先だって「平成の合併の功罪について」をテーマとするテレビを見ていたら、ある地名研究家?が、多くの郡の消滅をもたらした平成の合併をなげいておりました。
私は、どちらかというと合併には批判的な立場をとっておりますが、そんなことで平成の合併を非難するのはどうかと感じました。
さて、10月26日に発表されました国勢調査確報では、旧市町村単位の人口も分かります。
そこで、「平成の大合併」と自治体人口推移との関連を、旧市町村からの視点で検証したいと考えております。
まず、旧市町村を次の4つに類型化します。
単独系:平成の合併を行わなかった市町村
併A系:合併に参加した他の市町村のいずれをも、1990年国勢調査時点での人口で2倍以上上回っている旧市町村
併B系:合併した旧市町村で、併A、併C以外の旧市町村
併C系:1990年国勢調査時点での人口において、参加中トップ人口市町村の人口の半分に満たない旧市町村
調査項目は
項目1.「平成の大合併が行われた10年間(2000年~2010年)の人口増減率」・・・(A)
項目2.Aと「1990年~2000年の人口増減率」・・・(B)の比較(A-B)
(私は項目2をより重視したいと考えます。)
偉そうなことを書いておきながら恐縮ですが、まだ三県しか調べておりませんので、途中経過報告とさせてください。
| 香川県 | | | 愛媛県 | | | 島根県 |
| 数 | 項目1 | 項目2 | 数 | 項目1 | 項目2 | 数 | 項目1 | 項目2 |
県全体 | 43 | -2.64% | -2.59p | 70 | -4.13% | -2.68p | 58 | -5.79% | -3.29p |
単独系地域 | 8 | -4.34% | -0.98p | 2 | -1.27% | -2.57p | 6 | 2.04% | 1.08p |
併A系地域 | 6 | 0.40% | -1.00p | 12 | -1.81% | -3.01p | 10 | -4.19% | -4.39p |
併B系地域 | 9 | -7.39% | -4.26p | 14 | -5.31% | -1.16p | 11 | -12.58% | -4.48p |
併C系地域 | 20 | -5.64% | -7.49p | 42 | -11.93% | -3.72p | 31 | -10.17% | -3.19p |
注1)島根県の(旧)旭村は「併C系」でありますが、社会復帰促進センターの設立によって2000年からの増加率が異常な値を示しているので、特異な事例として統計調査対象から除外いたしました。
注2)pはポイント
わかりにくい説明と表で申し訳ありませんが、私は以下のように推測しております。
1.旧市町村単位で見た場合、「平成の大合併」は合併市町村の人口推移に影響を与えている。
2.人口が相対的に少ない旧市町村においては、人口減少率が他グループに比べ大きい。
3.1990年からの10年間の減少率に比して、2000年からの10年間の減少率は大きくなっており、特に「併C系」ではその傾向が顕著である。
訂正箇所:表中、「平均」を「地域」に変更、それに伴い数字を訂正。(統計手法上どちらにすべきなのか、迷ってますが・・・)