キノコの話題が上がっていたので書き込みをしようと思ったら、ちょっと困ったことが。
私の親父様(還暦目前)は、キノコ採り歴50年以上の大ベテランなのであります。
(私は小学生の頃に何回か一緒に連れて行かれただけ。そもそも親父の休みと私の休みが合致しないので一緒に行く機会がない)
が、いつも採ってくるキノコの呼び名が、ほとんど方言なんですね。
そのまま書いても何のことだか分からないでしょうから図鑑で確認して書こうと思ったら、シーズンも近いので親父が愛蔵の図鑑をどこかに持って行っているらしく、調べるのに往生こきました。
この調子では話が完全に収束するまでに調べがつかなさそうなので改めてネットで調べていると、「シロマツタケ」の検索結果の中で「
いしかわ きのこ図鑑」というサイト(よく見たら
石川県林業試験場HP内でした)を見つけてようやく方言と一般的な名前が全部結びついたのでした。
#あくまで「うちの親父がよく採ってくるキノコ」です。
能登の方とかに行くともっといろんな種類のキノコを食べてるはず。
・イッポンシメジ(ウラベニホテイシメジ。毒キノコの「イッポンシメジ」のことを指すのではない)
・カッパ(サクラシメジ)
・ノメリ(アブラシメジ)
・ムラサキノメリ(ヌメリササタケ)
・コッサカブリ(コッサとも。クリフウセンタケらしい。コッサとは落ち葉の層のこと。)
・ゲンバク(白松茸とも。松茸に形が似ているが、白い。けっこう美味。シロマツタケモドキか…と思ったがモミタケのことらしい)
・コノミタケ、ネズミテ(ホウキタケ。コノミとネズミテは色が違う。コノミの方が美味。でも上記サイト中のコノミタケは親父が取ってくるのとは違うような気も…)
・霜おこし(初冬にとって来ていた。シモコシ。)
・シバタケ(アミタケ)
舞茸を採ってきていたことも1回ぐらいあったかも。やはりそう簡単に見つかるものではないようです。
ちなみに、「キノコ」自身にも方言があります。
石川ではキノコのことは「こけ」と言うんですわ。
じゃあ、庭の湿ったところとかに生えたりする「苔」は何と言うのか?といえば、これも「こけ」。
両者がごっちゃになっている訳ではありません。
ちゃんと区別されていますが、どういう訳か呼び名だけ一緒なのですね。
では実際の会話中に出てきた時にどうやって区別するかと言えば、前後の文脈によって判断するしかないのです。
石川の人間が「こけ」を食べる話をしていたら、それはキノコの話ですのでよろしく。
[45080] 音無鈴鹿さん
「キノコ・キノコ」は20とン年前、実際に読んでました。
近所に住んでいた従姉のところにあった「りぼん」で…
話は違いますが、音無鈴鹿さんのキノコの毒抜きの話を読んで、全然別のものが無毒化されて食べられている事例を思い出しました。
それは石川県の旧美川町(現白山市)で江戸時代より作り続けられている特産品・「
フグの卵巣の糠漬」。
フグの卵巣を1年以上塩漬けし、さらにトウガラシや能登特産の「いしる」(魚醤)を加えた糠床で2年以上つけ込むことにより無毒化(実際には人体に害がない程度に低毒化していると言う事みたい)し、食用に供されています。
どういうメカニズムで無毒化(低毒化)されているかについては漬け床への拡散による濃度低下・下降中の毒素の変成・微生物による分解等が考えられていますが、具体的なところは未だ明らかになっていません。
先人の知恵の神秘、とでも申しましょうか。
ちなみに、フグの卵巣を食品材料として使用・販売することの許可が下りているのは全国でも美川の8業者だけだそうです。
しかも、一樽ごとに出荷直前に毒素の残量を検査することが義務づけられています。
検査の結果問題なかったものには「石川県ふぐ加工協会検査済之証」と言う証書が張られて出荷されています。
無許可で製造販売している業者も時々あるようですので(実際に今年能登の方で中毒を出した事例があった)、上記の証書が張られているかどうかを確認の上ご購入下さい。
ちなみに結構珍味だそうですが、私は喰ったことがあるかどうか記憶無し。
フグの身の糠漬けは間違いなく喰った事があるんですけどね。