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[91405]2016年9月16日
hmt

[91405] 2016年 9月 16日(金)15:19:05【1】hmt さん
杖立川
オフ会を前にして、天気を気にしながら、開催地付近の地理の「にわか勉強」を始めた hmtです。

「杖」を頼りに歩行する身としては、「杖立」という地名が 気になります。
甲州や四国には「杖立峠」があるようだが、九州の杖立の由来は?
温泉の薬効で寝たきりの人が杖で立てるようになったとか、各地に残る弘法大師の逸話とかもあるようだが、どうも温泉の宣伝くさい。

私が自分勝手に尤もらしいと思っている自説を紹介してみます。

大分県豊後国日田郡。東でなく、西の有明海に注ぐ筑後川の流域という異色の位置。
日田盆地には、大別して3方向から川が集まっています。一つは久住山北麓から日田へと西流する玖珠川で、かつては 流路の長いこの川が 筑後川の本流とされていたようです。

現在の本流は、阿蘇外輪山北側から 熊本県内を北西へと流れる杖立川です。
杖立川の上流を辿ると、南小国町東端付近から国道442号沿いに 田の原川 という名で流れており、小国町宮原で 志賀瀬川 を合流した後で 杖立川 という名になります。杖立温泉の少し先で 津江川 を合流していましたが、松原ダム完成後の合流点付近は 梅林湖 になっています。
松原ダムを過ぎると 大山川 という名になり、途中で大山ダムから流れてくる 赤石川 と合流し日田盆地に集まります。
川の本流の選び方はいろいろあるようです。阿賀野川の記事[67150]では 勾配説を支持しましたが、筑後川の場合は 流域面積の広さから 大山川・杖立川が本流に選ばれたようです。

3番目は、主として津江山と呼ばれた日田郡南西部の山地の水を集めてくる 津江川 です。その上流は鯛生金山[91329]のあった中津江村や、上津江村の 川原川 などで、下筌(しもうけ)ダムの蜂の巣湖[91229]を経て 前記松原ダムの手前で杖立川に合流します。

その 丁字形合流点の姿に基づいて、阿蘇の北から流れてきた方を「津江(つえ)竪川(たてかわ)」と呼んだのではないでしょうか。
参考までに、川の「たて・よこ」については、[75307]の末尾に説明してあります。

「杖立」に関する詮索はさておき、筑後川の範囲を国土交通省の地図で確認してみました。
筑後川河川事務所によると、「その源を熊本県阿蘇郡 瀬の本高原 に発する筑後川」と記されています。

つまり、筑後川とは 南小国町東端付近の高原から発する「延長143kmの幹線流路全体が筑後川である」ということのようです。
筑後川管内図indexは4段5列に分割されており、 杖立温泉は3段4列目の14図になります。
管内図 14を開いて見ると、その右下付近、赤丸「小国」の上流側に「筑後川」の名が明記されていました。普通の地図に記されている名は、田の原川→杖立川→大山川→三隈川→筑後川と変ってゆくのですが、河川管理上は一貫して「筑後川」ということなのでしょう。
【追記】
管内図の凡例(10図):赤丸は雨量観測所、緑丸は名所旧跡

三隈川→筑後川はアーカイブズ 場所によって名前の変わる川にも収録されていますが、日田の上流で更に3種類もの違う名前が使われているのは、特筆に値すると思います。

なお、管内図の筑後川源流部は3段5列目 15図の下方、南小国町東端付近です。少し西の国道442号沿いには赤丸「黒川」があり、こちらが福岡からの高速バス終点と推察します。【14図右端の緑丸「黒川温泉」は誤記?】

今回は日田盆地よりも上流部を話題にしました。
そこには、下流部の平野を蛇行する常識的な「筑後川」とは 大きく違う  林業地帯が広がっていることを認識しました。
国土交通省の 明日を拓く川~筑後川 には、歴史・地域・自然・災害の4章に亘る解説がありました。
最後に、本来の?筑後川に関する余談を2項目だけ付属しておきます。

1 早津江川【管内図11】  河口近くにも津江川の仲間がある? [42269] 2県にまがたる中州

2 ちっこ川 かぱぷうさんのメーリングリスト[off:00066]により、この呼び方を知りました。


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