[77735] 2011年 3月 3日(木)23:34:49 | 般若堂そんぴん さん |
あき竹城氏による「あっあーい!」 |
米沢市出身のあき竹城氏が登場するというので録画しておいた2月28日放送の「しゃべくり007」を,母と二人で大爆笑しながら見ました.皆様の中にもご覧になった方はいらっしゃるでしょうか?
番組中,あき竹城氏が紹介していた「山形弁」と称するものは,実のところ「米沢弁」ですね.
「おしょうしな」が「ありがとう」を意味する,というのはその通り.付け加えれば,「おしょうし」=「どうも」,「おしょうしな」=「ありがとう」,「おしょうしなし」または「おしょうしなっし」=「ありがとうございます」という「段階」があります.
問題は「あっあーい!」です.あき竹城氏は,この言葉を「ごめんください」の意味である,としたうえで,それに対する返事その他,何にでも使えるかのように話し,またどこでも通用するかのように話していました.これは誇張が過ぎるようです.
「あっあーい!」あるいは,年配の方ですと「はっあーい!」と発音する場合も多いようですが,これはあくまでも「ごめんください」の意味で使用します.「あっあーいし!」のように「し」を付け加えると,丁寧さの度合いが増します.使用される(された)地域はおそらく米沢の旧市内だけではないでしょうか.1960年代には,大人でこの言葉を使用する人は極めて少なかったように思います.現在はほぼ完全に死語となっています.
番組中,この言葉を聞いた出演者はみな大爆笑していました.それほどまでにインパクトの強い,おもしろい言葉ですから,是非とも復活してほしいと思うのですが.もちろん,日常的に使用されるようになることはまず無いでしょうから,入店のさいには必ず「あっあーい!」といわなければならない駄菓子屋ができないものか,などと夢想しております.
上村良作氏の「米沢方言辞典」(桜楓社,1977)では「あっあえ」「はっあえ」「はっあえし」という表記で見出し語になっていますが,この表記はあくまでも「東京の耳」に媚びたものであり,米沢語の音韻体系に即したものではありません.