都道府県市区町村
白桃研究所長による人口テーマ専門誌

「平成の大合併」なかりせば

トップ > 白桃市町村人口研究所 > 「平成の大合併」なかりせば
記事数=6件/更新日:2020年12月8日

「平成の大合併」によって、町より市のほうが多くなるというトンデモない?世の中になりました。ここで、合併の「功罪」を論じることはいたしませんが、強いて挙げれば、良かったことは、郷里が「市」になれたこと、悪かったことは、その市名が「東西南北」「県名」「ひらがな」と「悪の三拍子」揃った名前になったことです。
そんなことはさておき、「平成の大合併」は、2010年にはホボ終焉しているので、もう十年が経過しているのに、今さら、どうして?
と訝しむ方もあろうかとは思います。その理由を正直申し上げますと、
1.2015年国勢調査の結果公表がまだまだ先で、何もすることがない。
2.共通項が「現在の市域に組み替えた2000年国調人口9万以上11万未満の市」、という第55回十番勝負問一に刺激を受けた。
ことであります。
ここは市町村人口研究所でありますが、「平成の大合併」にマヒしてしまって、水増しされた人口の推移ではなく、実態に近い都市の人口推移を見つめることを忘れていたのです。では、ぼちぼち参りましょう。

★推奨します★(元祖いいね)


[100762] 2020年 10月 29日(木)12:29:01白桃 さん
「平成の大合併」なかりせば 1.増加率トップ&ボトム20
今回の十番勝負問一の共通項は
2000年国勢調査人口が10万人前後(90000〜109999人)の市(合併組替後)
でしたが、私としては、逆に2000年国勢調査時に存在していた市が、「平成の大合併」が無かったと仮定して、2015年にはどんだけの人口になっていたか、に関心があります。幸いなことに、2015年国勢調査においても、2000年国調時の自治体ごとに2015年の人口がわかります。2000~2015年の微細な境界変更が反映されていないので、厳密には「2000年国調時の市域に組み替えた2015年の人口」ではないのですが、15年間の人口推移を見るには十分だと考えます。
平成の合併が無かったら、という、タラ、レバ、モシ、モシ、カメヨの話は意味がない、と考えられる方もいると思いますが、私には「人口水増し合併」の水面下に隠れた人口推移の実態?がわかったりして、結構面白いものです。
2000年国調時の市の数は671でしたが、「平成の大合併」の魁である篠山市(現在の丹波篠山市)は、(私の主旨に反し)フライングスタートで残念ながら失格とさせていただき、対象は670市といたします。このうち、15年間で増加を記録したのが247市、減少したのが423市です。
以下は、人口増加率トップ20とボトム20です。(○印はこの期に合併を経験した市、あるいは合併によって消滅した市)
トップ202000年2015年増加率-----ボトム202000年2015年増加率
稲城69,23587,63626.578夕張14,7918,843-40.214
戸田108,039136,15026.019歌志内5,9413,585-39.657
日進70,18887,97725.345三笠13,5619,076-33.073
浦安132,984164,02423.341室戸19,47213,524-30.546
吉川56,67369,73823.053芦別21,02614,676-30.201
つくば○165,978203,22522.441赤平15,75311,105-29.505
香芝63,48777,56122.168牛深○18,28413,031-28.730
守山65,54279,85921.844珠洲19,85214,625-26.330
高浜38,12746,23621.268美唄31,18323,035-26.130
鳥栖60,72672,90220.051土佐清水18,51213,778-25.573
東広島○123,423147,64119.622日光○17,42813,016-25.316
与野○82,93798,76219.081男鹿○30,46922,828-25.078
京田辺59,57770,83518.897両津○17,39413,107-24.646
草津115,455137,24718.875栃尾○24,70418,761-24.057
大府75,27389,15718.445八幡浜○33,28525,305-23.975
成田○95,704112,99318.065尾鷲23,68318,009-23.958
川崎1,249,9051,475,21318.026山田○11,6868,935-23.541
印西○60,46870,48716.569大月33,12425,419-23.261
具志川○61,06171,11516.466陸前高田25,67619,758-23.049
沖縄119,686139,27916.370尾花沢22,01016,953-22.976
上を、2020年まで伸ばしたら、いや、それはまだ出来ませんが、トップ20の上の方に間違いなく入ってくるのが流山市です。
[100780] 2020年 11月 2日(月)05:18:56白桃 さん
「平成の大合併」なかりせば、2.合併した府県庁所在都市の人口推移
47都道府県庁所在地のうち、33の市が合併を行いました。以下は合併前の「旧市域」と合併後の「新市域」の15年間の人口推移です。(増加率Aは旧市域、増加率Bは新市域。新/編は新設合併後に編入したことを示しています。)
市名2000年2015年増加率A-----合併方式市名増加率B
浦和484,845549,87313.412新/編さいたま11.531
大津288,240319,14810.723編入大津10.065
岡山626,642674,1477.581編入岡山6.688
宇都宮443,808474,0506.814編入宇都宮6.365
大分436,470464,6366.453編入大分5.220
広島1,126,2391,188,1965.501編入広島5.282
宮崎305,755317,0003.678編入宮崎2.278
水戸246,739255,6443.609編入水戸3.525
熊本662,012680,3402.769編入熊本2.775
山口140,447144,1272.620新/編山口0.156
高松332,865341,1692.495編入高松0.976
松山473,379484,3172.311編入松山1.298
新潟501,431505,5130.814編入新潟0.147
鳥取150,439151,4170.650編入鳥取-3.500
京都1,467,7851,470,0560.155編入京都0.048
鹿児島552,098551,875-0.040編入鹿児島-0.312
福井252,274250,970-0.517編入福井-1.355
富山325,700323,248-0.753新設富山-0.503
静岡469,695466,012-0.784新/編静岡-3.424
福島291,121288,493-0.903編入福島-1.224
長野360,112356,085-1.118編入長野-2.659
盛岡288,843285,480-1.164編入盛岡-1.726
佐賀167,955165,236-1.619新/編佐賀-2.758
松江152,616149,918-1.768新/編松江-2.521
前橋284,155277,516-2.336編入前橋-1.634
163,246159,379-2.369新設-2.316
岐阜402,751393,086-2.400編入岐阜-2.012
高知330,654320,127-3.184編入高知-3.378
奈良366,185353,208-3.544編入奈良-3.903
甲府196,154187,916-4.200編入甲府-4.428
秋田317,625300,264-5.466編入秋田-6.188
長崎423,167393,154-7.092編入長崎-8.642
青森297,859269,435-9.543新設青森-9.717
上表で18の県庁所在地が旧市域・新市域ともに人口を減少させていることが分かりますが、注目されるのは、富山、前橋、津、岐阜の四市は新市域より旧市域の減少率が高いことです。また、熊本市も新市域より旧市域の増加率が低いのですが。その差は僅か0.006ポイントで、人口推移の観点からは「筋の通った合併」であった、と感じています。逆に、旧市域は増加しているが、新市域では減少を示している鳥取市は、そのポイント差が4.150と最も大きく、ちょっと無理な合併だったのでは、は言い過ぎでしょうか。
[100818] 2020年 11月 10日(火)01:29:44白桃 さん
「平成の大合併」なかりせば 3.合併した主要都市の人口推移
[100781]オーナー グリグリさん
県庁所在地に限定せずに主要都市に広げてみるとどうなるのかにも興味があります。
と言うことで、以下は、「平成の大合併」によって2015年国勢調査人口が15万人以上となった県庁所在地以外の都市の人口推移です。なお、栃木、高崎、伊勢崎、久喜、西東京、上越、磐田、豊川、西尾及び東広島の10市については別途触れますので、ここでは割愛いたします。(増加率Aは旧市域、増加率Bは新市域。新/編は新設合併後に編入したことを示しています。)
市名2000年2015年増加率A-----合併方式増加率B
つくば165,978203,22522.441編入18.325
川口460,027515,97112.161編入12.354
岡崎336,583372,94210.802編入10.131
327,851361,46810.254編入10.749
豊田351,101382,2938.884編入6.912
相模原605,561653,9047.983編入5.826
野田119,922126,9245.839編入1.578
一宮273,711289,1325.634編入5.002
太田147,906156,0425.501新設4.727
出雲87,33092,0745.432新設-1.058
倉敷430,291447,6834.042編入3.526
四日市291,105300,3123.163編入2.956
浜松582,095596,7162.512編入1.485
福山378,789387,8212.384編入1.730
姫路478,309488,4592.122編入0.130
久留米236,543239,6421.310編入-0.109
792,018800,1541.027編入1.166
都城131,922132,2640.259新設-3.948
松本208,970208,227-0.356編入-0.071
長岡193,414192,716-0.361編入-6.062
大垣150,246149,655-0.393編入-1.204
富士234,187232,648-0.657編入-1.256
松阪123,727121,036-2.175新設-0.390
熊谷156,216152,291-2.513新/編-3.732
上田125,368121,192-3.331新設-5.846
春日部203,375196,308-3.475新設-3.366
佐世保240,838228,258-5.223編入-6.91
宇部174,416163,424-6.302編入-6.923
八戸241,920225,926-6.611編入-6.979
沼津207,558192,807-7.107編入-7.528
高岡172,184159,314-7.475新設-7.301
弘前177,086163,343-7.761新設-8.180
203,159185,763-8.563編入-11.832
今治117,930107,443-8.893新設-12.464
下関252,389228,554-9.444新設-10.820
日立193,353170,967-11.578編入-10.424
函館287,637254,157-11.640編入-12.883
釧路191,739167,925-12.420新設-13.308
上表に掲げた38市のうち旧市域の人口が増えているのは18市ですが、その中でも、際立った増加率を示すのがつくば市です。また、出雲、久留米、都城は新市域の人口は減少しています。出雲と都城は新市域と旧市域の増加率のポイント差が大きいことから、長岡ともども「食べ過ぎでお腹をこわさないか」と心配しています。
注:ここで言う「新市域」とは、合併によって「市」となった旧町村域のことではなく、「旧市域」を含む合併後の市域を指しています。誤解されている方がいらっしゃいましたら、的確な表現で無かったことをお詫びいたします。
[100840] 2020年 11月 16日(月)03:15:36白桃 さん
「平成の大合併」なかりせば 4.「大型合併」した市の人口推移
「大型合併」と言うと聞こえは良いのですが、見かけ上の人口を大幅に増加させた合併のことで、本当は「水増し合併」と呼びたいのですが、それはあまりにも失礼ですよね。('◇')ゞ
ここでは「大型合併」の定義を以下のようにしています。
2010年国勢調査市域人口÷2000年国勢調査市域人口≧1.5
(例)笠間市・・・79,409÷30,076=2.640
   佐久市・・100,552÷66,875=1.504
なお、合併に関与した市が複数の場合は、各市の人口を合計したものを2000年国調時の市域人口としています。
また、栃木市や西尾市のように、2010年10月2日以降に合併を行っているケースは、2015年国調時の境域に組み替えたものを2010年市域人口としています。
また、嘉麻(山田)、佐渡(両津)、東近江(八日市)、射水(新湊)、霧島(国分)、大仙(大曲)、那須塩原(黒磯)、
たつの(龍野)、ふじみ野(上福岡)、由利本荘(本荘)、大崎(古川)、香取(佐原)、白山(松任)、筑西(下館)、
南さつま(加世田)、伊賀(上野)、千曲(更埴)、常総(水海道)、宮古島(平良)、糸島(前原)、天草(本渡・牛深)
については、「大型合併」の対象となりますが、改称した市として稿を改めて触れます。

市名2000年2015年増加率A・・・合併市名増加率B
東広島123,423147,64119.622編入東広島10.015
西尾100,805111,16710.279編入西尾5.133
佐久66,87570,8715.975新設佐久-0.648
豊川117,327122,8064.670編入豊川3.247
伊勢崎125,751131,5954.647新設伊勢崎7.418
高崎239,904249,7414.100編入高崎3.464
磐田86,71789,8633.628新設磐田0.728
廿日市73,58775,2612.275編入廿日市-0.065
長浜60,10460,9001.324新/編長浜-4.577
加須68,44567,589-1.251新設加須-4.711
上越134,751132,891-1.380編入上越-7.025
43,48042,331-2.643新設-5.354
飯塚80,65178,285-2.934新設飯塚-5.527
唐津78,94576,449-3.162新/編唐津-8.468
40,96339,608-3.308新設-6.449
古河58,72756,173-4.349新設古河-3.760
八女39,61037,280-5.882編入八女-16.014
恵那35,67733,548-5.967新設恵那-10.827
石岡52,56849,344-6.133新設石岡-8.541
久喜72,65468,142-6.210新設久喜-1.284
栃木83,85578,009-6.972新/編栃木-7.303
一関63,51058,830-7.369新/編一関-13.664
玉名45,64842,145-7.674新設玉名-8.582
豊岡47,30843,375-8.314新設豊岡-11.323
山鹿32,94430,020-8.876新設山鹿-12.148
二本松36,23332,767-9.566新設二本松-11.978
佐伯50,12045,044-10.128新設佐伯-14.492
横手40,52136,334-10.333新設横手-15.419
庄原21,37018,922-11.455新設庄原-18.998
村上31,75828,009-11.805新設村上-15.507
渋川48,76142,984-11.848新設渋川-12.700
菊池27,34223,911-12.548新設菊池-8.490
美祢18,63816,169-13.247新設美祢-17.077
笠間30,07625,810-14.184新設笠間-6.823
柳川41,81535,817-14.344新設柳川-12.672
長門24,09220,131-16.441新設長門-18.480
上記36市のうち、旧市(域)の人口が増加したのは9市で、四分の一にすぎません。佐久、廿日市、長浜は旧市域の人口は増えているのですが、新市域の人口は減少しています。また、伊勢崎は旧市域よりも新市域の増加率が高く、古河、久喜、菊池、笠間、柳川は新市域よりも旧市域の減少率が高くなっています。
旧市域と新市域の増加率のポイント差が4を超えるのが15市と多く、「大型合併」の特徴を表しています。八女に次いでポイント差が大きい東広島市の場合をみると、旧市域の増加率は20%に近いのに、新市域の増加率は10%に過ぎません。旧町単位でみると、
旧町2000年2015年増加率
黒瀬町25,35123,851-5.917
福富町2,8922,374-17.911
豊栄町4,4043,232-26.612
河内町6,9415,928-14.594
安芸津町12,3359,881-19.895
51,92345,266-12.821
と、すべての旧町で減少しているのです。東広島市といえば、「賀茂学園都市」を契機に合併が行われ1974年に生まれた西日本を代表する「成長都市」であります。さらに、「平成の大合併」によって瀬戸内海にまで達する広大(広島大学ではない)な市域となりましたが、少し手を広げすぎたかな・・・と美酒「賀茂鶴」を飲みながら思う次第であります。
[100865] 2020年 12月 1日(火)02:59:49【1】白桃 さん
「平成の大合併」なかりせば 5.「名称変更した市」の人口推移
「名称変更した市」ということは、旧市名は消滅しているので「消滅した市」でもあるのですが、ここでは、合併に関与した市が一つの場合はその市を、複数の市が関与したケースにおいては合併前の国調人口が最大の旧市を対象としています。なので、浦和市、川之江市等はここで取り上げ、大宮市、伊予三島市等は「消滅した市」として別稿で扱います。(増加率Aは旧市域、増加率Bは新市域。新/編は新設合併後に編入したことを示しています。)
旧市名2000年2015年増加率A---合併方式---新市名増加率B
具志川61,06171,11516.466 新設うるま8.097
浦和484,845549,87313.412 新/編さいたま11.531
上福岡54,63059,7549.379 新設ふじみ野10.839
国分53,96658,1397.733 新設霧島-1.607
古川72,89778,4377.600 新設大崎-4.251
保谷102,720110,0047.091新設西東京10.574
前原63,88368,0836.575 新設糸島1.510
松任65,37069,2765.975新設白山2.159
平良33,70135,2804.685新設宮古島-5.646
黒磯58,78360,9823.741新設那須塩原5.701
八日市44,35145,4652.512 新/編東近江-0.188
龍野40,55039,661-2.192 新設たつの-6.956
川内73,23671,144-2.857 新設薩摩川内-8.902
武生73,79269,819-5.384 新設越前-7.041
本荘45,72443,191-5.540 新設由利本荘-13.912
更埴39,40237,137-5.748 新設千曲-6.586
小野田45,08542,178-6.448 新設山陽小野田-7.056
水沢60,99056,995-6.550 新設奥州-10.247
今市62,47658,295-6.692 新設日光-15.036
岩井43,42140,345-7.084 新設坂東-7.816
下館65,03460,425-7.087 新設筑西-9.944
本渡41,09038,177-7.089 新設天草-19.598
上野61,49357,076-7.183 新設伊賀-10.781
川之江38,12635,215-7.635 新設四国中央-7.329
徳山104,67296,086-8.203 新設周南-7.968
水海道42,01538,346-8.733 編入常総-7.188
大曲39,61535,873-9.446 新設大仙-15.808
原町48,75043,938-9.871 新設南相馬-23.189
中村34,96831,436-10.101 新設四万十-11.528
新湊37,28733,251-10.824 新設射水-1.278
甘木42,64337,873-11.186 新設朝倉-15.011
新井27,88224,624-11.685 編入妙高-16.373
八日市場32,80728,915-11.863 新設匝瑳-13.173
加世田24,18721,137-12.610 新設南さつま-19.418
塩山26,12622,122-15.326 新設甲州-14.229
佐原48,32840,775-15.629 新設香取-14.783
串木野27,04722,792-15.732 新設いちき串木野-14.545
名瀬43,01536,216-15.806 新設奄美-16.845
福江27,66223,264-15.899 新設五島-23.089
大口23,59418,865-20.043 新設伊佐-19.989
山田11,6868,935-23.541 新設嘉麻-19.916
両津17,39413,107-24.646 新設佐渡-20.670
対象にした42の旧市のうちで、人口を増加させているのは具志川など僅か11にすぎません。11の中で新市域の人口も増加しているのは、具志川→うるま、浦和→さいたま、上福岡→ふじみ野、保谷→西東京、前原→糸島、松任→白山、黒磯→那須塩原の七例です。
次に、中心となっているはずの旧市域よりも新市域の人口増加率が高いのが、ふじみ野、西東京、那須塩原の3市で、つまり、上福岡よりも旧大井町、保谷よりも旧田無市のほうが人口増加率が高いということです。(※那須塩原市においては、旧西那須野町の人口増加率は12.819%です。)また、四国中央、周南、常総、射水、甲州、香取、いちき串木野、伊佐、嘉麻、佐渡においては、新市域の人口減少率が、中心となっているはずの旧市域よりも低くなっています。特に射水の場合は新湊とのポイント差が9.546となっており、♪「私が生まれて育ったところ」も辛い立場にたたされているのではないか、気になっています。また、水海道が石下を「編入」した常総市ですが、(2015年の鬼怒川水害の影響があるにしろ)石下の人口減少率が低いと言うのも何だかな~と言う気がしています。
南相馬(原町)、天草(本渡)、大崎(古川)、宮古島(平良)においては、新市域と(旧市)の人口増加率の差が10ポイントを超えています。特別な事情のある南相馬は別として、残りの3市の新市域格差も気になるところです。
[100881] 2020年 12月 8日(火)02:00:41白桃 さん
「平成の大合併」なかりせば 6.「消滅した市」の人口は今
[100865]で書きましたが、今回とりあげるのは「平成の大合併」で他市との合併によって新市をつくった旧市のうち、合併前の国調人口が最多ではない、すなわち、「前身市」とはならない24の旧市です。
旧市名2000年2015年増加率(%)-----旧市名2000年2015年増加率(%)
与野82,93798,76219.081伊予三島36,83235248-4.301
田無78,16590,00815.151白根40,01237581-6.076
鳩ヶ谷54,51862,14113.983北条28,54726667-6.586
浜北84,90595,90012.950新南陽32,15329960-6.821
大宮456,271505,54310.799清水236,818219,374-7.366
久居41,06344,3898.100東予32,99329,903-9.366
石川21,99223,2515.725平田29,00625,294-12.797
新津65,86067,4782.457江刺33,68728,864-14.317
岩槻109,247109,8010.507因島28,18723,350-17.160
尾西57,95658,1940.411天竜23,74719,155-19.337
豊栄48,99748,9990.004栃尾24,70418,761-24.057
日光17,42813,016-25.316
牛深18,28413,031-28.730
24のうち、11が増加しているというのは意外でした。与野、田無、鳩ヶ谷など大都市圏にあるところは当然としても、新津、尾西、豊栄あたりは「健闘」の部類に入るでしょう。与野は浦和、田無は保谷、鳩ヶ谷は川口、浜北は浜松、久居は津、新津は新潟、の増加率を上回っています。大宮も50万人を超え、さいたま市の「主役」は大宮では無いのかと感じるほどその存在感を増しています。
減少市の中でも、伊予三島は川之江より、新南陽は徳山より、減少率は低いのです。清水と因島の減少率の高さは、基幹産業であった造船業の不況が影響していると思われます。それにしても日光の凋落ぶりは目を覆うばかりですが、それよりも減少率の高い牛深は本渡に何もかも持っていかれたのでしょうか?

この特集記事はあなたのお気に召しましたか。よろしければ推奨してください。→ ★推奨します★(元祖いいね)
推奨するためには、メンバー登録が必要です。→ メンバー登録のご案内


都道府県市区町村
白桃研究所長による人口テーマ専門誌

パソコン表示スマホ表示