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[44175]2005年8月15日
みやこ♂

[44175] 2005年 8月 15日(月)17:41:26みやこ♂ さん
「三角点の冠字番号」のお話
三角点の存在が,「山の高さの話題」や「山名の決定」に大きな影響を与えてきた,ということはhmt さんの「剱岳譚[43689]」や「白馬譚[43943]」をご覧になっても明らかでしょう。そこで今回は,三角点周辺の話題から。

昨年夏に設置された剱岳の三角点は,「剱岳」という点名の三等三角点で,冠字番号は「景27」といいます。
ここで「点名」は言うまでもなく「三角点の名称」です。三角点は見晴らしのいいところに設置すべきだったので通常山の頂上が多く,しかも三角点名は設置場所の名前で命名する決まりなので,必然的に三角点名には山名が多くなるわけです。
ただあくまでも点名は三角点の名前ですから,それを地名に再映させること(つまり「三角点の名前が“○○山”だから,今“××岳”と呼ばれているこの山は“○○山”が正しい」などのお話)は,とりあえずは本末転倒,ということになります。

「冠字番号」とは,選点作業あるいは設置作業をした担当官の符丁と番号です。
剱岳の「景27」の場合,「景」とは柴崎芳太郎のことを指し,「27」は彼の選んだ番号,になります。今回の三角点設置に際し,わざわざ彼の番号で命名したそうです。
以下「山名(三角点名:等級:冠字番号)」という書式で,他の「景」の字を持つ冠字番号の三角点を列挙すれば,「針ノ木岳(野口:III:景18)」,「五色ヶ原北部(座良:III:景11)(ザラ峠の“座良”ですね)」「剱御前(別山:III:景17)(今で言う“別山”とは別の山ですね)」など。剱岳は「剱岳(剱岳:III:景27)」となりますね。

現在でも「冠字」は生きているそうで,明治以来1000人を超える測量担当官に独自の記号が与えられて来た,そうです。

これらは「漢字一文字だけばかり」かと思いきや,例えばわたくしの地元佐野市の三毳山南峰付近では,「三毳山(犬伏:II:仁京20)」と漢字二文字のようですし,
那須の茶臼岳では,「茶臼岳(那須岳:IV:K同4)」と,二文字であるうえに片方がアルファベットになっています(「点の記閲覧ページ[42818]EMM さん」にて みやこ♂ 調べ)。中には奈良県の釈迦ヶ岳「釈迦ヶ岳(釈迦ケ岳:I:-)」のように冠字番号が出てこないものも。

ちなみにもう一方の話題の主,白馬岳の三角点は「白馬岳(白馬岳:I:館6)」です。「館」は館潔彦の冠字です。極初期の測量官としてちょっと有名な方。いやむしろ「白馬岳の三角点」を選点したことで有名なのかも。
館さんの三角点は,我が栃木県には「三本槍岳(三倉山:I:館14)(今の三倉山はずっと西)」があります。


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