都道府県市区町村
白桃研究所長による人口テーマ専門誌

「平成の合併」と人口減少

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記事数=6件/登録日:2012年9月29日

この特集の目的は、「平成の合併」によって旧市町村の人口が、合併前と合併後どう推移していたのか、言いかえれば、合併が人口に及ぼす影響を究明することです。
しかし、なにぶん数3も統計学の基本も習っていないド素人のこと。
結構、時間をかけて調べたのはいいのですが、正直なところ、期待?したほどの精華?は出ておりません。
私の自己満足的な書き込みを集めただけのものでして、お急ぎのご用事の無い方でも、こういうことに興味の無い方にはお勧めいたしません。
とは言っても、[79729]だけでもお読みいただければ幸いです。

★推奨します★(元祖いいね)


[70352] 2009年 5月 31日(日)21:47:31白桃 さん
「平成の合併で誕生した市」の人口推移
を調べています。
1.「合併市制前」と「後」の人口変動率の差異
2.1.に関連するモノ(要因)は何か

◎1.について
推測通り、合併後の人口変動率が大きいです。言葉を換えれば、「せっかく合併しても、人口減少に歯止めがかからなかったどころか、合併により人口減少に拍車がかかった」市が多い、ということです。

◎2.について
郡上市型(「おヤマの大将存在型」)と東かがわ市型(「どんぐりの背比べ型」)による差異を探しておりますが、今のところ、ご報告するまでには至っておりません。

余談ですが、
ウチの娘が、「屋久島は東海地方にある」という珍説を出してきました。これには、「根室が夕張の近くにある」と主張したカミさんも真剣に?反論しております。
こういうの、「50歩、100歩」っていうのですか?、それとも「大ボケ、小ボケ」ですか伊那?(笑)。
[70409] 2009年 6月 7日(日)08:37:18白桃 さん
平成の合併で誕生した市の人口ビフォー&アフター(その1)
白桃市町村人口研究所では、平成の合併で誕生した市について、人口推移に及ぼす合併の影響について調べた結果を6月7日に「中間発表」いたしました。

対象:2000年10月1日~2008年10月1日に「町村合併」により誕生した129市

1.合併前の2000年国勢勢調査人口による中核旧町村の中心性の数値化
2008年10月1日現在の市域に組み替えた2000年国勢調査人口(P1)を算出し、3つの指標で各市において中核となった旧町(村)の中心性?を数値化
(1)対2位
各市について、2000年国勢調査において最多人口旧町村の人口(A1)を、次位旧町村人口(A2)で除したもの・・・A1/A2
参考1
上位3は、上野原(11.64)、弥富(6.53)、那珂(5.06)
下位3は、北杜(1.00)、南城(1.00)、能美(1.01)
(2)対全体
各市について、(A1)を(P1)で除したもの・・・A1/P1
参考2
上位3は、上野原(0.92)、弥富(0.87)、那珂(0.84)
下位3は、南島原(0.16)、栗原(0.16)、北杜(0.19)
(3)対平均
各市について、(A1)を平均人口(P1/n)で除したもの(n=構成旧町村数)・・・A1*n/P1
参考3
上位3は、豊後大野(2.94)、常陸大宮(2.77)、三好(2.76)
下位3は、うきは(1.01)、牧之原(1.02)、能美(1.03)

と、ここまで書きましたが、長くなりそうなので(実を言うと、面倒くさくなったので・・・~l~)稿を改めます。
とにかく不完全で穴だらけの調査報告なので、驚くほどの結果は出てきません。よって皆様、期待しないでお待ちを・・・
[70424] 2009年 6月 8日(月)08:21:42白桃 さん
平成の合併で誕生した市の人口ビフォー&アフター(その2)
[70409]の続きです。

2.人口増加率
各市の人口増加率=P2/P1*100-100
P1・・・2008年10月1日現在の市域に組み替えた2000年国勢調査人口
P2・・・2008年10月1日現在推計人口
参考4
上位3は、木津川(14.86)、瑞穂(10.90)、合志(8.91)
下位3は、三好(-14.98)、対馬(-13.88)、上天草(-13.70)

3.合併前の1年あたり人口増加率(C1)と合併後の1年あたり人口増加率(C2)
ここからが、本論なんですが・・・
例えば、2005年1月1日に合併市制の場合、
C1・・・2001年、2002年、2003年、2004年10月1日時点の、それぞれ年間人口増加率を算出し、4で除す
C2・・・本来ならば、2005年、2006年、2007年、2008年10月1日時点の、それぞれ年間人口増加率を算出し4で除すべきなのであるが、2005年は国勢調査なので、2000年国勢調査を基準値とした2004年の推計人口と比較することが出来ない。よって、2006年、2007年、2008年10月1日時点の、それぞれ年間人口増加率を算出し、3で除した。
その結果、
C2-C1>0・・・15市
C2-C1<0・・・113市(2001年4月に合併した潮来市を除く)
C2-C1の(128市)平均値は-0.329
要するに、合併後の人口減少率が(合併前より)大きいという結果になった。

参考5(C2-C1)
上位3は、つくばみらい(2.08)、清須(1.24)、宮若(0.73)
下位3は、対馬(-1.23)、上天草(-0.90)、北杜(-0.87)

続く
[70425] 2009年 6月 8日(月)08:51:48【1】白桃 さん
平成の合併で誕生した市の人口ビフォー&アフター(その3)
連続ですみません。

合併市の合併後の人口減少率の拡大が合併の影響によるものかどうか、これを明らかにしなければなりません。
[70424]で記しましたが、合併新市の「平均C2-C1」は-0.329
じゃぁ、合併しなかった場合はどうだったのか?・・・
そこで、人口3~8万の、平成の合併を行わなかった125市町を抽出(大都市圏にあって人口変動が激しい市等は除外した)し、調べてみました。
注:合併していないので合併前、合併後の区分自体がナンセンスですが、便宜上、2004年までを「合併前」、2006年以降を「合併後」、としました。
その結果、125市町の「平均C2-C1」は-0.288となりました。(なんとも微妙な数字です)

結論:「合併後の人口減少率の拡大が合併の影響によるものかどうか」という命題の答えはちょっと出せません。平成の合併が頻繁に行われた時期と、地方を中心に人口減少率が拡大した時期が単に重なっているだけだとも感じます。でも、合併が人口増の要因となる可能性はほとんどないです。

以上、ぐだぐだと書いてしまいました。
これから、4~5日入院予定です。落書き帳は見れない市、人口統計は出来ない市、どうしよう~~・・・退屈だろうナ
[79650] 2011年 11月 20日(日)14:00:17【1】白桃 さん
「平成の大合併」と自治体人口推移
先だって「平成の合併の功罪について」をテーマとするテレビを見ていたら、ある地名研究家?が、多くの郡の消滅をもたらした平成の合併をなげいておりました。
私は、どちらかというと合併には批判的な立場をとっておりますが、そんなことで平成の合併を非難するのはどうかと感じました。
さて、10月26日に発表されました国勢調査確報では、旧市町村単位の人口も分かります。
そこで、「平成の大合併」と自治体人口推移との関連を、旧市町村からの視点で検証したいと考えております。

まず、旧市町村を次の4つに類型化します。
単独系:平成の合併を行わなかった市町村
併A系:合併に参加した他の市町村のいずれをも、1990年国勢調査時点での人口で2倍以上上回っている旧市町村
併B系:合併した旧市町村で、併A、併C以外の旧市町村
併C系:1990年国勢調査時点での人口において、参加中トップ人口市町村の人口の半分に満たない旧市町村

調査項目は
項目1.「平成の大合併が行われた10年間(2000年~2010年)の人口増減率」・・・(A)
項目2.Aと「1990年~2000年の人口増減率」・・・(B)の比較(A-B)
(私は項目2をより重視したいと考えます。)
偉そうなことを書いておきながら恐縮ですが、まだ三県しか調べておりませんので、途中経過報告とさせてください。

香川県愛媛県島根県
項目1項目2項目1項目2項目1項目2
県全体43-2.64%-2.59p70-4.13%-2.68p58-5.79%-3.29p
単独系地域8-4.34%-0.98p2-1.27%-2.57p62.04%1.08p
併A系地域60.40%-1.00p12-1.81%-3.01p10-4.19%-4.39p
併B系地域9-7.39%-4.26p14-5.31%-1.16p11-12.58%-4.48p
併C系地域20-5.64%-7.49p42-11.93%-3.72p31-10.17%-3.19p

注1)島根県の(旧)旭村は「併C系」でありますが、社会復帰促進センターの設立によって2000年からの増加率が異常な値を示しているので、特異な事例として統計調査対象から除外いたしました。
注2)pはポイント

わかりにくい説明と表で申し訳ありませんが、私は以下のように推測しております。
1.旧市町村単位で見た場合、「平成の大合併」は合併市町村の人口推移に影響を与えている。
2.人口が相対的に少ない旧市町村においては、人口減少率が他グループに比べ大きい。
3.1990年からの10年間の減少率に比して、2000年からの10年間の減少率は大きくなっており、特に「併C系」ではその傾向が顕著である。

訂正箇所:表中、「平均」を「地域」に変更、それに伴い数字を訂正。(統計手法上どちらにすべきなのか、迷ってますが・・・)
[79729] 2011年 12月 12日(月)02:11:20白桃 さん
「平成の大合併」と旧市町村単位での人口推移
[79650]で予告したように、「平成の大合併」は旧市町村単位での人口推移にはたして影響を及ぼしたのかどうか調べてみました。

1.対象(旧)自治体:旧2829市町村
除外したのは、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、札幌市、仙台市、京都市(+京北町)、神戸市、広島市(+湯来町)、北九州市、福岡市、西宮市、尼崎市、明石市、宝塚市、伊丹市、川西市、三田市、芦屋市、猪名川町です。(対象から除外した理由は省略)
2.4つの類型化
単独系:平成の合併を行わなかった市町村
併A系:合併に参加した他の市町村のいずれをも、2000年※国勢調査時点での人口で2倍以上上回っている旧市町村
併B系:合併した旧市町村で、併A、併C以外の旧市町村
併C系:2000年※国勢調査時点での人口において、参加中トップ人口市町村の人口の半分に満たない旧市町村
[79650]では1990年国勢調査人口としておりました。
3.調査項目
1)2000年~2010年の人口減少率
2)1990年~2000年と2000年~2010年の人口減少率の比較※
[79650]では、単純に減少率の差を求める方法を考えておりましたが、それでは不十分だと気がつき以下のように致しました。
(2010年人口×1990年人口)÷(2000年人口×2000年人口)×100・・・「健闘値」と仮称
4.結果の概要
1)人口減少率(%)
全体3万未満1万未満5千未満1千未満
単独系-2.24-6.62-10.50-13.52-15.98
合併系-3.09-7.77-12.00-16.00-29.49
併A系-1.29-7.49-12.44-22.31
併B系-4.95-6.76-10.99-15.80
併C系-7.62-8.43-12.36-16.00-29.49
2)健闘値
全体3万未満1万未満5千未満1千未満
単独系95.6895.7896.4296.1287.77
合併系96.1894.7794.7893.9181.87
併A系96.7195.1496.2693.87
併B系95.1894.6895.5094.61
併C系94.9594.7394.4793.7981.87
5.(全般的)結論
・合併前の市町村単位でみると、合併しなかった市町村は、合併した市町村に比べて人口減少率が低く、健闘値も高い。
・人口規模も小さくなるにつれ、また、合併自治体の中において相対的に人口の少ない旧市町村ほど、人口減少率が高く、健闘値は低くなっている。

以上、稚拙な統計手法でもって粗い分析ではありますが、一応ご報告いたします。

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