ぺとぺとさん
久しぶりに企業由来町名コレクションの候補を見つけましたのでお知らせします。
浜松市東区積志町
静岡新聞Net de びぶれには町名の由来として以下の記述があります。
「積志」は小松村、内野村、半田村、有玉村の人たちが学資金を作るために明治8年に興した講社(団体)の名。村の人たちに積み金(貯金)をさせて村の資産を増やすとともに学校や村の資金を補充しようというものでした。
(中略)
この「積志講社」は後に解散しますが、有玉村の高林維兵衛は私立の会社を組織し「株式会社積志社」と改称して営業を続けました。明治32年になると中郡村と半田の人々もこの積志社に加入し「株式会社積志銀行」に。
(中略)
有玉、中郡、半田が合併し、企業名を採って「積志村」にしたのは明治41年のことでした。
これらの事情を全国銀行協会の「銀行変遷史データベース」による検索結果(
積志社・
積志銀行)および当サイトの
市区町村変遷情報を加えて時系列にまとめると以下の通りです。
1875(明治 8)年 静岡県長上郡小松村、内野村、半田村、有玉村の有志により積志講社設立
1889(明治22)年 株式会社積志社設立
同年3月1日 市制町村制施行直前の廃置分合により小松村、内野村、半田村が合併し小野田村成立
1896(明治29)年 長上郡有玉村, 中郡村, 小野田村が浜名郡に所属変更
1899(明治32)年 積志社、積志銀行に改称
1908(明治41)年 静岡県浜名郡 有玉村, 中郡村, 小野田村の一部が合併し、積志村を新設
1928(昭和 3)年 積志銀行、解散
1957(昭和32)年 浜松市、浜名郡積志村を編入し、積志村消滅
とうことで、積志村は1959(昭和34)年の豊田市誕生の半世紀も前から存在した企業由来自治体名であったことがわかります。またその流れを汲む浜松市東区積志町も、積志銀行に由来する企業由来町名であると言えるでしょう。
(積志講社を「企業」と言ってよいかどうかわからなかったので、「積志講社に由来する企業由来町名」とは言うのはやめておきます)
ご検討のほどよろしくお願いします。