情報が、テレビを通してダイレクトに入ってきますから、県外の情報を知るために全国紙を購読する必要がありません。
つまり、県内情報は徳島新聞、県外情報はテレビ、という使い分けができるわけで、とくしんの異常なまでのシェアの高さは、その点が一つの要因ではないかと。今思いついた考えですが。

ただ、県外情報がテレビで得られるためか、徳島新聞の県内ニュース偏重たるや、それはもうため息が出るほどです。実家はずっと全国紙を取っていたので、たまに学校などで徳島新聞を読むと、報道内容の落差に愕然としました。国内外の政治、経済、社会報道はほとんど共同や時事の配信記事で、ほかはすべて県内関係のニュースですからね。

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ついでなので、もう一点、新聞に関わる話題を。
地方は違うでしょうが、東京などの大都市圏の場合、日々新聞を配っているのは多くが新聞奨学生と言われる勤労学生です。販売店に住み込んで新聞を配り、その給与で生活費と学費をまかなっている健気な若者達です。

この新聞奨学生、かつてはすべて日本人でしたが、豊かになった代わりに根性の無くなった日本の若者にはもはや勤まらないようで、ここ10年ほど、わが家への配達をしてくれているのは全員外国から学びに来ている人たちです。覚えているだけで3~4人いますが、一人は17度線を国境にしていた国、ほかは38度線の南の国から来た若者です。
どこの学校に通っているかまでは聞いていませんが、みんな2~3年は継続して流暢な日本語を話せるようになっているので、仕事と学業を両立させた上で帰国しているのだと思います。

こういう形で、日本人がやらなくなった労働の、外国人への置き換えが進んでいるのですね。首都圏のほかの地域や関西圏などでも、自宅への新聞を配っているのは外国人の奨学生、という方は多いのではないでしょうか。


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