黄砂を巡って、環境汚染の観点からの書き込みが幾つか見受けられますが、黄砂は風成塵やレスの一種で、東アジアの環太平洋の土壌は、少なからず、この風成塵の堆積による場合もあるようです。特に沖縄周辺の島々は、珊瑚礁の上に風成塵が堆積したものが土壌の基本になったようです。日本海で漁業資源が豊かなのは、風成塵が海に降り注ぎ、その付着したものを含めてプランクトンの餌になるためだとも言われています。
砂漠化によって、その土地は不毛になりますが、風成塵が珊瑚礁の島の上に幾千年も掛けて堆積することによって土壌が出来て、島々に新たな自然環境が生まれる様(さま)は、まさに砂漠からの贈り物です。
風成塵と、風成塵と共に飛来する汚染物質とを混同して、風成塵をも環境破壊の要因として悪者扱いするのは、ちょっと悲しいなあと感じます。火山灰や風成塵は、それ自体が近代文明の生活をする者にとっては、確かに迷惑な存在ともいえますが、でも数千年の風成塵の堆積が生んだ新しい自然環境を享受している方々も少なくないように感じます。
比較的わかりやすい論文を紹介します。
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ken/gakui/absts/D0435.pdf