現在
[84549]でアップした中身について、1920年、1925年、1930年、1935年、1940年、1947年、1950年の国勢調査人口を、1950年の国勢調査報告によりチェックしつつ、1950年の面積の情報を入力しており、北海道と東北地方が終わったところです(全体の1/6)。
現時点で以下のような入力間違いが見つかっており、多分国勢調査開始以降だけでも、200箇所以上の入力間違いがあると推測されますので、
[84549]を使う時には注意して下さい。まあ郡別に人口は集計してチェックしておりますので、入力の際に同一郡内での似たような名前の町村や似たような人口の町村の人口を交換してしまうというのが、主たるミスです。
市区町村名 | 間違いの箇所 | 修正前 | 修正後 |
福島県伊達郡立木山村 | 漢字 | 福島県伊達郡立木山村 | 福島県伊達郡立子山村 |
福島県北会津郡門田村 | 大正9年国勢調査現在人口 | 3,066 | 5,251 |
福島県北会津郡大戸村 | 大正9年国勢調査現在人口 | 5,251 | 3,066 |
福島県大沼郡氷玉岡村 | 大正9年国勢調査現在人口 | 2,723 | 1,465 |
福島県大沼郡永井野村 | 大正9年国勢調査現在人口 | 1,465 | 2,723 |
島県石城郡箕輪村 | 昭和22年臨時国勢調査現在人口 | 1,859 | 1,852 |
福島県石城郡沢渡村 | 昭和22年臨時国勢調査現在人口 | 1,852 | 1,859 |
島県相馬郡磯部村 | 大正9年国勢調査現在人口 | 1,991 | 1,881 |
福島県相馬郡日立木村 | 大正9年国勢調査現在人口 | 1,881 | 1,991 |
それはさておき、山形県東村山郡高擶村ですが、日本歴史地名大系でも、自分が普段使っているMicrosoft Office IME 2010でも、「たかだまむら」は「てへん」の「高擶村」です。ところが昭和25年の国勢調査報告書(
pdfファイル)では、どうみても「きへん」の「高ダマ村」となっております。
【と、投稿しようとして気づきましたが、ダマの字は機種依存文字なんですね】
昭和30年の国勢調査報告の「市区町村の廃置分合,境界変更,名称変更一覧表」
pdfファイルでは、山形県東村山郡豊栄村に合併された「たかだまむら」は・・・・・・印刷が切れていますが、辛うじて「きへん」に見えます。
昭和22年臨時国勢調査報告
pdfファイル、
昭和10年国勢調査報告、
昭和10年全国市町村別面積調、
昭和5年国勢調査報告、
大正14年国勢調査報告、
大正9年国勢調査報告も「きへん」に見えます。昭和15年
pdfファイルの国勢調査(そもそも戦後出版されたもの)は、「てへん」か「きへん」か微妙ですが
ネット上の情報では、
天童市の観光ガイドによると、
このあたり一帯は室町時代には「高楡」と書かれていましたが、江戸時代には「高擶」と記されるようになりました。このことから、吉田東伍(よしだ・とうご)博士は次のような説を唱えています。
吉田東伍(よしだ・とうご)博士の説 このあたりでは楡(ニレ)をタモやタマと呼んでいたことから、タカタマを「高楡」と記していた。それがいつのまにか誤って「高擶」と記されるようになり、現在まで続いている。
このあたり一帯は立谷川(たちやがわ)扇状地の先端部に位置するため湿地が広がっており、ヤチタモと呼ばれる樹木が生い茂っていたため「高楡」とつけられたと考えられています。
今や吉田東伍の『大日本地名辞典』も
オンラインで閲覧できますが、
高楡(タカタマ) 方俗、楡をダマに誤る
(中略)
ダマ、諸字書之を載せず、楡の譌のみ。楡は、和名にれなり。而も、東方の方俗、ニレをタモ、またタマと呼ぶ、故に此に楡字を用ゐたり。
とあって、天童市のサイトとはことなり、吉田東伍の原文では「きへん」で解説されております。
ダマの字が機種依存文字という問題を抱えていることに今この文を投稿しようとしたことに気づきました。ウェブ上では「擶」で表示するしかないとして、このような背景を踏まえた上で、「たかだまむら」のたまの字は「てへん」の「擶」とするべきか、それとも「きへん」の「ダマ」とするべきなのか、むしろ「楡」にするべきなのか、皆さんのご意見をお願いします。
【追記】機種依存文字といえば、
[84551]を投稿した際に、「宝塚市」がなぜか機種依存文字判定されていたのですが、どうやら
[84549]のファイルでは宝塚市だけ「ひげあり」の塚で入力してしまっていたようです。私はこの辺の違いは漢字のゆらぎの問題と思っており、
[84549]のファイルの宝塚市も、手元にある最新版では通常の塚に修正しております。
その一方で「きへん」と「てへん」では別の漢字だと思うのですが、ウェブ上では自治体を含めて「てへん」表記の「高擶」が標準的にすらなっているようです。
場合によっては変遷情報の高擶村方も脚注が必要かも知れません。