中国地方の由来についての理解は以下のようなものです。
10世紀ごろ、「律・令・格・式」という法体系が出来上がりました。
その中の「延喜式」という法律で、全国の国を都からの距離に応じて畿内、近国、中国、遠国に分け、公文書の提出期限などを分けていました。
その分類表は以下の通りです。
畿内…山城、摂津、和泉、河内、大和
近国…若狭、美濃、尾張、三河、伊賀、伊勢、志摩、近江、丹後、丹波、但馬、播磨、淡路、紀伊、備前、美作
中国…越中、加賀、能登、越前、甲斐、信濃、飛騨、遠江、駿河、伊豆、因幡、伯耆、出雲、備中、備後、阿波、讃岐
遠国…陸奥、出羽、常陸、下野、上野、武蔵、上総、下総、安房、相模、越後、佐渡、隠岐、石見、安芸、長門、周防、伊予、土佐、筑前、筑後、肥前、肥後、壱岐、対馬、豊前、豊後、日向、大隅、薩摩
つまり中国とは、「都から中程度離れている国」っていう意味ですね。
ですから都から西の方だけでなく、東の方―中部地方の一部―も含みます。
さらに西の方でも、島根、広島の一部や山口県を含まず、香川、徳島を含み、現在の中国地方とはずれがありますね。
しかし、この「中国」が中国地方のもともとの語源であることは間違いないと思います。
…ただ、中国地方という単語がいつから使われたか、なぜこの名前が採用されたかはちょっとわかりませんでした。
なお、延喜式についての記述などについて、「戸田孝の雑学資料室」
http://www.biwa.ne.jp/~toda-m/misc.htmlをパクらせて…もとい、参考にさせていただきました。