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[110047] 2024年 2月 13日(火)11:10:00【2】訂正年月日
【1】2024年 2月 13日(火)11:29:20
【2】2024年 2月 13日(火)13:31:40
YT さん
海岸線延長、さらなる問題点
[109976] futsunoおじ さん

「自治体の最高点」での最高点の求め方は地理院地図に記載の三角点・標高点などの数値と地図中央の”+”カーソル位置の標高を比較して高い方を採用するといった単純なもので、何か克服したというものではありません。「DEM5A」「DEM10B」などの意味も考えず使っています。

ありがとうございます。現状では標高点から10メートル程度以内に基盤地図情報による最高点がある場合には、仮に最高点の方が標高が高くても標高点の標高を優先し、それよりも離れている場合には、より標高の高い方の情報を採用することにします。

海岸線延長についても悩んでおられるようですが地図の精度が向上して、より細かい凹凸が表示されるようになるにつれ海岸線が長くなる傾向はあるかなと思います。海岸線延長については出所を明示して適当と思われる値を利用することで良いのではないでしょうか。

おっしゃる通りです。

ちなみに[110035]であきごん さんが求められた円形度について、
(A) 新版 日本の島事典 (2022年)
(B) 2021 離島統計年報 (2023年)
(C) 新版 日本の島ガイド SHIMADAS (シマダス) (2019年)
(D) 2003 離島統計年報 (2004年)
で比較すると、ここまで数字に違いがでます(なお桜島はいずれの文献でも島扱いされていない)。

島名面積
(km2)
文献(A)
海岸線延長
(km)
文献(A)
円形度
文献(A)
面積
(km2)
文献(B)
海岸延長
(km)
文献(B)
円形度
文献(B)
面積
(km2)
文献(C)
周囲
(km)
文献(C)
円形度
文献(C)
面積
(km2)
文献(D)
海岸延長
(km)
文献(D)
円形度
文献(D)
南大東島30.52316925.2330.60230.5324.10.66130.5221.20.85330.5721.20.855
多良間島※19.80810623.2320.46119.8120.90.57019.8120.90.57021.8826.20.401
利尻島182.08744786.5670.305182.0964.00.559182.1264.00.559182.1565.10.540
三宅島55.19531855.0020.22955.2138.40.47155.2038.40.47055.4438.30.475
屋久島504.294137167.8150.225504.29126.70.395540.48126.70.423504.56126.70.395
島後241.531788180.9640.093241.55209.90.069242.83209.90.069241.58211.00.068
※2003離島統計年報の多良間島(19.73km2)の海岸延長(26.2km)は、水納島(2.15km2)を含むため、合計の面積で円形度を算出。


基本的に面積には大きな違いはありませんが、海岸線延長(島事典では解説編で「海岸線」、データ編で「海岸線延長」、離島統計年報では「海岸延長」、SHIMADASでは「周囲」と表記)では、日本の島事典とその他3つとの間の大きな差があります。

日本の島事典では、以下の解説があり、独自に面積と海岸線、標高を出したと伺えます。
面積については日本の島事典の数値はかなり信用が高く、国土地理院が公表していない1km2未満の島の面積については、現状もっとも信頼できると思われます。標高については、日本の島事典は基盤地図情報の利用が限定的であるため、データの確認が必要です。

●無人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
国土数値情報によるが、記載のないものについても読者利益を図るために国土地理院の『地理院地図』(https://maps.gsi.go.jp )のデータツール機能を用いて、概要を仮測定している。それでも不明な場合は低島または「―」記載にした。海岸延長は島が島である基本情報であり、海から受ける影響度・利用・海との相互作用的近接性の指標そのものである。公的島基準もその長さで線引きしてきた。高島は目印や生態系多様性に関わり、また低島であっても領海・EEZ基点や渚生物の生態系環境保全上重要な干潟等であったりする。そこで可能な限り、それらのデータを洗い出した。
(中略)
●有人島データについて
【面積】 km2 【海岸線】 km 【標高】 m
無人島と同様。

一方SHIMADSの周囲の数値は、おそらく過去の離島統計年報の海岸延長を引用していると思われます。肝心の離島統計年報の掲げる海岸延長数字に関しましては、例えば2021離島統計年報では:

海岸延長は,国土交通省水管理・国土保全局の海岸統計調査(平成27年3月31日)等に基づく数値である。

2003離島統計年報では:

海岸延長は,「海岸統計平成12年度版」(国土交通省河川局編)による全国の総海岸延長である。

とは書いてあるのの、国交省の海岸統計には市区町村別まで海岸線延長の数字が示されており、「「離島振興法」に係る海岸線延長」という項目からある程度割り出すことは可能なのですが、個々の島の海岸線延長まで算出することはできません(参考[109921])。

とりあえず、手元にある令和2年度海岸統計によると、利尻町の延長は25.256km、利尻富士町の延長は38.743kmとあり、合計すると63.999kmとなっており、確かに離島統計年報が採用している64.0kmと一致しました。つまり離島統計年報やSHIMADASの数字は国交省系の数字で、独自に算出している日本の島事典の数字との違いは、「自然な海岸線」の解釈違いということになるのでしょうか?

日本の島事典はほとんどの島について海岸線延長の数値が得られるので便利ですが、国交省系の公的な数値との大幅な違いがあるということを念頭に入れないといけない・・・というあまり〆のない結論に達しました。

【追記】データを見返したら島後に関しては、国交省データよりも日本の島事典の方が低く出ていますね。国交省の令和2年度海岸統計によると隠岐の島町の延長が210.685km(全体が「「離島振興法」により指定された地域における海岸線延長」となっている)であり、それがそのまま島後の海岸延長として採用されているようですが、国交省データは無人の大森島(0.296496km2, 3.172 km)などは海岸延長に含めないのか?などと色々な疑問が出てきます。
[109965] 2024年 2月 6日(火)01:21:33【5】訂正年月日
【1】2024年 2月 6日(火)02:00:10
【2】2024年 2月 6日(火)11:16:47
【3】2024年 2月 6日(火)11:20:16
【4】2024年 2月 6日(火)20:45:29
【5】2024年 2月 7日(水)03:00:36
YT さん
標高点、三角点、最高点(最高地点)に関する問題
[109921]でも述べたように、有人島や面積1km2の島について、海岸線延長と最高点をまとめようとしているところですが、最高点(最高地点)についていろいろ問題があり、作業が滞っています。

まず国土地理院地図には、原則としてメートル単位で小数第1位まで表示されている三角点の標高と、原則としてメートル単位で整数値が示されている標高点があります。三角点は実際には小数第2位まで数字が存在しますが、これについては基準点成果等閲覧サービスを使えば、小数第2位の数字が入手可能です。

なお標高点に関しては、一応国土地理院の説明によると

標高点には、「現地測量による標高点」と「写真測量による標高点」があります。
現地測量による標高点とは、地図を作るときに現地で測量した点のことをいい、地図を使う人にそこの高さを教えるためにメートル以下1位までを表示しています。
写真測量による標高点とは、地図を作るときに空中写真を使って写真測量をおこなった点のことをいい、地図を使う人に高さを教えるためにメートルまでを表示しています。

ということで、三角点でなくともメートル単位で小数第1位まで表記されている標高点も存在するようですが、具体的な例は見つけておりません。

一方基盤地図情報を使えば、航空レーザ測量などに基づく詳しい地形情報が得られます・・・とは言ってもこれらのデータをダウンロードしても私には見方が分かりません。国土地理院地図の方でも標高は小数第1位(DEM10A以下では整数値)まで出せますが、その最大値を出すのは大変です。また国土地理院地図の「地図の種類」から「自分で作る色別標高図」の機能を使うと、自動的に最大値と最小値からグラディエーションを生成することが可能ですが、デフォルトでは0.5メートル単位でしか刻めません。

そこであきらめて基盤地図情報でダウンロードできる情報の使い方などを色々調べてみたところ、「地理院地図の「自分で作る色別標高図」の標高値を0.1m刻みで設定できるサンプルサイト」という便利なツールを提供しているところがありました。これにより地理院地図上で標高を刻むことにより、基盤地図情報による標高の最大値を出すことが可能となりました!

そこで早速色々島の情報を調べてみたのですが、色々問題があることが分かりました。


1.ユルリ島(北海道根室市)の場合
ユルリ島には二等三角点「由留利島」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると42.21メートルです。しかしながらDEM5Aによると、三角点から約30メートル程西に離れた場所に標高42.6メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、ここの最高点の標高としては43メートルを採用します。


2.大黒島(北海道厚岸町)の場合
大黒島には標高102.34メートルの三等三角点「大黒島」がありますが、ここが最高点ではなく、別に標高105メートルの標高点が存在します。しかしながらDEM5Aによると、標高点から10メートル以内の近傍が存在します。これを採用すると107メートルなのですが、ここで標高点と、基盤地図情報のどちらを信用するかという問題が発生しますが、そもそも標高点は写真測量などによって決めたもので、内容的には航空レーダーを使っているDEM5A(誤差0.3メートル以内)の方が上位な気もしますが、この誤差については

※1 格子内に航空レーザ計測点(グラウンドデータ)がある場合の精度。無い場合は2.0メートル以内。

との脚注があり、写真測量(例えばDEM5Bの場合の誤差は0.7メートル以内)の方が誤差が少なくなるようにも読み取れます。色々迷いましたが、この場合は標高点の方の数字である105メートルを採用します。


3.天売島(北海道羽幌町)の場合
天売島には標高183.49メートルの一等三角点「天売島」がありますが、国土地理院地図上では183.5メートルと表記されます。つまりメートル単位では国土地理院地図上の表記(183.5メートル)と基準点詳細(183.49メートル)の間で丸め誤差が発生してしまいますが、183.49メートルという数字が存在してしまうことが分かった以上、ここでは標高183メートルを最高点の標高採用するべきでしょう。一方DEM5Aでは三角点の標高は182.3メートルで、三角点から北東に約700メートルも離れた位置に標高182.7メートルの最高点が存在していることになっています。まあこの地点は三角点の標高よりも低いので採用しませんが、四捨五入してしまえば同じ183メートルとなります。


4.八丈島(東京都八丈町)の場合
八丈島には二等三角点「八丈富士」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると854.25メートルです。しかしながらDEM5Aによると、三角点(DEM5Aでは近傍に標高853.1メートル)から北西に約400メートル離れた場所に標高856.6メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、八丈島の最高点の標高は857メートルを採用します。この場合一般的に知られている八丈富士の標高854メートルよりも3メートルも高くなってしまいます。


5.天神島(神奈川県横須賀市)の場合
天神島には標高20.15メートルの四等三角点「佐島」があり、そこが『新版 日本の島事典』などでは最高点として採用されています。しかしながらこの三角点が存在する地点のDEM5Aによる標高は1.8メートルで、三角点が記録する標高よりも18メートル以上も低く、とても誤差といえるレベルではありません。場所からすると、三角点は佐島マリーンホテル内、おそらく建物の屋上にあるのではないか?と思って調べたら、実際に写真を撮影したサイトがありました。
三角点名:佐島、コード:TR45239646801
住所:横須賀市佐島3丁目、標高20.15m
北緯35°13′17″.0338、東経139°36′15″.4797
備考:佐島マリーナの屋上、案内に感謝
2016.08.20 近景 H.S
2016.08.20 全景 H.S
本当にホテルの屋上の一角に三角点がありました。

一方基盤地図情報を使ってみると、天神島の場合はこの三角点から約100メートルほど西に行った場所にDEM10Bによる標高4メートルの地点があります。ほんの数十メートルほどの差で、DME5AからDEM10Bに切り替わっていますが、まあ島全体に標高は4メートル以下のようです。三角点がホテルの屋上に設置されていたという特殊事情に鑑みて、天神島の最高点としては4メートルを採用するべきでしょう。


6.舳倉島(石川県輪島市)の場合
舳倉島には一等三角点「舳倉島」があり、その標高は国土地理院地図では12.5メートルですが、なぜか基準点成果等閲覧サービスでは「成果異常」となって詳しい数字が閲覧できません・・・と思ったら、「令和6年能登半島地震」における公共測量への対応」によると

国土地理院では令和6年1月1日に発生した石川県能登地方の地震(最大震度7)を受け、1月5日以降地震発生地域及びその周辺(以下「当該地域」という。)に位置する基本基準点(三角点、電子基準点、水準点)の測量成果の公開を停止しています。なお、2月7日(水)に電子基準点「輪島2」「P輪島」「舳倉島」を除く電子基準点については成果を改定し公開を再開する予定です。
 当該地域では地震活動に伴う大きな地殻変動の影響により、既設の公共基準点も影響を受けている可能性があります。このため、既設の公共基準点の地震発生前の成果を使用して測量を行った場合、正確な成果を得ることができません。また、これまで国土地理院の基準点成果等閲覧サービスにおいて公開していた公共基準点成果についても、地震前の成果が公共測量で使用されることがないよう、当該地域(市町村単位)を対象に閲覧を停止しています。
 当該地域において公共測量等を実施する際の対応方法と留意事項を取りまとめましたので、御確認の上、検討・実施をお願いします。

とのことで、まさに地震の影響を受けてしまっています。実は「三角点で日本全国津々浦々」というサイトがあり、そこで
石川県の三角点の標高を小数第2位までの数字まで閲覧できるのですが、それによると一等三角点「舳倉島」の標高は12.43メートルです。しかしながらこの情報は2011年の時のもので、四捨五入で12.4メートルとなり、国土地理院の12.5メートルとは異なります。どうやら2014年~2019年(SHIMADAS改訂)の間に、おそらくは平成26、28年 三角点標高成果改定の一環として、12.4メートル→12.5メートルと変更になるような改測または改算があったようなのですが改訂後の数字が分かりません。まあどうでも良いかも知れませんが、メートル単位表記(12.5メートルを四捨五入すると13メートル)にしたときに丸目誤差が発生している可能性が残ります。まあここはいずれ数字が公表されますし、多分震災で標高も変わった可能性が高いです。

【追記:三角点マップという、世の中には便利にまとめてくれている人がいました。これによると舳倉島は12.51メートルで、四捨五入すると13メートルですね】

なお、基盤地図情報では、標高12メートルの地点が最高標高です。ただしこの数字は精度の低いDEM10Bですので、小数第1位の数字も示されません。


7.佐久島(愛知県西尾市)の場合
佐久島には二等三角点「佐久島」があり、その標高は基準点成果等閲覧サービスによると38.05メートルです。しかしながらDEM5Aによると、ほぼ三角点と同じ場所に標高38.1メートルの地点が存在します。三角点が最高点とは限らない原則に立ち返れば、ここの最高点の標高は38.1メートルですが、結局四捨五入をしてしまえば38メートルとなります。

しかしながら問題となるのが、DEM5Aでは三角点から西北西へ約860メートルも離れた別の場所に標高38.9メートルの最高点があることです。しかしながら国土地理院地図では、ほぼ同じ位置に標高35メートルの標高点があります。DEM5Aの数字を採用すると、この標高点の標高は35メートルではなくて39メートルとなり、島一番の最高点となってしまいますが、標高点の数字を優先すると、この場所の標高は35メートルであり、この島の最高点は三角点近辺の38メートルとなります。

DEM5Aは誤差0.3メートル以内、格子内に航空レーザ計測点(グラウンドデータ)がない場合には誤差2.0メートル以内とされているので、この場合の35メートル地点における39メートルに対する誤差は約4メートルとして偏差は2σ(正規分布であれば外れは5%)、あるいは35.5メートルからの誤差3.4メートルとして偏差は1.7σ(正規分布であれば外れは9%)となり、どちらにせよDEM5Aによる標高の数値と標高点の標高の数値の間の誤差が大きすぎます。本当に標高値として示されている35メートルを信用していいのかという問題がありますが、とりあえずは佐久島の最高点は標高38メートルを採用します。

ここに来て、国土地理院地図の標高点が本当に極大値を考慮して三角点とは別に設定されたのか、そもそも標高点の値を信じていいのかという問題が出てきました。

改めてfutsunoおじ さんが過去に作成された地名コレクション「自治体の最高点」の過去ログを読んで、対応を考慮しているところです。既にfutsunoおじ さんが既に克服された内容かも知れません。

【国土地理院地図へのリンクを一部修正】
[109921] 2024年 1月 25日(木)01:38:18【7】訂正年月日
【1】2024年 1月 25日(木)03:34:35
【2】2024年 1月 25日(木)05:00:35
【3】2024年 1月 25日(木)05:03:53
【4】2024年 1月 25日(木)05:09:10
【5】2024年 1月 25日(木)10:36:43
【6】2024年 1月 25日(木)10:46:34
【7】2024年 1月 25日(木)16:12:50
YT さん
島の海岸線延長、最高点をまとめるにあたっての問題点
現在日本の有人島一覧では、有人島の直近2回の国勢調査人口と面積の情報がまとまっていますが、『新版 日本の島事典』(2022年)にせよ『SHIMADAS』(2019年)にせよ『離島統計年報』にせよ、島に関しては面積に加え、海岸線延長と最高点の情報がまとまっています。例えば『新版 日本の島事典』の場合、北海道の有人島の基本データは以下の通りとなっています(利尻島に利尻富士町が抜けていますが、原表ママ)。

島名よみ所在地面積(km2)海岸線延長(km)最高点(m)人工/自然
小島こじま厚岸郡厚岸町0.0480320.84827.0自然島
利尻島りしりとう利尻郡利尻町182.08744786.5671,721.0自然島
礼文島れぶんとう礼文郡礼文町81.25469790.533489.8自然島
天売島てうりとう苫前郡羽幌町5.47089815.143183.5自然島
焼尻島やぎしりとう苫前郡羽幌町5.19495413.81659.9自然島
奥尻島おくしりとう奥尻郡奥尻町142.70326886.046584.0自然島

これだけ数値が揃っているので、海岸線延長(km)と最高点(m)についてすべての有人島でまとめられそうに思いましたが・・・海岸線延長にせよ最高点にせよ、このまま用いるには色々問題点がありました。

まず海岸線延長については、北海道、本州、四国、九州、沖縄島の5島の海岸線延長に関して古い情報しか入手できないという問題があります。『新編 日本の島事典』の場合、個々の項目として5島の海岸線延長の情報が載っておりますが、沖縄島を除き、『第六十三回日本統計年鑑』(平成26年)の「周囲」の数値を用いていることが分かります(平成27年以降の日本統計年鑑ではこの項目が削除されて無くなっている)。

島名『日本の島事典』の「海岸線延長(km)」『第六十三回日本統計年鑑』の「周囲(km)」
北海道2,6762,676
本州10,08410,084
四国2,0912,091
九州3,8883,888
沖縄島476501

問題はこの数値なのですが、『第六十三回日本統計年鑑』によると

「周囲」は昭和61年(色丹島,国後島及び択捉島は44年)海上保安庁による。

とあり、なんと1986年のデータを使いまわしていたことが判明しました。自分ですらまだギリ小学生を卒業するかどうかの頃で、いくらなんでも古すぎます。

一応関連する海岸統計を探したところ、まず第4回自然環境保全基礎調査 海岸調査全国版 平成6年(1994年)3月と、第5回自然環境保全基礎調査 海部調査 1998年3月が挙げれ、それぞれ1993年度と1996年度の海岸延長が、本土域と島嶼域に分割されて集計されています。

(開く)自然環境保全基礎調査による海岸延長(1993年、1996年)

ここから北海道、本州、四国、九州の海岸線の長さを求めることが可能ですが、沖縄県は全域が島嶼域になっていて、沖縄島の海岸延長は算出できません。また1996年度は兵庫県で調査が実施されておらず(阪神淡路大震災の影響?)、本州の本土域海岸延長の計算には1993年度版の数値を用いてます。その結果四島の海岸線延長は、北海道が2,676km(1986年)、2,747.70 km (1993年)、2,840.33 km (1996年)、本州が10,084 km (1986年)、10,269.46 km (1993年)、10,640.26 km (1996年)、四国が2,091 km (1986年)、2,127.18 km (1993年)、2,167.50 km (1996年)、九州が3,888 km (1986年)、3,899.84 km (1993年)、4,068.73 km (1996年)と、十数年間の間にもどんどん海岸線が伸びているという結果となりました。残念ながら自然環境保全基礎調査は第五回調査を最後に実施されていませんので、21世紀に測量された海岸線延長の数値が入手できませんでした。

一方国土交通省は毎年「海岸統計」を発表していますが、こちらの方では本土域と島嶼域にわけて海岸線延長を公表していません。実は「離島振興法」、「小笠原諸島振興開発特別措置法」、「奄美群島振興開発特別措置法」に係る海岸線延長を内訳として公表はしているのですが、例えば「離島振興法」の対象となっていない無人の離島の海岸線延長がどうなっているのか、さっぱり分かりません。佐渡の海岸線が「離島振興法」に係るものと等しい、伊豆小笠原の海岸線が「離島振興法」および「小笠原諸島振興開発特別措置法」に係るものと等しいなど、結構適当な処理がなされているようにも見えますが、一方で五島・壱岐・対馬の海岸線に関しては、全部離島なのに「離島振興法」に係るものとの間に差があります。よって「離島振興法」の対象となっていない無人の離島がすべて調査の対象外となっているなどと断定することはできません。よって国土交通省の海岸統計から北海道、本州、四国、九州の海岸線延長を算出することはできません。

(開く)(令和2年度) 海岸統計

まあ、淡路のすべての海岸線、八代湾の熊本県のうち上天草市・蘆北町・天草市の海岸線、天草西のすべての海岸線を離島扱いにして、他の無人の離島の海岸線は計算に入っていないと仮定して無理やり計算すると、北海道2,854,386メートル、本州12,888,601メートル、四国2,840,644 メートル、九州5,205,820メートルとなります。また、那覇市~豊美城市の海岸線延長の合計(782,566メートル)から離島統計年報掲載の水納島・津堅島・久高島・瀬底島・古宇利島・伊計島・宮城島・浜比嘉島の合計(19.22キロメートル)を減じると、沖縄島の海岸線延長は763,346メートル・・・となりますが、多分何れも実際よりもかなり多く見積もられていると推察されてしまうような値となってしまいます。

(開く)海岸線延長(単位:km)のまとめ(注意:海岸統計由来の数字は信頼性なし)


次に最高点の問題点ですが、『日本の島事典』がまとめている最高点の数字は、しばしば三角点の標高を採用していて、最高点ではないことが多いのです。例えば、上にまとめた北海道の事例ですが、焼尻島の最高点が59.9メートルとなっていますが、SHIMADASによると実際の最高点は94メートルです。国土地理院の地図を見ると、59.9メートルというのは三角点(地図記号で「•」の入った「△」)の標高であり、国土地理院地図に書き込まれている標高点(地図記号で「•」)で最高のものは94メートルです。

しかしながらすべての島で最高点に標高点が示されているとは限りません。例えば三浦半島の城ヶ島の場合、29.8メートルの位置に三角点がありますが、実際の最高点は、SHIMADASによると35メートルです。しかしながらこの35メートル地点(三角点から東南東300メートル離れたがけの上)には国土地理院地図では標高点が示されておりません。実際に国土地理院地図を使って最高点を探してみると、基盤地図情報数値標高モデルDEM5A(高さ精度0.3メートル以内)をソースとする36.0メートル地図が存在し、日本の島事典(29.8メートル)ともSHIMADAS(35メートル)とも異なります。

琵琶湖の沖島の場合、三角点が置かれているのは220.2メートル地点で、SHIMADASでも標高220メートルが最高点として採用されています。しかしながら、その三角点の東北東300メートル程離れたところに真の最高点が存在し、基盤地図情報数値標高モデルDEM5B(高さ精度0.7メートル以内)をソースとする224.0メートル地点が存在し、三角点よりも4メートルも高い地点となります。

ただ基盤地図情報数値標高モデルのDEM5AやDEM5Bの数値は万能ではありません。富士山の場合、三角点が置かれているのは3775.5メートル地点(実測値は3775.51メートル)ですが、地図上に示された標高点は3776メートルが最高で、実測値は3776.12メートルです。ところがDEM5Aでは、3774.4メートル地点が最高となっています。

現状では、国土地理院地図上で最高地点付近に標高点がある場合は、その数字の方を採用し、そうでない場合には基盤地図情報数値標高モデルの数字を採用することになるかと思います。ただ手作業でこれを調べるのは大変です。

【追記】国土地理院地図ですと、天売島の最高点となる三角点の標高は183.5メートルですが、基準点成果等閲覧サービス(国土地理院)を使ったところ、三角点の標高は183.49メートル(2016年2月1日更新)となっていました。つまり国土地理院地図の183.5メートルをそのまま下一桁目で四捨五入すると184メートルになってしまいますが、基準点成果閲覧サービスの数値を下一桁目で四捨五入すると183メートルです。一方DEM5Cデータ(高さ精度1.4メートル以内)だと、多分最高点は182.3メートルになります。SHIMADASが採用している数字は185メートルです。つまり天売島の最高点の標高は、SHIMADASを採用すると185メートル、国土地理院地図の数字を採用すると184メートル、基準点成果等閲覧サービスを利用すると183メートル、DEM5Cだと182メートルとなっていまいます。現状では三角点の正しい標高は183メートルですが、三角点が最高点に置かれているとは限らないとすると1センチぐらいは誤差で、184メートルを採用するべきなのかも知れませんし、もうどの数字が正しいのか分かりません。

【追記の追記】基準点成果等閲覧サービスで富士山を確認したところ、二等三角点は3775.51メートルで問題ないけれど、電子基準点(基準点コードEL15338053802)だと3774.90メートルという情報(基本基準点全体にチェックを入れて検索した場合)と3777.41メートルという情報(電子基準点にだけチェックを入れて検索した場合)が混在する・・・
電子基準点は実際よりも高いところに設置されているとはいえ(参考(2002年の記事))、なぜ2つの数字が混在するのでしょうか?
[109894] 2024年 1月 20日(土)17:33:42YT さん
Re^3: 執念の野牛島?
オーナーグリグリさん

[109892] YTさん、修正しました。ご確認、ありがとうございした。

ありがとうございます。確認しました。

現時点で多少気になっている点は、『2021離島統計年報』(2023年4月発売)と、「令和5年度 長崎県の離島(離島振興対策実施地域)」(pdf」, 2023年6月更新)との間で、中通島/頭ヶ島と久賀島/蕨小島の人口に1人の差が出ていることです。現状では離島統計年報の情報の方を優先していますが、2024年4月発売になると思われる『2022離島統計年報』でいくつか情報更新が行われる可能性はあります。

また[109852] で少し述べました、萩市須佐の平嶋、西海市西彼町白似田郷の小島(伊能測量日記の「イガ島」、おそらく長崎県統計年鑑で1971年から1980年代前半にかけて有人島として扱われた「前小島」)と長島(伊能測量日記の「小島大」)の有人島の可能性については、もう少し情報が集まってからまとめます。
[109892] 2024年 1月 20日(土)14:20:11【2】訂正年月日
【1】2024年 1月 20日(土)16:40:25
【2】2024年 1月 20日(土)17:14:48
YT さん
Re: 執念の野牛島?
オーナーグリグリさん

ということで、日本の有人島一覧の全ページを更新しましたのでご確認ください。YTさん、改めましておめでとうございます。そして今後ともよろしくお願いいたします。

ありがとうございます。間違いではないのですが、統一がとれていない箇所が一箇所あります。

313.前小島の市区町村 (小地域区分)の内、「[1370-10010の一部]」部分が緑字になっていません。

【追記】すみません。
「[1370-10010]の一部」と、「の一部」を[]の外側に括りだす方に統一する必要もありました。
多分333.前島を参考に書いたのですが、よく見たら313.前小島と333.前島の双方が、ほかとは違う書き方になっていました。

#島名要修正箇所修正前修正後備考
313前小島市区町村 (小地域区分)五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010の一部])五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010]の一部)「の一部」を括弧の外に出し、「[1370-10010]の一部」部分を緑色にする。
333前島市区町村 (小地域区分)天草市 (御所浦字下脇の一部 [0500-09090の一部])天草市 (御所浦字下脇の一部 [0500-09090]の一部)「の一部」を括弧の外に出す。

この2点の修正に訂正します。
[109885] 2024年 1月 20日(土)01:10:20【5】訂正年月日
【1】2024年 1月 20日(土)01:50:26
【2】2024年 1月 20日(土)06:22:39
【3】2024年 1月 20日(土)06:46:13
【4】2024年 1月 20日(土)14:13:38
【5】2024年 1月 20日(土)15:46:31
YT さん
ゼンリン住宅地図を用いた野牛島、大矢野島の推定人口と、「日本の有人島一覧」の追加修正箇所まとめ更新
現在日本の有人島一覧で唯一推定人口を分離できていないのが、熊本県上天草市中の野牛島と、隣接する大矢野島です。SHIMADASによると、野牛島は1968年10月に無人化したが、1976年に大矢野島と維和島を結ぶ橋脚島となり、近年ではクルマエビ養殖などで再有人化したとあります。

実際に1975年2月28日のカラー航空写真では、島には家がありませんが、1988年9月28日の白黒航空写真では既に数軒家が建っており、1994年9月13日の白黒航空写真では、現代の衛星写真とほぼ同じ位置に家が建っています。

なお国勢調査の上天草市の基本単位区0030-00090(旧大矢野町大字中の一部)は、野牛島のみならず、大矢野島の野米地区、南方沖合の無人島である権平島、横島までを含みます。該当地区の国調人口は以下のように推移しており、2015年と2020年では世帯数に変化はありません。

西暦世帯数人口1世帯当たり人員
1995年511152.255
2000年491092.224
2005年41842.049
2010年35772.200
2015年29702.414
2020年29632.172

そこでふと、ゼンリン住宅地図に掲載されている建物の情報を用いてみたら、世帯数の変化がない2015年以降の人口の推定に使えるのではないかと思いました。ゼンリン住宅地図でもすべての建物に居住者の姓/姓名が表示されているわけではありませんし、姓/姓名の表示があるからと言ってそこが常住居住地とは限らず、逆にないからと言ってそこが空き家であるとか判断はできませんが、地図に掲載されている「姓」の数は世帯数とある程度は相関があるでしょう。残念ながらアパート、マンションの場合はゼンリン住宅地図でも構成世帯数が分からないケースが多いようです。ただ当該箇所で唯一アパートと思われるのは、西大維橋を渡ったところにある大矢野島側の「天草釣堀レジャーランド第一駐車場」脇の3階建ての建物ですが、テナント情報がなく、ぱっと見生活感がないので、ここでは無視します。

実際に基本単位区上天草市0030-00090について、ゼンリン住宅地図から「姓」/「姓名」が表示されている建物を抽出し、その数をカウントしたところ、以下の通りとなりました。

島・地域ゼンリン住宅地図上での世帯数
野牛島6
大矢野島野米地区30

過疎化が進行している地方の場合は、建物の所有者名が示されていても実際には空き家であるケースが増えていくため、ゼンリン住宅地図に示されている姓/姓名付き建物の数が実際の世帯数を上回ることは多くあり得ます。当該地区も、ゼンリン住宅地図の建物に示されている世帯の数は、直近の国勢調査時の世帯数である29世帯よりも多い36世帯となっています。そこで2015年、2020年国調人口からゼンリン住宅地図上での世帯数の比で按分することで野牛島の推定世帯数と推定人口を算出しますと、2015年5世帯12人、2020年5世帯11人となります。この数字を採用しますと、日本の有人島一覧掲載のすべての島について、一応根拠のある推定人口を出すことに成功したことになります。

今回の野牛島と大矢野島の推定人口と、[109852]の修正を一つにまとめますと、以下の通りとなります。

#島名修正項目修正前修正後備考
29青ケ島島名青ケ島青ヶ島ケ→ヶ
29青ケ島市区町村 (小地域区分)八丈支庁 青ケ島村八丈支庁 青ヶ島村ケ→ヶ
292鹿島人口(2020年)67人口修正漏れ
292鹿島人口密度35.341.2人口修正漏れ
300中通島市区町村 (小地域区分)新上五島町 (新上五島町:頭ケ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日ノ島を除く)新上五島町 (新上五島町:頭ヶ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日島を除く)頭ケ島→頭ヶ島、日ノ島→日島
301頭ケ島島名頭ケ島頭ヶ島ケ→ヶ
306日ノ島島名日ノ島日島ノを削除
312福江島市区町村 (小地域区分)五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,前小島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)除外地域に前小島追加
313前小島市区町村 (小地域区分)五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010の一部])前小島の小地域区分の修正漏れ
321大矢野島※注野牛島を含む上天草市[0030-00090] (2020年63人, 2015年70人)から大矢野島分を分離できない野牛島(熊本県上天草市)の人口推定処理の影響あり注を差し替え
321大矢野島人口(2020年)11,09011,079野牛島の推定人口分離に伴う修正
321大矢野島人口(2015年)11,90511,893野牛島の推定人口分離に伴う修正
321大矢野島人口密度367.2366.9野牛島の推定人口分離に伴う修正
322野牛島※注野牛島を含む上天草市[0030-00090] (2020年63人, 2015年70人)から大矢野島分を分離できない2020年, 2015年国調人口は上天草市[0030-00090] (2020年63人, 2015年70人)とゼンリン住宅地図記載の世帯数比(2024年1月19日閲覧、6世帯/36世帯)により推定注を差し替え
322野牛島人口(2020年)11人口推定に伴う修正
322野牛島人口(2015年)12人口推定に伴う修正
322野牛島人口密度78.6人口推定に伴う修正
348島野浦島島名島野浦島島浦島野を削除
391奥武島項目全体391/奥武島/沖縄県 名護市 (字真喜屋の一部 [0360ー00020])/29/30/0.25/116.0項目を全削除
434沖縄島人口(2020年)1,335,7041,335,733奥武島の削除に伴う修正
434沖縄島人口(2015年)1,301,7531,301,787奥武島、瀬長島の削除に伴う修正
434沖縄島人口密度1,105.21,105.3奥武島、瀬長島の削除に伴う修正

またデータ項目の説明の内、5. 人口算出における詳細注記の(6) 熊本県の大矢野島と野牛島については

(6) 熊本県の大矢野島と野牛島
 人口を分離するための有効なデータ見つからず、両島の人口を大矢野島欄に一括表示。



(6) 熊本県の大矢野島と野牛島
 国勢調査の基本単位区人口に占めるゼンリン住宅地図記載の世帯数比から人口を推定

と修正することになります。

以上、よろしくお願いします。

【追記:鹿島の人口修正に伴い人口密度も要修正、ゼンリン住宅地図は2024年1月19日閲覧による】
[109852] 2024年 1月 14日(日)17:31:06【2】訂正年月日
【1】2024年 1月 14日(日)22:30:56
【2】2024年 1月 14日(日)22:33:45
YT さん
有人島リストの修正:名護市の奥武島の削除と一部島名表記の修正
[109437] オーナー グリグリさん

一通り確認していますが、訂正漏れ等ありましたらご指摘ください。

すみません。要修正箇所が幾つか見つかりました。なお今回の修正内容による十番勝負の結果への影響はありません。

まずは以前[109336]の投稿で、以下のように名護市の奥武島を有人認定してしまいましたが、これは私の早とちりのようでした。

さらに陸繋島の情報を色々調べたところ、沖縄県名護市の奥武島(奥武島はほかにもありますが、これは屋我地島と沖縄本土を結ぶ島)が国勢調査で有人(2020年国勢調査人口29人)であること、

しかしながら、綿貫堂 島旅とエスニックのブログというサイトを運営されており、実際に離島を数多く訪れてきたワタヌキモンという方とのやりとりの中で、名護市の奥武島について

奥武島 行きましたが、ほんと墓しかなく、どこに集落があるのだろうと疑問ですが謎ですね、猫はたくさんいますが

との返事を頂きました。実際に名護市の奥武島を訪れた方の貴重な証言です。あれ?と思い改めて国勢調査の基本単位区である名護市字真喜屋の一部[0360ー00020]の範囲を見直してみたところ・・・すみません。やらかしていました。名護市字真喜屋の一部[0360ー00020]は奥武島と本土を結ぶ羽地奥武橋の細い領域を通じて本土側と接続しており、本土側の集落を含んでいることを見落としておりました。『SHIMADAS』(2019年)や『新版 日本の島事典』(2022年)などでは、名護市の奥武島についていずれも「無人島」、「墓地のみ」と強調されており、google mapなどの衛星写真で見られる建物のようなものは全部墓地であったのでしょう。基本単位区名護市0360ー00020の人口はすべて本土側に居住していると考えらえれ、名護市奥武島の項目については削除をお願いします。これにともない沖縄島の人口も要修正となります。

このほか長崎県諫早市鹿島の2020年の人口が修正されていませんでした(九州の人口自体は修正後に対応していました)。また長崎県五島市の福江島、前小島の小地域区分がおかしくなっていました。

これに併せて、一部島名についてより公的、またはより一般的な表記(青ケ島→青ヶ島、頭ケ島→頭ヶ島、日ノ島→日島、島野浦島→島浦島)に修正したいと思います。


以下要修正に気付いた10点です。


1.29 青ケ島 (東京都 八丈支庁 青ケ島村)
青ケ島→青ヶ島に修正(「ケ」を「ヶ」に修正)
青ケ島村→青ヶ島村に修正(「ケ」を「ヶ」に修正)
「青ケ島」を採用しているのは2021離島統計年報のみで、SHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、日本歴史地名体系は「青ヶ島」を採用しています。そもそも国勢調査報告書に記載の自治体名としても「青ヶ島」であり、「青ヶ島」の方がより公的かつ標準的な名称といえます。

2.292.鹿島 (長崎県 諫早市 (多良見町船津伊木力舟津の一部 [7270-27010]の一部))
2020年の人口を「6」から「7」に修正。
[109381][109412][109438]などの修正案で示したように、こちらはritokeiの情報により2020年国調人口を7人で確定としました。九州の人口修正値には織り込み済みです。

3.301.頭ケ島 (長崎県 新上五島町 (友住郷の一部 [0330-14010]))
頭ケ島→頭ヶ島に修正(「ケ」を「ヶ」に修正)
「頭ケ島」を採用しているのは2021離島統計年報、新版 角川日本地名大辞典、長崎県統計年鑑(昭和34年、昭和36年~昭和37年、昭和54年~昭和55年、昭和57年、令和元年以降)で、「頭ヶ島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、日本歴史地名体系、長崎県統計書(昭和30年、昭和35年、昭和53年、昭和56年、昭和58年~昭和59年)で、「頭島」を採用しているのは長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和28年、昭和38年~昭和52年、昭和63年~平成28年)で、「頭ガ島」を採用しているのは長崎県統計年鑑(昭和29年)です。このように長崎県統計年鑑では過去に4通りの書き方(頭ヶ島、頭ケ島、頭ガ島、頭島)をしており、もはやどれが一般なのか不明ですが、SHIMADASを始め、その他の文献に関しては「頭ヶ島」を採用している方が多く標準的に見えるので、「頭ヶ島」に変更します。

4.306 日ノ島 (長崎県 新上五島町 (日島郷))
日ノ島→日島に修正(「ノ」を削除)
「日ノ島」を採用しているのは2021離島統計年報、長崎県統計年鑑(昭和41年~平成28年)、で、「日島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和40年、令和元年以降)、日本歴史地名体系です。新版 角川日本地名大辞典では両方の見出しあり。また国勢調査小地域統計に記載の大字・町名は「日島郷」です。「日ノ島」表記は十分使われているものですが、かつて「日島村」が存在したように、「日島」表記の方が行政面からもより公的、標準的に見えるので変更します。

5.300.中通島 (長崎県 新上五島町 (新上五島町:頭ケ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日ノ島を除く))
市区町村 (小地域区分)を「新上五島町 (新上五島町:頭ケ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日ノ島を除く)」から「新上五島町 (新上五島町:頭ヶ島,桐ノ小島,若松島,漁生浦島,有福島,日島を除く))」と修正
「頭ケ島」→「頭ヶ島」、「日ノ島」→「日島」の修正に伴うものです。

6.312.福江島 (長崎県 五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く))
市区町村 (小地域区分)を「五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)」から「五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,前小島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)」と修正し、除外項目に「前小島」を追加する。
すみません。次の前小島とともに、小地域区分の表記が間違っていることを把握していましたが、[109381][109412][109438]などの修正案ではうっかり修正前の状態を修正案としてコピペしていました。小地域区分に「前小島」を追加します。

7.313.前小島 (長崎県 五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く))
市区町村 (小地域区分)を「五島市 (奈留町,久賀島,蕨小島,椛島,赤島,黄島,黒島,島山島,嵯峨島を除く)」から「五島市 (岐宿町河務の一部 [1370-10010の一部])」に修正
すみません。こちらも問題点を把握していましたが、[109381][109412][109438]などの修正案ではうっかり修正前の状態を修正案としてコピペしていました。前小島の小地域区分については、具体的な基本単位区番号を示したものに修正をお願いします。前小島自体は五島市の基本単位区1370-10010に内包されてしまっているので、結局人口はSHIMADAS出典の住基人口比からの推定として算出しています。

8.348.島野浦島 (宮崎県 延岡市 (島浦町))
島野浦島→島浦島に修正(「野」を削除)
「島野浦島」を採用しているのは2021離島統計年報、SHIMADAS(2019年)ですが、新版 日本の島事典(2022年)、国土地理院地図、国土地理院面積調、新版 角川日本地名大辞典では「島浦島」が採用されています。また国勢調査小地域統計の大字・町名でも「島浦町」と、「野」が排除されています。日本歴史地名体系では、明治の大合併前の近世村として「島野浦村」の項目がありますが、現在の延岡市の「島浦町」に対応するとしています。「島浦島」が現在の地名としては行政面からもより公的な呼称と考えらえれるので、「島浦島」に変更します。

9.391.奥武島 (沖縄県 名護市 (字真喜屋の一部 [0360ー00020]))
項目の削除
すみません、こちらは削除でお願いします。リストに載っている奥武島は他に久米島町と南城市にありますが、削除するのは名護市のものです。

10.435.沖縄島 (沖縄県)
2020年の人口を「1,335,704」から「1,335,733」に修正
2015年の人口を「1,301,753」から「1,301,787」に修正
奥武島を削除したことによる修正ですが、瀬長島(2015年4人)も加算されたままになっており、併せて修正となります。


以上、奥武島の削除とそれに伴う人口の修正(奥武島、沖縄島)、人口の修正忘れ(鹿島)、小地域区分の誤り(福江島、前小島)までで5箇所、島の名称の修正(青ヶ島、日島、頭ヶ島、島浦島)とそれに関わる小地域区分の修正(中通島)で5箇所、合計10箇所の修正箇所となります。

なお以下の3島は国土地理院地図ではいずれも「ヶ」が採用されていますが、国勢調査小地域統計の大字・町名、字・丁目名では「ケ」が採用されており、現状維持にします。国土地院地図は、現状ではすべての「ケ」を「ヶ」に一括変換しているだけのようにみえます。

67.瀬戸ケ島 (島根県 浜田市 (瀬戸ケ島町 [0020-00010~000020]))
160.竹ケ島 (徳島県 海陽町 (大字宍喰浦字竹ケ島の一部 [0220-00260]の一部))
222.竹ケ島 (愛媛県 宇和島市 (津島町竹ケ島))

また以下の2島についても島名を現状維持とします。

318 嵯峨島 (長崎県 五島市 (三井楽町嵯峨島))
「嵯峨島」を採用しているのは2021離島統計年報、長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和37年、昭和40年~昭和47年、昭和53年~昭和55年、平成20年~平成28年)、新版 角川地名辞典、国勢調査記載の字・丁目名で、「嵯峨ノ島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 日本の島事典(2022年)、長崎県統計年鑑(昭和48年~昭和52年、昭和56年~平成19年、令和元年以降)、国土地理院地図、国土地理院面積調で、「嵯峨の島」を採用しているのは長崎県統計年鑑(昭和38年~昭和39年)です。また日本歴史地名体系では「嵯峨島村」の項目があります。国土地理院面積調で「嵯峨ノ島」が採用されているので悩みましたが、国勢調査小地域統計の字・丁目名で「嵯峨島」が採用されている点を優先的に考慮し、ここでは「嵯峨島」の方がより公的な記述であるとして現状維持とします。
425.嘉弥真島 (沖縄県 竹富町 (字小浜の一部 [0090-00010]の一部))
『嘉弥真島』が採用されているのは新版 日本の島事典(2022年)、2021離島統計年報、SHIMADAS(2019年)、沖縄県離島関係資料、新版 角川地名辞典、日本歴史地名体系で、唯一国土地理院地図のみが「加屋真島」を採用しているようです。「嘉弥真島」の方が標準的に見えるので現状維持にします。基本的に新版 日本の島事典(2022年)は国土地理院地図の表記に従っていますが、「嘉弥真島」に限っては国土地理院地図の表記を採用していません。国土地理院地図の表記が必ずしもより一般的ではないし、行政で公的に使われている地名表記にも必ずしも従ってはないといえます。

また以下の2島は消極的理由で現状維持とします。

275.竹ノ島 (長崎県 西海市 (西彼町 (大串郷の一部 [0220-24010]の一部)))
「竹島」を採用しているのは、新版 日本の島事典(2022年)、2021離島統計年報、長崎県統計年鑑(昭和27年~昭和39年、平成19年~平成28年)、国土地理院地図、日本歴史地名体系で、「竹ノ島」を採用しているのはSHIMADAS(2019年)、新版 角川日本地名大辞典で、「竹の島」を採用しているのが長崎県統計書(昭和40年~平成18年)です。「竹島」の使用例の方がやや多いようにも見えますが、島根県の竹島とも被りますし、SHIMADAS等で採用されている通りの現状維持とします。
162.沖之島 (香川県 土庄町 (小江の一部 [0130-02010]))
「沖島」を採用しているのは、国土地理院地図、新版 日本の島事典(2022年)、香川県統計年鑑(平成29年以前、現在は1km2未満表記なし)で、「沖之島」を採用しているのは2021離島統計年報、SHIMADAS(2019年)、新版 角川地名辞典です。どっちがより使用例が多いか微妙ですので、消極的な理由によりSHIMADAS等で採用されている通りの現状維持とします。

以上、島の名称としては、国勢調査や国勢調査小地域統計などに記載のものを最優先とし(青ヶ島、瀬戸ケ島、竹ケ島、竹ケ島、日島、嵯峨島)、それ以外についてははっきり慣用的な使用がある場合はそれを優先し(頭ヶ島、嘉弥真島)、そうでないもについては現状維持としました(沖之島、竹ノ島)。結果島名に関しては、国勢調査採用のもの>SHIMADAS>その他という序列になりました。

なおワタヌキモンさんの指摘により、民家があって有人島である可能性がある複数の陸繋島(萩市の平嶋西海市のイガ島(おそらく前小島)西海市の小島大(おそらく細島))の情報を頂きましたが、それについては稿を改めてまとめたいと思います。

【誤字修正、小島小→小島大】
[109574] 2024年 1月 2日(火)14:53:50YT さん
十番勝負
本年もよろしくお願いします。正月早々、舳倉島の被害状況が心配です。

問十:呉市

普段は十番勝負に参加しないのですが、なんとなく今回は参加しないといけないような気がしまして
[109453] 2023年 12月 29日(金)11:54:28YT さん
Re^2:追加修正について
[109441] オーナー グリグリさん

分かりやすく抽出していただきありがとうございました。更新しましたのでご確認をよろしくお願いいたします。

わざわざ更新をありがとうございます。データも一通り確認しました。すみませんが以下の一点だけ修正をお願いします。

111 倉橋島 の注で鹿老渡島との間の開削水路を「堀切水路」と記述しましたが、これはネット上の個人のブログなどで確認できる呼称に過ぎず、こちらを「鹿老渡瀬戸」への修正をお願いします。鹿老渡瀬戸というのも『広島県史』でしか確認できていませんが、堀切水路ですと場所の絞り込みが困難ですので(一応堀切橋は正式名化はしてはいますが)。

なお人工島のリストを別途作成しようとしてますが、こちらが予想外に困難です。新版 日本の島辞典でも幾つかリストされていますが、元々島ではなかったものを水路を掘って島化した場合はどうするのか(たとえば兵庫港は新版 日本の島辞典には載っていません)、公式に島名称が与えられていても、実際には単なる中洲だったり、川から水路を掘って島化したものはどうするのか(たとえば新潟島は島の基準から大分離れますが、地元自治体は島扱いしてます)等々例外がありすぎて困っています。
[109440] 2023年 12月 26日(火)23:49:59【1】訂正年月日
【1】2023年 12月 27日(水)01:35:12
YT さん
追加修正について
[109437] オーナー グリグリさん

日本の有人島一覧(更新しました)
YT さん、[109412]および[109430]を日本の有人島一覧に反映しました。一通り確認していますが、訂正漏れ等ありましたらご指摘ください。なお、長崎県南串島の人口密度は、104.1人ではなく、112.3人が正しい値だと思います。

すみません。ちょうどタイミング悪く投稿してしましました。

修正して頂きたいのは以下の3点です。【追記:面積を再チェックしていて3点に増えました】

1.219の日振島の注:
「1872年開削の堺の浜の堀切により南(108人/1.42km2)と北(138人/2.32km2)に分離」と、せっかくなので開削年の西暦を追加し、水路の名称を「堺の浜の掘切」にする。

2.247の対馬島の注:
「1671年開削の大船越瀬戸と1900年開削の万関瀬戸により対馬上島(12,159人/441.01km2),対馬下島(15,488人/247.01km2),その他(727人/7.72km2)に分離」と、最後の「分割」を「分離」に変更する。(他の文章と統一)

3.272の大島(長崎県佐世保市)の面積と人口密度(【追加訂正】):
面積を0.51→0.52 km2、人口密度を758.8→744.2人/km2に訂正

新版 日本の島事典の第III部 島嶼県別統計の方で大毛島・高島や有福島・日島・漁生浦島を単一の島扱いにしている問題は、とりあえずそれぞれ水門、潮通し水路の解釈次第で独立した島とみなせるということで解決しており、特に表には加えなくて良いです。


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